超次元ゲイムネプテューヌ~深紅の剣神~   作:初代凡人

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今回から、第二話です。

どうしても、この回は少しシリアスな感じになってしまいますが、早めに終わらせますので、お待ちください。

それでは、本編へどうぞ。


第二十一話 誤解させると痛い目に遭う

刀哉side

 

ラステイションに女神の心得を教わりに行ってから数日後。

 

「うわー、綺麗な街! ルウィー、ずっと来たかったんだ!」

 

今ネプギアが言ったように、俺たちは今ルウィーに来てる。イストワールさんから今度はブランから女神の心得を教わってくるように言われたのだ。…まあ、前回は教われたかどうか微妙だったからな。

 

「でしょ? ネプギアがそう思ってる気がしてさー。一緒に行くように提案して良かったよ!」

 

「前からロムちゃんとラムちゃんに遊びに来て、って言われてたの。二人が他の国に行くのはブランさんが許してくれないんだって」

 

まあ、そりゃそうだ。ロムちゃんとラムちゃんはかなり幼い。なのに他の国に二人だけで行くことはブランは絶対させないだろう。

 

「あー。ブランってお堅いところ有るからねー。そんなことしてたら、ノワールみたいにボッチになっちゃうのにねー!」

 

「………」

 

ガンッ!

 

「痛っ!? なんでいきなり殴るのさ、刀哉!?」

 

「……言わなきゃわからないのか?」

 

俺は前に目を向けながら言う。視線の先には、

 

「本人が目の前にいるんですけど…!」

 

今のネプテューヌの発言に腹が立ったのか、少し怒った口調のノワールがいた。今回はせっかくなので、ノワールとユニも誘って、合計五人でルウィーに来たのだ。

 

「と言うか、私はボッチじゃないわよ! そうよね、刀哉?」

 

「ああ、そうだな。少なくとも、もうボッチじゃないな」

 

「もう、は余計よ!」

 

「え? 何、何? どういうこと?」

 

うまく状況を理解出来ていないネプテューヌが疑問の声を上げる。ネプギアとユニの二人も首をかしげている。

 

そんな三人にノワールは自慢気に腕に付けてるブレスレットを見せる。

 

「あ! お姉ちゃん、そのブレスレットこの前から付けてるよね」

 

「ええ。これは刀哉から友達になった記念にもらったものなのよ」

 

「「「……え?」」」

 

若干意味が変わっている気がするが、あながち間違ってもないから良いか。

 

「と、刀哉!? 本当なの!?」

 

ネプテューヌが驚いた様子で俺に詰め寄ってくる。

 

「ああ。残念ながら、もうボッチネタでいじることは出来ないぞ」

 

「そ、そんな!? ネタの一つを潰すなんて酷いよ!」

 

「黙れ、アホ。本人が目の前にいるにも関わらず、バカにした罰だと思ってろ。そんなことより、そろそろ着くぞ」

 

俺は馬車の窓から見えた教会を指差しながら言う。

 

三人とも元気にしてるかな…。

 

 

 

――――――――――

 

「へへ~!」

 

「逃げろー…!」

 

「待ちやがれー!」

 

俺たちは教会に着いて中に入った訳だが、騒がしいな…。向こうか?

 

すると、俺たちが歩いている方角から、ブランとロムちゃんとラムちゃんが来た。

 

「ネプギア! ユニちゃん!」

 

「来てくれたの…!?」

 

「うん。遊びに来たよ」

 

「ヤッホー! ブラン!」

 

「よっ!」

 

「「刀哉お兄ちゃん!」」

 

ロムちゃんとラムちゃんは俺を確認すると、跳びついてきた。おっと、と…。ふらつきながらもなんとか受け止めれた。

 

「二人とも、元気にしてたか?」

 

「うん!」

 

「凄く元気…!」

 

「そっか。それは良かった」

 

二人とも変わりないみたいだ。あとは…。俺は二人を降ろして、ブランに近づく。

 

「久々だな、ブラン。元気だったか?」

 

