超次元ゲイムネプテューヌ~深紅の剣神~   作:初代凡人

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ようやく書き終わりました! 書く時間がなくて本当に大変です…。

言い訳するのもあれなので、早速本編をどうぞ。


第三十一話 救わば救われる

no side

 

「お頭! ジュエルエレファントは全部網に詰め込みやした!」

 

「良し。引き上げるぞ野郎ども!」

 

「「「「「「「「オッス!!」」」」」」」」

 

密猟者の一人がボスに報告する。

 

最初に巨大な網で捕らえたが、ジュエルエレファントは身体に付いてる宝石の分もあるので、あのまま引きずろうものならものの数秒で網が壊れてしまう。なので、一体一体を個別の網に入れたのだ。

 

「これでまたしばらく遊んで暮らせますね、お頭!」

 

「バカ野郎。ちゃんと売り飛ばすまでが密猟だ。最後まで一切気を抜くんじゃねぇ」

 

浮かれている手下を遠足のルールを言うような感じで注意するボス。

 

実際少しでも気を抜けば、捕らえた動物たちを逃がしてしまう可能性が有るから油断は出来ない。

 

そう言ってる内に全員が網を持った。

 

「それじゃ行くぞ!」

 

そして、ある意味で輝かしい未来への第一歩を踏み出す。

 

 

 

 

 

「――待てぃ!!」

 

 

 

 

 

だが、それを制止するように声が響いた。

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

「だ、誰だ!?」

 

「何処にいやがる!?」

 

密猟者たちは周りを見渡す。だが、人影はない。…そう、()()には。

 

「っ! あそこだ!」

 

密猟者の一人が空を指差す。するとそこには、

 

「やっと気づいたな、鈍感ども」

 

クリムゾンハートに変身して、空に浮いている刀哉の姿が有った。

 

「な、何者だテメェ!?」

 

「俺の名はクリムゾンハート。お前らの密猟人生に終止符を打つ者の名前だ。覚えておきな」

 

「ふざけやがって…! 野郎ども! 撃ち落とせ!」

 

「ど、何処ですか!?」

 

「ああぁ!?」

 

ボスが手下に指示を出すが、その間にさっきまでいた刀哉の姿が消えていた。

 

「な!? あの一瞬でか!?」

 

「目は離してなかったんですが、まるで消えたみたいに…!」

 

「――そりゃフルスピードで移動したからな」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

いつの間にか刀哉は密猟者たちの中に紛れ込んでいた。驚いて密猟者たちは距離をおく。

 

「さてと…。始めようか!」

 

 

 

刀哉side

 

俺はまず、比較的近くにいた男二人に高速で近づきまとめて蹴り飛ばす。

 

「「うごっ!?」」

 

「「「げはっ!?」」」

 

ついでに吹き飛んで行った方向にいた三人も巻き込んでいた。

 

「な、何やってやがる!? 早く撃て!」

 

ボスらしき男が慌てて子分に命令する。ま、遅いがな!

 

俺はその場から飛ぶ。

 

「遅ぇよ、ウスノロ共! 悔しかったら当ててみろよ!」

 

「っ!! 撃て撃てー!!」

 

全員が俺に向けて発砲してくる。だが、変身した状態の俺から言わせてもらうと本当にノロい。

 

俺は全ての銃弾をあえて最小限の動きで避ける。こうすれば、当たらないことに段々腹を立てて冷静さを失い、注意もこっちだけに向くはずだ。

 

「クソが! なんで当たらねぇんだ!?」

 

ボスがそう口に出す。他の手下も声には出さないものの、心中は同じだろう。歪んだ表情がそう物語っている。

 

だが、男たちの銃弾が尽きた。…そろそろか。

 

「おいおい。お前らの銃はおもちゃか? これだけの人数で一人の男に一発も当てられないなんて、ノーコンってレベルじゃないな。それとも目が致命的な程悪いのか? 一回視力検査を受けたらどうだ?」

