超次元ゲイムネプテューヌ~深紅の剣神~   作:初代凡人

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はい、まずは一言。

――すいませんでしたあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

中々いい話の進め方が思いつかないまま、もう一つの作品の方に気をとられ、リアルの方に気をとられ、気がつけば最後に投稿してから四か月以上経つという恐ろしい事態に! 待っていてくた方々に深くお詫び致します! 本当にすいませんでした!

で、ですが、一応タグにもあるように不定期更新ですので、似たようなことが今後もあるかもしれません。その時は再び謝罪させてもらいます。本当にすいません……。

あと、投稿してない間に通算UA30000突破していました。ありがとうございます! これからもなるべく楽しんでもらえるように頑張って書いていきますので、よろしくお願いします!

それでは、本編をどうぞ!


第三十九話 同族嫌悪という名の自己嫌悪

刀哉side

 

島から帰った俺は、イストワールさんに今回起こったことを報告しに来た。

 

「なるほど……。そんなことがあったんですか」

 

「はい、信じ難いことですが……」

 

「俺たちを見るだけでもわかるだろ?」

 

隣に立つクリムゾンハートが俺と自分を指差して言う。

 

正直自分がもう一人いるのはもの凄い変な気分だが、驚いたことにこの分身にもちゃんと自我がある。ベースはもちろん変身後の自分の性格だ。

 

「しかも、分身しただけならまだよかったんですが、どうやら変身後に使える能力がまるごと分身の方に持ってかれるみたいで、変身はできませんし、いつもみたいな力も出ません」

 

「っ!? まさか、それは女神の皆さんもですか!?」

 

「はい……」

 

俺は元に戻っただけだが、女神の皆は力を失って普通の女性になってしまった。言ってみるだけなら普通かもしれないが、これはかなりヤバいことだ。

 

「で、今回のこの分身を作る能力だが、多分この本に書いてあるこれだと思う」

 

クリムゾンハートは俺が部屋で読んでいた<女神殺し>の本にある、<アルターエゴ>のページを開いてイストワールさんに見せた。

 

「<アルターエゴ>……? これが先程言った遺跡の奥にあったという結晶のことですか?」

 

「多分そうでしょう。著者の想像とはいえ、光に照らされた者の幻を作るというところが一致してますし、少なくとも無関係ではないと思います」

 

「さりげなく俺を幻と決めつけたな……」

 

クリムゾンハートがジト目で見てくる。自分にジト目されるとは変な気分だ。

 

「実体のある幻だろ? いや、俺たちの力を盗ってそれで体を具現化してるのか?」

 

「あと、変身後の人格な。だからって雑な扱いはしないでくれよ? 一応俺たちにも感情がある。一つの命のようなものだからな」

 

「まあ、善処するようにする。イストワールさん。このアルターエゴについて調べておいてくれますか?」

 

「はい、わかりました。どれくらいかかるかはわかりませんが、なるべく早く元通りにする方法を見つけます。――ところで、他の皆さんは?」

 

「ああ、それなら――」

 

 

 

――――――――――

 

「いや~、自分がもう一人いるなんて変な感じだね」

 

「ええ。それに私たちの場合は変身の前後で変化が激しいから余計にそう思うわね」

 

「私たちは……」

 

「あんまり違和感ないわね」

 

「…私も口調が変わっただけだし」

 

「口調が表に出たの間違いじゃねぇか?」

 

「……自分だからって容赦しねぇぞ」

 

「望むところだぜ」

 

「ブラン。自分同士で喧嘩するのは止めてくださいまし」

 

「そうですわよ。正直見るに耐えませんわ」

 

「「………」」

 

俺とクリムゾンハートは黙って目の前の状況を見ていた。

 

「あれ? どうしたの刀哉――たちでいいのかな?」

 

「……まあ今回はいいが、一人一人呼ぶ時はそれぞれの名前で呼んでくれよ、ネプテューヌ。――で、どうしたのかと聞かれたら」

 

「答えてあげるが世の情け!」

 

「「黙れ」」

 

「酷い!?」

 

あ、いつもの癖で言っちまった。クリムゾンハートも同じようで一緒に言っていた。

 

「と、話が逸れたな。俺たちがさっきから黙ってるのはな……」

 

そこで一緒に息を吸い、

 

「「――なんで俺の部屋に集まってんだよ!?」」

 

――大声で叫ぶ。そう、今回あの結晶の光を浴びた皆はもちろん、ネプギアとプルルートさんとピーシェまでいるのに、集まってるのはなぜか俺の部屋。

 

「「俺の部屋は普通のに比べたら確かに広いが、それでも十人以上入ったら狭いわ! アホか! 揃いも揃ってアホばっかか!?」」

 

「すごいシンクロだね~」

 

「流石は同じ人間ね」

 

プルルートさんとブラックハートさんがそう言う。

 

「……なんでだろう。二人に増えたからストレスは二分の一になると思ってたのに、向こうの数がそれ以上のせいかいつもより疲れる…」

 

「……奇遇だな。俺もだ」

 

俺とクリムゾンハートはその場で項垂れる。早く解決策が見つからなきゃ、俺たちの身がもたない。

 

「お姉ちゃんが二人――きゅう…」

 

「ネプギアちゃん、気をしっかり!」

 

「あなたの姉たちはここにいますわ!」

 

「ちょっとベール! どさくさに紛れて何言ってんの!」

 

「ネプギアの姉は私たちよ。それは絶対に譲れないわ!」

 