「…ええ。特にこれといって変わったこともなし。いつも通りよ」

 

「そっか。まあ、体調崩すよりは良いな」

 

「刀哉お兄ちゃん! 早く遊ぼう!」

 

「遊ぼう…!」

 

「わかったわかった」

 

 

 

――――――――――

 

とりあえず、四女神は話し合っているので(なぜかベールさんは先に来ていた)、俺たちは五人で雪だるまを作って遊んでいる。

 

「おお。中々の出来じゃないか?」

 

「うん!」

 

「ブランさんにそっくりだね」

 

雪だるまはブランさんをモデルに作っていた。結構良い出来だと思う。

 

「っ! スーパーニテールランド!?」

 

「うおっ!?」

 

突然ロムちゃんとラムちゃんが女神たちの方に走って行く。自分たちが好きなものに関しては地獄耳だな…。俺たちも二人の後を追って、女神たちのところに行く。

 

「行きたい、行きたい!」

 

「連れてって…!」

 

二人は目を輝かせてブランにお願いしてる。そんなに行きたいのか…。

 

「…妹たちを連れて行ってもらえるかしら?」

 

「「「「「「「「え?」」」」」」」」

 

連れて行ってもらえる、って…。

 

「ブランは一緒に行かないのか?」

 

「…私は、行けない」

 

「えー? 仕事? 止めなよー。昔の偉い人も言ってるよ。働いたら負けかなと思ってる、って」

 

「それ、偉い人じゃないから…」

 

「ただの働きたくないニートの発言だろうが」

 

こいつにとっては偉い人かもしれないが…。

 

バンッ!

 

「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」

 

ブランは突然机を叩いて立ち上がる。

 

「…とにかく、私は無理」

 

「あ、おい!」

 

俺の静止の声も聞かずに、ブランは立ち去ってしまった。

 

「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

なんとも言えない空気がその場に流れる。

 

「…とりあえず、此処にいる皆で行くか」

 

結局、ブランを除いた八人でスーパー二テールランドに行くことになった。

 

 

 

――――――――――

 

「うわー!」

 

「待って、ラムちゃん…!」

 

「二人とも! ちゃんとコート着てー!」

 

「ネプギア! 入場券忘れてる!」

 

「女神候補生は元気だねー」

 

四人は真っ先にスーパー二テールランドに走って行く。俺を含めた四人はそれを微笑ましく見ている。

 

「楽しそうで良いじゃない」

 

「そうですわね。元気が有るのは良いことですわ」

 

「私ピーチ買ってくる!」

 

「お前も妹たちについて何か言えよ!」

 

俺のそんな声も聞かずにネプテューヌは桃を買いに行った。

 

「はあ…。そこのベンチに座って待つか」

 

ネプテューヌを待つために近くのベンチに三人で座る。

 

「それにしても、ブランはなんで一緒に来なかったんだろうな?」

 

「そうよね。他国の女神が遊びに来てるんだから、ブランも付き合うべきよね。本当、何考えてるかわかんないわ」

 

「まあ、そうですわね。彼女はもう少し大人になるべきですわね。私のように」

 

そう言いながらベールさんは胸を揺らす。俺は即座に視線を逸らす。最近こういう対応に慣れてきた自分がいる…。

 

「そういえば、ネプテューヌからお二人の関係に変化が有ったと聞いたのですが、……本当ですか?」

 

ん? ああ、ノワールと友達になったことか。

 

「ええ。本当よ」

 

「はい、良い方向に変化しました」

 

「あらあら…」

 

そう言うと、なぜかベールさんは顔を少し赤くする。え? なんで?

 

「それでは、刀哉くんは本当にノワールの初めての相手になったのですわね…」

 

「「なっ!?」」

 

ちょっと待て!? 今の言い方だと別の意味に聞こえるだろ!?

