シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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昨日日本国召喚の6巻と外伝Ⅰ、Ⅱを買いました。5巻だけ売ってなかったので持ってませんが。
魔王軍きっと太陽神の遣いとならいい勝負をしたのだろうなと思っていたのですが見事に予想をうち破られました。本の半分は魔王の逃亡って……。
そんな訳で多少強引な展開ですが魔王の再登場です


第六十六話「とある人物の静養」

a.t.s53(皇歴53年)/2/??/??:?? グラメウス大陸

 レッドオーガとブルーオーガを失いながらもグラメウス大陸に撤退した魔王ノスグーラは一人悩んでいた。彼は今のままではラヴァーナル帝国より与えられた使命を完遂出来ない。今攻めても返り討ちに遭うだけだろう。オーガやオークは全て失われ残っているのはゴブリンのみであった。連れて来た人間を交配させて家畜化はさせている為食料に困る心配はなかった。更に魔王ノスグーラが封印されていた間、魔物たちをコントロールしていたマラストラスがエスペラント王国と呼ばれている国を管理していた為食料事情は大分よくなっていた。

 とは言え戦力的にはマラストラスと魔王ノスグーラ以外にまともな存在はいなかった。

 

「このままではかつての時の二の舞だ……!」

 

 魔王ノスグーラは思い出す。フィルアデス大陸を征服しロデニウス大陸に逃げ込んだ人間族を滅ぼす一歩手前まで追い込んだのに太陽神の遣いによって全てを台無しにされた事を。4体いたオーガも半分まで減りそして今、全てを失った。

 

「人類の滅亡。それは諦めるしかないのか……」

 

 魔王ノスグーラは天を見上げながら呟く。ラヴァーナル帝国でないと彼らを倒す事は出来ない。自分たちでは手も足も出ない。太陽神の遣いを超えていると魔王ノスグーラは思う。

 

「……」

「魔王様」

 

 魔王ノスグーラが黄昏れていると後ろからマラストラスが声をかけてくる。魔王ノスグーラは何も言わなかったが彼の方を向いた。

 

「一度お休みになってはいかがですか?人間の管理なら私にもできます」

「そうだな……」

 

 マラストラスの意見にノスグーラは頷く。ここまで戦い続きであり今は管理をするために忙しくしていた。少し、心を休める目的も兼て休息を取るべきなのかもしれない。ノスグーラは決意した。

 翌日、マラストラスに全てを任せノスグーラは自室にて休息を取る事となるがやる事もなく暇を持て余し始めた。そこで、シーランド帝国がいないであろう場所で少し赴いてみるかと考え始めた。心の傷が治っておらず何処か可笑しくなっていた故の思い付きだったが彼は疑問に持つ事もなく行動を開始した。彼はグラメウス大陸から気付かれないように出るとフィルアデス大陸を西側から、太陽神の遣いに追い立てられた道順の逆を進むように海を泳ぐ。

 そして、彼がたどり着いたのはベスタル大陸であった。

 

 

 

 

 

 

a.t.s53(皇歴53年)/7/15/??:?? アクハ帝国帝都テレスクイ

「何故だ……。何故こうなった?」

 

 ノスグーラは()()()()()()()()()()()にて頭を抱える。彼の座る目の前には大量に積み上げられた書類の束が置かれていた。

 ベスタル大陸に付いた彼は魔力を人間並みに落とすと人間の姿に変装し街に繰り出していた。彼から見れば食料が歩いているように見えるが理性を働かせて人間のようにすごしていた。そして、僅か数日で賭博に入り浸るようになり持ち前の身体能力を十分に用いてイカサマをしたり逆に相手のイカサマを見抜き大金を稼いでいた。彼が数日で稼いだ金額だけで小さなとばく場は幾つも潰れ大きい所も甚大な被害を受けていた。

 そうしているうちに気付けば賭博を好んでいたアクハ帝国のとある政治家と意気投合し彼に助言を行うようになっていた。

 

「ワイバーンはそれなりに厄介だぞ。他の大陸ではワイバーンを持っていない国などいないからな。大国になるとロードという上位種がいる(太陽神の遣いやシーランド帝国というアイツらには通用しないがな)」

「レーダーは多い方が良いぞ。敵の動きを事前に察知すればそれだけ選択肢が増える。それと通信手段だな。魔信は内容だがこの無線?という物をもっと発展させればいけるかもしれんぞ(それと同時に敵を侮らない事も重要だ)」

「あ? 船はどうかって? んなもんしるか。ただ海魔と呼ばれる魔物もいる。水中の敵に攻撃出来る手段は必要だ(太陽神の遣いはどうだったか覚えていないが……、シーランド帝国は持っているだろうな)」

 

 このように助言を行っている内に政治家に連れられて行政府に出入りするようになった。科学が発展し、魔力を感じる技術がない為明らかに異様な魔力を持っているノスグーラに気付かなかったのも原因の一つである。知っていればそもそも出入りを許さないだろう。

 そうして気づけば部屋を与えられ文官のまねごとをするようになっていたのである。とは言え彼も命が脅かされないこの生活を気に入り始めていた。

 

「この大陸にシーランド帝国の影響はない。まさに最高の場所だな」

 

 ノスグーラがそう言った時だった。何かが空を切り裂く音が響いたと思ったら近くに何かが衝突し爆発した。一瞬の事だったが彼の部屋の窓は爆風で吹き飛び彼に襲い掛かるが直ぐに防御魔法を使って無傷だった。

しかし、割れた窓から見える景色からノスグーラは自分の平穏が無くなりつつあるのを悟るのだった。

 

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了

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