あと、通算UAが9000突破しました! ありがとうございます! 自分で書いてて、時間がそんなに経ってないと思ったので、通算UA10000突破したら、その次からは10000増えるごとにこの感謝の意を伝えようと思います。
それでは、本編へどうぞ!
刀哉side
「うらあぁ!」
俺は叩きつけた大剣を持ち上げ、再び女に切りかかる。
「ふん! そんな攻撃喰らうか!」
だが、女は軽々と避ける。さっきは意表をつかれて焦っただけみたいだ。
ならもう一撃だ! 俺は大剣を地面に突き刺し、遠心力を利用して回し蹴りを繰り出す。
「ぐっ!?」
蹴りは入ったが、直前に腕で防がれてあまりダメージが入らなかった。
「…やるな。今のは想定外だったぞ。咄嗟に腕で防いでしまった」
「余裕かましてんじゃねぇ!」
俺は更に攻撃を仕掛けようとする。
「モンスターども!」
だが、女の指示でモンスターが間に割り込んでくる。
「――邪魔だ!」
俺は構わずに大剣を振るい、一気に三体切りつける。だが、女には届かない。
モンスターがこっちにレーザーを撃ってくる。俺は後ろに大きく跳んで避ける。だが、着地したところにもモンスターがいて、レーザーを撃ってくる。俺はそれを大剣で防ぐ。
「ウザってぇ!」
俺は大剣を振るって衝撃波を発生させ、モンスターを吹き飛ばす。しかし、すぐに次のモンスターが来る。
ちっ! これじゃキリがねぇ!
「刀哉!」
「っ!? ネプテューヌ! そっちはまだ大丈夫か!?」
ネプテューヌの声を聞いたお陰で、少し頭が冷えた。俺はモンスターを相手にしながら、返事をする。
「なんとかね! それより刀哉、この結界を壊して! そうすればなんとかなるから!」
「この結界が私たちを無力化てるのよ!」
確かに、このままいくらでも出てくるモンスターを相手取るよりは確実に助けれるか…。あの女をぶっ飛ばしたいところだが、今は皆を助けるか!
「やらせると思ってるのか!?」
女はやらせまいとモンスターに指示を出し、一斉に攻撃をしかけてくる。
「ああ! やらせてもらうぜ!」
俺はモンスターと攻撃を全速力で潜り抜け、結界に大剣を叩きつける。手応えは充分にあった。だが――
「っ!? 硬過ぎるだろ!?」
炎を吸収して得たパワーで繰り出した全力の一撃は、結界にヒビどころか傷すらつけれなかった。
「ふはは、無駄だ! 余程の力がない限り、その結界はビクともしない!」
「……そうかよ。だったら!」
俺は全力で空へ跳び上がる。向こうには急に俺の姿が消えたように見えてるだろう。皆周りを見渡している。
俺は結界に目がけて落ちながら、大剣を上段に構える。普通にやってダメなら、落下の勢いもプラスする!
そして、大剣を結界に全力で振り下ろす。すると、
「…! ヒビが入った!」
「刀哉くん! その調子ですわ!」
その調子と言われても、もうこのパターンは敵にも見られたから使えない。これと同等以上の一撃をあと何回も叩き込むのは、かなり厳しい。
「離れろ!」
「おっと!」
結界に張り付いてた俺にレーザーを撃ってきたので、その場から跳んで避ける。
さて…。この状況は大分キツイな。
敵は雑魚とはいえ、かなりの数がいる。いくら倒しても、すぐに次が来ちまう。それに、今のところはモンスターに支持してるだけだが、あの女は相当な強さなんだろう。
俺の炎から得たエネルギーもさっきからやってる全力攻撃や全速力での移動のせいで、大分なくなってきた。これ以上戦ってたらこっちが不利になる。
「……貴様を少々甘く見ていたようだ。ただの人間がアンチクリスタルの結界にヒビを入れるとはな…」
「はっ! 人間舐めんな!」
「ああ…。もう容赦はしない。貴様には此処で死んでもらおう!」
女がそう言うと、モンスターが俺を囲い始めた。
「面倒だが、相手してやるよ!」
俺はモンスターの軍団に突っ込む。切っては攻撃を避け、切っては大剣(時々モンスター)を盾にして攻撃を防ぐ。だが、やはり敵の数が多くてキリがない。
「邪魔なんだよ!」
俺は大剣を振るって衝撃波を発生させて、モンスターを吹き飛ばす。しかし、今ので力が抜けるのを感じた。ヤバい! もうパワーがなくなったのか!?