 

「ち、違うわよ! そんな訳ないでしょ!?」

 

「そ、そうです! そんな事実は有りません!」

 

「初心だと思ってましたが、刀哉くんはかなりの肉食系なのですわね。予想外でしたわ…」

 

「「だから、違うんですって(だってば)ー!!」」

 

 

 

――――――――――

 

誤解を解くのに数分を使ってしまった。

 

「初めての友達になったということでしたか。ごめんなさい。変な勘違いをして…」

 

「いえいえ。わかってくれたなら良いですよ。原因は――」

 

「ねぷー!?」

 

「…噂をすればなんとやら」

 

俺は怒りを抑えながら、悲鳴を上げたバカの方に顔を向ける。

 

「この亀、私のピーチを狙ってるよ! 助けてー!」

 

亀に襲われているネプテューヌがいた。…そうだな。救いの手を差し伸べてやろう。俺はベンチから立ち上がり、ネプテューヌのところに行く。

 

「と、刀哉!? 助けに来てくれたの!?」

 

「ああ。その亀の狙いはピーチだ。一旦こっちに渡せ」

 

「わ、わかった! 受け取って!」

 

ネプテューヌはピーチが入った袋を投げてくる。俺はそれを受け取る。亀も目的のものがこっちに来たので、ネプテューヌから離れる。その隙にネプテューヌは逃げる。

 

「良し! 刀哉、もう戻して大丈夫だよ!」

 

「ああ、そうだな…」

 

「えっ、刀哉? なんで真逆の方向に振りかぶるの? そっちにはたくさん亀が…」

 

「………プレゼント、フォー、タートルズ!!」

 

「あー!? 私のピーチがー!?」

 

俺は持っていた袋を亀がたくさん集まっているところに投げる。袋の中の桃は見事にぶち撒けられ、亀が群がっていく。

 

「酷いよ、刀哉! 私のピーチたちが亀の餌に――うがっ!?」

 

ごちゃごちゃうるさいネプテューヌの頭にアイアンクローを決める。

 

「黙れ。元はと言えば、お前がベールさんに誤解を生むような説明をしたのが悪いんだろうが…!」

 

「な、なんの…こと、かな…!? 別に、誤解を生むように……わざと、やったなん…て、ことは…ない、よ…!」

 

「悪意しかないだろうが!」

 

痛みを堪えながらバカなことを言ってるネプテューヌをどうしようか考えていると、

 

ピリリリリ!

 

「ん?」

 

俺が持っているNギアが鳴り始めた。見てみると、相手はネプギアだった。どうしたんだ?

 

「悪い、ネプテューヌ。電話が入ったからそのまま待っててくれ」

 

「せめてアイアンクローを止めてー!」

 

右手でネプテューヌにアイアンクローを決めたまま、左手で電話に出る。利き手じゃないから少し出づらいな…。

 

「もしもし。どうしたネプギア?」

 

<と、刀哉さん…。ロムちゃんと…ラムちゃんが……誘拐されました…>

 

「………は?」

 

俺はネプギアが何を言ってるか理解出来ず、間抜けな声を出してしまう。だが、すぐに頭が冴えて現状を理解する。

 

「ネプギア! そいつらは何処に行ったかわかるか!?」

 

<…わかりません。私とユニちゃんで助けようとしたんですけど………ごめんなさい…!>

 

「謝るのは後だ! 合流するぞ! 今何処にいる!?」

 

俺はネプギアがいる場所を聞き出し、電話を切る。ネプテューヌもアイアンクローから解放する。

 

「うう…。顔がへこむかと思った――」

 

「言ってる場合か! お前はノワールとベールさんを呼んでこい!」

 

「ちょ、刀哉!? どうしたの!?」

 

「ロムとラムが誘拐された! ネプギアとユニも怪我をしてるかもしれない! 場所は地図だと此処だ! 俺は先に行ってるぞ!」

 

「わ、わかった!」

 

俺はネプギアたちがいる場所に向けて全速力で走った。

 

 

 

――――――――――

 

「そ、そう言われましても…。ブラン様に誰も通さないように申し付けられているんです…」

 

「えー? 私たち女神仲間なんだし、良いでしょ?」

 

