超次元ゲイムネプテューヌ~深紅の剣神~   作:初代凡人

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はい、書き終わりました! なんとか第二話の分を終われました。

純粋な頃は紳士と聞いたら、礼儀正しいジェントルマンしか思い浮かばなかったのに、アニメとかネット動画にはまり始めると、自分で紳士と言ってる人は変態という印象しかなくなってしまいました。あの頃にはもう戻れない…。……はい、おふざけは此処までにします。

それでは、本編へどうぞ。


第二十三話 紳士と聞いて変態を想像しちゃダメ

刀哉side

 

この先の部屋から、二人の声とあと一人の声が聞こえる。一人はおそらく誘拐犯のものだろう。

 

「それでは、行ってきますわ。二人とも、頼みますわね」

 

「「はい」」

 

バンッ!

 

「そこまでですわ!」

 

ベールさんは部屋の扉を開ける。俺たちは向こうから見えないように、壁の影に隠れて様子を窺う。

 

「ん? また幼女か!?」

 

……誘拐犯のものであろう声が聞こえる。っていうか、あれ? ちょっと待って。今の発言で嫌な予感がしてきた。

 

「その子たちを解放なさい! 私が身代りになりますわ!」

 

「……は? 俺紳士だし、守備範囲幼女だけだし、デカい胸とか興味ないし」

 

マズい! あの誘拐犯やっぱりロリコンか!? ベールさんの大人の色気が全く効果ないぞ!

 

「なっ!? 大きな胸の何がいけないと言うんですの!?」

 

そして、怒るべきところがおかしいと思うのは俺だけか!? 隣のヒナにアイコンタクトを送るが、苦笑いしていた。

 

「……垂れる未来しか見えない」

 

ブチッ!

 

あ。今凄くお世話になっている音が聞こえた気が――ってベールさん!?

 

「……あなた…。私を怒らせてしまったようですわね…!」

 

気づいた時にはもう遅かった。ベールさんの身体が光に包まれる。

 

「グリーンハート。変身完了」

 

光が止んで、グリーンハートの姿になったベールさんが現れた。

 

「だー! もう何やってるんですか、ベールさん!?」

 

「まだ二人を解放出来てないのにね…」

 

クソッ! こうなりゃ、作戦その二だ!

 

「ヒナ。あいつがベールさんに気を取られてる内に、後ろからこっそり回り込んで二人を助けるぞ」

 

「わかったよ」

 

俺たちは二人が戦っているのを見ながら、静かに移動する。ってうわ!? なんだあの怪物!? さっきのってあいつが喋ってたのか!?

 

「(刀哉…! 早く行って…!)」

 

「(あ…! す、すまん…!)」

 

良し! 後ろに回り込めたぞ! 二人も俺たちに気づく。

 

「刀哉おに――」

 

「しーっ」

 

「……っ!」

 

後ろに怪物がいるのを思い出し、ラムちゃんは大声を出すのを止める。ふう…、危ねぇ。

 

向こうもそろそろ終わりそうだ。早く連れて帰ろう。

 

「さあ、二人とも。帰る――」

 

「ベロロロ!」

 

「は?」

 

突然俺の身体に舌が巻き付いてきた。今ベールさんが吹き飛ばした怪物のもののようだ。そいつの舌に巻き付かれたのだから、

 

「うおおぉぉぉぉぉぉ!?」

 

「「キャアァァァァァ!?」」

 

「あっ!? 刀哉!?」

 

当然俺も化け物と一緒に吹っ飛んで行った。

 

 

 

――――――――――

 

ドオオォォォォォン!

 

しばらく吹き飛んで、勢いよく落ちた。

 

「命に代えても幼女だけは守る! それが紳士のジャスティス!」

 

「……おーい」

 

「ん?」

 

化け物はようやくこちらに目を向ける。

 

「ハロー」

 

「………」

 

「――隙ありキック!」

 

「うごっ!?」

 

俺は化け物の顔に蹴りを入れる。しかし、まだ俺を放さない。やっぱり硬いな!

