いや、まあ、前の話を投稿する直前でその一歩手前までいってたのでかなり遅いですが、ありがとうございます! これも見てくださっている皆様のお陰です! お気に入りもなんか20くらい一気に増えてビックリしました。
あと、今回で終わらせる予定でしたが、長くなってしまったので次回も続きます。
出てくる曲に関しては完全に個人的な趣味によるチョイスですので、興味がある人のみ動画サイトで調べてみてください。別に強制はしませんので。
ヘイ、本編おまち!
刀哉side
動物には本能というものが有る。
種類によって多い少ないはあれど、その動物の思考よりも先の領域に必ずそれは有る。人間とてそれは例外ではない。時に人は考えるより先に本能で危機を察知できる。
……だからだろうか。
「あ……」
朝っぱらから寝込みを襲いに来たネプテューヌに気づいて起きたのは。
「「………」」
お互いに顔見て、沈黙が続く。しばらくして現実に引き戻された俺はとりあえず声をかけることにした。
「………おはよう」
「あ、うん。おはよう」
「……で? 何しに来たんだ、こんな朝から」
そして、一番疑問に思っていることを聞く。
「えっと……。たまには私が刀哉を起こしてあげようと思ってね!」
「じゃあその手に持ってるのはなんだ?」
さっきから気になっていたが、ネプテューヌは右手にあるものを持っていた。
記憶が正しければ、あれは理科の実験とかに使うスポイトだったはずだ。
「ああ、これ?」
そう言いながら、スポイトのゴムの部分を押し、先端から少量の液体を出す。液体はそのまま俺の腕にかかる。
――その瞬間、強烈な熱を感じた。
「熱っ!?」
「寝起きドッキリ、超高温熱湯スポイトだよ!」
再びスポイトから熱湯を二、三回出してくる。
「熱っ!! ちょ、ま、熱っ!」
「あっ。切れちゃった。補充しないと――」
「させるかアホが!」
「ああっ!?」
補充しようとした隙をついてスポイトを奪い取る。これ以上かけられて堪るか!
「で、覚悟はいいか?」
俺は拳を振り下ろす準備をする。
「ま、待ってよ! 別に刀哉に悪戯するために熱湯かけた訳じゃないよ! そ、それに刀哉も目が覚めたでしょ!?」
「俺の心の奥底に眠る鬼も目覚めそうになったんだが…!」
握っていたスポイトが割れるほどの力を込める。
「ほ、本当に違うんだって! 刀哉を起こそうとしただけだよ!」
「やるにしても他にもっとあっただろうが! つーかよく考えたら、これ俺がこの間お前に貸したゲームのネタじゃねぇか!」
「あ、気づいた? 面白そうだったからやってみたくてね――痛い!?」
もう我慢の限界だったので拳骨をかます。やってみたいだけでこっちは火傷しかけてるんだよ!
「そ、そういえば刀哉。どんな炎もへっちゃらなのにこんな熱湯は効くんだね」
「ああ。あくまで吸収できる炎に関しては熱さを感じないみたいだが、吸収できないものに関しては普通の人と同じく熱いと感じるぞ。というかそうじゃないと、俺はお湯の温度も人の温もりもわからねぇだろ」
力と引き換えとはいえ、その代償はこの先の人生の楽しみをいくつも奪い去るだろう。
「それで? なんでお前がわざわざ起こしに来たんだ?」
さっきの悪戯のためだけにネプテューヌが早起きするとは思えない。
「うん。実はブランからルウィーに来るように連絡があってね。それで早めに刀哉を起こそうと思って」
「ブランが?」
「うん。なんか特別なイベントがあるって言ってたよ」
特別なイベント? それに招待してくれたってことか?
「なるほどな。わかった。それじゃあ、朝食食べたらすぐに出発するのか?」
「うん。あ、そういえばNギア持ってくるの忘れないようにだって」
「ん? Nギアを? まあ、携帯と同じ感じで普段から持ち歩いてるから問題ないが…」
わざわざ言う程のものか?
「それじゃあ、私は先に行ってるから!早く来てね!」
「おう」
ネプテューヌはそのまま部屋を出て行く。それを確認して俺は着替え始める。
……そういえば、火傷してねぇよな?
