「それはやがて、主を狂気へと誘ったという」
「その狂気の果てに 我らのような、奇妙な命を生んだのだ」
「主は常に孤独であったのだろう」
「そして、その孤独が理性を殺してしまった」
「哀れな事よ 主は、ついに気づけなかったのだ」
「真に己に欠けていたものが、何であったのか」
―――
あぁグウィンよ。
おまえの犠牲など100年と
なんと馬鹿馬鹿しい、なんと…なんと………
こうまですぐに火が弱まった理由…"何か"が起きたのだろう?あの時、あの火の炉で。
我
『種火』たる"最初の火"はあった。
『薪』たる王のソウルもあった。
そして『
いつから始まったのか私すらもわからない"火継ぎ"、それは幾度となく繰り返されたであろう約束された儀式だったとしても、やはり異物の剣など使うべきではなかったのだ。今の人間の絶望など忘れ、待つべきだったのだ。外ではなく、この世界から
…だから
―――突如現れた"篝火"、そして本来ここにあるはずのない、突き刺された螺旋の剣。それは王の都に住む神々にとって認識することすら叶わないという正に"異物"。
目にすることのできるベルリオーズを筆頭に当初調査が行われ、そしてあらゆる場所で見つかってしまった篝火…
直接目にし、触れたからこそわかる、これは"最初の火の欠片"…同時に"螺旋の剣の欠片"なのだ。あまりに、あまりに小さな。
―――そしてこれは、言わば"バグ"だ。
この世界を『キャンバス』の
…おそらくグウィンの火継ぎによって世界へと広がる"最初の火"と共に"螺旋の剣の欠片"も散らばった。原因はこの短期間で火が弱まった理由、つまりあの日、火の炉で起こった"何か"。
火の炉の想定以上の惨状を考えれば思いつきもする。この世界はよほど"鞴"が気に入らなかったらしい。グウィンはそれに抗い…止むを得ず燃やし尽くしたのだろう。
螺旋の剣はその火力に、火の炉と同様にその一部が溶け、或いは砕けたのだ。
そして最初の火と混ざり、それを
散ったそれらはどういうわけか"時間"にさえも突き刺さり、抑えつけ、同時にそれによって分かたれた二つ
打ち止められた"止まった時間"と、それを置いてきぼりに"進む時間"に分かれたのだ。
前者は時間の流れが隔絶された"火の炉"、後者は別世界から召喚される"白霊"なる存在がそれを証明している。
加えて火の炉を起点とする地殻変動だ。
ご丁寧にアノール・ロンドの定めた試練となる土地が集う始末である。
―――まるで物語の舞台を整えるようではないか。結局、
不死の"被験体"共も誰も彼もが試練を使命などと言う。愚かなことだ、その行く末が火の維持のための"燃料"とも知らずに。
あぁそうだ、不死だ。
グウィンが火を継いでからと言うものの、不死が絶えずこの地に足を踏み入れる。
素晴らしい。おかげで『鱗』の研究も進む…だが、友の死を喜ぶようではないか………
…いや、違う、篝火のことだったろう?考えていたのは。
私が見えてしまった理由は、朧気だがわかってきた。だが、ベルリオーズは何故見えたのだ?
篝火は既に
それも結局不死共しか見えない。これは剣がそもそも『外』から持ち出した物だったことが関係しているはず。推測ならばできているが…
だとしてもベルリオーズが見えている理由は?
グウィンドリンのソウルを分け入れられた魔法生物である以上、見えるはずがない、そのはずだ。
当人は全く心当たりのない始末、グウィンドリンは何を…いや、何故隠している?
推測など
―――いや、考えるな。
また友を失くすつもりか。ベルリオーズは私たち家族の架け橋だ。神でも人でもない被造物…少々
そして懐かしい
…暴きたい、その中身を。そのソウルを。私をどうしようもなく穏やかにさせる理由を。
―――どうしようもなく懐かしくなる理由を。
…友………友?…何故、私はベルリオーズを友と思ったのだ…?
………友…あぁ!グウィン!どうして火など継いだのだ…
コルウスの馬鹿や世界の蛇などの言葉なんぞ聞くべきではなかったのだ。
これで研究に専念できる。
…鱗の研究は未だ大して進展がない。
足りない。被検体が、不死が足りない。
不死…人間…グウィンが加護する愚かな小人めが…
この歪んだ世界で火が継がれ続けるのはもはや止められない。ならば、せめて私の探究心の
必ず鱗を手に入れてみせる…
鱗…私の"殻"…
私は一人殻に閉じこもった………そして、
"世界"はそれが優しさだと
あんまりではないか。
だが今や私だけだ…!竜共は皆死した、残りもいつか見つけて葬ってくれる…!
