駒王学園。そこは元お嬢様学校であり、2年前に共学に成ったばかりの花園だ。そして、駒王唯一の学校グループと言って良い。
何故なら、駒王は悪魔が悪魔の為に繁栄させてきた学舎だからだ。共学に成ったのも、魔王の妹の眷属に男子生徒が居た為であり彼を駒王学園に通わせる為に急遽として共学に成って男子も通えるように成ったのだ。
しかし、これは今まで裏側の事を知らない男子からすれば嬉しいニュースだった。何故なら今まで男子は義務教育と高等教育を受けようすれば町外の学校に通わなければならず、今まで理不尽だった学校選びに駒王学園が加わったのだ。家から近く、その上進学先や就職先も豊富な学舎。正に嬉しいニュースだ。
「キャー!リアスお姉さま!それにソーナお姉さま!木場きゅん!!学園の王子様!!」
そんな駒王には絶大な人気を誇る3年生の美女、そして一誠や匙と同じく2年生に在籍するイケメン王子が居るのである。彼女達は正に学園の憧れであり、多くの生徒達から称賛を集めているのだ。
「たっく…騒がしいな。これならナルトと同じ三咲高校に転校した方が良かったな」
朝から騒がしい光景でも見てしまったのか、登校してきた匙は大きなため息を吐き出した。無理もない、これは毎日の光景であり流石の匙も「毎度、良く飽きないな」と心の中でぼやいた。
彼の視線の先には人集りが出来ており、その中央には3人の人物が居たのだ。
真ん中の紅い髪に10人中10人は振り返るだろう美貌としゃぶりたく成る程の爆乳と言えるバストを誇るのはリアス・グレモリー。駒王学校が誇る二大御姉様の1人であり、オカルト同好会の会長である。
もう1人はリアスの左に立つ眼鏡を掛けたクールビューティーなお姉さんはソーナ・シトリー。リアスと同じく学園の二大御姉様の1人であり、オカルト同好会の副会長である。だが、残念な事にご立派なバストを持つリアスと違い、ソーナは貧乳だ。
そして最後に唯一の男であり、多くの少女達の視線を虜にする甘いマスクの持ち主であり学園の王子様と呼ばれる木場祐斗である。余談だが、ソーナとリアスの居るオカルト同好会の部員な為か多くの男子生徒から風評被害を受けてるとか。
「皆、またあとでね」
「「「はい!御姉様!!」」」
と相変わらずの人気である。
そして、リアスとソーナに王子である木場は取り巻きを連れて、校舎の中に入っていった。取り巻きの皆様もそんなにリアス達が好きならば、オカルト同好会に入れば?と聞きたい人も居るだろう。だが、それは叶わぬ事なのだ。何故なら、オカルト同好会は悪魔の隠蓑であり、同好会で有りながら学園の敷地内に有る旧校舎を部室として丸ごと与えられているのだ。なんと厚待遇!それもその筈、何故なら駒王学園を運営してるのは悪魔であり、彼女達の融通は物凄く通るのだ。
その日の放課後。匙は帰り支度を済ませて、新しい家である三咲町の孤児院に帰ろうとする。いざ、教室を出ようとした時に…
「匙。この後、暇か?」
なんと…いう事でしょう。そこにはスーツ姿のイタチと三咲高校の制服姿のナルトが居たのだ。
「えっ?まあ…家に帰るだけですし」
「それじゃあ、着いてきてほしいってばよ!俺とイタチ先生は今から、駒王の悪魔達に会いに行くんだ」
ふと、匙は思い出す。イタチ等の日本政府の職員は日本に滞在してる悪魔達に会いに行き、神秘の秘匿が破られてから悪魔がしっかりと滞在手続き等をとってるのか等を調べて回っているのだ。
そして、今日はどうやら駒王の悪魔に会いに行くようである。
「その悪魔って?」
「リアス・グレモリー、ソーナ・シトリー。どちらも魔王の妹でかなりの発言力を有してる。あと、リアス・グレモリーの部下……悪魔で言えば下僕か?で木場祐斗が居たな」
「アイツ等かーーーい!!」
イタチから駒王の悪魔を告げられ、その悪魔が誰なのかを知って匙は心の底から叫んだ。
「あと、俺が日本神話から聞いた話だが…はぐれ悪魔という…どう説明すれば良いか…逃げ出した転生悪魔が術式で醜い怪物に変質したと言えば良いな。