――――――――――
「また此処かよ…」
「おっきいー!」
あの後朝食を食べ終わり、俺とネプテューヌとネプギアとプルルートさん、ピーシェとアイエフとコンパの七人でルウィーへ行き、ブランから聞いた場所に行くと、そこには以前雪合戦大会をやった会場があった。あ、思い出したら胸が痛くなってきた…。
「ねぷ? 刀哉来たことあるの?」
「ああ。体験入国の時にな。とりあえず中に入ろう」
俺たちは会場の中に入る。するとれ中は以前とは大分違う構造になっていた。
「参ったな…。以前来た時と全然中違うじゃねぇか」
「え? 前に来たのに道がわからないですか?」
「何言ってるのコンパ。それじゃあ刀哉が方向音痴じゃない」
「そうですよ。刀哉さんがそんなドジを踏む訳がありません」
「その通りだよ~! ね~、刀哉くん?」
四人の信頼の籠った視線が凄く痛い…!
ていうか、来たことがあるといっても大分前の話だぞ!? しかもまだ二回目だし! それだけで完璧に道を覚えれる脳みそなんざ持ち合わせてねぇよ!
「も、もちろんだ。確かこっちの方に…」
俺は勘で前に歩き出す。
「あー! いた!」
「いた…!」
だが、後ろからそんな大声が聞こえてきたので足を止めて振り返る。
「ロムちゃん! ラムちゃん!」
「ヤッホー、ネプギア!」
「ネプギアちゃん…!」
そこにはロムちゃんとラムちゃんがいた。
「よお、二人とも。迎えに来てくれたのか?」
「うん! 刀哉お兄ちゃんが迷ってるんじゃないかと思って!」
女の勘もそうだが、子どもの勘も結構鋭くて怖い。
「でも刀哉お兄ちゃん。なんで逆の方に歩いて行こうとしたの…?」
ロムちゃん、それ言っちゃらめぇ!
「「「「「………」」」」」
約五名からジト目で睨まれた。
「よ、良し! それじゃあ二人とも! 案内してくれるか!?」
「うん(…)!」
「誤魔化した」
「誤魔化しましたね」
「誤魔化したね~」
「誤魔化したわね」
「誤魔化したです」
あー! 最近耳が悪くて聞こえないなー! HAHAHAHA!
――――――――――
「…あ、来たわね」
「遅かったわね」
「本当に迷ってたんですか?」
「おう、来たぞ。ところでベールさん。その言葉はどういう意味ですか?」
控え室のようなところに着くと、ブランはもちろんノワールとユニにベールさんもいた。まあ、ネプギアたちも一緒に行く時点である程度予想してたが。
ていうか、ベールさんの発言は本当にどういうことだよ。まるで俺が迷ってることを既に話してたみたいじゃないか。
「いえ、先程ブランがロムちゃんとラムちゃんに刀哉くんを探しに行かせる時に――」
『…刀哉のことだから途中で道に迷って、それを皆に打ち明けれずに困ってるだろうから探しに行って』
「――と言ってたので」
エスパーかよ!? 百パーセント当たってて恐怖を覚えるんだけど!?
「って、あれ? そういえばヒナはどうしたんだ? 用事でもあったのか?」
今言ったように、ヒナの姿が見えない。これだけ集まってるからというよりは、自分の国なんだから来るかと思ったんだが…。
「…ヒナは諸事情で此処には来てないわ」
「そうなのか…」
残念って言えば残念だがしょうがない。あいつにはあいつの事情があるだろうしな。
「……ヒナがいなくて寂しそうだね」
「ん? まあ、交流こそ多いとは言えないが、あいつも俺たちの仲間だからな。いないと少し寂しいな」
「(………本当にそれだけかな?)」
「え? 今なんか言ったか?」
「……ううん。何も言ってないよ」
「そ、そうか?」
また急に不機嫌になったよ…。なんなんだ一体?