「い、いえ。いくら女神様と言えど…」

 

あの後、ネプギアとユニを助けに行ったが、幸い二人とも目立つような怪我はしていなかった。すぐにネプテューヌたちと合流し、俺たちは教会に一旦帰ってきた。そして今は、ブランに一度会おうとしてるのだが、門前払いを受けていて部屋の中に入れない。

 

「せめて、一言謝らせてください!」

 

「ロムとラムが誘拐されたのは、私たちのせいなの!」

 

ネプギアとユニは目の前で誘拐され助けられなかったのが申し訳なくて、ブランに謝りたいと言っている。

 

「すでに、警備兵を総動員して、捜索させていますので…」

 

だが、意地でも入れてくれないみたいだ。

 

「なら、俺たちも手伝う。人手は多い方が――」

 

「…帰って」

 

「ブラン…」

 

ドアの向こうからブランの声が聞こえる。…いつもより悲しそうな声だった。

 

「…あなたたちは、いつも迷惑よ」

 

「……わかったよ、ブラン。皆、とりあえず庭に行くぞ」

 

「刀哉! あんた、このまま放っておくつもり!?」

 

ノワールが俺に詰め寄ってくる。

 

「放っておくつもりはないさ。ただ、今のブランには何を言っても無駄だ。今は時間が必要だ。また後で来よう」

 

「何を悠長なこと言ってるのよ!? 早くしないと二人が――」

 

「今回の一件で一番傷ついて、焦っているのは他でもないブランだ。それを理解しろ」

 

「………」

 

俺の発言でノワールは黙る。正確には周りにいる全員か…。

 

「わかったのなら、早く行くぞ。ブラン、また後でな」

 

俺たちはそのまま庭に出た。

 

 

 

刀哉side out

 

 

 

ブランside

 

「…ロム……ラム……。私のせい…。私が姉として、もっとちゃんとしていれば…!」

 

…嘆いていても始まらない。何か解決策を考えないと…。

 

「…そうだ! あれを――」

 

 

 

 

 

ガラッ!

 

 

 

 

 

急に部屋の扉が開いたので、私はそちらを見る。

 

「見ぃつけた!」

 

そこにはピンク色のゴスロリの服を着た少女と黒子の格好をした二人がいた。

 

パシャッ!

 

「っ!?」

 

突然フラッシュを焚かれる。眩しい…! そうしてる内にその三人は私の前まで近づいてきた。

 

「…誰?」

 

誰も通さないように言っておいたはずなのに、どうやって入ってきたのかしら?

 

「私はアブネス! 幼年幼女の味方よ!」

 

「…えっ?」

 

自分が幼女みたいな体型なのに?

 

「大人気ネット番組、アブネスチャンネルの看板レポーターじゃない! 知らないの?」

 

…全く知らない。聞いたことすらない。

 

「さあ、今日も中継スタートよ!」

 

「…中継?」

 

「全世界の皆! 幼年幼女のアイドル、アブネスちゃんでーす!」

 

私が現状を理解出来てないにも関わらず、勝手に中継は始まってしまった。

 

「今日はルウィーの幼女女神、ブランちゃんのところに来てるぞ☆」

 

…黙って聞いてりゃ、機嫌が悪いってのに調子に乗りやがって…!

 

「おい…。テメェ、いい加減に――」

 

「ところで、妹のロムちゃんとラムちゃんが誘拐されたって噂は本当なのかな、ブランちゃん?」

 

「っ!? どうしてそれを…!」

 

捜索も国民には秘密でやっているはずなのに…。

 

「本当なんだ!? アブネス、心配…! で! 可愛い妹を誘拐された気分はどうですか、ブランちゃん?」

 

…なんでそんなことばかり…。




アイアンクローって意外と痛いですね。書いてる最中に痛いのか気になって自分にやりましたが、結構痛かったですね(もちろん全力ではないですよ)

次回、主人公がブチギレます。…今更ですかね? とにかく、次回もお楽しみに!

それでは、さようなら。
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