今回からゲス部分が増大。新しい悪の三段活用も考えてみた。
それと皆が寝取れと言うのでアリカさんは性欲処理用の愛人奴隷になります。エイプリルフールネタかどうかは読者の判断にお任せします。
あーあーあー。声よし。
ペタペタペタ。皺なし。
うーん。背伸び。骨が鳴る。寧ろ健康的な音だ。
鏡を確認。綺麗な男の顔だ。惚れ惚れする。
「じぃじ……マスター」
「うんうん……うん? どした?」
持ち運びができる手頃な鏡を仕舞いながらどう見ても人間にしか見えない人形に顔を向けて耳を傾ける。
じぃじ、まほら武道大会の覇者用の老人の変装に合わせて服装を変えた彼女も元の戦闘用の服装に変わっている。その姿は記憶にある彼女のモデルと瓜二つ。そのままのものだ。
この子を作った創造主は中期の彼女をモデルにしているようで、感情はそこまで大きく変わらず。まだまだ感情も知識も学ばなければならない時期だ。と思う。
「
「エヴァンジェリンが? 何の用かは?」
「ん。手掛かりを見つけたって」
「流石」
優秀過ぎてどうも味方ながら怖い。
エヴァンジェリンがお呼びのようなので彼女の元に一旦帰らなければ。居場所はわからないが探さないと。
ジジイから老いない全盛期のクォーターヴァンパイアの容姿の自分に戻り、服装もそれに合わせて変える。人目を忍んで動くのに適していると思われる質素な服装に。
何でか世間だと悪い魔法使いは豪華な召し物をしていると思われているので質素にしていると不思議とバレないものである。昔のように賞金首狩りやら正義を名乗る魔法使いに追われていたのが嘘のようである。
どこかの海賊のように賞金首の金額が上がる事はないが、時間が経てば経つほどボク等はナマハゲ扱いされてる。エヴァンジェリンは早く寝ないと攫いに来るよと子供を脅す時に使われ、ボクは夜遊びをしようとする20前の生娘に犯されると脅す時に使われる。エヴァンジェリンとの差は何なんだ。
こうなるともうアリアドネーの性犯罪者と悪い魔法使い、悪の魔法使いの代名詞を持つボクが同一人物である事はバレているな。めんどくせぇ。
「もうじぃじにはならないの?」
「歳を重ねて老いた演技をするのも飽きた。というよりも疲れた」
人間が老いるのは当たり前だ。少年から青年へ、青年から中年へ、中年から老人へ。そして老いて死ぬのも。
まほら武道大会の覇者を始めてから70年近く。ルーキーのチャンピオンから伝説のチャンピオンに至るまで姿を如何にも老いさせて衰えさせずに不動のチャンピオンの座を守る戦士を演じる。これがどれだけ疲れる事か。
腰曲がりとか皺とか。口調まで老人そのものにするのは大変だった。
不老不死は果てなき欲望の終着点と言うが碌なモンじゃない。何で金とか女とか名誉を得た悪役にピッタリな奴は不老不死を望んだりするのだろうか。いつまでも生きていたいとは思えないんだが。
今は永遠に生きたいと思っても最終的には死にたいと思うだろう。死にたいと願っても死ねない地獄が死がじわじわと近付く地獄よりも辛く、悲惨なものになると考えている。
ボクやエヴァンジェリンは生きる目的を見つけているので死にたいとは思わないけど目的を達成すればどうなるのやら。
「さあ。久し振りに会いに行こうか」
「おー」
姿から思考に仕草まで。ソフィにそっくりに作れるエヴァンジェリンこそラスボスなんじゃないかと思えてきたこの頃。
突然だが時が流れると誰もが成長する。良い点も悪い点も。悪い点だと劣化とも言うが概ねそんな感じだ。
更に悪化しているとエヴァンジェリンにはよく言われているが進化は悪化と言うのかと怒りよりもその疑問が先に沸いた。そりゃチートにはなっている自覚はあるけど少し言い過ぎではなかろうか。
「へへへへ。ラッキーだぜ。こんなトコで獲物がいるなんてよぉ」