「(ほら。あの通り鈍いでしょう?)」
「(…確かにあれは少し鈍いわね)」
「(それで私たちにも協力しろって?)」
「(強制はしません。ですが、できるだけでも良いので協力してください!)」
「(わ、わかったわよネプギア! だから頭上げて!)」
「(…まあ、面白そうでもあるし、良いわよ)」
「(……まあ、借りもたくさんあるしね)」
「(オッケーだよ~! 刀哉くんにねぷちゃんの気持ちを教えてあげれば良いんだよね~)」
「(え? あっ、プルルートさん!?)」
「ね~、刀哉くん」
「え、はい? なんですか、プルルートさん」
ネプテューヌが不機嫌になった訳を頭の中で考えているとプルルートさんが声をかけてきた。
「ねぷちゃんはね~。刀哉くんのことが――」
「「「「「「「「わあぁぁぁぁ!?」」」」」」」」
「うおっ!?」
プルルートさんが話してる途中でピーシェとロムちゃんとラムちゃんを除く全員がプルルートさんに跳びついた。なんだ!?
「お、おい!? 皆どうした!?」
「ななななんでもないから刀哉は一旦部屋を出て!」
「そ、そうです! ランニングでもしててください!」
「いや、俺何もしてな――」
「「「「「「「「「いいから!!」」」」」」」」」
「わかったよド畜生!!」
俺は部屋を出て廊下を爆走する。俺が何したって言うんだよ!?
刀哉side out
ネプテューヌside
「も~! 何言おうとしてるのぷるるん!?」
刀哉が部屋から出て行ったのを確認して、ぷるるんの口から手を話す。
「え~? ねぷちゃんが刀哉くんのことが好きだって言おうとしただけだよ~」
「わかってるよそんなこと!? なんで言おうとしたのか聞いてるの!」
「だって~。好きな気持ちは言わないと気づいてくれないと思うよ~」
「そ、それは……そうだけど…!」
もっと心の準備ってものがあってだね!
「でもそうですわね。確かにネプテューヌは少し踏ん切りがつかないみたいですし…」
「ええ!? ベール!?」
「勇気を出して告白してみたらどう?」
あいちゃんまで…。
「そ、そうだけど…。いざ言うと思うと緊張しちゃって…」
「…そんな風にしてたら、誰かに盗られるかもしれないわよ。ノワールとか」
「な、なんで私なのよ!?」
「やっぱりノワールも狙ってるの!?」
思わずノワールに迫った。フラグ建てられてないよね!? 大丈夫だよね!?
「そ、そんな訳ないでしょ! 私は、刀哉のことなんて……」
と、そこまで言って急にうつむく。どうしたの?
「……き、嫌いではないわよ! でも、あくまでも私たちは友だちってだけで! 恋愛対象としては…」
そう言って刀哉からもらったブレスレットを触るノワール。
そういえばプレゼントもらってるんだよね。――は!? 私は何ももらってないのに!?
「やっぱりノワールは私の敵なんだね!」
「ちょ!? 何勝手に自己完結してるのよ!? 違うって言って――」
「失礼します。ホワイトハート様。席のご用意ができました」
ノワールが何か言おうとしてたけど、スタッフが入ってきたせいで途中までしか聞こえなかった。
「…ありがとう。それじゃあ皆、移動しましょう」
そう言って部屋を出て行くブランを皮切りに皆部屋を出始める。私も置いてかれないように慌てて追いかける。
……結局、ノワールは刀哉のことが好きなのかな?
そんなことを考えていたせいか、そろそろ戻ってくるであろう刀哉のことはすっかり忘れていた。
ネプテューヌside out
刀哉side
「はあ…! はあ…! ようやく着いた…!」
あれから走り続けること十分。部屋に戻るとそこには誰もいなかった。
近くにいたスタッフに聞いたところ、既に席の方に移動したと聞いて、場所を聞いてまた走り、五分かけてようやく会場に着いた。なんで此処って無駄に通路が多いんだよ…。行き止まりって張り紙には悪意を感じた。
流石に十五分もほとんど全力疾走はキツい。早く皆を見つけて座ろう。
「とーや! こっち!」
少し歩くと元気な声が聞こえてきた。
声の聞こえた方に振り返ると、こっちに手を振るピーシェの姿があった。あそこか。
俺はピーシェの姿を目印にして歩いて行く。
「ようやく来たね!」
「まったく。あまりに遅いから心配したわよ」
「また迷ってたんですの?」
「道も教えずに先に行ったのはあんたらだよ…!」
今すぐこいつらを殴りたい…!
