――教えてくれるかな?君の事を
総理からそう言われたヴォルフ・ヘイズことリンクス。彼は語りだした。自分がどうして人類種の天敵と呼ばれているのかを。
此処とは違う歴史を歩んだ未来の地球。そこがリンクスの世界だった。なぜ、違う歴史を歩んだかと言うとそもそもリンクスの世界には悪魔や堕天使、天使に他の神々は存在しないためだ。
彼の世界には十数メートル程の機動兵器が存在していた。それはMT(マッスルトレーサー)を発展させた汎用型人型機動兵器アーマード・コア。コジマ技術の力と人と人間を繋ぎ脳で情報を処理するシステム、AMSシステムを採用したアーマード・コアネクストが存在していたのだ。
リンクスが生まれる前、まだ国家が存在していたそうだ。その頃は企業や国の依頼を受けた傭兵…レイヴンがアーマード・コアを用いて傭兵業務を請け負っていた。しかし、アーマード・コアネクストを二十数機用いた国家解体戦争でレイヴンの時代は終わりを告げる。
アーマード・コアネクストはコジマジェネレーターを動力源としており、普通のアーマード・コアと比べると正にスーパーロボットと言える程の力を持っているのだ。
ネクストはコジマ技術のお陰でプライマルアーマーと呼ばれる防御皮膜を用いて、殆どの実弾兵器を無効にする。プライマルアーマーは実在の装甲ではなく、コジマ粒子が見えないバリアーと成った物であり攻撃を受け続ければ剥がす事が可能だが、時間の経過と共に回復して再び展開も出来る。
そのプライマルアーマーを攻撃に転用し、光の衝撃波としてコジマ爆発を起こして辺りを破壊するアサルトアーマーと呼ばれる必殺技も存在する。アサルトアーマーの破壊力は絶大だが、プライマルアーマーを攻撃に転用するので少しの間は丸裸に成ってしまうのだ。
更にコジマ粒子を発生させるジェネレーターのお陰で、無尽蔵と言えるエネルギーを誇り、ブースターも使い放題でビーム兵器も使い放題。しかも、AMSで身体と機体を繋ぐために生身のような動きも可能だ。だが、ネクストは欠点として重度のコジマ粒子による環境汚染、更にはAMSの適性が無ければ乗れないという欠点を抱えていた。
しかし、その圧倒的な性能で、多くの企業達は僅か二十数機のネクストとそのパイロット達だけで世界中の国々を文字通りに解体させた。この戦争を国家解体戦争と呼ぶ。
国家解体戦争から暫くし、一人の翼を捥がれたレイヴンがコロニー・アナトリアのネクスト乗りに成った。しかし、レイヴンは伝説と言える程の操縦技能を持っていたがAMS適性は低かった。
『レイヴンは時代遅れだ』
『雑魚が』
『時代遅れの老い耄れが!!』
多くのネクストのパイロットが彼を侮辱した。当然だがレイヴンが活躍し伝説のパイロットと言えたのは、普通のアーマード・コアが活躍してた時だ。リンクスが主役の今でAMS適性が物凄く低いレイヴンはバカにされたのだ。
しかし、そうではない人も居た。
『良い腕をしている。お前との出会いが違っていたらな…』
『流石だなレイヴン』
中にはレイヴンに敬意を示し、その腕も認めるパイロット達も居た。ヴォルフ・ヘイズの育ての親でありオペレーターだったセレン・ヘイズもその1人である。
事実、レイヴンのAMS適性は低かった。しかし、その技量や駆引きは健在だ。その圧倒的な強さで立ちはだかる全てを破壊した。勿論、ネクストを操るパイロット達も。
『ふざけるな!!ふざけるな!!たかがレイヴンごときに俺が!!』
『嘘でだ!!そんな…こんな筈じゃ!!』
リンクス戦争。後にそう呼ばれた戦争で、レイヴンは17人程のネクストのパイロット…リンクス達を殺した。
いや、それどころか当時では一国以上の影響力を持っていた企業さえもレイヴンは殲滅した。勿論、1人で。
そして…レイヴンと同じくイレギュラーと呼ばれるパイロットがもう1人居た。その人物はジョシュア・オブライエン。最も理想的なリンクスと呼ばれ、高いAMS適性に高い技量を持ったリンクスである。機体はホワイト・グリントと呼ばれるネクストであり、機動力に優れた物だ。
彼とレイヴンは時には協力し合い時には敵として戦った。しかし、その仲は友好的で戦友と呼べる物だった。
リンクス戦争も終結し、レイヴンも傭兵家業を引退しようとした。だが、事件は起きた。
『遅かったな…言葉は不要か』