 

俺は小バカにした口調でそう言う。密猟者たちの顔が更に歪み、完全に怒ってますという顔になる。

 

「野郎…! 絶対に撃ち落と――」

 

「させないわよ!」

 

「がふっ!?」

 

手下の一人が我慢出来ずに俺に向けて叫んでいたが、後ろから来たネプテューヌの蹴りで吹き飛ぶ。

 

「な、誰だお前――ってオイ! 動物どもを入れた網は何処だ!?」

 

今ボスが言った通り、周りに有った網は全てなくなっていた。

 

俺は地面に下りる。

 

「バーカ。お前らが俺に気を取られてる内に回収したんだよ」

 

俺がさっきから挑発するような言動をしていたのは、こっちに注意を引きつけている隙にネプテューヌが網を回収して動物たちを解放するためだ。俺の視界の隅にはちゃんと映っていた。

 

「ネプテューヌ。ちょっと下がってろ」

 

俺はグランをコールする。そしてオーラを纏わせて…、

 

紅衝波(こうしょうは)!!」

 

力いっぱい薙ぎ払う。すると紅い衝撃波が起きる。

 

「「「「「「「「「うわぁぁぁぁぁ!?」」」」」」」」」

 

竜巻のような感じで出したので密猟者たちは全員上に吹き飛ぶ。

 

本当はもう少し技を試したかったが、良く考えたら普通の相手に試せる技は限られてるからな…。中には使おうものなら容赦なくパーンしたりするものも有るし。

 

「……結局ほとんど戦わなかったわね」

 

「別に良いだろ。早く終わるにこしたことはない、というより、こんな奴らに時間かけたくない」

 

そんな会話をしてる間に密猟者たちが落ちてくる。

 

「うぐ…」

 

「お、丁度良い」

 

密猟者の山の上にボスがいたので俺はそいつを持ち上げる。

 

「なあ、少し聞きたいことが有るんだが」

 

「だ、誰が!」

 

「ふーん」

 

ミシミシミシミシ…!

 

「あ、ががあ…!?」

 

俺は手に力を入れて首を絞める。骨が軋む音が聞こえ、苦しそうな顔をする。

 

「それじゃ、聞いてくれるな?」

 

あえて笑顔で言う。

 

「……!!」

 

ボスはなんとか頷いて、わかったという意思表示をする。俺は手を放して解放する。

 

「はー! うえ…! げほっ!」

 

「じゃあ、最初の質問だ。お前らはいつから此処で密猟をしていた?」

 

少しむせているが、答えられないことはないだろうと判断して質問する。

 

「は、はい! 此処では三日前から始めたばかりです!」

 

「なるほど。それで、どれくらい捕まえた?ここいらの奴はほとんど捕まえたんだよな? まさか、もう売り飛ばしたなんて言わないよな?」

 

「た、確かにここいらのは全部捕まえたけど、さっき解放されたので全部です! まだ一体も売ってません!」

 

俺の殺気を感じて、必死に否定する。

 

「そうか。それじゃ、次の質問だ。ネプギア!」

 

「あ、はい!」

 

俺は茂みに隠れていたネプギアを呼ぶ。そして、ネプギアの腕の中にいるドラゴンを指差しながら聞く。

 

「このドラゴンに見覚えないか?」

 

「え? そ、それは、ジェノサイドフレアドラゴン!?」

 

聞くからにヤバそうな名前だな…。

 

「どんなドラゴンなんだ?」

 

「そ、そのドラゴンはモンスターではないにも関わらず、あのエンシェントドラゴンを上回る力を持つドラゴンです! その名の通り、その口から吐かれる炎は一国の軍隊を一瞬で殲滅したという伝説も残るほどのドラドンです!」

 

「なるほどな…。それで、凶暴なのか?」

 

「い、いえ! その力に反して性格は温厚で、何かされない限りは暴れたりはしません!」

 