それも灰の世界に戻れば、また
グウィン、おまえは、何も言わなかったが火を継ぐ理由はもしや…私のことすらも…
だとしたらおまえはどこまで…
であれば私は?
私は一体何をしていたというのだ。
ただ項垂れるだけの竜…お笑いぐさだな、竜などと、これがただ一人生き永らえた竜の末路なのか。
まるで虫だ。
地に這いつくばる、己の巣から出ようとしない小さな虫…
自分の巣に愚かにも巻き付けられ動くこともできない虫けら。
何を考えてるのか。
思考が定まらない。暗転と明転が繰り返すように。
ベルリオーズ。
あいつに、会わねば。今や、ただその時だけまだ
―――早くここから出よう。
"原始結晶"…これも
一体何故このようなものが生まれたのかわからない。この輝かしく美しい結晶からはは濃い"闇"の気配がある。
不死の極致、だが我々の
傷が巻き戻る様は、篝火で蘇る不死のようではないか。
篝火…思えば"古竜の篝火"とも言えるやもしれん。
だからこそ危険なのだ…だが…どうしようもなくそれに惹かれる。
古竜の…篝火…?いや、だが、まさか………
…もう、いい加減に止そう。
暫くはここに来ない方がいいだろう。
グウィンドリンから頼まれている仕事もある。都を捨てた愚かな神々のせいで余計に多忙極まりない。次その面を見せればクリスタルゴーレムに閉じ込めて放り出してくれる。
残った神々もなんと落ち着きのない、ヨルシカを見習え。
グウィンの守った都を、私も守らねば。
グウィンの意志を…
だが…グウィンを見放した神の住む都など…
私は…私は…
私は一体…何故こんなにも憎んでいるのだ…?
忘れなくては、こんな感情など、あってはならない。
研究をしている時だけが忘れられる。何もかも。
あぁ
何故私を置いていったのだ。
「そういうわけでこのお方が
「お初にお目にかかるベルリオーズ殿。ヨルシカ様の紹介の通りウィンディーと言う、しがない不死だ。元はグウィンドリン様の統括する暗月の騎士でもある…今もそのつもりだがな。光栄にもこのアノール・ロンドの火防女として選ばれた、よろしく頼む。嫌いな白竜はシース公爵だ」
「グワォ…」
えぇ…あぁ、はい。よろしくお願いします、既にご存じの通りベルリオーズです…公爵様と何があったのでしょうか…
ヨルシカ様に紹介したい人がいると聞いて急いで来てみれば珍しく"暗月の剣"の誓約者と出会うことになった。
…のですが、反応に困るのですけど。加えて何故か視線が刺さるのを感じる。
実は何度か目にしたことだけはある人だ。
グウィンドリン様は信徒のお話をあまりしないけれど、数少ない話に出てきたことのある不死人だったのだ。
向こうもたまに飛んでいる所をみかけたのだろうけど、そもそも私かどうかの判別もつかなかったと思う。都内で青銅装飾のガーゴイルは珍しいとは言え、ぱっと見同じだもの。
「おじい様…最近どうにも…その、歯止め?が効かなくなってるみたいなのです…」
「はい。私を火防女としてグウィンドリン様の役に立てるようにさせてやるとか言う
「グワォ………」
えぇ………ウィンディ殿はあれですね。フリーダムですね、色々と…あまりに
はは、冗談、なんですよね?
「冗談なのですか?とベルが」
「当然、どちらも本心です」
「グォォ……………」
えぇ……………了承したけどやっぱり納得いかないものはいかないと言う事でしょうか…
そして何故私から目線を外さないのでしょうか?段々怖くなってきたんですけど。…見えて、ないんですよね?
「いえ、シース公爵のご友人と言うことは、ベルリオーズ殿を通せばいつでもこちらから出向けるのではないかと一考していました」
え?私もしかしてとばっちり受けてます?公爵様!ちゃんとやらかしたことの責任は取ってください!ほんとに連れていきますよ!
「グウィンドリン様の許可は既にとってあります。"ベルリオーズを連れて行って良いから私を巻き込むな"と」
え!?見捨てられた?グウィンドリン様!?
ショックを受けた私は、何故か頭の片隅でグウィンドリン様がサムズアップしながらイザリスの溶岩の中に沈んでいくのが見えた気がした。
―――…ってグウィンドリン様!?
