超次元ゲイムネプテューヌ~深紅の剣神~   作:初代凡人

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どうも、皆さん。いきなりですが、一つ謝罪を致します。

今回でラステイションの体験入国を終わらせる予定だったんですが、思った以上に長くなってしまったので、次回もラステイションです。申し訳ありません。

気を取り直して、本編へどうぞ。


第十話 助け合い

刀哉side

 

「……や……………い」

 

ん?誰だ?

 

眠りの心地よさを奪う身体が揺すられる感覚と声が聞こえてきて、俺は目を覚ます。

 

昨日は色んな意味で疲れてたせいか、まだ眠い。起こしに来てくれた人には悪いがもう少し寝かせてもらおう。

 

俺はまだ寝ているフリをする。しばらくしたら、諦めてくれるだろう。

 

「と…や…おき……い」

 

まだ起こそうとしてくる。結構粘るな。まあ、起きないが。

 

俺はまだ寝たフリをする。すると、とうとう諦めたのかその人の手が離れる。これで寝れるな。

 

俺は安心して寝ようとする。

 

 

 

 

 

「――刀哉!! 起きなさい!!」

 

 

 

 

 

「いっ――!?」

 

だが、突然耳元で大声が聞こえ叩き起こされる。耳の中がキーンと鳴っている。不覚…! 俺がネプテューヌにしたことを自分にされる日が来ようとは…!

 

まだ耳がキーンと鳴っているが、起こした人を確認するために目を開ける。

 

「はあ、全く。ようやく起きたわね」

 

そこにいたのはノワールだった。わざわざ起こしに来てくれたようだ。こんな美少女に起こされる日が来ようとは、得をしたな。

 

「身体を揺すって声をかけても起きないから、無理やり起こさせてもらったわ。目が覚めたでしょ?」

 

…ノワールが何か言ってるようだが、耳がキーンと鳴っているせいで全然聞こえない。

 

「悪い、ノワール。今耳鳴りが起きてるせいで何言ってるかわからん。しばらく待ってから言ってくれないか?」

 

「え? わ、わかったわ」

 

「ごめん。出来れば行動で表して」

 

ノワールは首を縦に振る。自分の声すら聞こえないので、ちゃんと声が出せてるか不安だったが、今の反応を見るとちゃんと聞こえてたようだな。良かった。

 

俺はしばらくして耳鳴りが止んだので、あー、と声を出してみる。良し。ちゃんと聞こえるな。

 

「お待たせノワール。それでは、改めてどうぞ」

 

「…もう良いわ。なんか気がそがれた。とりあえず、早く起きなさい。もう朝食の準備出来てるから」

 

「了解。すぐに行く」

 

俺の言葉を聞くとノワールは部屋を出て行った。多分ユニももう起きているんだろう。これ以上待たせる訳にはいかないな。

 

俺はすぐに着替えて、リビングへ向かった。

 

 

 

――――――――――

 

「それじゃあ、そろそろ行くわよ」

 

「おう」

 

朝食を食べ終わり、しばらくして俺とノワールは街に行く最低限の準備を整えて、街へ出発しようとしていた。

 

「お姉ちゃん、刀哉さん、行ってらっしゃい!」

 

「ええ、あとはよろしくね。ユニ」

 

「おう。なんかあったら俺が持ってるNギアに連絡してくれ」

 

Nギアというのは簡単に言ってしまうと携帯電話のようなものだ。だが、色々なことに活用出来るため、携帯電話の域はすでに脱している。

 

ちなみに俺のはネプギアからもらった。

 

「もう、刀哉さん! 子供扱いしないでください!」

 

「軽い冗談だよ。そんなに怒るな」

 

「ほら、刀哉。早く行くわよ」

 

「ああ。それじゃ、行ってきます」

 

「はい! 行ってらっしゃい!」

 

俺はユニに手を振りながら、ノワールと一緒に街に向かった。

 

 

 

――――――――――

 

「やっぱり、工場も多いな」

 

俺は街を歩いていて、改めて思ったことを口にする。

 

「ええ。でも多いからこそ、空気の汚染が問題になっていたこともあったのよ」

 

「まあ、こんだけ工場が建っていたらな」

 

