シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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ちょっとした最新話のネタばれ?があるので注意してください
そして今後は4巻の内容に入っていくわけですが何故か4巻だけ手元にありません。ここだけウェブ版を参考にしたり休日に探すなりして対処する予定です。なので書籍版と違った話になる可能性もあるので注意してください


第七十二話「戦間期5-2」

a.t.s53(皇歴53年)/11 /10/??:?? フィルアデス連邦西部

 数日前に神聖ミリシアル帝国の帝都ルーンポリスを出発した使節団はシーランド帝国の属国となったフィルアデス連邦西部の都市に到着しようとしていた。ここで彼らが乗る天の浮船と呼ばれるゲルニカ35型の燃料となる魔石を補給する予定である。これはフィルアデス連邦東部の空港でも同様に行われる予定であり、それが終わればいよいよシーランド帝国の本土であるブリテン島に着陸する事となる。

 

「ふぅ、しかし第三文明圏は遠いな」

 

 着陸態勢に入る事でシートベルトを締めるフィアームは苛ただし気に呟いた。第三文明圏を土地が広いだけの低文明の集合体と見下している彼女にとって態々こちらから出向く理由が理解できなかったのである。皇帝の命令でなければ断っていただろうと誰もが予測できるくらいには今回の使節団への参加は不服だったのだ。

 とは言え彼女の隣に座るライドルカは情報局員と言う事もありシーランド帝国の実力をはっきりと理解していた。無論、完全に理解できている訳ではないが最低でも自国と同等の軍事力を有しているとは予想していた。実際、彼の上司であるアルネウスも同じ意見であり、彼に対してシーランド帝国の力を少しでも見抜く様に言い聞かされていた。

 

『間もなく着陸します。なお、都市周辺にはシーランド帝国軍が駐留しておりますが事前に通達済みであるためご安心ください』

「シーランド帝国軍? こんな所にもいるのか?」

「フィルアデス連邦となったとは言え西部国境は変わっていません。その為この地に軍が駐留しているのではないですか?」

 

 フィアームの呟きにライドルカは答える。実際、この都市から西に少し行けばパンドーラ大魔法公国が存在する。まさに西部国境の重要都市と言えた。

 

「私としてはシーランド帝国の軍隊が見れる訳ですし楽しみではありますな」

 

 そんな二人の会話に入って来たのは技官としてこの使節団に同行したベルーノである。彼としてはシーランド帝国軍が用いる兵器に興味があるためむしろ幸運と感じていた。

 そしてそんな三者三様の思いを乗せたゲルニカ35型は都市部郊外に位置する、シーランド帝国軍の基地と化した空港に着陸した。そこには戦車を始め多数の軍用車両が配備されていた。

 

「これは……!」

 

 そして何より、神聖ミリシアル帝国の使節団を驚かせたのは10を超えるジェット戦闘機の姿であり、フィアームは洗練された航空機に茫然とし、ライドルカはその実力を知っている事から冷や汗をかき、ベルーノは祖国では理論上の段階でしかない後退翼のジェット戦闘機に大興奮していた。

 

「凄い凄い! アルパナ殿! あれは音速を超える事を想定した戦闘機ですぞ! 是非ともあれが動いている姿を見てみたい!」

「ベルーノ殿、落ち着いてください。見ればわかります。ですがここは見ての通りゲルニカ35型が着陸すれば滑走路は埋まる小規模なものです。恐らく離陸する時でしか見れないと思いますよ?」

 

 ベルーノの隣に座っていたアルパナは肩を揺さぶられて若干の酔いを感じつつ冷静に返答する。彼もあれが戦闘機であろうことは理解できる。そしてあれは自分たちの天の浮船より高性能であろうことも。それゆえに、彼は文明圏外国と言う認識を改め、シーランド帝国を自国と同等の大国として認識するようになっていた。

 無事に着陸した後は神聖ミリシアル帝国側の人間による主導のもと魔石の交換が行われる。その様子をシーランド帝国の軍人たちは興味深そうに見ているが邪魔をする気は内らしくあくまで遠目から伺うのみだ。

 

「……彼らの様子から見てもシーランド帝国は魔力を使わない、ムーのような純粋な科学技術の国家の様ですね」

「こうして見ても信じられんな。科学技術とはそこまで進化するのか?」

「分かりませんぞ。我々の扱う魔導技術も古の魔法帝国が使用していたから可能性があると分かっているだけで科学技術も同様の可能性があるという事でしょう」

「そうなると彼らは自力でここまで発展させたというのか? そんな国をパーパルディア皇国が見過ごすとも思えんが……」

「彼の国は転移をしてきたという話も聞きます。もしかしたら本当の事かもしれませんよ? 若しくは圏外文明国から流れて来た技術かもしれませんよ?」

 

 文明圏に所属していない国家でも一つの例外がある。それは様々な理由で世界に知られていない国家が所属する圏外文明国だ。過去にはこれらによって大災厄が起こっており、基本的に対応は最寄りの列強国が対応する事となっていた。それをシーランド帝国が勝手に接触なり略奪するなりして技術を発展させた可能性もあるとベルーノは予測を建てたが本人は直ぐに否定した。

 

「いや、流石にそれはないな。この戦闘機だけではなく他の兵器や乗り物を見ればわかる。これらは他所から奪ってきた兵器ではない。自分たちで工夫・改良・製造して造られた努力の結晶体だ。少なくともシーランド帝国はこれらを作り出せる技術力を持っているという事だ」

 

 ベルーノの予測が正しければ古の魔法帝国の遺産に頼り切り、自分たちで発展させる事をしていない神聖ミリシアル帝国より上という事になる。実際、これらを見ただけでも軍事力においては神聖ミリシアル帝国を超える事が分かる。

 フィアームを始め、使節団はシーランド帝国と言う国に対する恐怖心を抱く事になるがそんな一行を乗せゲルニカ35型はシーランド帝国本土に向けて再び空へと舞い上がるのだった。

 




早速出て来たばかりの圏外文明国を取り入れました。とは言っても話に出てきた程度ですが……

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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