途中までは順調に書けていたのですが、文字数が中途半端になっていたので、新しく入れるネタを考えていたら、結構時間がかかってしまいました…。申し訳ありません。
それでは、本編へどうぞ。
刀哉side
数年ぶりの病院での朝を迎えた。医者に傷を見てもらったが、完治していると言われた。…それと一緒に「君は人間か?」と言われた。最近このセリフも聞き慣れてしまった。
とにかく、これでリーンボックスに行ける。俺は同室にいたヒナに別れの挨拶をして、教会へ帰ってきた。
「…お帰り、刀哉」
「お帰り! 刀哉お兄ちゃん!」
「お帰り…。刀哉お兄ちゃん…」
「あれ? 皆揃って出迎えか?」
教会の前にはブランとロムちゃんとラムちゃんがいた。ブランは俺の荷物を持っていた。
「…出迎えと言うより、見送りよ。今からリーンボックスへ向かうわよ」
「え? もう出発するのか?」
俺の言葉にブランは頷く。そうか、もう出発か…。
そんな風に考えていると、ロムちゃんとラムちゃんが俺の近くに歩いてきた。
「刀哉お兄ちゃん! また来てくれる?」
「また遊んでくれる…?」
二人は若干泣きそうな顔をして俺を見てくる。別れを惜しんでくれてるのか? 嬉しい限りだ。
俺は二人の頭を撫でる。
「ああ、もちろんだ。今度また遊びに来るから、その時まで良い子にして、ブランの言うこと聞くんだぞ?」
「うん!」
「わかった…!」
二人は飛び切りの笑顔で返事をする。それに釣られて俺も微笑む。
「…はい。荷物よ」
「サンキュー、ブラン」
俺はブランから荷物を受け取る。念のために、何か抜けてる物がないか確認する。
「…忘れ物はない?」
「ちょっと待ってくれ………良し! 大丈夫だ」
「…わかったわ」
ブランはそう言うと女神化する。
「じゃあ、とっとと行くぜ」
「わかった。それじゃあな、二人とも。また今度な」
「「うん!」」
ブランは俺が背中に乗ったのを確認すると上空へと飛び上がった。持ち方はノワールと一緒だ。…ただ、見た目が子供と変わらないので、傍から見たら危ない光景じゃないか?
「おい、刀哉。この二、三日ルウィーで過ごしてどうだった?」
「ん? まあ、良い国だと思うぞ。個人的には雪が有るのは高得点だ。俺の住んでた国と一緒だからな」
雪が恋しくなったら、遊びにくるというのも有りだな。
「そうなのか? まあ、気に入ってもらえたなら良いけどよ…。こっちの勝手な都合で死にそうな思いをさせちまって…」
「だからもう良いって。確かに死にかけたけど、それは俺が荒療治をしたからなったんだ。それなのにお前が謝る理由は何一つない」
女神とはいえ、皆責任感が強すぎる。そんなことで皆が謝る必要はないのにな…。
「そうか…。悪いな、しつこく謝って」
「もう良いさ。それより、ブランも女神化したら性格が大分変わるな…」
いや、怒った時の人格が表に出てきてるだけか…。
「おい…。今変なこと考えてないか?」
「ナンノコトヤラ」
最近考えを読まれやすくなってる気がする。なんでだ?
「それはそうとブラン。リーンボックスにはやっぱり時間かかるのか?」
「当たり前だろ。今更何聞いてるんだよ」
「いや…。なんだか、また疲れてしまいそうな気がするから、今の内に寝ようかと思ってな。良いか?」
「別に良いぜ。いびきがうるさかったら叩き起こすけどな」
「りょ、了解」
だ、大丈夫だよな? 俺っていびきうるさくないよな?
「それじゃあ、寝るからな。お休み」
俺はそのまま眠りについた。
――――――――――
ガァン!