下卑た笑いとはこの事だろう。フヘヘヘヘとかグヘヘヘヘだと満点をあげたのに。
あれだ。テロップ的にはガラのわるいおとこが現れた! かね。ABCD……とアルファベットの文字以上の数が取り囲んで逃げられない状態を作っている。賞金首稼ぎの類なのだろうか。
見てくれは魔法使いに剣士に戦士? 理想的なパーティーを組んでいると思われ、どいつもこいつもフヘヘヘヘと笑っている。ぶっちゃけ盗賊だろこいつ等。
「へへへ。兄ちゃんよ。その子を渡してくれたら見逃してやるぜ?」
「フヘヘヘ」
「フヒヒヒ」
奴等が指差すのは自分ではなく隣。無表情に首を傾げ、疑問を感じているソフィ。
あ。そういう事ね。賞金首狩りじゃなくて奴隷商人に近い方か。売買をするのではない支給する荒くれ者のパターンだな。
魔法世界だと亜人の奴隷が主らしいがエヴァンジェリンのような美しい容姿の人間も奴隷の対象に入っているらしい。人間の姿をしているエルフっぽい奴隷も何人か以前に見て救った事がある。
……うん。ごめん。嘘だ。逆に自分用の奴隷にしたという表現が正しいかもしれない。今はエヴァンジェリンのメイドとして働いている。嫉妬して殺さしてないといいんだけどねぇ。
こう、耳が敏感で新しかったんだよ。
「マスター」
クイクイとソフィが服を引っ張って注意を向かせてくる。いかんいかん。また思考に没頭しそうになっていた。
それを無視されたと取ったのか荒くれ者一同は憤慨していた。荒くれ者は皆短気なのも世界共通なのだろうかね。
ムシシテンジャネーコラーやッスゾゴラーと辺りから声が上がる。チンピラかオメー等は。
「やる?」
ソフィがやる気満々に気合を入れている。寧ろ殺る気満々にも見える。アーティファクトの一種の篭手も取り出してシャドーをしそうな位に。
エヴァンジェリンが記憶の中のソフィの技をインストールしているそうでそのままに再現して相手を狩るのだ。後期のソフィなら光翼天翔とか叫びながら雑魚を蹴散らしてそうだ。くわばらくわばら。
ファンタジーの定番の熱血系主人公なら奴隷にするなんてふざけるな! 死ね! とか人はそんな事はしない。とか言いながら良心の呵責に訴えたりとか。
酷いアホは女の子とか子供とかが追い詰められていると状況の確認すらせずに殺すとか言ってTUEEEE無双するからねぇ。もし追い詰められていた側が悪かったらどうすんだよ。ネジが一本か二本単位じゃなくて十単位で抜けてるよ絶対。
外道っぽいボクが言う事じゃないけどね。良心の呵責を訴える事なく心をへし折ってから殺すタイプだし。
「へっへっへっへ。お嬢ちゃん、威勢がいいねぇ。だけど見てごらん? こっちには47人いるんだよ? どうやって倒すのかなぁ?」
「あー、悪いんだがよく確認してみ。11人な。36人はもう戦えませんぜ旦那」
「ハーッハッハッハ! 何を戯言を……あれ?」
お前はもう死んでいる。
ダラダラと話している間に人間の知覚を超えるスピードで一人ずつ最速で最短で最小限の動きで。雷速で首を捩じ切って戦闘不能にした。単純作業で弱い部類だから簡単に済ませられた。
マギア・エレベアは完成したかと思えばまだ改良の余地はあるようだ。更に馴染んでは術式兵装の熟練度が増しているようにも感じる。最後は月牙になるのかボク。
「な、何をしやがった!」
「スナイパーだよ。旦那の頭を狙ってるぞ」
「……スナイパー? い、いつの間に? 音も聞こえなかったぞ!」
「そりゃ、超一流のスナイパーだからね。悟られないようにして暗殺するのが超一流のスナイパーというものだ」
楽しいぃ。嘘を言って慌てさせて怯えさせるのマジ楽しいんだけど! 奴隷を作るなんて事をする奴だから別に心をへし折るまでやっても構わないよね!