こうなった以上やむを得ない!
「悪い皆! 必ず助けに来るから、少し待っててくれ! つー訳だ! ここらでおさらばさせてもら――っていねぇ!?」
女に向けてそう言ったのだが、肝心の女の姿がいつの間にか消えていた。
「どこに行きやがっ――」
ドシュッ!
「……は?」
突然身体に小さな衝撃が走る。それと同時に焼けるような激痛も。胸に視線を向けると、なぜかそこから剣の先端が飛び出ていた。
「言ったはずだぞ? 貴様には此処で死んでもらうとな」
そしてすぐ後ろから見失ってた女の声が聞こえてくる。それらにより俺の頭はこの状況を驚く程冷静に理解した。
……ああ、そうか。俺、刺されたのか…。
俺の胸から剣が抜かれる。傷口から凄まじい量の血が出る。力が抜けて、その場に倒れる。
「…や……………と……………うや…!!」
ネプテューヌが何かを叫んでるが、ちゃんと聞き取ることも出来ないまま、意識を失った。
刀哉side out
ネプテューヌside
「いやぁ!! 刀哉…! 刀哉ぁ!!」
「……嘘でしょ?」
「…そんな…!」
「なんてことを…!」
刀哉が刺されて、血だらけで倒れた。今度はあの時のように見間違えじゃない。本当に目の前で、刀哉が…!
「ふふふ、所詮はただの人間。脆いものだな」
「っ!!」
刀哉をバカにした目の前の女を睨めつける。許さない!!
私の視線に気づいた女がこっちを見て笑う。
「残念だったな? こんな男に最初から望みをかけた貴様らも、間抜けだがな!」
「っ!? 止めてぇ!」
もう意識を失っている刀哉を蹴るのを見て、私は悲鳴を上げる。
「ふんっ。良いだろう。そんなに望むなら、これで終わりにしてやろう」
そう言うと剣を刀哉の首にあてがう。それだけで次に何をするかが予想出来た。
「いやぁ! なんでもするから、刀哉を殺さないで!!」
「中々魅力的な提案だが、この男は偶然とはいえ、結界にヒビを入れた。生かしておけば、こちらの脅威になりかねない。此処で死んでもらう!!」
そう言うと、剣を振り下ろす。もう、ダメ…!
ガギィン!
「「「「っ!?」」」」
「何!?」
だけど、もう意識がないはずの刀哉が大剣で剣を防いだ。私たち全員、そのことに驚きを隠せない。
――ズドオォォン!!
「なっ、ぐあぁぁぁ!?」
すると刀哉が大剣を振るい、衝撃波を発生させる。でも、その威力は先程の数倍もあり、女は思いっ切り吹き飛ぶ。
「――全く。無茶をし過ぎだね。表に出ざるを得なくなったぞ――」
刀哉が口を開くが、その声はいつもの刀哉の声じゃない気がした。
「あなたは、誰…?」
私は刀哉(?)に確認するように声をかける。すると、刀哉(?)はこっちを向いて安心させるように優しく微笑む。口とお腹から血を流しながら微笑んでいるから少し不気味に見える…。
「――大丈夫だよ。こいつに死んでもらっては、こちらとしてもマズイからね。絶対に死なせねぇ――」
そう言うと、刀哉の身体が紅い光に包まれて空中に浮かんだ。次の瞬間、もの凄いスピードで空へ飛んで行った。私たちは何がなんだかわからず、刀哉が飛んで行った方を見ていることしか出来なかった。
ネプテューヌside out
no side
あの後、教会に戻ったネプギアたちだが、ネプギアが昼間に体調を崩した原因があのアンチクリスタルだと知り、責任感を感じていた。ユニがその発言に我慢出来ずに酷いことを言い、若干空気が険悪になっていた。だが、つい先程ユニがネプギアに謝り、なんとか元通りになった。
そして、今は自分たちの姉を救うために、女神化を収得するためにゲームのシミュレーションを使い、モンスターと戦っていた。
だが、アイエフとコンパは教会の前に立ち、不安に思っていることがあった。
「…あいちゃん。刀哉さん帰ってこないですね…」
「……ええ」
無謀にも一人で敵の中に突っ込んで行った刀哉が、朝になっても帰ってこないのだ。先程まで、ネプギアたちの特訓を見守っていたのだが、神出鬼没のアブネスが現れ、後のことは任せてきた。今はネプギアたちの訓練の相手(という名のサンドバッグ)になっている。
二人は刀哉の帰りを待つが、こちらに向かってくる人影すらない。二人の頭には、最悪のイメージが浮かんでくる。そのまま何も変化のない時間が過ぎていたが、
ズドォオン!!