何最近ハマった劇の思念を飛ばして来てるんですか!?変なイメージが浮かんだじゃないですか!
「聞いていた通り感情豊かな御仁ですね」
「ふふ、ベルはいつまで経っても変わりありませんから」
「グワゥ!」
そんな事言って!ヨルシカ様も変わらないじゃないですか!
グウィンドリン様にこっそりやった悪戯の事ばらしちゃいますよ!
「…!私がここに来る前にお兄様の扱う矢の
「グォウ!?」
カマかけただけです!
そんなことしたんですか!?どうりでさっきの思念が
というか蝶に角ってあるんですか!
「…聞いていた通りヨルシカ様はグウィンドリン様とは………………………仲がよろしいのですね?」
「ええ、それはもう」
「グゥゥン…」
仲がいいのは間違いないですけどね…
「…うやむやになってしまいましたが、先程のは冗談ですよ」
そうですよね…すいませんウィンディー殿。オチのつかない話になってしまって。
ぐだぐだなことになってしまったが、ウィンディー殿の機嫌は悪くなさそうだった。ほら、今もちょっと笑ってる。
思えば"不死人"と話すのは久しぶりだったかもしれない。ヨルシカ様の教会の回りに住む人々と僅かながら交流が生まれる時もあったが、そもそも不死でもなく、私と
レド殿は輪の都へ行ってしまったし…ロスヴァイセ殿はゴー殿の話を一方的に浴びせかけてくるだけだし…
ともかく私は、この不死であり、私と対話を試みようとするウィンディー殿に好感を抱かずにはいられなかった。
ブラックジョークが
元気してるかなぁ?
―――ちょうどその頃、話題のレドはシースの娘であるシラと共に人間の狂王を
―――などと言うことも知らず、私がウィンディ―殿の株を内心で上げている一方で、果たして彼女の方もそうだったらしい。
「ベルリオーズ殿…いや、同僚に他人行儀はいかんな、ベルリオーズと呼んでも?…そうか、ありがとう。これからよろしく頼む。王城の正面…
―――――――――ましてや、見えると言うのならば、尚更に―――――――――」
ちなみにウィンディー殿が私を気に入った理由を聞いてみたのだけど。
「その見た目から
そういうことらしい。
…もしかしてあなたも我々を"癒し"と言ってる銀騎士殿たちと同類ですか?"ギャップ萌え"とか、言う人たちと同じなんですか??
「…」
目を合わせてくれなかった。いや、目は見えてないはずだけど。
…ということでしたけど、フォードの方は既に会いましたか?
私は"試練の鐘楼"から定期報告をしに戻ってきており、そのまま今日はヨルシカ様の元に行くことが許されたためにいつもの教会へと戻ってきている。
そこでやっぱり開催された"人外集会"で私が発言した言葉がこれだ。
「ギィ…」あぁ…あのちんちくりんな真鍮女のことね…
「ワフゥ…」あぁ…あのげに恐ろしき女騎士殿のことですか…
既に会った後でしたか…って、え?シフまで…?なんか評価が辛辣じゃないです?二人とも?
「ワオォン…」すごい見て来るんですよ…いや兜があるので目がこっち向いてるかなんてわかんないですけど、そう、勘なんですが…悪寒が走ると言うか何というか…
「ギェ…」わかるぜ…目が見えないって嘘じゃねぇの?刺すような視線ってのはまさにあれだぜ…なんか恨みでも買ったか…?
そこでウィンディ―殿が
つまりめっちゃ嫌そうだった。
「ゲェ…」まじかよ…だが野郎どもよりは、マシ…か…?
「ワヘェ…」私は勘弁ですよ…あの目は間違いなく肉食動物のそれです。一度捕まったらもうオシマイですね。人間怖い。
あんまりな評価だった。
シフに関しては万人受けしそうだからわかるけど、フォードにまであの目をするならば筋金入りだろう…ん?見えてないならどうやって把握してるんだろう?…まさか匂い、とか??
実は人とは違う物が見えてたりして?飛躍しすぎかな。
…というか私が関わる人間、みんな癖強くない…?
そんなよくわからないショックを受けていると私たちに大きな影が落ちる。
カラスのじぃやが久々に顔を出したのだ。
じぃやは、この集会の会場となるヨルシカ様の住む教会の屋根へとふわりと降り立った。
それと同時に大きな羽が一枚落ちる。じぃやはそれを見て溜息を吐くような仕草をした。
…
私は
「グォ!」じぃや!久しぶりじゃないですか!"仕事"の方は大丈夫なんですか?