「最近は大分改善されたのよ。それでもプラネテューヌと比べるとまだまだ発展途上ね。でも、だからこそ毎日新しいものが作れるのよ」

 

「ノワールはプラネテューヌ、と言うよりはネプテューヌには負けたくないんだな」

 

「当然よ。ネプテューヌだけじゃないわ。ブランとベールにも負けられない。私はこのラステイションをこのゲイムギョウ界一の国にしてみせるわ!」

 

握り拳を作りながらそう言うノワール。どうやら他の三人と比べてノワールは競争心が強いみたいだ。別に悪くないとは思うが、

 

「なあ、ノワール。せっかく友好条約を結んだんだ。そこまで対抗意識を持たなくても良いんじゃないか?」

 

「確かに友好条約は結んだけど、シェアを奪い合う敵に変わりないんだから、そんなのは無理よ」

 

ダメだ。俺じゃ説得出来そうにないな…。まあ、これだけは言わせてもらおう。

 

「ノワール。別に俺はお前のその考えが間違っているとは言わない。だけど、友好条約を結んで仮にも仲間になったんだ。仲間に助けを求めたって、別にバチは当たらないと思うぜ?」

 

俺はそう言いながらノワールの肩に手を置いて、歩いて行く。

 

「ちょ、ちょっと!? 何処行くのよ!?」

 

「そこのアイス買ってくるだけだ」

 

そう言って俺は店に向かう。言い忘れていたが、金はプラネテューヌを出る時にイストワールさんからもらってる。無一文で買いに行くなんてオチはない。

 

 

 

刀哉side out

 

 

 

ノワールside

 

「もう。なんなのよ、急に…」

 

私はアイスを買いに行った刀哉を待つ為に近くのベンチに座る。此処なら店を出てからすぐに見えるから問題はないでしょう。

 

暇でボーっと前を見ていると、六歳程の男の子が二人走っていた。前を走る子は後ろの子を見ながら走っているので、転ばないか心配になる。すると、案の定男の子は転んでしまう。泣き始めた男の子を見て私は助けようと立ち上がる。

 

しかし、後ろにいた男の子がにこやかに笑いながら手を差し伸べる。転んだ男の子はそれを見て泣くのを止めて、同じように笑ってその手を握る。そうして立ち上がると、二人は先程と同じように走って行く。

 

私は再びベンチに座ったが、その様子を見ていて、さっき刀哉が言っていた言葉を思い出す。

 

『友好条約を結んで仮にも仲間になったんだ。仲間に助けを求めたって、別にバチは当たらないと思うぜ?』

 

「そんなこと、わかってるわよ…」

 

だけど私は自分で言うのもなんだけど、素直じゃない。言い方を変えればプライドが高い。そんな私が皆に助けを求めるのはかなり難しい。でも、友好条約を結んだんだから仲良くしないと…。

 

私は顔を伏せて、しばらく頭の中で葛藤する。

 

「へいへ~い! そこの彼女ぉ!」

 

だけど、突然聞こえてきた声によって邪魔される。私は顔を上げて声をかけてきた人物を見る。

 

「今暇ぁ? 暇なら俺たちと一緒に遊ばなぁい?」

 

変に間延びした声を聞いてるだけで、目の前の男、いや、その周りの四人も含めてどんな人物なのかを把握した。

 

「悪いけど、私は暇じゃないわ。男を待ってるの」

 

あえて待っているのが男だと言うことで、諦めさせようとしたけど、

 

「マジかよ~! こんなにかわいい子を待たせるなんて、そいつクズじゃねぇ~?」

 

諦めるどころか余計に食いついてきた。その男の発言に周りの男も賛同の声を出す。

 

「そんなクズなんかよりも~、俺たちと楽しく遊ぼうぜぇ!」

 

「お断りするわ。私が待っている人はあんたたちに比べたら凄いまともだから」

 

「「「「「あぁ?」」」」」

 

私の言葉に反応して男たちは声を荒げる。そして、先程から話しかけてきてる男は私と距離を詰めて、身長差を利用して脅すように見下ろす。

 

「言葉遣いには気をつけた方が良いぜぇ、お嬢ちゃぁん」

 

胸ポケットに手を突っ込み、何かをチラつかせている。あれは…刃物!?