顔は真っ青。挙動不審。誰が見ても余裕がないと思える男に見せつけるように指を鳴らす。と、同時に雷の術式兵装を発動、一番近い者を処理する。そして戻る。これを見れば指を鳴らす事が合図になり、スナイパーが殺したように見えるだろう。フヘヘヘ。
「後は10人ですかな? 次は誰にしましょうか?」
フヘヘヘ。フーヘヘヘヘ。フェフェフェフェ。
「わ、悪かった! そのお嬢ちゃんを狙わないから勘弁してくれ!」
「え。狙われたら二度と狙われないように始末するのが普通じゃないのですかね? 返り討ちに遭う覚悟でそんな事をしてるんでしょ?」
「ふ、ふざけんな!」
ふざけてるのはそっちだと思うのだが。撃っていいのは撃たれる覚悟がある者だけだと有名な言葉があるのだから。
大丈夫大丈夫。こっちの殺す理由は悪の魔法使いらしくムカつくから殺すという事にしておくから良心の呵責は感じなくてもいいよ。
実は奴隷にするなんて良心はないのか! と説かれるよりもムカつくから殺されるというのは重いものだ。理由なく殺されると憎悪は増すのだと闇の精霊さんが言ってた。快楽殺人狂に殺された被害者家族のような感じかね。
悪いのはあっちなのにいつの間にかこっちが悪者にされているんだが。何でこうも責任転嫁が好きなのかね。人間は。
「人でなしめ!」
「いやいや。人間を攫って奴隷にしようとするそっちはどうなの? ある意味人間らしさを奪うから殺人と同じようなモンだよ? なのに殺人は悪いけど人攫いはいいってわけ? ハハハハ……調子に乗んなクソ。悪を騙るならトコトンまで騙れ。悪なら自分の行う事は全て悪だと思え。畜生に身を堕とせばそこで人間ではなくなるんだよ。正しいとか悪いとか境界線は消失するんだ」
小物とか小悪党はこんな感じだ。自分がやる事は良いけど他の人がやれば悪いと非難する事はよくやる。そういった輩はエヴァンジェリンもボクも嫌いだ。
エヴァンジェリンは一度、そんな輩に騙されて奴隷に身を落とした事がある。それ以来、話す事もせずにすぐに殺す事もしている。女と子供には手を出さないのにはここから理由が生まれているのだと思う。
奴隷には子供と女が多いから奴隷時代に共に切磋琢磨をしていたのだと思う。
「ありきたりな言葉だけどテメーに非難した人を許した? 見逃した? 多分だけどそれすらも聞かずに問答無用で奴隷にしたんだろ? 人でなしはどっちかな?」
「だ、騙されねぇぞ! 言葉巧みに操ろうたってオレ達にゃ通じねぇ!」
「うんうん。言葉が通じないのならしょうがない。死んでいいよ」
鈍い音が連続して響いた。指示を受けたソフィが高速で一番立場が上の男を残して全員を吹き飛ばす。弱い男なのでボクが見えたソフィの動きは捉えられていないだろう。何が起こったのかわからない顔をしている。
エヴァンジェリン特製の人形は流石だ。人形使い、ドールマスターと呼ばれるだけあって人形には右に出る者は……と前にも言った気がする。本当に技術は凄い。
「え、あ、は?」
「言葉が通じないんだろ? なら言葉を交わす意味もない事になるじゃん? あれも殺せソフィ」
「あ、あ、あ。ちょっと待て。待ってください!」
ほうほうほう。言い訳タイムか。殺す事をやめさせられるような弁明をできるかな?
グッと構えたソフィに待てを言い、命乞いをする男を見る。まだ混乱しているようで戸惑いやら色々な感情が入り混じった表情を浮かべて必死に静止してきた。うむ。クソをこうさせると楽しいものだ。
「じゃあどうぞ? ボク等に殺人をやめさせるだけの説得はできるかな? 気に入らなかったらすぐさま惨たらしく殺してあげよう。チャンスは一度だけね」
凄まじいほどのゲスだねボク。だがそれがデフォルトだ。
恐怖心を煽るようにソフィはシャドーをし、自分は手に雷の魔法を宿らせて脅す。あくまでも経験則だが、炎やら氷やらと比べると雷が一番脅迫に向いていると思うんだ。天災に数えられる雷を見れば人間は恐れ慄くと仮定している。
後は音かな? バチバチッの音が恐怖を煽っているとも思うんだ。炎もいいけど一瞬だけ見える電気はさぞ恐ろしいだろう。
指を擦って少しだけ指と指の間を作ると電気は流れる。雷発生装置を思い出した。未来だと丸い金属の球体の二つの間に雷を発生させるあれ。電気だっけ?