何かされない限りは…ね。今回の異変大分読めてきたぞ。

 

「わかった。ありがとな。とりあえず寝てろ」

 

「おぶっ!?」

 

用も済んだのでボディーに拳を叩き込み、気絶させる。

 

「あなたも結構鬼畜ね刀哉…」

 

「こんな奴らに気を使おうとも思わねぇからな」

 

「それで、何かわかったんですか?」

 

「ああ。なあ、ジュエルエレファントって警戒心が強かったりするか?」

 

「はい。さっきも言いましたが、密猟され過ぎたせいで元々は警戒心が全くなかったのに、今では凄く警戒心が強くなってしまいました」

 

「やっぱりか。今回の異変だが、こいつらがこの辺りの動物をほとんど捕獲したせいで、ただでさえ警戒心が強いジュエルエレファントたちが異変を感じて身を隠した。それで、主にジュエルエレファントを食べているこいつが腹を空かせて親がエサを探すために遠くに行った。多分その途中通った村でエサがないか探したら襲撃したと思われたんだろう」

 

「なんでジュエルエレファントが主食だとわかったの?」

 

「いや、始めて見た時にこいつが跳びかかろうとしたからな。そこから予想しただけで、今言ったのもあくまで予想だから断言は出来ない。だが、可能性は充分有ると思うぜ」

 

「それじゃあ、早くこいつらを縛って帰りましょう。刀哉の言ったことが当たっていれば、しばらく時間が経てばこの山の生態系も元に戻るはずよ」

 

「だな。ちょっと待ってろ」

 

俺は手からオーラを出し、縄の形に変える。

 

紅縄(こうじょう)

 

出したオーラを操って、密猟者たちを縛る。面倒なので全員まとめて縛った。

 

「便利よね、その力」

 

「良いだろ。使いたくても無理だがな」

 

「そういえば縛ったのは良いですけど、どうやって運びます?」

 

「その点については心配無用だ。見てろ」

 

俺は紅縄に意識を集中して空高く浮かせる。そして、そのまま教会の方角に向けて飛ばす。

 

「……本当に便利ね」

 

「でも、あのままで大丈夫なんですか?」

 

「途中で何かにぶつかったりしなきゃな。まあ、ああいう奴らは悪運は強いから大丈夫だろ」

 

「適当ですね…」

 

でも、実際ああいうのは悪運が強いのが多いと思う。

 

「それじゃあ、私たちも一旦帰りましょう。あの密猟者について説明しないとダメでしょうし」

 

「そうだねお姉ちゃん。でも、この子どうしよう?」

 

「クキュ?」

 

ネプギアは自分の腕の中にいるドラゴンに視線を向けて言う。

 

「連れて帰る訳にはいかないだろ。置いて行くぞ」

 

「うう…。でも…」

 

ネプギアはすっかりドラゴンが気に入ってしまい、放したくないみたいだ。

 

「さっきのあいつの話聞いたろ?そのドラゴンの親は相当ヤバい。怒らせなきゃ良いみたいだが、もし自分の子どもが見ず知らずの奴らと一緒にいたらどうなると思う? 確実に怒って攻撃してくるぞ」

 

「そうね。ネプギア、気持ちはわかるけどここは刀哉の言う通りにしましょう」

 

「……うん、わかった」

 

ネプギアも諦めてドラゴンをその場に降ろそうとする。

 

 

 

 

 

「――グルオオオォォォォォォォ!!」

 

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

だが、突然大地を揺るがすような雄叫びが上空から聞こえてきた。

 

「二人とも、離れろ!」

 

「「キャッ!?」」

 

俺は咄嗟に二人を突き飛ばす。

 

そして、空に目を向ける。

 

ゴオオオォォォォォォォ!!

 

そこには、俺の眼前に迫ってきてる巨大な火球があった。この距離は避けれねぇ!