 

男は大分手慣れているみたいだ。それは今まで私以外の女の人にもこ手段を使ってきたということになる。

 

……それを理解すると、怒りが込み上げてきた。

 

「それなら、言い方を変えるわ。あんたたちみたいな奴らと遊んでる程私は暇じゃないのよ!」

 

「…良い度胸だぁ!」

 

男はナイフを完全に出して振り下ろしてくる。こんなの簡単に避けれるわ!

 

私が避けようとしたその時、

 

 

 

 

 

ベチャッ!

 

 

 

 

 

「うがっ!? 冷てぇ!?」

 

突然横からアイスが飛んできて、男の顔に直撃して、一瞬怯む。その隙にボディにパンチを入れて男をノックアウトする。

 

そして、私はアイスが飛んできた方に目を向ける。そこには、

 

「刀哉!?」

 

片手に二段アイスを持って立っている刀哉がいた。

 

 

 

ノワールside out

 

 

 

刀哉side

 

「いやー、思った以上に時間がかかっちまった」

 

あの後、俺はアイスを買いに行ったのだが、思った以上に人が並んでいて時間がかかってしまった。

 

俺は両手に二段のアイスを持ってノワールのところに急いだ。そして、さっきノワールの姿が見えてきた。だが、

 

「誰だ、あいつら?」

 

ノワールの周りには五人の男がいた。…またナンパか。だが、昨日の男たちとは違って別にガタイが良いという訳ではないようだ。

 

その内の一人がノワールにかなり近づく。あんなに近いと何をされるかわからない。俺はいつでも助けに入れる距離に入る。

 

ノワールと男が何回か言葉を交わすと男は何かを手に持ち、ノワールに振り下ろす。あれってナイフか!? させるか!

 

俺は手に持っていたアイスの一つを男に目がけて投げる。アイスは見事に男の顔面に直撃して、怯ませる。ノワールはその隙に男のボディに拳を叩き込み、男はその場に倒れる。ノワールはその後、俺の方を見て驚く。

 

「刀哉!?」

 

「よう、ノワール。悪いな。待たせたせいで面倒なことになってるみたいだな」

 

周りの男が俺を睨みつけてくる。昨日の三人と同じで全く怖くない。

 

「てめぇ! こんなことしてただですむと思ってんのか!?」

 

「それはこっちのセリフだ。その人はこの大陸の女神、ブラックハート様だぞ」

 

「「「「なっ!?」」」」

 

男たちは気づいてなかったのか、驚愕の声を上げた。

 

「わかったら、そこの男を回収してとっとと立ち去れ」

 

「う、うるせぇ! 女神だろうが関係ねぇ! お前を人質にとれば、何も出来ねぇだろ!」

 

そう言うと男たちは一斉に俺に襲いかかってきた。全員がナイフを持っている。はあ……。バカばっか。

 

「…来い」

 

俺は大剣をコールする。向こうも刃物を使ってるんだ。こっちも使って問題ないよな?

 

アイスを落とさないように気をつけながら、大剣を持つ。

 

「な、なんだ!? あのけ――」

 

「おらっ!」

 

「ぐあっ!?」

 

まず大剣を持った手で一人を殴り飛ばす。そして、ほぼ同じタイミングで来た二人を刀身の横で吹き飛ばす。

 

「「ごはっ!?」」

 

これで残ったのは一人。俺はそいつに近づく。

 

「ひ!? ま、待ってくれ! わかった! 全員連れて帰るから!」

 

「わかれば良いさ。あともう一つお願いがあるんだが……」

 

バキンッ!

 

「――聞いてくれるか?」

 

足元に落ちているナイフを大剣で真っ二つにしながら男に聞く。

 

「わ、わかった! なんでも言うこと聞くから!」

 

「サンキュー。それじゃあ…」

 

俺は顔にアイスの付いた男を指さして言う。

 

「――あれと同じ種類のアイス、買ってきてくれ」

 

 

 

――――――――――

 

「買ってきましたぁ!」

 

「おう、早かったな。ご苦労様。それじゃ、もう連れてって良いぞ」

 

「は、はい! 失礼します!」

 

男は足下で伸びている四人を引きずりつつも立ち去って行った。

 

「うわっ、ヤバイ! 最初に買ってきたやつもう溶け始めてる!」

 

俺は慌てて垂れそうになっている部分を舐める。うん、ウマイ!

