a.t.s53(皇歴53年)/7/15/??:?? アクハ帝国旧ジュラ共和国のとある沿岸
ジュラ共和国との戦争で野砲部隊を率いて活躍したトリケラスは対空用に改良された火槍陣地で待機していた。周囲には対空砲が等間隔に並び空から会ってくる敵を迎え撃たんとその銃口を向けていた。
とは言え、シーランド帝国から
「まだ見ぬワイバーンの為に発達した対空火器。これらが何処まで通じるのか……」
トリケラスは情報部に勤める友人から話を聞きシーランド帝国が音速を超える飛行する機械を持っている事が分かっている。情報部のそれは直ぐに上層部に伝えられたがそれを受けて研究員たちが早速飛行機械の開発に乗り出しているらしかった。
「なんで飛行機械が生まれなかったのかねぇ」
そう呟くトリケラスだが何となく想像は出来た。ワイバーンなどの飛行する大型生物は見たことが無かった。故に迎撃するのみで十分と考えてしまったのだろう。トリケラスとて火槍を実際に使うまではその運用に疑問を持っていたのだから。
「まぁ、確実に飛行機械を戦闘に出せる頃には熾烈な戦いが繰り広げているだろうけどな」
そう呟くトリケラスの耳に地響きのようなものが聞こえ始めた。彼は腰かけていたイスから立ち上がると双眼鏡を使って東の方を見る。そして、偶々トリケラスは視認する事が出来た。上空をこちらに向けて高速飛翔する槍の様な物の存在に。
「っ!? 敵の火槍か!? 対空迎撃用意!」
トリケラスは自分の部下にそう怒鳴る。それに一拍遅れて鐘がけたたましくなる。飛行生物襲来時にならされるもので事態を把握出来ていない兵士たちも対空迎撃の用意を始めた。
しかし、標準を合わせる暇もなく“それ”はやって来る。トリケラス達がいる対空陣地に落ちるように突き進んでくるのは3つ。“ただの”火槍なら十分迎撃は可能だった。
「対空迎撃開始!」
トリケラスの指示に従い自身の部下たちが一斉に砲撃を始める。空中で爆発し破片をまき散らしていくが“それ”には全く当たらなかった。
そして、一番遠い陣地に一発目がぶつかり大爆発を起こす。爆風で飛ばされそうになる中トリケラスは命令を下す。
「対空火槍発射!」
風で少しそれつつも“それ”に向かって進む火槍は運良くトリケラスの真上から向かってくるやつにあたり大爆発をお引き起こした。それに少し遅れて今度は反対側に落ちトリケラスに迎撃出来た喜びを与えさせずに砂で包み込む。
「ぐ! くそ! 被害は!?」
「砂が対空砲に入り込みましたが無事です! 兵士も全員生存!」
「よし、それなら良かった……」
トリケラスは改めて周囲を確認する。合計で百は超えていた陣地はたった二発でその大半を破壊していた。結局、トリケラスとその部下以外で生存者はおらず防衛は無理と判断し対空砲の破壊と武器弾薬の回収を指示して一人煙草を吸う。
「(あれは火槍だったな。だが、意志を持つようにまっすぐ進んでいたうえにあり得ない角度で曲がってもいた。それが可能なら火槍の地位は大幅にあがるな。実際、こちらの陣営はほぼ壊滅状態にある。しかも敵の火槍はまだまだあった。それが全ての陣地に降り注げばこちらの対空能力は失われる。……いや、首都や主要都市に落とすだけも効果は絶大だ。どちらにしろ俺たちは遠くから一方的に攻撃できる国と戦争をしているという事か……)」
トリケラスは想像を絶するシーランド帝国の力の一端を理解し軽く絶望するのだった。
そして、トリケラスの予想通りアクハ帝国の対空陣地は全て破壊された上に主要都市にも降り注ぎ指揮系統の混乱を生み出すのだった。
a.t.s53(皇歴53年)/7/17/??:?? とある海域
シーランド帝国の原子力潜水艦20隻で構成された第四潜水艦隊はシーランド帝国の艦隊の支援をするべく海中を潜っていた。
そんな彼らの前に獲物が出現する。
「識別完了。アクハ帝国の艦隊と思われます。数は約30」
「敵の主力艦隊だな。魚雷戦用意」
司令長官はすぐさま攻撃命令を下す。もしかしたら別の国の船かもしれないがこの艦隊はもう少しでシーランド帝国艦隊のレーダー網にかかる位置にまで来ていた。わざわざ艦隊に無駄弾を使わせる意味はない為撃沈を決定した。
「魚雷準備完了しました」
「うむ。発射せよ」
原子力潜水艦20隻から一斉に魚雷が放たれ一隻に数発というオーバーキルとも言える攻撃を開始するのだった。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了