 

火球は俺に直撃すると大爆発し、とてつもない量の炎が周りに広がった。

 

凄ぇ威力だ! 紅いエンシェントドラゴンよりも強力なんじゃないか!?

 

「「刀哉(さん)!?」」

 

「心配すんな!」

 

俺は炎を吸収する。変身してると普段よりも吸収するスピードが早くなるようで、五秒くらいで全部吸収できた。

 

視界が晴れたので、改めて空に目を向ける。

 

「――グオオォォォォォ!!」

 

空には一体のドラゴンが飛んでいた。

 

その身体には赤色と黄色の鱗が絶妙なバランスでついていて、頭のてっぺんの角が発達している。その全長は三十近くはある。このドラゴンも腕がないことを考えると、十中八九あの子どもの親だろう。

 

やっぱりああいう話はすべきじゃないな。噂をすれば来てしまった。

 

「ネプギア! 子どもをこっちに! あいつの目的はそいつだ! 持ってたら狙われるぞ!」

 

「え!? で、でもそしたら刀哉さんが!」

 

「俺なら大丈夫だ! 早くこっちに――チッ、またか!」

 

ドラゴンがもう一発火球を放ってきた。そんなもんまた吸収して――

 

ドガッ!!

 

「がっ……!?」

 

だが火球は吸収されることなく俺の頭に直撃し、激痛が走った。

 

痛ってぇ…! なんで吸収出来なかったんだ…!?

 

「刀哉さん!?」

 

「大丈夫だ…!」

 

俺は頭にぶつかった火球をもう一回吸収しようと掴む。そう、掴めた。ただの炎の塊であるはずの火球を。

 

疑問に思いながらも炎を吸収する。すると、その答えが見えた。

 

「…なるほど。これを燃やしてぶつけてきたのか。結構頭良いじゃねぇか…!」

 

俺の手にはサッカーボールくらいのサイズになった宝石があった。おそらく、ジュエルエレファントを食べた時に一緒に食ってた宝石を吐き出したんだろう。宝石がなんで燃えたのかはよくわからないが、なんか特別な性質でもあるんだろう。

 

「とにかくネプギア! 早く子どもをこっちに渡せ!」

 

「は、はい!」

 

ネプギアが子どもを渡す。

 

「二人とも、援護してくれ!」

 

「「ええ(はい)!」」

 

「少し揺れるが我慢しろよ」

 

「キュ!」

 

腕の中にいる子どもにそう言うと、意味がわかったのかはわからないが元気に返事をした。全く、お前の親が激怒してるってのにのん気だな…。

 

俺はドラゴンに向かって飛び、二人も俺に続いて飛ぶ。

 

「グオオォォォォォ!!」

 

ドラゴンは再び火球を吐いてくる。オイオイ! お前の子どもがいるんだから少しはためらえよ!

 

俺は右手に球状のオーラを出し、

 

砲紅(ほうこう)!!」

 

火球に向けて放つ! 互いに空中でぶつかり、大爆発を起こす。良し! 威力も申し分ないな!

 

爆発によって起きた煙幕を利用して後ろに回り込む。

 

「ぐあっ!?」

 

だが背中のプロセッサユニットに火球が当たり、バランスを崩す。

 

「キュッ!?」

 

「ヤベェ!?」

 

しかもその時に腕にいた子どもを落としてしまう。

 

「任せてください!」

 

ネプギアが落ちて行く子どもを受け止めようとする。

 

「キャッ!?」

 

だがネプギアの眼前を火球が通り過ぎ、妨害されてしまう。火球が飛んできた方向を見ると…。

 

「――グオオォォォォォン!!」

 

「二体目!?」

 

そこにはもう一体のドラゴンがいた。見た目はほとんど同じだが、さっきのドラゴンと違うところは発達している角が二本で前を向いてるところだ。良く考えたら、育ててる親が一体だとは限らないよな。失念していた…!