「……ん?」
頭に鈍い衝撃を感じ、俺は目を覚ます。
「ブラン…? もう着いたのか…?」
「…痛くねぇのか?」
「は? 何が?」
「いや、頭をぶん殴って起こしたからよ…。平気なのか?」
あー。なんか頭に感じる違和感はそのせいか。
「変な感じがするけど、痛みは全くないぞ。寝てる時には痛みをあまり感じないからな」
「そう言うもんか? まあそんなことはどうでも良い。もう着くぜ」
ブランが前に目を向けたので、そちらに目を向ける。すると、遠くに一つの街が見えた。
「あれがリーンボックスか」
街並みは、俺の世界と似た感じの印象が持てる。…まあ、こっちの方がデカい施設多いけど。
「ああ、そうだ。とっとと行くぜ」
前回のノワールとの一件を思い出し、俺はすぐに口を閉じる。次の瞬間、ブランはフルスピードで飛び始めた。口閉じて良かった…。
――――――――――
「ほら、着いたぜ。早く降りろ」
「わかってるよ」
俺はブランの背中から降りて、目の前の建物を見る。
「本当…。どれもこれも教会に見えないな…」
目の前の建物はどう見ても宮殿だった。
「そっちの世界での教会がどんなものか知らねぇけど、別に形にこだわる必要はねぇだろ?」
「いや、まあそうなんだけど…」
限度ってあるだろ。
「まあ、私は此処までだ。ルウィーに帰らせてもらうぜ」
「おお。ありがとな、ブラン」
「刀哉。お前が来てくれたらロムとラムも喜ぶし、いつでも歓迎するからまた来いよ」
「わかったよ。じゃあ、元気でな!」
「おう!」
そう言うとブランは飛んで行く。俺は後ろの教会(?)に振り返り…。
「…インターホンって有るのか?」
どうやって中のベールさんに伝えるか思案し始める。普通に声上げれば良いか。
「ベールさーん! いますかー!?」
しかし、反応が返ってこない。…まさか出かけてるなんてことは―――
「呼びましたか?」
「ギャアァァァァ!?」
後ろから突然声をかけられ、驚いて叫んでしまう。前にもこんなこと有ったよな!?後ろを振り向くと、
「だ、大丈夫ですか?」
案の定、声をかけたのはベールさんだった。
「い、一応は…。二回目ですので…」
「二回目?」
「気にしないでください。それより、ベールさん。なんで教会と逆方向から来たんですか?」
「実は今日発売の新作ゲームが有りまして、それを買いに街に行ってたのですわ。すみません…。どうしても待ち切れなくて…」
マジで出かけてた…。
「いや、良いですよ。それより、早く入りませんか?」
「そうですわね。それでは、どうぞ」
「あ、どうも」
俺はベールさんの後ろについて行き、教会の中に入った。
――――――――――
「此処が刀哉くんに使ってもらう部屋ですわ」
ベールさんの部屋に向かっていたのだが、途中で俺が使う部屋が有ると言われ、先にそっちに来た。
部屋は今までと同じで、ベッド一つ以外何もなくて広かった。
「何か足りない物があれば言ってください。すぐに用意致しますわ」
「大丈夫ですよ。今、荷物置くので待ってください」
俺はすぐに荷物を置いて、ベールさんのところに戻る。
そして、ベールさんの部屋に向かって歩き出す。
「此処が私の部屋ですわ」
「近っ!?」
ベールさんの部屋はさっきの部屋の三つ隣に有った。なんかさっきからデジャヴが多い気がする…。
ガチャッ
「どうぞ。お入りください」
「あ、ありがとうございます」
ベールさんの部屋は…、なんと言うかオタク色全開の部屋だった。色んなキャラのフィギュア、幅広いジャンルのゲーム、薄い本の山が有り、ポスターなんか額縁に入れられている。
俺も好きなフィギュアとかゲームをそれなりに持っていたが、これに比べたら可愛いレベルだろう。
「それでは、早速始めましょうか!」
ベールさんは買ってきたゲームを早速やるつもりらしい。
「あの…、ベールさん。俺がやる仕事は…」