ジョシュアがコジマ汚染もパイロットの負担も可笑しい程にヤヴァイ、性能が高すぎて曲がると眼球が飛び出る程のGがかかる機体 プロト・タイプネクスト アレサに乗ってアナトリアを襲撃したのだ。
と言うのも、ジョシュアは自分の意思でアナトリアを襲撃したのではない。ジョシュアは故郷を人質に取られ、家族と故郷が惜しければアレサに乗ってアナトリアを襲撃しろと命令されたのだ。
ジョシュアの故郷と家族とを人質に取ったのはオーメル・サイエンス。未だ影響力が絶大な企業であり、オーメルはイレギュラーであるジョシュアとレイヴンを消すことを決めたのだ。
当然、レイヴンはアナトリアに住まう人々を逃がすためにネクストに乗りジョシュアと逃れられない戦いを行う。結果はレイヴンの勝ちだった。だが、アレサの負荷に耐えられずジョシュアは死亡。
『なんだ…未だ生きているのか』
しかし、そこにオーメルの秘蔵っ子である天才リンクス セロが襲撃。そう、オーメルは確実にレイヴンとジョシュアを殺すためにセロを近くに待機させていたのだ。だが、セロは本気に成ったレイヴンの怒りの猛攻を受けて僅か数秒で機体を破壊され死亡。
その後、レイヴンはジョシュアを弔い、自分のオペレーターだったフィオレ・イェルネンフェルトと共にアナトリアの難民を引き連れて姿を消した。
だが世界は国家解体戦争、リンクス戦争。ネクストが活躍した2つの戦争のお陰で汚染されてしまい、企業は未だ汚染されていない上空にクレイドルと言う空に浮かぶコロニーに選ばれた人々を乗せて生かす選民思想の世界に成った。
この時代では企業の恩恵を受ける人々はクレイドルに住んでおり、完全に地上を見切ってると言えるだろう。しかし、徐々に空も汚染されており、このままでは数百年も経たない内にクレイドルもコジマ汚染の影響を受けてしまいかねないのだ。
リンクス戦争から17年。リンクス戦争後に産まれたヴォルフは汚染せれた地上のスラムで産まれ、元凄腕のリンクス セレン・ヘイズに拾われて育った。
セレンの元で育ったヴォルフは企業連の管理するカラードと呼ばれるリンクスに成り、一端でフリーランスのリンクスとして活動し、やがては企業連に反抗する勢力オルカ旅団の一員と成った。
しかし、ヴォルフは悩んでいた。本当にオルカ旅団のプランで人類を救えるのかと?ヴォルフがオルカ旅団のリーダー マクシミリアン・テルミドールから聞いた話では人類を宇宙に進出させて救おうと言う話だ。しかし、その間の混乱で新しい戦争が起きて人類は何度も争いを繰り広げる事に成るだろう。
『よお、首輪着き。クレイドルを襲撃する、付き合えよ。
革命なんざ殺すのもおなじなのさ。オルカの遣り方は温いんだよ』
そして悩んでいた時に、オルカ旅団の中でも過激な男だったオールドキングというリンクスに声をかけられる。オールドキングは必要ない殺人も平気で殺る程の男だった。
『わかった。良いよ』
ヴォルフは自分なりの結論を出し、その誘いに乗った。いや、厳密には違う。ヴォルフは自分で人類を救う手段を思い付き、それを行う為にオールドキングの話に乗ったのだ。
それ故にヴォルフはセレンの側を離れる前に置き手紙を残していた。
《セレンへ。僕は今からオールドキングと共にクレイドルを破壊する。だけど、アイツの同じ様な殺人快楽者には成らない。
クローズプランを成し遂げても必ず、新たな戦いが起こる。そうなれば、クレイドルを数機破壊する以上の犠牲者が出る。いや、クレイドルの人達は今の地上じゃ生きられないし、墜落の衝撃で大勢が死ぬ。
それじゃあ、どうするのかって?人類を1つに纏めたら良いんだよ。そのためには人類共通の敵が居る。だから僕は人類を纏める為に最悪の犯罪者に成ってやる。
そうすれば、人類は人類の天敵と成った僕を殺す為に団結する。僕が死ねば、人類はお祭り騒ぎで平和に動き出す。だからさセレン、僕が敵に成ったらどんな手段でも良いから僕を殺してくれ。そして、人類を導いて。
最期に母さん…育ててくれて、戦う術をくれて、愛してくれてありがとう》
『バカやろう!!お前がそんな道を選ばなくても良かっただろうに!!バカ息子が!!』
セレンが手紙を読み終えた直後、クレイドル03はオールドキングとヴォルフの手で破壊された。
