超次元偶像二宮飛鳥のセカイ   作:関ち出張所

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≪Review by Asuka≫

 

 LiPPSの結成宣言から一週間の内に、十のユニットがUL総選挙レースに名乗りを上げた。ダークイルミネイトもその内の一つだった。

 十組程度のユニットで総選挙を競うというのは例年に比べれば遥かに少ないらしいが、それも無理からぬことだろう。今年はULを目指す、イコール、LiPPSなんていう怪物ユニットと張り合うことになるわけで、例年なら半分以上を占めるという『ワンチャンあるかも』勢は軒並み来年以降を見据えたのだ。

 つまり名乗りを上げたのはLiPPSを相手にして尚、勝算を見出すことが出来るユニットであり、実際ボクたち以外のユニットにはかなりの実力派や有名人が揃っていた。

 そんな例年とは雰囲気の違う選挙レースにおいて、ボクたちダークイルミネイトは()()()いた。それも、かなり浮いていた。いや正確には、名実ともに有する他のユニットの陰に隠れてしまい、話題に上がることさえほとんどなかった。

 短いキャリアながらもそれなりに成果を上げてきたつもりだったのだけれど、他の猛者たちと比べられると、地力も地盤もまだまだだったということだ。

 

 こうして厳しい現実を目の当たりにしつつ、ダークイルミネイトの戦いが始まった。それはまさに怒涛の日々だった……。

 物理的限界に近い密度で組まれるライブ日程。それに対応するための過酷で濃密なレッスン。隙間時間には鬼畜教師Pによる勉強会。そして毎秒繰り出される神崎Pの小言、悪態、嫌味、侮蔑……これはいつも通りか。

 蘭子と一緒じゃなければ、とてもじゃないけど走り続けられなかった。蘭子にカッコ悪いところを見せてなるものか、という意地がボクを支えていた。

 

 ステージでの()()は必ず成功するわけではなかった。歌声をハモらせる程度のことではやはりダメなのだ。成功させるには、何かとてもタイトな条件があるようだった。

『蘭子に合わせよう』だなんて考えているときには大抵失敗した。一方 、成功するときにはまるでそれが当然であるがごとく、なんの困難さもなく成功した。

 ()()についての傾向がここまで把握できたのは年が明ける頃だった。選挙レースが始まってから二か月が経っていた。

 ちょうどその頃からレッスンを効率よく吸収するコツが掴めてきて、生活に多少の余裕が持てるようになっていた。

 

 久しぶりに各ユニットの勢力図を調べてみると、随分と様変わりしていて驚いた。十のユニットのほとんどが事実上の脱落をしていたのだ。

 彼女たちの最大の敗因はLiPPSに真っ向から挑んでしまったこと。正々堂々、と言い換えても良いが、その場合勝つのはより実力のある方だ。テレビ、ラジオ、雑誌、ネット配信など、LiPPSが何らかのメディア展開をすれば、皆こぞって追従した。いや、せざるを得なかったのだ。そこで追い縋らないと、あっという間に先へ行かれてしまうのだから。しかしその全てとライブにおいても、LiPPSは他のユニットを圧倒的に凌駕した。彼我の反響の大きさの違いを何度も見せつけられれば、選挙レースに意味を見出し続けることは難しいだろう。

 

 

そして二月に入り、選挙レース期間中において最大で最後のライブ、二月公演を残すのみとなった。

 

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