シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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何か書けた


第七十四話「戦間期5-4」

a.t.s53(皇歴53年)/11 /16/??:?? シーランド帝国帝都ロンドニウム

 シーランド帝国の帝都にして同国最大の都市。ブリテン島の中心地にしてシーランド帝国における最先端の地。そこに今フィアーム達神聖ミリシアル帝国の使節団は足を踏み入れた。とは言ってもカーディフから通じている鉄道から町並みを見ているだけであるが。

 それでも、自らの帝都ルーンポリスとは比べ物にならない大都市にもはや使節団は声も出ない。だが、ただ一人だけ。フィアームだけは不敵な笑みを浮かべた。

 

「ハハハ……。ここまでくれば笑ってしまうな……。ライドルカ、私は思い知らされるよ。世界にはこんな国が、都市があるのだな」

「フィアームさん……」

 

 ライドルカはフィアームの様子を見て心が壊れたのではないかと心配するが彼女は何かを見据えた瞳を持ち、真剣な表情で続きを話し始める。

 

「ならば我らも学べばいいのだ。古の魔法帝国の遺跡を解析してその力を実用化する事で祖国は世界最強の座へと就いた。今回も同じだ。シーランド帝国の方が我らより強く圧倒的であるならば彼らから様々な事を学び、得て、自分の力にすればいいのだ。ライドルカ、神聖ミリシアル帝国の未来はシーランド帝国との関係がどうなるかにかかっているぞ」

 

 まるで子供のような何処かキラキラとした瞳で語るフィアームの言葉はライドルカの胸にすとんと入って来る。実際にそうなのだ。神聖ミリシアル帝国がムーのように自力で魔導技術を発展させてきたのならシーランド帝国を見てもプライドを潰されてお終いだっただろう。しかし、神聖ミリシアル帝国は元々古の魔法帝国の遺跡の恩恵で強大になった国家である。猿真似や劣化コピーが精々でも世界最強の座に至ったのだ。それだけ古の魔法帝国は強大な国家であったと言える。

 ならば今度はシーランド帝国をその対象にすればいいのだ。技術を学び彼らを模倣し、自分たちにあう様に改良を施していく。中には劣化コピー程度しか作れない物もあるだろう。しかし、古の魔法帝国の遺跡とは違いどうしてそうなったのかを理解できる現物をシーランド帝国は持っている。修正はいくらでも可能だ。勿論これらは神聖ミリシアル帝国がシーランド帝国との友好関係を構築できたらの話ではあるが。

 だからこそ外務省の外交官であるフィアームの責任は重大と言える。最初に公式で接触する外交官なのだ。彼女の態度次第では関係構築も水泡に帰すだろう。

 

「そのためにはやはりこの国の皇族との関係を深める必要があるな。確かこの国には皇帝の親族が沢山いたはずだな?」

「え、ええ。我々(情報局)が調べた限りですと皇帝の弟と妹が分家を形成しています」

「つまり人数はいるという事だ。陛下に許可をもらう必要はあるが政略結婚などの結びつきも考えた方が良いな」

「それはきちんと我々の任務を果たしてからでもいいのではないですか? それに数世代先の孫も溺愛する陛下が納得するかどうか……」

「確かにな。陛下は孫を大切にしているからな」

 

 フィアーム達はそんな話をしながら残り少ない鉄道の旅を楽しんだ。

 その後は皇帝と皇太子に謁見をし、自分たちの目的を伝え先進11ヶ国への参加を要請した。それは国際的信用を得るには手っ取り早いものであり、皇帝ライオネスは快諾。詳しい説明や日程を伝え、使節団は帰路へと就いた。

 使節団の表情は様々だが行きのような何処か面倒くさい空気は感じなかった。全員がこの国で知り、学んだ事を自国に活かそうと、そして理解してもらおうと脳内で考えていた。そして、全員の表情は何処か希望を感じる明るい雰囲気でもあった。

 

 

 

 

 

 

a.t.s53(皇歴53年)/11 /18/??:?? シーランド帝国帝都ロンドニウム

「先進11ヶ国会議か……」

 

 ライオネス・ロバーツ・ペンドラゴンは自室のベッドに横になりながら二日前に聞いた内容を思い出していた。先進11ヶ国会議はまさに旧世界における国際連盟と同じような物であり、世界中が見守る物となるだろう。

 

「我が国はついに国際社会に打って出るという訳だな。まぁ、既に出ている様なものではあるがな」

 

 第三文明圏は支配下に置き、第二文明圏ではグラ・バルカス帝国勢力圏以外の国々との交友関係を持ち、第一文明圏でもエモール王国と国交を持ち、神聖ミリシアル帝国すらもこちらに興味を持っている。関係がない、興味がない国はアニュンリール皇国くらいであろう。

 

「我々は東方世界を支配下に置いたがまだ足りない……! 第一文明圏を飲み込みいずれは第二文明圏も屈服させる! そうすれば前の世界では叶わなかったシーランド帝国による覇権を確立できる! そうなれば……っ!」

 

 ライオネスは興奮のせいか痛み出した頭を抑える。最近多くなって来た頭痛はライオネスから正常な判断と睡眠を少しずつ奪っていたがまだまだ現役で皇帝として君臨できる状態ではあった。しかし、今回のはあまりにも酷かった。数分で痛みが引いたとはいえこれが続くなら考えねばならないと思いつつ眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが永遠の眠りになるとも知らずに。

 




次回から4巻の内容、と言うか先進11ヶ国会議らへんの話になります。つまり第6章です

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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