「今日は大丈夫ですわ。午前中に私が全部終わらせましたので、思う存分ゲームをしますわ!」
ああ…。そうですか…。
「もし宜しければ、刀哉くんも一緒にしませんか?このゲーム、対戦格闘ですので一緒にした方が楽しいですわよ」
「え? 良いんですか? 買ったばかりですよね?」
「全然構いません。ゲームは楽しくやれた方が良いですわ」
「…それじゃあ、お言葉に甘えます」
俺はベールさんの隣に座る。ベールさんはゲーム機を起動させ、俺にコントローラーを渡してくれた。
「さあ! 始めますわよ!」
「ベールさん。説明書は見ないんですか?」
「ゲーマーたる者、実戦で操作方法を覚えますわ!」
……流石です。
――――――――――
「そこですわ!」
「甘いですよ!」
「ああ!? カウンター!?」
<KO!>
「あう…。また負けてしまいました…」
「いやいや。ベールさんは充分強いですよ。実際、いつ負けるかとビクビクしてます」
今やっているゲームの操作方法が、やったことがある格闘ゲームと同じだったので、俺の方が有利だった。だが、ベールさんのゲームセンスは相当なもので、十回目になると一ラウンド取られるようになり、先程の二十回目はかなり追い詰められた。
「もう一回です! 次こそ勝ちますわ!」
「あー、それは良いんですけど…。ベールさん」
「? なんですか?」
「そろそろ昼食にしませんか?」
俺は時計を指差して言う。時間は十二時を示していた。朝食は病院のものだったので、少し食べたりなかった。そのせいか、いつもより腹が減るのが早い。
「そうですわね。一旦ゲームを中断して、お昼にしましょうか」
俺たちは部屋を出て、他の部屋で昼食を食べた。
――――――――――
「1、2、3、4! えっと、スタートに戻る…嫌ぁぁぁぁぁ!」
「ふふ。運が無かったですわね。私の番です!」
あの後、昼食を食べ終え、格闘ゲームをまた何回かした後に、すごろくゲームをしていた。
「3ですわね。1、2、3。ゴールですわ!」
「あーあ、負けちゃいましたか」
やっぱり俺って運が無いな。こういうゲームをやると、途中勝ってても最終的にはほとんど負ける。
「こういうゲームなら、公平だと思ったのですけど…。むしろ有利になってしまいましたわね」
「まあ、僕って基本運が無いですからね。次はパズルゲームやりませんか?」
パズルゲームは得意な部類だ。
「良いですわよ。これなんてどうです?」
ベールさんが見せてきたのは、「デコリス」というタイトルのゲームだった。…もうタイトルだけであのゲームと一緒だとわかる。
結局そのゲームをやり始めた訳だが、予想通りの操作方法だったので、ベールさんには圧勝出来た。
――――――――――
「ああ!? このままじゃ追いつけない!」
「このまま、私の勝利ですわ!」
「なんの! 行け! 青甲羅!」
「くっ!? それなら…!」
「あ、ちょ!? バックしないで! こっちにも被害が<ズドォオン!>がふっ!」
「こうなったら、スピードで勝っている私の勝利ですわ!」
「くっ! そうはいきません!」
テレテッテテー!
「私の勝ちです!」
「…やっぱり、負けちゃいました」
デコリスもある程度やって、レースゲームをしているのだが、さっきから連敗してる。アイテムもちゃんと使っているんだが、ベールさんにはどれもこれも大した効果がなかった。
「いえいえ。刀哉くんも上手ですよ。先程から結構ギリギリなのですよ?」
あれ? なんか似たようなセリフを聞いたこと有る気が…。
「なら、もう一回です! 次こそは勝ちます!」
「望むところですわ!」
結局、この後も勝てなかった。
――――――――――
しばらくゲームをし続けた訳だが、ふと外を見ると、いつの間にか暗くなっていた。時計を見ると、七時を指していた。
流石に疲れてきた…。
ぐううぅぅぅぅぅ!
