翔太side
今日もいつものようき子供達に絵本を読み聞かせる
「そう言えばマスッじゃなくて翔太は、なんでそんなに本を読み聞かせるんだ?子供なら、外で遊ぶべきだと思うんだが」
「アタッじゃなくてアルカはそう思うんだな」
やっぱりそう思うよな、と苦笑いしながら立ち上がり本棚から適当な本を取り出す
サーヴァントアーチャー、アタランテ
僕の仕事を手伝ってくれているサーヴァントの一人だ
ついでアルカはアタランテの偽名、沢山の人の前でアタランテと呼ぶわけにはいかないからね
「あ!?いや、別に悪いとは言ってないのだぞ!?ただ、子供は風の子とも言うし」
本の名前は『ジャックと豆の木』
「僕はさ、本は本当に凄い物だと思うんだ」
そう言ってページを開くと中の仕組みが動き大きな木が現れる
「このたった一冊の本には歴史、動物が英雄の物語が、世界が詰まってる」
そう言いながら開いた本を閉じて本棚にしまう
「そしてその一冊の物語が、人を変えることがあるんだ。優しくなったり、勇気を持てるようになったり、強くなろうとしたりね」
「本が、人を?」
「そう、それは例え漫画だろうとライトノベルだろうと電子書籍だとしても変わらない。僕はね、本に人生を変えて貰ったんだ」
「翔太は本に人生を?」
僕はそれに頷き、外で遊ぶ子供達を眺める
「この園に沢山の絵本があるのも、子供達に沢山の本を読んでもらってさ。笑顔になったり、勇気を持てるようになったり、本当に大切な者を知って欲しいから僕は本を読み聞かせるんだ」
「そうか、そうなのだな。」
そう言って二人で外を眺める
「ありがとう翔太。お前のお陰で私の夢は少しかなった気がするよ」
「そっか」
「さて、じゃあねユウキ君。また明日も本読もうね!」
「うん!しょーたせんせーさよーなら!」
そう言って元気に親と帰っていく最後の子を送り、玄関の扉を閉めて鍵をかける
「ふぅ、これで最後の子は送ったし閉園だな」
「あぁ。そうだねアタランテ、早く家側に戻ってご飯にしよう」
そう言って家の方に繋がる廊下を歩いていると、アリスちゃんが此方に走ってきた
「先生!」
僕はしゃがんで走ってきた彼女を受け止める
「どうしたのアリス?」
彼女はサーヴァントキャスター
名前はナーサリーライムで、渾名はアリスだ
「ねぇ先生、今度この保育園を見学したいって連絡があったわ。新しい友達が増えるのね、嬉しいわ♪」
「そっか、気に入ってくれるといんだけど」
そう言いながら三人で家に繋がっている扉を開ける
「ただいまー!」
「ただいま!」
「今戻った!」
すると早めに此方に戻っていた三人の声が聞こえて中に入る
「お帰りでち、あとちょっとで晩御飯が出来るでちよ」
一人目は赤髪で和服の上にエプロンを身に付け
古風な丁寧語を話す少女
サーヴァントセイバー、紅閻魔
「ヴゥー!」
ゴスロリを身に付け、額から金属の角に両目を隠す程長い前髪みの少女
サーヴァントバーサーカー、フランケンシュタイン
「お帰りなさいお母さん!野菜を解体したよ!」
何故か分からないけど僕のことを“お母さん”と呼ぶ白髪で、顔に切り傷のあるパーカーとスカートを着た少女
サーヴァントアサシン、ジャック・ザ・リッパー
「そっかぁ凄いよジャック」
そう言って頭を撫でる。
僕の方針は叱りつけるのではなく
誉めて優しく接することで、長所を伸ばすだ
すると紅閻魔ちゃんが回す鍋から食欲をそそる良い匂いが
「もしかして、今日のご飯って!」
「カレーでち。あの時に好物だと申していたのでつくってみたでち」
あの時か、覚えていてくれたんだ
「それではみんな、頂くでち」
僕らはそれぞれの席に座り、手を合わせる
『いただきまーす!』
夜、ご飯を食べた僕は自室で原稿に向かっていた
今書いている話しは『仮面戦士ゼロワン』
世界は近未来でAIが発達した日本では、ヒューマギアと呼ばれるロボットが売れていた
あるお笑い芸人を目指す青年が突如としてある大企業の社長となり、また社長の残した遺言である企業の最大の危機が訪れようとしていた
青年は前の社長から託されたベルトを使い、仮面戦士ゼロワンへと変身する
ヒューマギアと人間が笑い会える未来の為に
キャッチコピーは『お前を止められるのはただ1人、俺だ!』
明日の『英雄戦争 下』の打ち合わせのときに編集者さんに頼もうと思っている
もう分かるかもだが、元ネタは仮面ライダーゼロワンだ
すると、扉からノックの音がした
「翔太、少しいいか」
「アタランテ?入って大丈夫だよ」
そう言ってペンを置いて振り返ると部屋にアタランテが入ってきた
「こんな時間にどうしたの?」
「さっきなんだが、魔力を感じた。もしかしたら、この町に魔術師か魔術使いが来ている恐れがある」
その言葉に僕はまるで時が止まったかのような錯覚を味わった
「そんな、どうして…………■■■■は終わらせたはずなのに」
「念のため、そとに出るときは
「あぁ、分かったよアタランテ。明日の午後からちょっと打ち合わせで喫茶店に行くから、アリスを連れてくよ。園の留守を頼むよアタランテ」
「あぁ、任せてくれ翔太」
そう言って僕は執筆に戻り、アタランテは自室へと戻っていく
なんか起きないといいなぁ
そんなとき、窓からまた景色には沢山の星が輝いていた
ご愛読ありがとうございます
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