感情の手入れ   作:たばねっと

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寝汗で深夜に目が覚める。

繰り返されるそれに鬱になりながら着替えをする。

 

血圧をあげる薬と言われて飲んでいるものが、実はもっと効果の強いものだというのも知っていて、親にこれ以上心配も迷惑もかけたくない一心で。

 

いや、ただ単に自分がみじめな姿をさらしたくなかったのかもしれないが、だまされて飲んでいた。

 

学校の先生が強制的に家から学校へ連れていき、私は酷い立ち眩みの元学校で授業を受けていた。

 

ある友人が私に、その席座りたいからいつもみたいに帰ってよ。

 

そんな一言に私は嫌な気持ち1つせずに、一気に自分を精神的に追い込む。

すると、熱が出て保健室で安静にして、最終的に早退する。

 

そんな日々を過ごしていた。

かかりつけの医者に一人で相談しに行った。

先生は私のことをよく見てくださった。

おかげで両親とも話ができるようになり、大きな病院への紹介もしてもらえた。

 

体重を図る。だいぶ軽い。

血圧を測る。かなり低い。

健康状態。やや悪い。

 

私は自分の体の状態を理解していた。

だがしかし、心の状態は見向きもしなかった。

 

大きな病院の先生が言うには、かなり重度の状態らしい。

完治に6年ほどだそうだ。

別の病も患っていて、そちらも精神的なものらしい。

入院もできるとのこと。

 

とりあえず今日は精密検査をするらしい。

 

心電図で倒れた。

立っていられなかった。

 

座るのもきつくて、寝ながらでOKしてくれた。

 

私は家族が大好きだった。

だから、自分の状態が普通じゃないことがつらかった。

愛想笑いをして。

可愛げを見せて。

私は大丈夫だ。

そうやって人が変わったように私は親へと表現で伝えた。

 

申訳なかった。

目も、それどころか顔も見たくなかった。

 

心がわかれる。

 

体と心がわかれ。

心がまたもわかれた。

 

防衛本能が働いたのかもしれない。

全てが1か月で完治した。

なにもかもが治まった。

そう。なにもかも。

 

あの頃のわかれた心は消えていった。

あの頃の記憶もほとんど消えていった。

 

心が消えた。

私はあの頃の辛さも、何もかもを捨てたのだ。

 

そんななか、心はわかれたもの。捨てたものを欲したらしい。

 

次々と消えたものが復元される。

 

 

だからこそ、私はあの頃のことを鮮明に覚えている。

 

今の自分の状態が、どれほどの奇跡なのかを医者に何度も言われ。

 

自分だけを大切にしなさい。

自分が良ければいい。

今が良ければいい。

楽しいならばそれでいい。

希望なんて未来の言葉に耳を傾けるな。

今、この瞬間、健康だということを嚙み締めろ。

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