「キャッ!?」
「うわっ!?」
突然二人の前に何かが落ちてきた。それによって起きた強風が二人に襲いかかる。
「な、なんなんです!?」
「敵襲!?」
二人は驚きつつも武器をコールして警戒する。煙が晴れて、落ちてきたものの姿が見えてきた。
「「刀哉(さん)!?」」
そこには胸から血を流し倒れている刀哉がいた。二人は武器をしまい、慌てて刀哉に駆け寄る。
「刀哉さん! しっかりしてください!」
コンパは泣きそうになりながらも刀哉に声をかけるが、反応は全くない。
「コンパ! とにかく出来るだけの治療をして!」
「は、はいです! あいちゃんは救急車を!」
「……いえ、刀哉は私が直接病院に連れて行くわ」
「え、なんでですか!?」
「救急車なんて呼んだら、ネプギアたちも刀哉のこの有様に気づくわ。せっかく訓練に集中出来ているのに、今の刀哉を見たらあの子たちは心配で訓練どころじゃなくなるわ。だから、私が密かに病院に連れて行くからコンパはこのことが皆に気づかれないように注意して。私はバイクを用意してくるわ!」
「は、はいです!」
アイエフはコンパにそう言い残して、バイクを取りに走り出した。
「……刀哉、死んだら許さないわよ…!」
――刀哉が死なないように、そう願いながら。
――――――――――
「………」
あれからかなりの時間が経ち、アイエフは刀哉を病院に連れてきて、緊急手術をしてもらっていた。始めてからもう何時間も経ったが、アイエフは刀哉の無事が確認出来るまで手術室の前で待っていた。すると、手術室の扉が開き、医者が出てきた。
「先生! 刀哉は!?」
「…大丈夫です。なんとか一命は取り留めることが出来ました」
「良かった…!」
一応、刀哉は生きていることを確認し、アイエフは安堵した。
「それにしても、彼の生命力は凄いですね。あの怪我で一命を取り留めるとは…」
「…そんなに酷かったんですか?」
「ええ。正直に言うと、私は彼を最初に見た時はもう助からないと思いました」
そう思ってしまう程に、刀哉の怪我は酷かった。しかも、此処に連れてこられた時点で致死量の出血をしており、輸血しても間に合わないはずだが、なぜか刀哉は助かった。医者はそう言うとその場から去った。
「…これで、安心して行けるわ」
アイエフはそう言いながら携帯の画面を見る。そこには、捕らえられたネプテューヌの画像が映っていた。先程、刀哉の手術が終わるのを待っている時に、黒幕の女――マジェコンヌからこの画像が送られてきたのだ。あと少ししたら、これ等の画像を世界中にばら撒く、というメッセージ付きで。
「刀哉。ちゃんと目を覚ましなさいよ? それまでに、私たちが終わらせるから」
アイエフは独り言のようにそう呟き、その場から去って行った。
刀哉 side
「………ん?」
俺は目を覚ました。だが、前のようにテンプレなセリフは言わない。というより、言えない。なぜなら、
「此処って……あの時と同じ場所だよな?」
以前に遺跡に行って気絶した時に連れてこられた紅い空間と同じだったのだ。てことは、
――やあ。ご機嫌はいかがかな?――
「…やっぱりお前か、グラン」
あの時俺をこの空間に連れてきた存在―――グランだった。相変わらず、頭に声が響いてくる。
――その様子では、機嫌が良いとは言い難いね――
「当たり前だ。こっちに来る前に俺死にかけてるんだぞ」
いや、待てよ…。死にかけるどころか、俺はあのまま死んだんじゃないか? だからまたこんなところに連れてきたとか?
――大丈夫だよ。まだ死んでねぇし、もう怪我の治療も済んでるからね――
「あ、そうなのか?」
そうなら別に良いんだが、ならなんでまた?
――それは、君が弱いからだぞ――
「…今更だが、こっちの思ったことも筒抜けかよ」
つーか、いきなり言ってくれるじゃねぇか…!