「………」
…いや。それ以上に腹が減ったな。
俺の腹が鳴ったのがおかしかったのか、ベールさんは少し笑う。
「ふふふ。夕食にしますか?」
「…お願いします」
とりあえず、夕食を食べることにした。
――――――――――
「あの…、ベールさん。申し訳ないんですが、ゲームは少し中止しませんか? ずっとやってたせいで流石に疲れちゃって…」
「そうですわね…。それでは、何かのアニメか映画でも見ましょうか」
「あ。そういえば、こっちの世界に来た時にたまたまバッグの中に入っていたやつが有るんですけど…、見ます?」
「そちらの世界のアニメですか…。興味深いですわね。それでは、それを見ましょう」
「わかりました」
俺はネプギアにデータをNギアに移してもらっていたので、それをパソコンに繋ぎ、アニメを再生し始めた。
刀哉side out
ベールside
「中々のギャグセンスですわね…」
私は刀哉くんの世界のアニメ、「バカと◯ストと召喚獣」と言うものを見ていた。主人公のバカっぷりが凄いですわね…。
そんなことを思っている内に全話を見終わる。さっきの刀哉くんの話では、二期も有るらしいですわね。
「刀哉くん。二期の方の再生もお願いしますわ」
あら? 返事が有りませんわね。私は不思議に思い、刀哉くんの方に顔を向けると、
こくっ、こくっ
「………」
いつの間にか首を揺らして眠っていた。でも、目が少し開いてますわね…。
「刀哉くん。起きてますか?」
「っ!? は、はい! なんですか!?」
「もしかして、眠くなってきましたか?」
「……はい。こんなに長時間ゲームしたり、アニメ見たりしたことがないので、正直かなり眠いですね…」
刀哉くんが目をしょぼしょぼさせながら言う。
「刀哉くんはあまり徹夜しないタイプなのですか?」
「はい…。正月も新年迎えたらとっとと寝るタイプです」
今にも眠ってしまいそうですわね…。無理をさせて起こしてるのも、悪いですわ。
「寝ても良いんですよ。私はもう少し起きてますので。あ、でもこのアニメの二期を再生してからにしてください」
「わかりました…」
ふらつきながらも、なんとかNギアを操作する刀哉くん。大丈夫でしょうか…。
「これで終わり、まし、た…」
ドサッ
「と、刀哉くん!?」
作業を終えた刀哉くんはその場に倒れ込む。私は慌てて近づき、刀哉くんの身体を揺するが、
「………」
「ほっ…。寝てしまっただけですか…」
全く…。心配させないで欲しいですわ…。それにしても、どうしましょうか。…刀哉くんなら大丈夫かしら。
「このまま寝かせてあげましょう」
私は刀哉くんを床に寝かせ、ヘッドホンを付けてアニメを見始める。
ベールside out
刀哉side
「…ん?」
あれ…。俺いつの間に寝てたんだ?此処って…、ベールさんの部屋か!?
俺は慌てて起き上がろうとするが、
「あれ?」
何かに抱きつかれていて、起き上がるどころか動くこともままならない。……ちょっと待ってくれ。抱きつかれてる? 誰に?
嫌な予感がビンビンしながらも、俺は横を向く。そこには、
「……んん」
やっぱりベールさんがいた。俺を抱き枕だと思っているのか、抱きついてる力を緩めてくれる気配はない。と言うか、とてつもなく柔らかいものが二つ押し付けられてるんですが!? ヤバい! このままじゃ、いずれ理性が崩壊しかねん!
「ベ、ベールさん! 起きてください!」
俺はベールさんを起こそうと声をかけ、身体を揺する。だが、
「ん……んんっ!」
起きるどころか、更に抱きしめる力を強くしてきた。そのせいで、胸が更に押し付けられる。
ぬがああぁぁぁぁぁぁ!? 色即是空! 煩悩滅殺! 落ち着け俺! クールになれ! Be cool! ここで理性を失えば、それと同時に大切なものを色々と失うぞ!
俺が頭の中で必死に自分の煩悩と戦っていると、
「……あら…?」
ようやくベールさんが起きてくれた。
「お、おはようございます。ベールさん」
俺はなるべく平静を装いながら、挨拶する。しかし、現状を把握したのか、ベールさんは顔を赤くしていき、
「き、きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ばしんっ!
「あべしっ!?」
もの凄く強烈な平手打ちを喰らい、俺は意識を失った。
あれですね。書く上で、ラッキースケベがないと話が面白くならないと思ってしまっている自分がいます。そのせいで、刀哉のラッキースケベのランクがドンドン上がってますね…。
一応、まだヒロインはネプテューヌ一筋の予定なのですが…。私は基本純愛ものが好きなので、ハーレムという選択肢がないのです。(それ以前にハーレムを書けない)
ベールは大人の女性という感じなので、今のところは敬語のままでいこうと思っています。
それでは、さようなら。