「…まあ、ギリギリ間に合って良かったわ。ちょうど始まるわよ」
ブランがそう言うのとほぼ同時に会場の照明が落ちる。俺は急いで席に座る。
言い忘れてたが、会場は以前とは違ってドーム状になっているので、照明が落ちれば真っ暗になる。
すると、前方にあるステージの照明がついた。もしかして歌手のライブか?
そしてステージの床から二つの人影が出てきた。
『皆ー!』
一人は予想通りというか、5pb.さんだった。だが、もう一人の方を見て俺は言葉を失った。
『元気かい皆ー!』
――なぜなら、そこにいたのは諸事情で来れないと聞いたヒナだったからだ。髪型はポニーテールではなくロングにしているが。
『今日は僕たち二人で!』
『盛り上げていくよ!』
「「「「「「「「おおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」
「はああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
俺の絶叫は他の観客の雄叫びにかき消された。俺はブランに詰め寄る。
「おいブラン! なんでヒナがあんなところに!?」
「…言ってなかったわね。ヒナはルウィーが誇る5pb.と並ぶ程の人気を持つスターよ」
マジか…。あのヒナが…。
「…でも、今は彼女のことをヒナと呼ぶのは止めてね。今の彼女の名前はハインよ」
「え? なんでわざわざ名前変えてるんだ?」
「…本人曰く、プライベートの時には目立ちたくないから、らしいわ」
「あー……」
その言葉で理解できた。確かに、ただでさえクエストに行ったりするのに、ヒナという名前が知られたら毎回ファンの方々が集まって面倒だろうしな。
「皆は知ってたのか?」
「ううん。初めて知ったよ」
「あんなに有名人だったとはね…」
「何処かで見覚えがあるような気がしてましたが、これで納得できましたわ。以前に何回か会ったことがありましたから」
どうやら皆も知らなかったみたいだ。まあ、知ってたなら初めて会った時に皆騒いでるよな…。
『それじゃあ、まずは一曲目!』
『曲は、<sweet little sister>!』
そうこうしてる内に二人の曲が始まった。5pb.さんの歌声は以前聴いたことがあるから驚かないが、ヒナの歌声が予想以上に綺麗で驚いた。
そういえば前会った時に、俺がNギアに入れてた曲を歌ったらうまいって言ってくれたな。あれは冷やかしでもなんでもなく、素直に褒めてくれていたのか。
そして、二人の歌声に聴き入っていると一曲目が終わった。それと同時に観客の拍手と歓声が起きる。
『ありがとう皆!』
『そういえばハインちゃん。今日は特別ゲストが来るって言ってたよね?』
『ああ、そうだよ。まあ、その人にも突然のことだから驚くだろうけどね』
『ええ!? それってちゃんと来てくれるの?』
『大丈夫。少なくとも、この会場に来てることはもう確認済みだから』
その発言は5pb.さんとその特別ゲストに向けて言ってるはずなのに、俺はなぜか悪寒を感じた。
『それじゃあ呼ぶけど、その人は少し恥ずかしがりなんだ。だから皆、温かい目で見てあげてね!』
「「「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」
間違いない。俺の本能が告げている。
『ありがとう皆! じゃあ、呼ぶよ! ステージに来て刀哉!』
あいつは俺を羞恥心で殺すつもりだと…!
「戦略的撤退!!」
呼ばれた瞬間立ち上がり、出口に向けて全力疾走。数秒で出口には着いたが、
「……なんですかあんたら」
その前にはまるで壁のように屈強そうな黒服の人たちが並んでいた。
「刀哉さんですね? ハインさんが呼んでいます。ステージに上がってください」
「お断りします。こういうのは苦手ですので」
俺は無視して出口を通ろうとするが肩に男のデカい手が置かれ、止められる。
「お戻りください。場合によっては多少手荒いことも許可されています」
「……ふっ」
俺は男の軽い脅しに思わず笑ってしまう。
「悪いですが……。今の俺にはあんたらはなんの脅威でもない」
肩に手を置かれるのを無視して無理やり進む。実は密かにオーラで身体強化してるので、一人だけなら余裕で押し切れる。
「な…!? と、止まれ!」
明らかに押されてるのを見て他の男たちも俺を押さえ始めた。流石にこれだけいると楽勝とはいかないが、まだ押し切れるぜ!