――いきなりも何も、俺は事実を言っただけだよ? 今目を覚まして助けに行ったとしても、また返り討ちに遭うのがオチだ。違うかい?――
「……否定出来ないな」
――完全に否定しない辺りがずるいな――
ほっとけ。
「それじゃ、どうしろって言うんだよ?言っておくが、俺だけ何もせずに終わるなんてのは嫌だからな」
――お前がそう言うことくらいわかってたさ。だけど、心配しなくて良い。今回僕は君に新たな力を与えるために呼んだんだ――
「……は?」
何言ってんだ?
――あの紅い剣を手にした時から、自分の身体に変化があるのには気づいてるだろ?――
「…ああ。俺の身体はあの時から、明らかに人外になってきてる。その理由を知ってるのか?」
――もう言っちゃうけど、あの大剣の中に宿る存在が俺だ――
「……頭打ったか?」
――それ以前に、僕には身体はねぇよ――
そうだった。
「ということは、あの大剣はグランってことか?」
――まあ、そういうことだ。そして、君の身体の変化には俺の力が影響しているんだ。最近暴力的な考えになってないか?それに、炎を吸収出来るようになっただろう?――
それは確かに。周りの人をよく殴ったり、面倒になったらすぐにぶっ飛ばそうと考えることが多い。向こうにも原因が有るとはいえ、前まではこんなに手を上げるのは早くなかった。
「でも、なんでお前の力が影響してるんだよ?それ以前に、お前の力のこと全く知らないんだが…」
――おっと、そうだったね。でも、そのことを話すためには、少し昔話をしなくちゃいけねぇ――
「いや、そんなのんびり出来ねぇよ。早く皆を助けに行かないと」
――大丈夫だよ。前にも言ったろ? 此処の空間は俺そのものだって。だから、時間の流れも思いのままなのさ!――
もしグランに顔が有ったら、確実にドヤ顔をしていただろう。
「……はあ、わかった。お前の言うことを信じよう。だけど、なるべく早めに終わらせてくれよ?」
――了解だ――
そして、俺はグランの話に耳を傾けた。
――――――――――
――これで話はおしまいだ――
「…なるほどな」
あれからしばらくして、話が終わった。
――目を覚ましたら、今話した力が手に入ってるだろう――
「それじゃあ、早く俺の目を覚まさせてくれ。お前が無理やり寝かせてるんだろ?」
――ありゃ、ばれてた?――
「前回、お前が現実に戻したような感じだったしな」
――はは、そういえばそうだったな。それじゃあ、目を覚まさせるが、最後に一つ――
急にグランが真面目な声を出す。
「なんだ?」
――俺があげる力の使い方、絶対に間違えないでくれ。良いな?――
「…わかってるさ。大丈夫だ。俺は楽しく平和に過ごせればそれで良いんだからな」
――……そうか。それなら安心だね。それじゃあ、行ってきな!――
「おう!」
そして、俺の目の前が白い光りに包まれ、意識を失った。
――――――――――
「……最近意識を失うのに抵抗がなくなってきてるな」
俺が目を覚ますと、案の定知らない天井が目に入り、いる場所は病院だった。右腕に注射され輸血を行われている。胸を刺されて、相当な量の出血をしたんだろう。
俺は自分の身体の状態を確認する。前よりも力が湧き出ている。胸の傷の包帯を取ると、そこには傷痕は全く残ってなかった。ふむ…、ちゃんとグランから力は受け取ったみたいだな。
「さて、俺の服は…。おお、有った」
俺は自分の服に着替え、窓を開ける。外は暗いが、昨日のままということはないだろう。つまり、一日は経ってしまっているということになる。急がねぇと。
「待ってろよ、皆!」
俺は足に力を込めて、窓から跳び出す。そのまま着地し、同じように跳び上がり、ズーネ地区に全速力で向かう。
はい、アニメを見てる方々ならわかると思いますが、大分途中のイベントを割愛しました。すいません…。
刀哉があまり関わってないので、全部書いてたら原作の丸々コピーになってしまいそうだったので、起こった出来事を簡単に文章にまとめることにしました。何があったのか気になる方はお手数ですが、アニメを見ることをおすすめします。
次回はいよいよ刀哉の覚醒の回! ――になる予定です。というのも、書く量が毎回ランダムなので、全部書けるか不安なんです。すいません…。
それではこの辺りで!
<初代凡人は逃げ出した> <しかし、まわりこまれてしまった>