そのはぐれ悪魔が駒王の民間人を襲っても、上から通達が来るまで出動しない程だ。まあ、年頃で経験も無い少女故に仕方無いが、相談役として大人の悪魔を派遣しないとは悪魔は日本人をなめ腐ってるな」
とズガズガと調べ上げた事実が有るためか、イタチはリアス達の評価を告げていく。
確かに駒王はリアス達の領土だが日本国。しかも領土と決めつけたのは悪魔の身勝手であり駒王市民は勿論、町役場も知らない。当然、日本政府と日本神話にも一切の通告が無かったのだ。
「イタチさん!?めちゃくちゃズカズカ言ってますやん!!てか、俺って最近までそんな危険地帯で過ごしてたの!?」
「因みに…はぐれ悪魔関係で亡くなった人は不審死、及び行方不明で片付けられる。その為か、未だ家族の死を知らない人も居る」
イタチが悲しそうな顔でそう言った。すると、匙は有ることに気付いた。それはイタチの右ほほが僅かに赤くなっており、少しだけ腫れていたのだ。
「イタチさん…ここ、どうしたんですか?」
「はぐれ悪魔の被害者の遺族に事情を説明して回ってるんだが…その父親に『なんで…なんでその時にアンタが居なかったんだよ!!どうして…どうして娘が!』と泣きながら殴られたよ。何度もな…大切な1人娘が誰にも知られず化物に食い殺されたんだ…仕方がない」
イタチの言葉を聞いて、匙は言葉を失う。そして想像する。もし、自分がそうなったら…幼い弟達はどうする?いや、弟や妹だけじゃない。自分1人が生き残り、妹と弟が知らない間に化物に殺され、行方不明として処理され…自分は帰ることの無い家族を永遠に探していただろう。
「あんにゃろう!!何が学園のモテモテ集団だ!遺族に謝りやがれ!!」
匙は叫び、今すぐ旧校舎に殴り込もうとするがナルトに腕を掴まれる。
「ナルト!?」
「気持ちは分かるけど、俺達の仕事は滞在手続きをしたかどうかだってばよ。それに、そっちの方は日本神話から凄い人が来るから」
「後で合流してくれるから安心しろ。まあ、只ではすまないだろうな」
何処か遠い目をするナルトとイタチ。その30分後、匙はその理由をしってツッコミの嵐を叫ぶ事を未だ知らないのである。
旧校舎。
オカルト同好会と書かれた部室をノックして開けるナルトとその後ろに続くイタチと匙。
「ようこそ、オカルト同窓会へ。歓迎するわ…日本の皆さん」
と余裕のリアス姫。
「パスポートは?」
悪魔領土から日本に来てるのだ。当然、身元を判別するのに必要だが…
「必要かしら?」
と…この有り様。
「ビザは?」
外国に長い間滞在するのだから、当然ビザは必要である。しかし、リアス様達はビザを取ってなかったのだ。
「だって駒王は悪魔の土地よ?」
「いや、生粋の日本の土地だが。まあ、取り合えず俺達は貴殿方が滞在手続きを行なってるのかの確認だ。
しかし、貴殿方は邦人ではない。外国人だ。成らば、手続きは確りして貰わねば困る。そろそろか…」
イタチが時計を見てそう言うと、突如として床に魔方陣が出現したのだ。
「これは…ベリアル家の魔方陣!?どうして!?」
リアスが叫ぶが、魔方陣は輝き…光が止むと和服姿に金棒を担いだ灰色の髪をした美女が立っていた。
「どうも、駒王の皆さん。私は日本神話地獄所属、等活地獄主任の鬼火クレーリアです。
抜き打ちですが、これより監査を行います」
そう言った美女だが、目の下には隈が凄いことに成っていた。
「あっ…あの…お姉さん?しっかり睡眠は取れてます?」
「三徹ですよ。特に、この目の前の悪魔のお陰でね!葉鶏頭さんも倒れるし、弟のヴァー君も鬼灯様も地獄を走り回るし、大王はサボるし……さてと私は頗る機嫌が悪いぞ…二郎くいてぇ」
「最後だけプライベートォオオオオ!!」
匙のツッコミが響く。果たして、地獄の鬼?に対してリアス達の運命は!?
次回!クレーリアの冷徹。
次回のハイスクールD×D関係の作品を書くとしたら
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