シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

73 / 117
4巻が家にない……。実家にあるんだ……(家から車で一時間以上の距離)


第七十三話「戦間期5-3」

a.t.s53(皇歴53年)/11 /16/??:?? シーランド帝国領ウェールズ首都カーディフ

 フィルアデス連邦でシーランド帝国軍の力の一端を垣間見た神聖ミリシアル帝国の使節団一行は二度の補給を得てシーランド帝国の本土にして国家としての中核、ブリテン島にたどり着いた。彼らが着陸したのはシーランド帝国の自治領となっているウェールズの首都カーディフであり、自治領都は思えぬほどの発展具合に使節団は目を丸くして驚いていた。

 

「シーランド帝国の力は知ったつもりでいたがそれすら超えて来るか……!」

 

 出発前は文明圏外国と何処か見下していたフィアームはフィルアデス連邦での補給時に見たシーランド帝国軍の姿を見て彼らの力を知った気になっていた。しかし、実際にはそれすら彼らの力の一端でしかなかった。カーディフと言う町は歴史を感じさせる古い街並みを揃えつつ近代的な摩天楼が聳え立つ大都市だ。シーランド帝国最初の自治領と言う事もあり、イングランド直轄領並みに投資が行われている。結果として大都市はコンクリートジャングルを有するようになり、地方都市ですら海外自治領の首都並みの発展具合を見せていた。

 

「シーランド帝国にも自動車が普及している様ですな。……しかも我々の物よりも洗練されている。我々が勝っている点は魔導技術くらいでしょう。フィアームさんはどう思いますか?」

「魔導技術も使わずにここまでの発展を見せる。正直に言えばこの国の国力が非常に読みづらいというのが本音だ。恐らく我々よりムーの方がシーランド帝国の国力を正確に読み取れるかもしれんな」

「その結果として友好関係を築いたのではありませんかな?」

「……そうか。そう言えば彼の国は、いや……。第二文明圏は既にシーランド帝国と友好関係にあったな」

 

 第二文明圏でシーランド帝国に最初に接触を果たしたムーは同じく科学技術のみで発展している事から、シーランド帝国の実力を瞬時に理解した。所々自分たちでは分からない技術などもあったがそれはそれだけ技術の差が開いている事を示しており、ムーは直ぐにシーランド帝国との友好関係の構築に乗り出した。

 結果としてムーが同じ地球から転移して来た伝説の大陸だった事から友好関係の構築は思いのほか上手くいくことが出来た。現在ではグラ・バルカス帝国に滅ぼされたレイフォルとパガンダ王国以外の国家はシーランド帝国との関係を構築している。グラ・バルカス帝国を封じ込める意味合いもあってムーを含む全ての国々がシーランド帝国の独立保証を受けていた。独立保証をしている国が第三国に宣戦布告された場合にはシーランド帝国軍がその第三国に攻め入るというものであり、軍事行動を制限させる意味合いがあった。

 

「エモール王国もいつの間にか交流を持っていますし我らは大分出遅れましたな」

 

 いくら世界最強の国家としてのプライドがあったからと言って相手が悪すぎた。第二文明圏はシーランド帝国との友好関係を築き、エモール王国は第一文明圏で唯一国交を持つ国家として優位に立っている。シーランド帝国も()()()()()()()()()()()()()()と言う風に考えるようになるだろう。

 

「とは言え我らは出遅れたが手遅れになった訳ではない。ここからシーランド帝国との関係を構築するぞ」

 

 フィアームは使節団として訪れた事を幸運と捉えた。でなければ世界最強と言うプライドで凝り固まり、正常な判断が出来なくなっていっただろうから。そう意味ではシーランド帝国の報告書を提出する際にはありのままを書いても信じてはくれないだろうな、と自分がそうであったが故に上層部の対応が簡単に想像が出来て憂鬱な気分となるのだった。

 

 

 

 

「神聖ミリシアル帝国の皆さま。態々我がシーランド帝国までお越しいただきありがとうございます。今回、我が国の説明をさせていただくマーク・サイモンと申します」

 

 シーランド帝国側の代表として一人の老人が話を始める。老いているとは思えない程鋭い眼光に威圧すら感じる風格。まさに歴戦の猛者と言う言葉が相応しい人物だった。

 フィアームは交渉の場であればいい様にやられていたかもしれないと感じつつもそれだけの人物が対応してくれていると感じ傷ついた心が少し癒されるのが分かった。

 

「早速ですがこちらをご覧ください。先ずは我が帝国の帝都ロンドニウムに出発する前に文化、法、規則などを説明させていただきます。これは神聖ミリシアル帝国の皆様方が不注意でそれを犯さないようにするためです」

 

 国によっては独自のしきたりも存在する。弱小国家ならいざ知らずお互いに()()であり憎しみあいそうな不穏な芽は予め摘んでおく必要があった。神聖ミリシアル帝国としてもシーランド帝国の尾を知らぬうちに踏みつけるような真似はしたくはない。使節団は真剣な表情で頷いた。

 そこからマーク・サイモンによるシーランド帝国での注意事項が説明された。使節団は様々なシーランド帝国の洗練された法令に驚きつつもシーランド帝国におけるタブーを理解し、万全の状態でもってカーディフを出てロンドニウムに向けて出発するのだった。

 




明日も更新できるかは分かりません。十中八九出来ないと思いますが

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。