剣と本の保育士   作:クレナイハルハ

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五冊目,揺れる天秤

 

 

???side

 

 

 

 

 

 

 

ある男は願った、種の継続を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は願った

 

 

 

 

 

たった一人の幸せを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『士郎、僕は“正義の味方”に憧れてた』

 

あぁ、知ってるよ……爺さん

 

 

だけど、ごめん

 

俺はあの時の約束を守ることは出来なかったんだ

 

俺は■■の為に他の全てを捨てた

 

爺さんから託された理想(ゆめ)

 

目の前で■を殺されかけて

 

俺の妹を、■■を守ろうとする俺に

 

あいつは言ったんだ

 

 

また失うぞ

 

 

お前じゃ誰も救えない

 

 

 

許せなかった……だから俺は決意したんだ

 

たった一人の幸せを願う事

 

それを悪と言うならば、

 

全のため一を殺すというのなら

 

俺は何度でも悪を為そう、と。

 

俺は、悪でいい

 

俺は正義の味方と言う理想を捨てた

 

悪となった

 

目の前で転移していく■■

 

俺は■■に願ったんだ

 

『■■がもう、苦しまなくていい世界になりますように』

 

『やさしい人たちに出会って……笑いあえる友達を作って……』

 

『あたたかで ささやかな、幸せをつかめますように』

 

そのために、俺は奴と戦った

 

俺の全てで彼奴に立ち向かったんだ

 

そして、強大な一撃に俺の全ては勝った

 

俺は片手を中へと向けて突き上げる

 

「勝ったよ……………切嗣」

 

そう呟いた瞬間、腕に力が入らなくなって手が地面に叩きつけられる

 

体から力が抜け落ちていく

 

あぁ、まずいな

 

ごめんよ■■、海に連れてくって約束

 

忘れてた

 

もし、もう一度会えたらさ

 

 

その約束を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体は剣で出来ている

 

 

血潮は鉄で心は硝子

 

 

幾たびの戦場を越えて不敗

 

 

たった一度の敗北はなく

 

 

たった一度の勝利もなし

 

 

遺子はまた独り

 

 

剣の丘で細氷を砕く

 

 

けれどこの生涯はいまだ果てず

 

 

偽りの体は、それでも

 

 

剣で出来ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔太side

 

 

園の前に倒れた少年を家に運び包帯やガーゼで出来る限りの応急処置をした

 

そして念のためと用意していた客間に寝かせた

 

彼の体は所々が褐色に変化していて

 

それは火傷とも、日焼けとも見られなかった

 

更には身体中に何かで斬られたと思われる切り傷が見られた

 

どう見ても、高校生くらいの子が追っていい傷じゃない

 

だとすると、此方側に巻き込まれたか

 

殺人気又は通り魔に襲われたぐらいだろう

 

なら、せめて傷が直るまでは園に居させてあげよう

 

そう目が覚めぬ少年を見つつ思い、椅子から立ち上がる

 

そして廊下に出て、地下への階段を下る

 

すると、上と違い少し温度が下がったのを感じる

 

そして冷気を発する原因のある部屋の前で立ち止まる

 

ポケットに入れて置いた鍵を取り出して中に入り電気を着ける

 

すると、部屋の明かりが付き

 

部屋の中央を照らす

 

そこには、氷の台座に刺さった

 

冷気を放つ青い刀身、柄に掘られた薔薇の装飾がついた剣

 

異世界にて、とある英雄が使っていた

 

そしてあの時に紅閻魔からつづらで渡された青い剣

 

イリヤスフィールちゃんや凛ちゃんを守るために

 

「もしかしたら、これを抜くときが来るのか…………やめだやめ、いい歳した大人が厨二病みたいだ」

 

そう言って部屋を出て明かりを消す

 

鍵を閉めて上に上がり部屋に戻る

 

何時も通り保育士をするとき用のエプロンを身に付ける

 

さて、切り替えていこう

 

そう思った時だ、ポケットの携帯がなり響く

 

誰からと見てみると、編集者さんだった

 

「もしもし?」

 

『もすもすひねもす?』

 

「あれ?編集者さんの声じゃない?すいません、どなたですか?」

 

『私はアニメ音楽会の生んだ天災、TABANEさんだよ!』

 

「は、はぁ?」

 

た、たばね?

 

そんな人、聞いたことないけど

 

『ちょっと!困りますよ、携帯返して下さい!あ、翔太さんですか?えっと英雄戦争のOP、EDの曲を歌って下さるアーティストさんが決まったので、どんなリズムで行くのか此方に来て説明して貰えませんか?』

 

「きゅ、急ですね?どうして?」

 

『すいません、TABANEさんは急に活動するかたでして、こんな形になってしまい……』

 

『だって天才の私が愛読するの英雄戦争のOPとEDの歌い手を探しているってきいたんだもん!』

 

「と、取り敢えず行けばいいんですね?分かりました」

 

『はい、場所は○○ビル4階のオーディオです』

 

「分かりました」

 

そう言って携帯の通話を気ってアタランテの元へ行くと園内の掃除を行っていた

 

少し申し訳ないけど、園の管理は彼女にしか任せれない

 

「む?どうしたんだ翔太」

 

「アルカ、少し用事で出掛けなきゃいけなくなっちゃって。申し訳ないけど、僕が行ってる間、園を頼むよ」

 

「あぁ、安心して任せてくれ。だが、午後の読みかきかせは?翔太の読み聞かせが聞けないと、あいつら少し悲しむぞ」

 

「午後の読み聞かせの時間までには戻れるよう頑張るよ」

 

そう言って園を任せて、僕は出掛けようの服と帽子を被って園を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、どうにか午後の読み聞かせまで園に戻る事が出来た

 

いや、選ばれたアーティストのTABANEさんはまるで不思議の国のアリスを思わせるかのような服にウサミミをつけている女性だった

 

なぜにウサミミ?

 

まあ、僕が少しだけ歌って見せると

 

さすがは天才、すぐに僕の思う通りの曲を仕上げてくれた

 

これで最後の戦闘シーンに流れる歌で一気に人気を取り戻せるかも知れない

 

読み聞かせに使う本『ピーターパン』を選んで子供達の待つ教室に入ると一人だけ見かけない子がいた

 

「アルカ、あの子は?」

 

「あぁ、体験入園に来てくれた子でな。名前はアビーだ」

 

「わかった。ありがとう」

 

そう言って僕は何時も通り本を読み聞かせる

 

さすがに女の子の役はアタランテに頼んだけどね

 

新しく来た、アビーちゃん

 

少し前のあの時に喫茶店を手伝ってた子が来てて驚いたけど

 

見んなと同じように笑顔で過ごせていたみたいだからよかった

 

 

 

 






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