 

「あんたって意外と容赦ないわね。殴った上にパシリに使うなんて」

 

「あの男自体には手を出した覚えはないぞ。それにあのアイスも俺が手を滑らせて飛んだやつをあの野郎が勝手に食(ら)ったんだ。弁償してもらうのは当然だ」

 

「あ、そう。にしてもそれ、一人で食べるの?」

 

「んな訳有るか。ほら」

 

俺はそう言ってさっき男が買ってきて、まだ充分に冷えているアイスをノワールに差し出す。ノワールは驚いた顔でこっちを見る。

 

「え? これくれるの?」

 

「当たり前だろ。なんで一人で二段アイスを二つ食わなきゃいけないんだ。そんなんだったら四段アイスを頼んでるよ。それに、一人だけで食うのもなんか寂しいしな。という訳だ。受け取れ」

 

「…ありがとう」

 

ノワールはようやくアイスを受け取る。良かった。これでいらないとか言われたらどうしようかと思った。

 

「しかし、前から思ってたが世界は違うのに同じ食べ物を食べれるってのは不思議だな」

 

「刀哉が住んでた世界にもアイスあったの?」

 

「アイスだけじゃない。クレープみたいなデザートからカレーのようなご飯ものまで、今のところ元いた世界で食べたことや見たことあるやつばかりだ。此処が異世界だとは思えないくらい…」

 

俺はそう言ってる内になんだか前の世界が恋しくなり、空を見上げる。この空にしたってそうだ。青くて雲もあって、日が昇れば朝になるし、日が沈んで月が昇れば夜になる。

 

前いた世界と何も変わっていない。だが、決定的に何かが違う。一度考え出すとキリがない。

 

「…ねえ、刀哉」

 

しばらく頭の中で考えてるとノワールが声をかけてきたので、思考を一旦中断して顔を向ける。

 

「さっき、私に言ったわよね?仲間に助けを求めても良いって」

 

「ああ」

 

「だったら刀哉も私たちに遠慮なく助けを求めて。あなただって私たちの仲間なんだし、あなたが困ってるなら私たちも出来る限りのことはしてあげたいのよ」

 

ノワールは真剣な顔で俺にそう言ってくる。…本当、こんなに優しい人たちと一緒に過ごせるとは、俺は変なところで運が良いようだ。

 

「……ははっ」

 

「な、何よ!? せっかく人が良いこと言ったのに!」

 

「ああ、すまん。別に可笑しくて笑ったんじゃないんだ。ただ、俺は幸せ者だなと思ってな」

 

「全くよ。各国の女神とここまで親しくなれてる人はそうはいないわ。男だけで言えば刀哉だけよ」

 

「それ即ち、俺は世の中の男を敵に回したということだな」

 

「そうね。いつか後ろから刺されるんじゃない?」

 

「…あり得そうで怖いな」

 

先程までの暗い思考はいつの間にか消え、しばらくアイスを食べながら俺とノワールは笑い合っていた。

 

「さて、食べ終わったし次行くか」

 

「ええ」

 

そして、俺たちはベンチから立ち上がり、歩き始める。だが、

 

ドゴォン!

 

「「っ!?」」

 

突然巨大な爆発音が聞こえ、立ち止まる。音がしたであろう方向に顔を向けると、煙が上がっていた。大分遠いな。

 

「刀哉! 行くわよ!」

 

「わかった!」

 

俺とノワールは爆発が起きたであろう場所に向かって走り出す。

 

最近トラブルに困らないな。……何も嬉しくないけど。




最近刀哉くんが悪く見えている方。あなたの目はおかしくありません。

彼はどちらかと言うとS気質なんです。それでもって、怒るとそのSっ気が表面に出てくるんです。だから相手よりも悪く見えてしまうんです。ですが、基本刀哉は礼儀正しく、優しいのです。そこのところ誤解しないでください。

次回でラステイション編は終わらせれるように頑張ります!

それでは、さようなら。
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