a.t.s53(皇歴53年)/7/9/??:?? シーランド帝国帝都ロンドニウム
「却下だ」
ライオネスの冷たくも突き放す言葉にテチスは絶望する。手ごたえはあったはずなのにライオネスは淡々と断ったのである。
テチスは震えそうな声で問いかける。
「な、何故でしょうか?」
「単純だ。その態度が気に食わん」
「え?」
テチスは更に混乱する。一体自分の何がいけなかったのか?どうすればいいのか?答えの出ない自問自答に答えたのは意外にもライオネスだった。
「大義名分がなければシーランド帝国が信用を無くすと言うがそれだけで失う信用など最初からないも同然である。そして何より、この世界で我が国と対等に外交できる国など存在してほしくないのでな。いずれムーなどの列強は滅ぼしたいところだが……」
ライオネスはそこまで言って言葉を区切る。流石に国交を結びムーへの興味があふれている現状では滅ぼす事は出来ないだろう。やれば確実に実行前に止められる事はライオネスにも分かった。
ライオネスは立ち上がりゆっくりとテチスに近づく。宰相はこれから行われる事を理解したのか呆れたように息をつくと玉座の後ろにある扉から出て行った。
「あ、あの……?」
「なに、最近は体力がなくてな。直ぐに終わらすさ」
そう言うとライオネスはテチスの服を引きちぎった。そして、数秒遅れてテチスの悲鳴がキャメロット城中に響き渡った。
a.t.s53(皇歴53年)/7/15/??:?? シーランド帝国帝都ロンドニウム
【偉大なるシーランド帝国の臣民諸君! 我らは新たな敵と戦う事となった。ベスタル大陸にあるアクハ帝国である。余は“寛大な態度”を示したにも拘わらず彼らは“横暴な振る舞い”で拒否をしてきた。故に! そして、我らの下には彼の国に滅ぼされた亡国の姫がいる。彼女は我が国に助けを求めてきた。遠き友人となった彼女の為にもアクハ帝国は滅ぼさねばならない! 臣民諸君も我らの勝利を信じよ! オールハイルシーランド!】
この日、シーランド帝国中に歓声が上がりそれらを背にシーランド帝国軍30万とそれらを乗せた輸送船団、そして第一、第二艦隊が出撃するのだった。
キャメロット城の一室で艦隊の出撃をテチスは“濁りきった瞳”でそれらを見るのだった。
a.t.s53(皇歴53年)/7/15/??:?? アクハ帝国帝都テレスクイ
「いよいよか……」
アクハ帝国皇帝ペリアシアン帝は王宮のバルコニーから東の方を眺めながら呟いた。占領したペルム、ジュラ、ルシルの旧領には対空陣地とレーダー施設が建設されシーランド帝国を迎え撃つ準備をほぼ完了させていた。
アクハ帝国が誇る巡洋艦隊も順次出撃し周辺海域の偵察と防衛を行っている。例え敵が上陸して来ようと上陸できる場所には塹壕が掘られている。それらを陰から支援する占領地の統治も完璧に行われていた。数日前にはペルム国のレジスタンス組織を複数壊滅させており亡国の抵抗組織の力を確実に削り取っていた。
「敵は強大と聞くが……」
短い時間ながら最良の情報を集めたアクハ帝国だったがシーランド帝国とは相容れないだろうと予想がついていた。誰だって自分一強の中で近くに自国と同じ力を持つ国が現れれば嫌だろう。その為、この結果は予想が出来ていた。とは言え友好関係を築けるのならそれに越したことはなかったが。
ペリアシアン帝は未だにシーランド帝国がそこまでの力を持っているとは思えなかったが情報収集を行った者の必死の様子から信じる事が出来ていた。
僅か十数年で技術革命を起こしセイダイケン大陸において並ぶ者はいない強国となった祖国を超えるシーランド帝国。ペリアシアン帝にとっては未知と恐怖が入り混じった複雑な思いが心の中でくすぶっていた。
「願わくば我らの力で撃退できればいいのだが……」
ペリアシアン帝はそう呟くと再び東の空を眺めるのだった。
a.t.s53(皇歴53年)/7/15/??:?? シーランド帝国の某自治領
【発射一分前】
転移前は国防の要であると同時に敵を穿つ最強の矛であった弾道ミサイル。それらは転移によって使えない兵器と化しており作業員が埃を取り払うだけの日々が続いていた。
しかし、今日この日を持って異世界でもシーランド帝国最強の矛として活躍する日が来ていた。
【発射10秒前……5……4……3……2……1……発射】
アナウンスの予告通り弾道ミサイルに火がつき勢いよく空へと飛びあがっていく。それらは幾つもの煙の線を描き全てが西に向かって進んでいく。
ベスタル大陸に向かう艦隊と軍勢を支援するべく30箇所以上の目標に向かって弾道ミサイルは飛来していくのだった。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了