超次元偶像二宮飛鳥のセカイ   作:関ち出張所

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≪Review by 蜈?ココ蠖「≫

 

 天界での天使の過ごし方は主に4つ。彷徨、閲覧、干渉、観測だ。

 

 彷徨はその言葉の通り、空間を漂い彷徨うこと。それでセカイ線の合間を縫うように天界を移動していく。

 

 閲覧とは既にあるセカイ線を見ること。覗き見するだけと言ってもいい。天使ならただ見るだけで、そのセカイ線の中で起きたことはどの時間においてもほとんど全てを把握できる。とてもお手軽だ。セカイ線の複雑さにもよるが、人間で換算すると大抵は小説の一文を読む程度の労力だろうか。

 

 干渉とは特定のセカイ線に対し、天使の能力を以って手を加えること。たとえば、星の軌道を変えたり、A地点にある物質をB地点に転移させたり、未発達な知的生命体に高度な科学技術を与えたり。どのような方法を採るかは天使ごとに様々だ。その労力は人間の料理に似ている。とても単純なものから、極めて複雑なものまであったり、各自のセンスに激しく依るという点でも料理に似ている。そして、天使がセカイ線に干渉するとその時点から世界は分岐する。ただ、干渉をすれば必ず分岐が起こるわけではない。極軽微な干渉しかしていない場合は分岐が発生しないこともあった。分岐が発生するかどうかを決定づけるなんらかの閾値が存在しているようだった。

 

 観測とは干渉によって分岐した新たなセカイ線の未来を確定すること。分岐してすぐのセカイ線というのはまだ未来側へ伸び切っていない。分岐させた後に放置しておいても勝手に伸びていくが、その速度は天使にとっては非常に遅く感じられる。それ故、干渉後はその流れで観測までしてしまうのが普通だ。観測と言っても別に特別なことはしない。ただ“先が見たい”と念じながらそのセカイ線を見据えれば、見たいと思う未来までいくらでも見えるようになる。この労力は顕微鏡を使って単細胞生物をスケッチする程度だろうか。

 

 干渉と観測にかかる労力の人間換算は極めて大雑把だ。というのも私は、干渉はただ一度だけ、そして観測は一度もしたことがないから。どの程度の労力かは他の天使たちの様子から推測してみただけ。

 

 私が天界でしていたのは、専ら彷徨と閲覧だった。

 私には“何か”を探すという使命があったので、彷徨しながら、数多のセカイ線を次から次へと閲覧し続けていた。それは無限にあると言っても差し支えないセカイ線の中から、ただ一つの“それ”を見つけ出そうという試みだ。いくら天使といえど、寿命が尽きてしまう前に見つけられる保証はない。だから私には干渉や観測をしている暇などなかったのだ。

 

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