 

「なんだ貴様ー!」

 

「な、おおぉぉぉぉ!?」

 

化け物は手を放したが勢いよく放されたせいで俺は壁に激突する。結構力強いな…!だけど、これで良い。あいつが俺に気をとられている内に…。

 

「くそっ! 幼女は何処へ!? ん?」

 

ヤベェ!? 気にも留めてない! しかも、柵をよじ登ってる二人を見つけられちまった!

 

「この活きの良さ! 全く、幼女は最高だぜ…! ベロベロベロ!」

 

二人に向かって化け物は舌を伸ばす。クソッ! 此処からじゃ間に合わない!

 

「逃げろ! 二人とも!」

 

そんな俺の叫びも空しく、二人は化け物の舌に捕まる。

 

 

 

 

 

ドガァン!

 

 

 

 

 

「いてててて!?」

 

―――その直前にハンマーが飛んできて、化け物の舌を地面に叩き付ける。あのハンマーは知っている! 一回あれで殴られたしな。

 

「…私の大切な妹に何しやがる。許さねぇぞ…、この変態が…!」

 

ハンマーが飛んできた方角から、ブランが現れた。ったく、遅いお目覚めだな…。

 

「いてて…! ……変態? それは褒め言葉だ!」

 

…ダメだこいつ。マジもんの変態だ。

 

「…そうかよ。…なら、褒め殺しにしてやるぜ!」

 

ブランの身体を光が包む。

 

「――覚悟しやがれ! このド変態!」

 

光が止み、ホワイトハートの姿をしたブランが現れた。

 

「アククククク!」

 

化け物は跳び上がり、舌で攻撃をするが、ブランは軽々と避ける。

 

「この、超絶変態!!」

 

「うがっ!?」

 

「激重変態!!」

 

「ぐわっ!?」

 

ブランは二回斧で攻撃し、化け物を地面に叩き付ける。

 

「くっ…! ならば!」

 

化け物は再び舌を伸ばすが、全く見当違いの方向に伸びていく。何やって――っ!?

 

「はっ! 何処狙ってやがる!」

 

「バカめ!」

 

「何! っ!?」

 

化け物はロムちゃんとラムちゃんの方に舌を伸ばしていた。いち早く気づいた俺は走り出す。間に合え…!

 

俺は二人の前に着いたが、避ける暇がない。……しょうがないか! 俺は二人の壁になるように立ちふさがる。

 

「「刀哉お兄ちゃん!?」」

 

「刀哉!?」

 

悪い…。また無茶やっちまった。

 

 

 

 

 

ドッカァン!

 

 

 

 

 

「って、うお!?」

 

舌が俺に直撃する前に、舌に砲弾が当たった。

 

「うぎゃあ!? 熱ぃ!?」

 

化け物は痛みに悶えている。今のはまさか…。

 

「全く…。君は何回無茶をしようとするんだい?」

 

「ヒナ!」

 

いつの間にかヒナが来ていた。その手にはあの雪合戦大会の時に使っていたバズーカを持っていた。

 

「悪い。助かった」

 

「別に良いけどさ、あまり無茶し過ぎるとまた心配かけることになるよ?」

 

「ああ。気をつける」

 

俺たちはそう言いながら、化け物の方を見る。

 

「ぐぅ…!? こうなったら……! ――さらばっ!」

 

「待ちやがれっ!」

 

化け物は逃げ出したが、その後をブランが追う。だが、化け物も意外としぶとく、攻撃を避けて逃げ延びている。

 

「くそっ。俺はあの化け物に一発デカいのを喰らわせてやりたい!」

 

やられっぱなしは気が済まん!

 

「それじゃ、貸そうか?」

 

「ん? 貸すって、それをか?」

 

「ああ」

 

ヒナは持っていたバズーカを俺に貸してくれた。…やっぱり結構重いな。

 

「だけど俺射撃センスないから、こっから撃っても当たらないぞ」

 

「じゃあ、もっと近くに行けば撃てるんだね?」

 

「まあ多分――って、おいヒナ!? なんで俺を持ち上げてるんだよ!? まさかこのまま――」

 

「行ってこーい!」

 

「やっぱりかあぁぁぁぁぁ!?」

 

ヒナはあろうことか、俺を化け物に向けて投げ飛ばす。というか、あいつどんだけ力有るんだよ!? 距離は三十メートルくらいあるのに!