ゆっくりではあるが、一歩一歩確実に前に出る。あと、少し…!
『ハインちゃん。来ないよ?』
『う~ん…。困ったね…』
後ろからそんな会話が聞こえてきたが、今回俺は悪くない。事前に話してくれればまだしも、いきなり過ぎる。……まあ、話しても断ってただろうが。目立つのやだし。
『しょうがない。これは使いたくなかったけど…。刀哉!聞こえてるんだろ?もし来ないなら――』
ん? なんか使って脅しか? 甘いな。余程のものじゃない限り、俺が動じることなど――
『――前に話してくれた小さな時の恥ずかし体験を皆に聞かせるよ』
「今そっち行ってやらぁ!!」
その場で百八十度回転し、後ろを向く。その時に俺を押さえていた男たちがバランスを崩して倒れるが気にしない。
俺はそのまま大ジャンプを何回か繰り返してステージに降り立つ。
「お~。派手な登場だね」
「登場するのを強要したのは何処のどいつだ…!」
「別に来なくても良かったんだよ。まあ、皆に恥ずかしい話を聞かれても良いんならね」
こいつ後でぶん殴る…!
「とにかく、まずは皆に自己紹介だよ。と言っても、大体の人は知ってるだろうけどね」
そう言ってマイクを渡してくる。今更後には引けないし、仕方ないか…。マイクを受け取り観客の方を向く。
『え~…。初めまして、でしょうか? 紅崎刀哉と言います』
「「「「「「「「おおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」
『おおおぉぉぉぉぉ!?』
観客の雄叫びにビックリして大声を上げてしまった。というかなんだ!? その盛り上がりは!?
「刀哉だ! 雪合戦大会で優勝した奴だ!」
「刀哉様~!!」
「ホワイトハート様のピンチも救ったあの!?」
「というかハインちゃんとも仲が良いのか! ……くたばれ!」
「この世全てのモテ男よ! 消え去れ!」
「結婚してくださーい!!」
ああ、そういえばルウィーでは結構目立ったから顔を知ってる奴らが多いのか。というか最後の二人は少し落ち着け。
『という訳で、まずはちょっとした有名人である刀哉の歌唱力を皆に聞いてもらおうと思うけど…。準備は良いかい!?』
「「「「「「「「おおおぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」
『待った! そこは歌う本人に確認をとるべきだろ!?』
ただでさえ突然呼ばれてきたのに何を歌えと!? あとハードル上げるな!
『ああ、大丈夫だよ。君のNギアに入ってる音楽のデータを送信すれば再生できるから』
そう言うハインの手にはいつの間にかNギアが握られていた。……オイ、ちょっと待て。
慌ててズボンのポケットを触るとそこに有るべきものの感触がない。ってことは…!
『やっぱそれ俺のNギアか!? いつの間に盗った!?』
『盗ったとは失礼だね。君の視線をかいくぐってうまく持ち出したと言ってくれないかい?』
『それを盗ったって言うんだろうが!』
本当にいつ盗った!? 全く気づかなかったぞ!?