 

ってそんなこと考えてる場合じゃない! もう子どもは地面に激突しそうになっていた。マズい! ユニットに攻撃を受けたせいでフルスピードで飛べない! 間に合わねぇ!

 

がしっ!

 

「――間に合ったわね!」

 

「ネプテューヌ!」

 

だが、地面にぶつかる前にネプテューヌがギリギリでキャッチする。良かった…。

 

「ぐっ――!?」

 

安堵していると後ろからドラゴンが圧倒的な質量と力で体当たりをしてきた。完全に油断していたこともあり、俺は吹き飛ばされて地面にぶつかる。

 

「刀哉さ――」

 

「グオォォォォ!!」

 

「キャアァァ!?」

 

俺に目を向けてたネプテューヌもドラゴンに翼で叩き落とされる。

 

「二人とも!?」

 

ネプテューヌが俺たちのところに慌てて寄ってくる。だが、子どもを連れ去った犯人(と思っている奴ら)が集まっているのにドラゴンが黙っている訳がなく…。

 

「「グオオォォォォォ!!」」

 

「っ! ヤバい…!」

 

二体揃って突っ込んでくる。迎撃しようにも、ネプテューヌと子どもが間にいるから巻き込んでしまう…!

 

「キュー!」

 

もうダメかと思ったその時、子どもが声を上げたかと思うとドラゴンたちは急に減速した。そして、俺たちの前に下りた。

 

「キュ! クキュル! キュキュイ!」

 

「「………」」

 

子どもがまるで説明するかのように声を出し続け、ドラゴンたちはそれを静かに聞いている。

 

少しして子どもは声を出すのを止めた。

 

「グルル…」

 

「グォン…」

 

その代わりにドラゴンたちが相談するかのように向き合い、唸り声を出し始めた。

 

「「「っ!」」」

 

しばらくして片方のドラゴンが急に飛ぶ。襲ってくるのかと思い、俺たちは臨戦態勢をとる。

 

だが、ドラゴンはそのまま空に飛んで行ってしまった。

 

「行っちゃいましたね…」

 

「助かったのかしら?」

 

「油断するな。まだもう一体目の前にいるだろ」

 

こちらをジッと見つめている。今のところ襲ってくる様子はないが、図体がデカいからそれだけでも充分威圧されてる感じがする。

 

――大丈夫だよ刀哉。あの子どもドラゴンは親に三人が自分と遊んでくれてたと説明したんだ――

 

そうなのか? というか、言ってることがわかってたんなら言えよ…。

 

――いや、楽しそうだったからな――

 

この野郎…!

 

「キュイ!」

 

「おっと!」

 

グランと話していると、突然子どもが跳びついてきた。しかも頭をこすりつけてくる。どうしたんだ?

 

――もうお別れだから、最後に甘えたいんだってさ――

 

なるほど…。いや、考えたら当たり前か。親が帰ってきたし、山の生態系も元に戻る。俺たちとこれ以上一緒にいる訳にはいかない。

 

「元気でやれよ? また会ったら遊んでやるよ」

 

「キュ!」

 

少し撫でると、今度はネプギアのところに行った。

 

「キュル~」

 

「え、えっと…。もうお別れなんですか?」

 

「ああ。だから最後に可愛がってやれ」

 

「…わかりました。元気でね?」

 

「キュイ!」

 

ネプギアがそう言うと、親のところに行った。…やっぱネプテューヌのところには行かないのか。

 

「キュ…」

 

だが、子どもはネプテューヌの方に振り向き近づいて行く。

 

「っ…」

 

嫌われたこともあって少し警戒してしまっている。それでも、最後ということでか恐る恐るという感じで手を伸ばす。

 

ペロッ

 

「!?」

 

すると、子どもはネプテューヌの手を少し舐めた。あんだけ嫌ってたのに…。

 

――さっき救われたことで少し信頼したみたいだよ――

 

なるほど。

 