 

そうこうしてる内に近づいてきた。ああ、もう! やってやるよ!

 

「そこの変態!」

 

「ん!?」

 

「なっ!?」

 

俺は化け物の少し手前で声をかけてこちらに振り向かせる。だが、向こうがこっちを見た時には俺は背後をとっていた。今から振り向いても遅い!

 

「はい、ドーン!」

 

「ぐわぁ!?」

 

ほぼゼロ距離で発射する。うおっ!? これ反動かなりキツイぞ!? 化け物はブランの方に飛んで行く。

 

「ブラン! そのままぶっ飛ばせ!」

 

「おう! ――テンツェリントロンべ!!」

 

ブランは大きく振りかぶり、強烈な一撃を叩き付ける!

 

「うがー!? 幼女ばんざーい!!」

 

化け物はそのまま空の彼方へ吹き飛んで行く。断末魔まで変態丸出しかよ…。願わくば、二度と会いたくないな。

 

「女神に喧嘩売ったんだ。文句はねぇよな?」

 

そう言うと、ブランは女神化を解いて、こっちを見た。

 

「…ありがとう、刀哉。お陰で助かったわ」

 

「俺はあの変態をぶっ飛ばしたかったからやっただけだ。気にしないでくれ。それよりも、ほら」

 

俺の視線の先には、ヒナがロムちゃんとラムちゃんを連れてきていた。

 

「さ、早く可愛い妹たちのところに行ってやれ」

 

「…ええ」

 

ブランは二人の元に歩いて行く。二人もヒナから離れてブランに向かって歩いて行く。

 

「…ロム、ラム。ごめんなさい。こんな目に遭わせて。……私、姉失格ね」

 

「お姉ちゃん…」

 

二人は二枚ずつコインを取り出し、ブランの目の前に持ってきた。

 

「お土産…」

 

「レアコインだよ!」

 

「…ありがとう」

 

ブランは二人を優しく抱きしめる。うんうん。これにて一件落着だな。あとは、

 

「ヒナ。バズーカ貸してくれてありがとな」

 

「どういたしまして。ところで、誰に電話するんだい?」

 

「この場にいない奴らに決まってるだろ。そういえば、ヒナ。お前どうやってベールさんより早く此処に来たんだ?」

 

「いつも受けている依頼が討伐ばかりで、道なき道を何回も通る内に、追跡が得意になったのさ」

 

「そういうものか? ――あ、ネプギア? もう全部終わったぞ」

 

この時に話したネプギア曰く、そんな予感がしてたらしい。

 

 

 

――――――――――

 

「えー!? 寝不足!?」

 

「…そう。気を失ったのはそのせい。一緒に遊びに行かなかったのも」

 

帰った時にはかなり遅い時間だったので、ルウィーに泊まった次の日の朝。ブランから昨日倒れた原因を聞いたら、返ってきたのはなんとも拍子抜けする理由だった。

 

「何よ、それ。もう…」

 

「紛らわし過ぎるだろ…」

 

「…このところ徹夜続きで、あなたたちと向き合う余裕がなかったの。それなのにロムとラムを助けてくれてありがとう。ネプテューヌ、ベール、ノワール」

 

お礼を言われた三人は笑顔で応える。それは良いんだけど…。

 

「…刀哉もありがとう。中継の時に助けてくれて。……少し怖かったけど」

 

あ、忘れられてなかった。

 

「いや、良いよ。というか、あの一件については、皆早く記憶から抹消してくれないか…?」

 

「……無理よ。あの時のあんた怖過ぎよ…」

 

「流石の私もあれはトラウマものだよ…」

 

「震えるほどかっ!?」

 

ノワールとネプテューヌは肩を抱いて震えている。良く見るとブランも少し震えていた。ダメだこりゃ…。

 

「もう皆さん。そんな反応は酷いですわよ。あれはブランを守るためにやったことですもの。むしろ誇らしいことですわ」

 

ベールさんは落ち着いた雰囲気でそう言ってくる。流石はベールさん! 唯一の救いだ!