『歌う曲を言ってくれれば、私がそのデータを入れるから』
『……わかった。最初は一人で良いのか?』
『ああ。私たちは一旦ステージ裏に行くよ』
二人のステージを奪うみたいで申し訳ないな…。
『すいません、5pb.さん。こんないきなりで…』
『ううん、大丈夫だよ!頭下げないで。その代わり、皆のこと盛り上げてあげてね!』
『……はい。ご期待に応えれるかわかりませんが、精一杯やらせてもらいます』
『刀哉。私には何もないの?』
『今更いるのかよ?』
『ははは! そうだね!』
そんな無邪気に笑わないでくれよ。観客からの嫉妬の視線が増えたじゃねぇか。
『それより曲。何にするんだい?』
『そうだな……。じゃあ、あれで』
そう言ってアイコンタクトを送る。すぐに理解して、頷いてくれた。
そして、二人はステージの裏に行く。
『えー。それじゃあ、何曲も歌い続ける自信はありませんが、とりあえず一曲目。曲名は<own justice>』
そう言ってすぐに曲の前奏が始まる。流石、タイミングバッチリだな。
そして俺は全力で歌い始めた。
「と、刀哉にこんな歌唱力があったなんて…! ずっとダミ声だと思ってたよ…!」
なぜか途中であるバカの声が耳に入ってきた。後で仕置きしてやると思ったのは内緒だ。
刀哉side out
ヒナside
「うわ、本当にうまいねあの人…」
「ね? 言った通りだったろう?」
ステージ裏に戻った僕と5pb.は刀哉の様子を見ながらそう口にしていた。本人もなんやかんやで楽しそうに歌ってるし、観客受けも悪くないみたいでホッとしたよ。
「でもヒナちゃんが男の人を話してきた時はビックリしたよ。今までは男友達なんて一人もいなかったのに」
「君も人のことは言えないだろう?更に言えば人見知りだし」
「あう…」
僕の一言で5pb.はショボンとなった。余計なこと言っちゃったかな?
「ごめんごめん。冗談だよ。それよりも、次に歌う曲を決めようか」
「あ、うん!」
この後刀哉と歌うことも考えると、今の内に二人で歌っておいた方が良いかな――っ!?
「危ない!」
「うわっ!?」
咄嗟に5pb.を突き飛ばす。傍から見たら酷いことをしたように見えるけど、そうでもない。
「ひっ!?」
――なぜなら、先程まで5pb.がいたところにはナイフが突き刺さっていたのだから。僕が突き飛ばしてでも避けさせなければもっと酷いことになっていた。
「誰だ!?」
ナイフが飛んできた方向に向けて怒鳴る。すると、暗闇の中から一人の男性が現れた。
「今のを察知するとは…。最近のスターは自分で護身術を身につけているのか?」
「御託はいいよ。いきなり襲ってくるとは、一体何が目的――」
「ヒ、ヒナちゃん…!」
「どうかしたの――な!?」
5pb.の声を聞いて後ろを向くと、そこにはガタイのいい男がその太い腕を5pb.の首にまわしている光景が映った。
しまった!? 目の前の男に気を取られて気がつかなかった!
「おっと!」
動揺している隙に首にナイフを突きつけられる。くっ…! 油断した…!
「動くなよ? 動くとこいつの首とあんたの首が大変なことになるぜ」
「……本当に何が目的なんだい? こんなことをして、君たちは牢獄にでも入りたいのかい?」
あくまで冷静に二人の男に質問をする。すると、僕にナイフを突きつけてる男が答えた。
「俺たちも牢獄にはできることなら入りたくはない。だが、既に牢獄行きは確定しているようなものでね。それならいっそのこと、俺たちの人生をめちゃくちゃにした奴に復讐するのさ」
「復讐? 少なくとも僕と5pb.は君たちに何もしていないが?」
「ああ。お前らは正直どうでもいいんだが……。まあ、あいつと同じステージに立ったことを恨むんだな。お前らは復讐をより確実に成功させるための人質になってもらうぜ」
「……まさか…!」
今までの情報を整理して、ある結論にたどり着く。この二人が復讐する相手って…!
「そう。今あそこで熱唱している――紅崎刀哉だ」
ヒナside out
最後の方に出てきた二人組は一体何者なのか!?(棒)
はたして、人質となった二人は助かるのか!?(棒)
そして、狙われた刀哉はどうなるのか!?(棒)
………はい、臭い芝居すいません。正直、最後の二人は刀哉の人気を上げるために登場させたもので、すぐにご退場――おっと、何か飛んできそうなのでここら辺で止めましょう。
あと、この二人組は以前にも登場したのですが、誰かわかりますか?まあ、どうせ次回でわかるんですが…。
さて、そんな脇役二名の話は置いておいて「「オイコラ!!」」相変わらずの不定期更新ですが、見てくださってる皆さんのために頑張って書くので、これからもよろしくお願いします!
それでは、この辺で!
逃ぃげるんだよ~! スモ「チュドーン!!」
初代凡人は死亡した。
選択肢
・もう一度生き返る
・来世でやり直す
→・もうゴールして良いよね?