「ギギィ」不死院にいるデーモンはちゃんと仕事してたか?てかあそこまだ不死来んの?
「ワオン!」お久しぶりですね!その疲れようだと今日はそれなりに大仕事だったのでは?
「カァ」これこれ、一斉に話すな。
カァ…と、疲れたようにもう一度溜息を吐いたじぃやは今日の仕事のことを教えてくれる。
「ガァ…」"ゼナ"の国の馬鹿どもがな…
「グォゥ…」あぁ…
「ギ…」あぁ……
「ワフ…」あぁ………
疲れた理由を皆察して、お気の毒に…と言う憐れみを含んだ顔を向ける。
"ゼナ"と言えば"探索者"と呼ばれる人間がよく出てくる地だ。
一言で言えば「変り者」が多い。研究者気質と言うか、知的好奇心が強いというか、ともかく角の生えた金ぴかな兜とかメダルだらけの鎧とかを見たら初見のインパクトは強い。
どうやら不死院へ数十人規模の不死の集団として詰めかけてきたらしい。デーモンは集団でボコったとか。ひどい。
そんなんだからその集団を運ぶのにやたら往復して疲れてしまったらしい。
加えてゼナの連中だ。運ぶだけで終わらないのは道理だろう。
やたらめったら話しかけてきたり、べたべた触ってきたり、挙句羽を引っこ抜こうとしてきたらしく精神的にもやられたようだ。
―――この地に入るには何も不死院だけしか方法がないわけではない。
だが、ただ歩けば辿り着く場所でもない。
アノールロンドを中心としたこの神々の住む地は、地続きではあるものの通常辿り着くことができない特殊な場所。隔絶された世界だ。
それは"ソウル"が濃い土地の特性が関係しているのかは私は知らないが、目指そうとも方角があっていようとも辿り着かず、また近づくことが出来ても色のない濃霧によって阻まれるらしい。
入ることのできる条件は「神々に選ばれた人」、最近で言えば「不死人」もその対象となる。例外は結構あるそうだけれど。
今の現状を想うと、まるで不要な存在を拒む様だ。
アノールロンドを離れた神々はその霧を抜けてどこかへ去っていくのだ。人間が出て行ったと言う話は…実は聞いたことが無い。故郷を想う気持ちが強いのか、それとも何か惹かれるものがこの地にあるのか…
使命も何も果たす気のない不死も、気が付けばこの地に足を踏み入れていた、なんてこともよくあるとか。何それ怖い。
…話が逸れたけど、要は不死であればたどり着けるのがこの神々の住まう土地。
ゼナのような国であれば知らないわけがないのだ。
…だというのにわざわざ不死院を経由しようとするあたりに「変り者」と呼ばれる一端を否が応でも感じることができるだろう。
「カァ…」これだから人間は…興味に対して貪欲が過ぎる。いつの時代も変わらぬものだ…
「ギギャ」今更過ぎるぜそれはよぉ。俺たちも最近似たようなのに目を付けられちまってな…
「グォウ」フォード、あなたは壁上から景色を見下ろしているのを見られていたそうですよ。
「ギェ」ひっ
「ガァ?」なんだ何の話だ?老人を置いて話を進めるでない。
「ワフ」老
「カァァ…」
「グォオ?」じぃや?