その3日後、企業連はオールドキングとヴォルフを殺す為にランク1からランク4までのリンクスを招集し、2人の抹殺を図る。だが、ヴォルフは真っ先にランク1オッツダルヴァを抹殺、その直後にオールドキングをレーザーブレードでコックピットを貫いて抹殺。その後、圧倒的な力でランク2からランク4のネクストを戦闘不可能まで破壊し、何処かに去った。
その後、再び現れたヴォルフはラインアークで建造されたロールアウト間近の最新鋭のネクスト ホワイト・グリント3号機を強奪。その後はホワイト・グリント3号機を愛機にして世界に宣戦布告。
『僕はこれより哀れな全人類を順番に抹殺する。生きたければ、僕を殺してでも停めろ』
と告げて再びクレイドルを襲撃。更に王小龍という凄腕のリンクスも抹殺。彼は正に世界の敵に成り、世界はヴォルフ・ヘイズという天敵を殺すために1つに成ったのだ。
ヴォルフに勝てるリンクスは既に居ない。いや、1人だけ存在する。アナトリアの難民と共にラインアークに潜んでいたレイヴンだ。
レイヴンはヴォルフがオルカ旅団に入る前、引退する為に死を偽造するように愛機であるホワイト・グリント2号機(一番有名なホワイト・グリント)を戦闘中に海に沈め、戦いから外れて生きてきた。
しかし、彼はセレンからヴォルフの真実を話され、更に真実を知らずヴォルフを殺す為に団結した人々に懇願されて再び立ち上がる。遺されたジョシュアのホワイト・グリント(通称ジョシュアグリント)に乗り込んで。
ジョシュアグリントに乗ったレイヴン、ホワイト・グリント3号機に乗ったヴォルフ。最強のレイヴンと最強のリンクスの戦いは3日3晩続き、ヴォルフはレイヴンを追い詰めるが…参戦したセレンの不意打ちな攻撃で3号機のコアを破壊され、ホワイト・グリント3号機と共に海に沈んで消えたのだ。
その後、世界はヴォルフの思惑通りに1つとなり、世界は平和に成ったのだ。平和の為に人類の天敵に自分から成った少年の事を知らずにである。
「まあ。僕の人生はこんな感じかな?」
と語り終えたヴォルフ。平和を願うために余りにも酷すぎる人生である。
「うぉおおおおん!!なんて酷い世界なんだ!!俺達が住まう日本はそんな事は無い。今からでも幸せになってくれ!!」
総理、ガチ泣きである。いや、総理だけではない…カービィや金剛、めぐみんやレミリアもガチ泣きしてる。
「なんなのよ!この運命!嘘だと思ってみたらマジじゃない!!」
「酷すぎです!!ヴォルフが何をしたって言うんですか!」
「ぽよぉぉ!!」
「可哀想デース!だったら、私の事はお姉ちゃんって呼んで良いデース!!」
と金剛が自分の事は姉と呼ぶように言うと…
「だったら、俺の事はお父さんと呼んでも良いぞ!」
「私の事も妹のように思っても良いですよ!!」
総理にめぐみんが続いて、ヴォルフの家族が増えたのだった。
(総理が一番ヤヴァイ運命じゃない!!なによ!仮面ライダーってレベルじゃなく、マジもの神様も殺せるじゃない!!)
レミリアちゃま、総理の運命を見てしまい言葉を失う。
更に3日後。
聖堂教会及び天使はコカビエルの討伐とエクスカリバーの奪還の為に、2人のエクソシストを日本に派遣した。
「此処が日本か。確かイリナの故郷だったな」
「そうよ、ゼノヴィア」
やって来たエクソシストは2人、それもベテランではなく一誠や匙と歳の変わらない少女だ。とは言え、2人はピチピチの戦闘服を着ており、ナイスバディの為か多くの人の視線を集めている。
少女2人で大丈夫なのか?と心配する声も有るだろう。だが、ナルトのように若くしても強い人物は多く彼女達もそんな風に年代離れした猛者なのかもしれない。何せ、聖堂教会のお墨付きだったのだから。
「税関はアッチね」
「そうだな」
1人はツインテールで、もう1人は青い髪をしている。ツインテールの少女は紫藤イリナ、この日本で産まれたエクソシストであり海外を拠点にしてたのだ。青い髪の少女はゼノヴィア、背中には布で被われた大きな剣が背おられていたのだ。
だが、2人は知らない。日本の税関の恐ろしさを。
次回…税関のジャネットさん再び(笑)
次回のハイスクールD×D関係の作品を書くとしたら
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