主要都市のほぼ全てを破壊され国家としての機能を失ったアクハ帝国は僅かな生き残りを集めてシーランド帝国が開く講和会議に出席した。とは言ってもシーランド帝国の要求を突き返す国力は残っていない彼らにとっては悔しい結果となるだろう。
事実、シーランド帝国が要求した内容は以下の通り最悪なものだった。
○アクハ帝国は帝国を解体する。
○アクハ帝国内で独立を希望する者達はシーランド帝国の保護下において独立を認める。
○アクハ帝国は現在保有する全ての技術をシーランド帝国に譲り渡す。
○アクハ帝国はシーランド帝国が決める範囲外の技術の開発、研究、売買をしてはいけない。
○アクハ帝国は賠償金として毎年の国家予算から3割をシーランド帝国に支払う事。
○アクハ帝国は固有の軍隊を持つことは永劫に許されず、国防の全てをシーランド帝国軍にゆだねる事。
○アクハ帝国はシーランド帝国が許可を出す国家、地域、組織以外との交流を持ってはいけない。
○アクハ帝国は国内に持つ全ての資源をシーランド帝国に譲渡する事。また、新たな資源が発見された際も同じようにシーランド帝国に譲り渡す事。
突き付けられた要求を全て呑めばアクハ帝国は国家として完全に崩壊するだろう。更に賠償金に関しては期限が一切決められていない為アクハ帝国が存続する限り永遠と搾り取られる事を意味する。
怒りをあらわにしそうになるアクハ帝国側の関係者だが自分たちは滅びかけの国家の代表である。相手の要求を呑む以外に出来る事など存在しない。
【シーランド帝国は現時刻を持ってアクハ帝国との戦争終結を宣言する!】
皇帝ライオネスの公式発表により8月2日、アクハ帝国との講和がなりベスタル大陸での戦争は完全に終結した。更にこの講和内容が公表されるとアクハ帝国と言う泥船から逃れようと様々な諸侯が独立を宣言していき、アクハ帝国の領土は10分の1近くまで縮小する事となる。更に沿岸部は完全に喪失し、ベスタル大陸外に進出する事も不可能となり、アクハ帝国は帝政を解体し、様々な政治形態を試しながら復興を進めていく事となる。
一方の独立した諸侯たちだが真の独立へと至る事はなかった。シーランド帝国は独立を宣言した諸侯たちを属国として組み込むとアクハ帝国とは別の要求を突き付けた。
○諸侯はシーランド帝国の属国となる。
○諸侯はシーランド帝国が決める範囲外の技術の開発、研究、売買をしてはいけない。
○諸侯は固有の軍隊を持つことは永劫に許されず、国防の全てをシーランド帝国軍にゆだねる事。
アクハ帝国よりは軽いものの諸侯たちにも似たものがつきつけられた。諸侯にも技術規制を強いる辺り、シーランド帝国に与えた影響の大きさがうかがえる。それだけベスタル大陸での技術革新を警戒している表れだった。
そして独立を宣言してしまった諸侯はこれらの要求を呑むしかない。吞まなければシーランド帝国軍によって滅ぼされるのだから。実際、複数の諸侯が拒否して当日中に滅ぼされている。最終的にアクハ帝国から独立したのは5つとなった。それ以外は吸収・滅亡・撤回を行い次々と脱落していった。
これらの国々はシーランド帝国が許可を出した技術内で細々と国家運営を行っていく事になる。また、アクハ帝国が保有していた海軍基地はシーランド帝国海軍の基地として再利用される事となり、その周辺は関係者以外立ち入り禁止区域となっていく事になる。
また、デボンにおいては諸侯やアクハ帝国のような技術規制は受けつつも大分緩いものであり、ペルムと並んでベスタル大陸内で最も発展した国家へと成長していく事になる。トスリア公国は諸侯と同じ要求が突き付けられつつもシーランド帝国の海軍基地が大量に置かれた事でその恩恵を受けて他の諸侯よりはマシ程度に国力を伸ばす事に成功する。
アクハ帝国に一度は滅ぼされたルシル王国とジュラ共和国はシーランド帝国から返還された領土の復興を行っていくがシーランド帝国の半属国と言える立ち位置となりベスタル大陸でブリアンカ共和国と並んで数少ない独立国となった。アクハ帝国と不可侵条約を締結しつつもベスタル大陸統一戦争、シーランド帝国との戦争において中立を維持したブリアンカ共和国は立地的重要性からシーランド帝国と同盟を結ぶ事となり、シーランド帝国勢力圏の西の出入り口として栄えていくことになる。
a.t.s53(皇歴53年)/8/11/??:?? ベスタル大陸某所
「やっと大陸の混乱も収まって来たな」
アクハ帝国から独立を果たした諸侯の一つにある海軍基地にて一人の若手仕官がそう呟いた。ここ一週間ほどは講和後の混乱で忙しく、今日になって漸く落ち着けるようになったのだ。尤も、海兵である彼よりも陸軍の方がもっと忙しくしていたがそんな事は彼の知った事ではなかった。
「それにこれで俺達にちょっかいを出すような国もなくなっただろ」
この世界に転移して1年と半年で立て続けに戦争が起こり、そのどれにも勝利をしてきたがさすがに勢力圏が一気に拡大しすぎていた。これ以上の拡大は人員不足が起こり、維持する事も困難になるだろう。
だがアクハ帝国を滅ぼしたことでこれ以上シーランド帝国を脅かす国は存在しない。神聖ミリシアル帝国やグラ・バルカス帝国のような強大な国家は存在するがそれらと戦争になる可能性は今のところ低い。少なくとも数年は戦争にならないだろう。
「祖国が勝利して力を増していくのは良いけどそろそろ一休みもしたいよなぁ……」
若い士官はそう呟きつつ今日の分の仕事にかかっていく。転移後のシーランド帝国では珍しい、戦争に関する任務がない平穏な日の出来事だった。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了