シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第5章【ベスタル大陸編】
第五十七話「ベスタル大陸統一戦争」


a.t.s53(皇歴53年)/4/18/??:?? ベスタル大陸

外の世界ではベスタル大陸と呼ばれているこの大陸はとある一つの大国によって急速に一つにまとまろうとしていた。アクハ帝国第12代皇帝ペリアシアン帝は技術的に充分機が熟したと考え大陸内ではセイダイケン大陸と呼ばれるこの大陸の統一に乗り出した。

 

「ついに始まったか……」

 

アクハ帝国の東に位置する小国ペルム国の王プルーム・パン・ケアは王宮の窓より王都を眺める。シーランド帝国が見れば古き良き古都というイメージを持つ王都には数万の人間が住んでいた。40年以上見て来た王都が戦火に呑まれる可能性がある事がとても悲しかった。

 

「とは言え私に出来る事は無いに等しい」

 

ペルムはこの世界では珍しい立憲君主制を採用している。その為議会が権力の全てを握っている為王が命じて何かをする事は出来なかった。それでも、議会の者も現在の状況は把握している。既にペルム国軍はアクハ帝国との国境に展開しておりアクハ帝国軍の襲来に備えていた。更にアクハ帝国に従属するトスリア公国との国境にも兵が配置され侵攻しても対応できるようにしていた。

 

 

 

 

 

a.t.s53(皇歴53年)/4/18/15:29 アクハ帝国=ペルム国国境

「チクショウ!敵の連射速度はどうなっているんだ!?」

 

ペルム国の若い兵は雨のように飛んでくる銃弾に震えながら叫ぶ。銃を持ち、横一列にアクハ帝国軍に向かって進んだペルム国軍だったが突如として銃撃を受けたのである。横一列で進んでいたペルム国軍はどんどん倒れていき彼も右腕に銃弾を受け仲間の死体に身を隠したがその間にも弾幕は続き隠れている死体が少しづつ削られていく。

既に彼の仲間や友人はその辺の死体の一つになっている。このまま敵の銃弾が続けばいずれ彼も死体の一つとなるだろう。

 

「このままじゃ全滅してしまう……!」

 

若い兵は見える範囲を見渡す。敵の銃撃は続いている為か生きている兵士は見渡らない。しかし、銃弾の音に紛れて悲鳴のようなものが聞こえてくるため生き残りはまだいると思われた。

その時、銃撃が止み静寂が訪れた。若い兵は恐る恐るアクハ帝国軍の方を見る。遥か彼方にいるアクハ帝国軍に目立った動きはない。更にその遠くに国旗が掲げられている。

 

「一体何が……?」

 

若い兵が困惑しているとドンッ!ドンッ!という音が響く。その音には若い兵は聞き覚えがあった。最近ペルム国でも採用された銃より大口径の巨大な砲、魔導砲である。

 

「不味い!」

 

若い兵は走った。ここにいては危険だと瞬時に判断したためである。先程までの右肩の痛みは感じない。今はこの場から逃げだしたいという気持ちがあったからだ。

隠れていた兵が出て来た事で再びアクハ帝国軍の射撃が開始された。体をかすめる銃弾も気にせずに走り抜ける。しかし、魔導砲の射程から出るよりも先に放たれた砲弾が着弾した。

周囲の死体諸共地面を掘り返すように爆発する砲弾に若い兵は爆風で倒れ込みそうになりながら走る。

そして、射程圏内から出たと思った時、彼の頭部を一発の弾丸が突き抜けた。

 

 

 

 

 

 

a.t.s53(皇歴53年)/4/18/15:43 アクハ帝国=ペルム国国境

「命中確認」

「ヒュー。流石帝国のエース。このくらいは朝飯前か」

 

アクハ帝国軍の狙撃手ヴェルトは野砲をかいくぐり後方に逃げおおせた兵にヘッドショットを決めるのを確認すると一言呟いた。それを聞いた相棒のラプーは軽口をたたく。事前に掘られた塹壕より横並びで前進するペルム国軍を半壊させた歩兵の跡を引き継ぐように野砲部隊が砲撃を行いそれを生き残った兵士をヴェルトなどの狙撃手が確実に仕留めて行った。

 

「しかし、ペルム国軍がここまで弱いなら攻め込んでもいいんじゃないか?」

「必要ない。軍は壊滅状態。艦隊が首都を攻撃して壊滅させれば自然と降って来る」

「降伏しなかったら?」

「徹底的に叩き潰す。らしい」

 

ヴェルトの言葉を聞きラプーはそうなって欲しいなと願いながら淡々と狙撃を行うヴェルトを見るのだった。

 

 

 

 

 

 

a.t.s53(皇歴53年)/4/19/8:10 ペルム国首都近くの海域

「司令長官。ペルム国首都パン=ケアが見えてきました」

「うむ。砲撃用意」

「砲撃用意!」

 

ペルム国軍が壊滅した翌日の早朝、ペルム国の首都が面する海域の近くには複数の艦隊の姿があった。装甲艦10隻、駆逐艦20隻というアクハ帝国海軍が誇る大艦隊であった。彼らは司令長官の指示に従い露出する回転砲塔に弾丸を込めていくと同時に標準を付ける。彼らに気付き慌てるパン=ケアに向けて一回目の一斉射撃が放たれた。首都に当たれば良いという感じで放たれたそれらはバラバラに着弾しパン=ケアに爆風と火災を引き起こす。

 

「初弾命中!なれど重要施設には着弾しなかった模様」

「よし。今の着弾から修正して一斉射撃を行う」

「はっ!」

「司令長官。敵の戦列艦はどうしますか?」

「機銃掃射で帆を狙って撃て」

「了解しました」

 

アクハ帝国艦隊はどんどんと砲撃を放っていく。停泊する戦列艦の魔導砲が届かない位置から一方的な攻撃を行う彼らの前にペルム国の首都はただ破壊され、燃えていくのみだった。

 

数時間後、艦隊は帰還し首都は焼け野原となった。国王プルームは死亡。隣国のデボンにいた王女テチス・パン・ケアを除いた王族が全て死亡した。数日後、越境を開始したアクハ帝国軍を見てペルム国は降伏。併合された。

それを見たデボンはアクハ帝国に従属しテチス王女を引き渡そうとしたが彼女は間一髪のところで船で逃げおおせる事に成功したが船は直ぐに嵐で沈み王女の行方は分からなくなるのだった。

 




ちょっと強くし過ぎたかもしれない……。シーランド帝国に取っては大差ないけど
初期では黒船来航ぐらいだったのに気づいたら日清辺りにまでなっていた


【挿絵表示】

戦争の大まかな動き

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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