 

―――持っているカップの中身が零れる程、手が震えてなければ。

 

「あの……、ベールさん?」

 

「おおお、おかしいですわね? なんで腕が痙攣してるのでしょうか?」

 

「と、とりあえず、それ以上零さないようにカップを置いてください」

 

「わわわわわ、わかっていますわ」

 

大分危なっかしかったが、なんとか置いた。……はあ、またやっちまった。これで嫌われたな…。

 

「…ごめん。皆、俺のこと嫌いになったよな?」

 

「そんなことないよ!」

 

ネプテューヌは机を叩いて立ち上がる。突然だったので俺たち四人は驚いた。

 

「確かにあの時の刀哉は怖かったよ…。でも、それ以上に普段の刀哉は優しくて――あれ、優しかったっけ?」

 

力説してる最中に自分の言ってることを疑問に思ったみたいで、俺たちは思わずずっこけてしまう。確かに優しいと言えないような扱いしてるが、大体の原因はこいつに有るんだが…。

 

「そうだよ! 私、他の皆よりも扱いが酷いよ! どうしてなの刀哉!?」

 

「自分自身に聞けや!」

 

話が完全に変わってしまった。…まあ、さっきの暗い空気よりは良いか。三人も俺たちのやり取りで笑ってくれてるし、結果オーライだな。

 

「見て、お姉ちゃん…!」

 

そんなことをしてるとロムちゃんが部屋に入ってきた。手には何かの本を持っている。だが、その本にはブランの似顔絵が描かれていた。ヤバい…!

 

「…良く描けてる」

 

キレると思ったが、ブランは笑顔だった。昨日のことが有ったから、いつもより優しいのか? だが、それも少しだけで、本を再び見て険しい表情になる。すると、ブランは突然立ち上がり、急いで走って行ってしまった。俺たちもその後を追う。

 

「…ラム! 落書き止めて!」

 

ラムちゃんがいる場所には、さっきロムちゃんが持ってきてた本と同じ本が何十個もの特急便と書かれた段ボールに何百冊も入っていた。

 

ネプギアとユニはその場に座って、その本を読んでいた。

 

「こんなに同じ本が何冊も有るんだから良いでしょ?」

 

「…ダ、ダメ!」

 

「どうして?」

 

「…そ、それは…!」

 

ブランは怒るというよりは、恥ずかしさを堪えるように声を出していた。特別な本なのか?

 

「――私が徹夜して書いた小説だからだ!」

 

顔を赤くしてブランは叫ぶ。え? 徹夜してたのってまさかこれか?

 

「つまり、ブランが書いた同人誌ってことですかしら?」

 

「え!? ユニ、どんな話なの?」

 

「空から落ちてきた少女と生まれつき特殊能力を持った少年が、世界を救う話」

 

「落ちてきた…」

 

「落ちてきたけど少女じゃないし、生まれつき特殊能力も持ってないからこっち見るなノワール」

 

「ふむふむ…。邪気眼と書いて、デステニーと読む」

 

「よ、読むな!」

 

「凄い! 主人公が新しい力に目覚めた! かっこいい!」

 

意外なことにこの中で一番熱中して読んでいるのはネプギアだった。

 

「あれ? このキャラ、刀哉と性格似てない?」

 

「なんですと!?」

 

俺はネプテューヌから小説を取り上げて読んでみる。すると、主人公たちが泊まることになる宿の若い宿主が俺と喋り方が大分似ていた。

 

「読むなああぁぁぁぁぁ!!」

 

「うおっ!?」

 

ブランは恥ずかしさのあまり、俺に殴りかかってくる。危ねぇ!?

 

「お、落ち着けブラン! 争いは悲劇しか生まないんだぞ!?」

 

「うるせえぇぇぇ!!」

 

この後、ブランが落ち着くまで追い続けられた。ちなみに、追いかけられたのは俺だけだった。解せぬ…。




という訳で、次回はアニメの三話に入りますが、そろそろ話の内容が暗くなっていきますね…。気が重いです。ただ、刀哉が覚醒するための大事なイベントですので、頑張って書きます。

それでは、この辺りで。さようなら。
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