ん?じぃやの雰囲気がいつもと違う…のだが…
「カァ」
何を言うまでもなく一鳴きして私たちを見渡した。
じぃやは意味深長な言葉を漏らすことがたまにある。
それを知りたいのがガーゴイル情ではあるけれど、「老人の独り言として聞かなかったことにしてくれ」と以前にも言われているので詮索もできない。
…でもやっぱり公爵様との関係はとても気になるのだけど。
友人だったのだろうか?ビジネスライクなやり取りにも聞こえたし何とも言えない。
公爵様に聞いてみようかな?いやさすがにそれはダメだ、プライベートなことだろうし。
うぐぐ、気になってしまう。
ドナの人たちと同じは嫌だから(今思わなくてもあんまりな言い方だった)聞く気はないけれど。
湧き出る興味心を抑えながらも、私たちはそれぞれの情報を交換しつつ雑談に
"不死の試練"の話は勿論のこと、じぃやが運んだ不死と、私たち鐘のガーゴイルに挑んだ不死を互いにピックアップしてやれ筋がいいだのやれ見たことのない恰好をしてるだの言い合う。
アノール・ロンドへと至るための"試練"の話もした。
グウィンドリン様と公爵様が共同で作った(二人とも「誠に遺憾」と言っていたが)アイアンゴーレムが待ち構える"センの試練"、ウーラシールで行われる不死同士で戦わせて強者を見つけ出す"試練の戦い"。
他にもあったけれど、ここ百年の間ずっと最初から途切れず続いているのはこの二つだけだ。後はとっかえひっかえな感じがある。
そしてやはり未だにアノール・ロンドを乗り越えた不死はいないということも話題にあがった。このままで大丈夫?という問題だ。
じぃやはこれでいいと思ってるらしいが、私とシフは心配している。フォードは割とどうでもいいらしい。
前にも言ったがグウィンドリン様の采配に文句があるわけではない。それほどに求められる人材は限られているからなのだろうと理解はしているし、事実、かつてグウィン王らが見出したという"王のソウル"に匹敵するソウルを持っていなければ意味はないのだろう。
でも"王のソウル"って後天的に自身のソウルが昇華して到達したりするものなのだろうか?グウィン王らですら「見出した」と聞くけれど…
あ、れ?
私はふと、疑問に思ったことがあった。
何か、大事なことに気が付いた気がする。
ソウルだけが条件ならばイザリスの魔女殿や墓王ニト殿、そして公爵様も火を継げることができると言うことになってしまう?じゃぁ不死の試練と言うぐらいだから火継ぎはそもそも"人間"でなければいけない理由がある?
…と考えるとグウィン王が火を継げた理由は?あれ?
可能性の一つとして、
――ベル、覚えておきなさい―――
―――それでも、多くを犠牲にしてでも、今を生きる家族を私は手放せないのです。ベル。だからその時が来たら、あなたもそうするのです。家族を、友を守るのです。ベル、いいですね?―――
どうしても、
―――忘れないでくださいね、私は頼みましたよ。確かに、頼みました…家族を―――
プリシラ様の言葉が。
あぁどうして、たったのもう一度でもお会いすることもできないのだろう。
何が起こるか、知っているから私に伝えたのですか?
言葉通り素直に捉えられるならば、なんと良かったことか。
人で
こうまで"予感"している理由が、ただ心配性なだけだと、言って欲しい。
そうではなく
いつか神々は人によって―――
そう、言いたかったのですか?
その時のために、私に託したのですか?こんな石でしかない、私に…?
全て何の確証もない妄想だと思う。
飛躍しすぎなのだ。人間でなければいけない理由があるのだろう。グウィン王自身が火を継いだ理由もあるはずだ。私は今判断材料が少ないまま考えてるに過ぎない。荒唐無稽だ。これ以上はもう。
だと言うのに、忘れられないのだ。フィリアノール様とプリシラ様の言葉が。
突飛なはずなのに、何故か核心に近づいている気がしてならない。
…この考えは危険だ。私は神々の剣であり盾である尖兵。
そして陰の太陽に仕える被造物。
好奇心は人間の特徴とは言うが、私のそれもまるでそっくりじゃないか。
長い年月を動きすぎたからだろうか?だけど私のソウルは、それを「違う」と否定する。
…でも、それは悪い事じゃないはずだ。そうでしょう?グウィンドリン様、ヨルシカ様?