ソフィもエヴァンジェリン直伝なのかわざわざシュッシュッと音を出しながら煽ること煽ること。もう怖いだろうと思う。
「ほら早く」
「あ、それは、えっと……」
「時間制限を設ける外道じゃないからね。ジックリと考えなさい。ボク等を思い留まらせる言葉を考えんしゃい」
外道め! それは褒め言葉です。
「マスター。早く殺せばいいと思う。生きる価値もない」
「まあまあ。最後の命乞いなんだから最後まで聞こう」
(助かると思って安心した途端殺せばいいじゃろ)
(……マイスターの言う通り。マスターは凄い?)
どこを見て凄いと表現したのか。外道か。ゲスな部分なのか。
取り敢えずこのまま待ってみよう。どれだけの言い訳ができるか見物だ。人間、追い詰められれば何でもできるって。
「お、オレ、オレは」
「うん?」
「あ、いや……」
「頑張ってよ。チャンスは一度だけだよ? これに失敗したらごーとぅーへるだぜ? 地獄へまっしぐら」
「ひっ。待ってくれお願いだ!」
完全に怯えきっている男。更に恐怖させるために電気を使わずに指のパチンパチンだけで音を出してみる。見事に何の害もないのに音がする度にビクビクと体が震える。面白いほどに。やべ。更に楽しくなってきた。
「……そ、そうだ! 同業者の情報を与える! 奴隷に関係している奴等を売るからそれで勘弁してくれ! いや、ください!」
「わ。予想の斜め上だね。仲間を平然と売るなんてクズだな」
「……どの口がッ」
「ん?」
「な、何でもありません!」
「そっか。もし反抗的なら問答無用でぶっ殺していたけど気のせいならしょうがないね」
真っ青を通り越して真っ白になる。楽しい。
時々真っ白な顔色という表現があるがまさか本当に見られるとは思わなんだ。今までは無駄に力のある小物やら顔を見られないようにする奴だとかハッキリと顔を見た事はないんだもんな。
何か言い訳をするのかと思えばまさかの仲間を売る。最低、ゲスだとか言って罵ってやろうか。マゾの扉を開くまで罵ってやろうか。
「うーん。しょうがないね。嘘偽りなく真実を話せば見逃してあげよう。ボクと彼女は何もしないと約束するよ」
「本当か!?」
「ホントホント。だから全部情報出せ」
助けると言えばそれはもうペラペラと話してくれた。頼んでもないのに情報を羊皮紙に書いて必死に助かろうとしているのは笑うしかない。
約束はしたから手は出さんけど。ボク等だけは出さない。そう、ボク等はね……クフフフフフ。言葉の裏を読めなかった奴が悪いんだよ。もしそれに気付けば本当に命は助かったのにね。
「うん。十分だね。もう行ってもいいよ」
「や、約束だからな! 手は出すなよ!」
腰を抜かしながらも必死に逃げる男。もう笑うしかない。あれだけ威勢のいい事を言っていたのに最後は情けない姿だもんな。小物も皆あんな感じだから世界共通なのはここもなのだろうか。
小さく笑いながら手を振って見送る。気軽に友人に別れを告げる軽い思いで振っていると少しガッカリした気分を拭えずにいる。
ハァ。ちょっとガッカリ。ここでどん天返しで逆転するかと期待したのに。魔法を封じて薄い本展開が始まると思ったんだが。そうすれば約束を反故にして殺す事もできたのに。ついでに言えば魔法を封じるアイテムが欲しかった。
秘宝級のアーティファクトレベルだからな。魔法を封じるレベルとなれば。ボクもエヴァンジェリンも指二本で数えられる数しかないからストックだけは欲しい。
「あーあ」
「どうするの?」
「ガッカリしたけどまあいいや。今からお仲間さんに
もう一つの要件も加えておこう。自分達が滅ぼす原因になったのは“情報漏洩”である事も教えてあげよう。ボクってば優しい!
ハイハイ鬼畜鬼畜。今後の奴隷商人の末路がどうなるかはもうわかる人はわかるでしょう。オリ主とソフィは手は出しませんので(ゲス顔)
フェフェフェフェ。こんな風に恐怖を感じさせるイジメもいいもんですな。相手はクソだから別に構わないよね?
後は執筆初心者にあるある。ヒロインとか女性キャラが追い詰められていると殺すとか言って初異世界TUEEEEをする。あるある。テンプレすぎて飽きたよ。
このオリ主の場合は寧ろ心を追って殺し、蜘蛛の糸に捕まるかの如くジワジワと女性を口説き落とすクソ野郎です。下心満載なのに女性は王子様に見えているでしょう。一番こんなのが始末が悪い。