しばらくして今度こそ親のところに行った。そして、その巨大な背中に乗る。乗ったのを確認したドラゴンは飛んだ。

 

「キュイー!!」

 

別れのあいさつと言わんばかりに今までで一番大きな声を出した。そしてそのまま飛んで行き、見えなくなった。

 

「………」

 

「おい、ネプテューヌ。いつまでボーっとしてるんだ?」

 

「え!? あ、いえ、ごめんなさい。嬉しくて…」

 

「助けてくれたから少し信頼されたんだ。それはともかく、早く帰ろうぜ。今回の異変についてもイストワールさんに説明しないといけないしな」

 

「ええ、そうね。帰りましょう。ネプギアも、もう飛べる?」

 

「うん。大丈夫だよ」

 

「んじゃ、帰りますか!」

 

俺たちはそのまま飛び、教会に帰った。

 

 

 

――――――――――

 

「―――ということがこの前あったんだよ」

 

「あんたも色々大変ね…」

 

今俺たちはプラネテューヌでピクニックをしていた。街は見えるが、周りは自然で満ちている。ちなみにメンバーは俺とネプテューヌとネプギアとアイエフとコンパだ。

 

「まあ、そんなのこいつと一緒にいる時点で覚悟してるさ」

 

「ん?」

 

隣でサンドイッチを食べているネプテューヌを指差しながら言う。

 

「にしても、ネプ子も変わらないわね。あれだけのことがあったから、前より気合い入ると思ったのに、ピクニックに行こうなんて…」

 

「んなことこいつが出来る訳ないだろ?」

 

「刀哉酷いよ! それに私は仕事頑張ったよ!」

 

「……俺に対する責任感による一時的なことだったけどな」

 

俺はジト目でネプテューヌを見る。だが、そんなの気にしてないみたいだ。

 

「逆にあれだけのことがあったからこそ、毎日がevery dayなんだよ!」

 

「意味がわからないわ…」

 

訳したら、毎日が毎日。うん、訳わからん。

 

 

 

 

 

「――あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

「うお!?」

 

突然後ろから大声が聞こえて驚いてしまい、食べようとしていたサンドイッチが地面に落ちる。だ、大丈夫だ! 五秒ルール――

 

「汚いからこれは処分するです」

 

「ノオォォォォ!!」

 

拾おうとしたが、無情にもコンパがゴミ袋に入れてしまう。

 

仕方なく諦め、声を出したであろう人物の姿を見るために振り向く。

 

「あぁぁぁぁ!!」

 

すると、そこには見た感じでは五、六歳くらいの黄色と黒の模様がある服を着た少女がいた。なんだ、この子?

 

「ネプギア、知ってる?」

 

「ううん。刀哉さんは?」

 

「いや、見たこともないぞ」

 

「こんぱ、あいえふ!」

 

俺たちが話していると、その少女はそう叫びながら二人を指差す。二人は知り合いなのか?

 

「え?」

 

「誰、です?」

 

え? 知らない? 一方的にこの子が知っているだけなのか? 何者だこの子?

 

「えへっ!」

 

そんな俺たちの様子も知らずに少女は無邪気な笑みを見せていた。




紅衝波:覚醒する前からしていた薙ぎ払いにオーラを纏わせることで威力を上げた技。刀哉が死にかけた時にグランが一時的に身体を借りて使っていたのはこれ。

紅縄:オーラを縄状の形にして使う技。かなり遠くからでも遠隔操作が可能で、普通の縄よりも頑丈。もちろん締め上げることも可能。

砲紅:オーラを球状にして放つ技。大きさは色々あるが、普段はサッカーボールくらいの大きさで出す。

さて、次回からまた原作の方に戻りたいと思います。ですが、本当に忙しいのでいつ投稿出来るかわかりません…。私自身はこれを書いてて楽しいので、なるべく早めに投稿したいとは思っています。

それでは、この辺で。さようなら。
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