だってこの思い出がある限り、例え全てが神々のエゴであったとしても、戦い抜ける覚悟があるのです。
例え私が何であれ、何になってしまおうとも。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
―――あの時から何百年も経った。
私は真実が何かを知らないまま、だけどこれは遅かれ早かれは起こってしまうのだろうと、心のどこかで思っていた。
いつか一つの国を水に沈めたあの時のように、やはり向こう側から
「―――グォゥ…」
―――グウィンドリン様…
「わかっている―――――――――」
「―――――――――ウーラシールに滞在していたゴーの消息が途絶えた…同時期に市街の奥、地下牢から"深淵"が溢れ出したことを確認した。
銀騎士は向かわせるな。精鋭だとしても、
オーンスタイン、スモウ、貴公らは最後の砦だ。今やかの地殻変動の影響でウーラシールは
下手をすればこの太陽の都諸共呑まれかねん。最悪の事態に備えよ。
アルトリウス、キアランはベルリオーズが率いる鐘のガーゴイルを先駆けとして向かわせ、状況を把握した後、事態の収拾に向かえ―――小ロンドの比ではない、あの時と同じだと思わぬことだ。
貴公らにはレッサーデーモンを待機させてある。急げ…!現状、深淵は広がりを見せてはいないが、それが余計に気掛かりだ。
―――ベルリオーズ」
はい。
「お前はガーゴイルを現地入りさせた後は別行動をせよ―――――――――これは暗月の剣としての役目と心得よ」
はい。
「―――――――――篝火を探せ、お前にしか出来ない。公爵によれば地殻変動を起こした土地には必ずあると言う、それが"起点"だからだ」
はい。
「相手は"深淵"だ、我々のような光の住人ではあまりに厳しい―――アルトリウスとキアランでは失敗する恐れがある」
っはい。
「不死人を見つけるのだ。篝火がある以上、惹かれて訪れている可能性は高い。彼らならば、我々より
はい。
「その書状を持っていけ、それでも思い通りには動かないかもしれない。だがそれが役に立つかもしれない。もし、この事態に立ち向かう不死がいると言うのならば、お前が手を貸すのだ」
―――必ずや、見つけ出して見せます。
少しでも希望を。
「頼んだぞ、ベルリオーズ」
はい。グウィンドリン様も、お気をつけて。
太陽の神々に、炎の導きのあらんことを。
大変長らくお待たせしました。
忙しいのと、筆が乗らないのとがダブルパンチで襲ってきたのでこんなに期間が空いてしまいました…
そしてようやくウーラシール編まで来ましたね!
シースの独白はキーワードが多いですが要領を得ないように話させてるのであまり気にしなくてもいいです。いつかまとめますので…いつになるやら。
まだまだ忙しいので次回も先になってしまいますが、首を伸ばしまくってお待ちください。
あと気軽に感想どうぞ(ボソ
・補足とかとか
■暗い穴
底を覗き込もうとするのはいつだって…
■篝火について(その2)
キャンバスとかわかりづらい言い方してますけど、他の言い方をするならば螺旋の剣の存在だけレイヤーが違うって感じです。しかも下のレイヤーに影響のあるタイプの。
■最初の火の炉
そこらじゅうが溶けてるけどそれって想定以上の火力などイレギュラーが起こったからあの惨状だったのでは?という妄想。
■色のない濃霧
デモンズオマージュ。ボス部屋に閉じ込められる現象と似たことがロードランとの境で起こってる程度の認識で。そういえばグウィンの火継ぎの時も…?
隔絶した世界としたのはダクソ2のオープニングにて、おばあちゃんがソウルの概念が普通は存在しないかのように言ってたので「もしや別世界??」と思ったこともあって。実際どうなんでしょうね…
■ウィンディ―(暗月の女騎士)
見えていないが見えている火防女さん。
名前の元ネタはACFAのウィン・D・ファンション。ウィン・Dは"ブラス・メイデン"(真鍮の乙女)という二つ名で、それがオマージュ元だったりするのでは?と思ったので。つまり声は少佐。
■最近ハマった劇
未来の時間軸からカリフォルニアで州知事やってそうなマッチョな人間そっくりの戦闘ゴーレムがやってきてデデンデンデデンするやつらしいです。
■グウィンドリン
■ゼナ
DS1ドーナルの出身地。
いろいろ考察があるらしいけれど、私はあまり知らないので掘り下げませぬ。
■センの試練
まだ"古城"と言うには早いと思ったのでこのように。
■輪の都のやつら
ミディール「常識ねえのかよ」
「試練の戦い」から離脱する
その戦いは古来アノール・ロンドへの道であり
既に管理者なく、その本分が失われた今でも
離脱するものは臆病者の誹りを免れない
―――DS1 臆病者の紫水晶
神々は、古竜の大骨にソウルの魔力を融合し
もって強大なゴーレムの核としていたのだろう
―――DS1 竜骨の拳
あらゆる皮膚の下に無数の人間性が蠢き
その姿は、大抵おぞましいものとなる
彼女の真鍮の鎧は
その姿を隠すものでもあったわけだ
―――DS1 火防女の魂
最初の火防女の瞳であるといわれる
後に全ての火防女が失う光そのもの
それは瞳無き火防女に
見るべきでないものを見せるという
―――DS3 火防女の瞳
いつの時代も、人の欲とは変わらぬものだな
―――DS3 記憶を亡くしたラップ
あの、醜い裏切り者もそうだったわ
他人のものが欲しくて欲しくて、しょうがなくて…
滑稽なこと フフフッ
あの“這う蟲”は、今も探してるの
自分が欲しいものをね
―――DS2 愛しいシャラゴアとの会話より