処理落ちして気絶したネプギアを介抱しようとするベールさんとグリーンハートさんがさりげなく姉発言をして、それを聞いたネプテューヌとパープルハートが怒鳴った。

 

あ~、やっぱり人数が多いせいでやかましさが上がっている。

 

とりあえず、今後どうするか話し合わねぇと。

 

「ハイハイ、全員静かにしろ! 呑気にしてるが、今起こってることは重大な問題だ。もし女神が力を失ったことが国民にバレてみろ。シェアが下がるのはほぼ確実だ」

 

「なんで?」

 

なんでって、こいつは……。

 

「あのなネプテューヌ。国を守る存在である女神がただの女になるんだぞ。ただの女に国を守ってもらおうと思える国民が一体何人いると思う?」

 

「う~ん…………いないね」

 

「だろ? だから、この事態が国民にバレる前に何か手を打たねぇといけない」

 

「でも刀哉。今回起きたことを国民に言って、本体の代わりに私たちが守ればそれで済むんじゃない?」

 

パープルハートがそう言ってくる。まあ、一応そういう手もある。だが…。

 

「それは最終手段だ。仮にそうしたとして、力を失った本体の方のシェアは力が具現化したそっちに全部いくだろう? そうしたら、今回の件が解決して元に戻ったらどうなると思う?」

 

「どうなるって……」

 

「…………あ、そういうことね」

 

ブランはわかってくれたようだ。

 

「どうした私? このアホの言ってることわかったのか?」

 

「さりげなく罵倒するなよホワイトハート……」

 

「…今までは女神化する前と後の姿に区別なくシェアが来ていた。でも、刀哉が言ったようになれば、あくまで国民が信じるのは変身した後の私たち。普段のこの姿になっても力は戻らない可能性がある。……当たってるかしら?」

 

「正解だ。ブランの言うように、力だけが元に戻らないのはかなり痛い。お前らだって、女神化したら僅かながらに力を消耗するだろ? なのにいちいち変身と解除を繰り返していたら、いずれスタミナが切れて変身できねぇぞ」

 

「そんなに変身しなきゃいけない機会があるかしら?」

 

ブラックハートが疑問を口にする。それにはクリムゾンハートが答えた。

 

「何言ってんだよ。俺たちのここぞという時の運の無さは知ってるだろ? そうでなくても、女神に敵対心を持つ奴らに知られれば、大群で襲いかかってスタミナ切れを狙ってくる可能性もある。そういう最悪のパターンはどうあっても避けないとならない」

 

「……それもそうね」

 

ブラックハートだけでなく、皆も納得した顔をしている(ピーシェは頭に?マークを浮かべている)

 

「それに、こういう時に限ってなんか起きそうで怖いんだよ」

 

「あ、刀哉。今の完全にフラグ発言だったよ」

 

「止めろネプテューヌ! そんなこと言ったらマジでフラグに――」

 

「ね~、皆~。なんか凄いことになってるよ~」

 

プルルートさんがいつもの口調で言ってくる。………嫌な予感がする。

 

おそるおそる全員がテレビ画面を見る。ニュース番組のようだ。

 

<緊急放送です! 先程、プラネテューヌに向けてモンスターの大群が押し寄せてきているという情報が入りました!>

 

……残念ながら、内容は普通のニュースのように穏やかじゃないが。

 

「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

「…………皆してこっち見んな」

 

全員の『刀哉のせい』という目がとても辛い。

 

<その数は三百以上とのことです! プラネテューヌの住民の皆さんは大至急避難してください!>

 

「ちっ、行くぞお前ら!!」

 

「「「「ええ(おう)!!」」」」

 

クリムゾンハートがパープルハートたちに声をかけて行こうとする。

 

「ちょっと待て!」

 

俺はそれを制止する。クリムゾンハートは俺を睨む。

 

「なんだ? 力のない役立たずの俺。邪魔すんな」

 

……カッチーン。今のは頭にきた。こいつ本当に俺の分身か?

 

俺は表面上は笑顔で返す。

 

「いや、分身したお前らも多少のパワーダウンはしてるんだろ? なら、俺たちも行って加勢した方がいいと思ってな。……特にグランに受け入れられないお前にはな」

 

クリムゾンハートの頭に青筋が浮かぶ。

 

だが、今言ったことは本当だ。力は全部あっちに持ってかれたが、グランは俺の中にいるままだ。

 

あくまで大剣を軽々と持てるのはグランを宿す者だけなので、クリムゾンハートはいつもより重そうにグランを振るっていた(それでも振り回せる辺りは凄いが)

 

更にオーラを生み出すのもグランなので俺は体力が持つ限り無尽蔵に出せるが、クリムゾンハートのオーラの量は限られている。なら、いざという時のために俺もついて行った方がいいだろう。

 

「ふん。身体能力が前のヘナチョコに戻った奴が来たところで足手まといだろ? おとなしく待ってな、役立たず」

 

…………オーケー、その喧嘩買った。

 

「いや。あの時よりは鍛えてるから、役に立つと思うぜ。どっかの誰かさんみたいに素手じゃねぇしな」

 

「いやいや。俺は素手でもどっかの誰かさんとは違って充分すぎるくらい戦えるからな。――引っ込んでろ」

 

「………ハハハハハハ!」

 

「………クククククク!」

 

俺たちは互いに笑い合い、

 

「「――やんのかゴラァ!!」」

 

怒鳴りながらおでこをぶつけ合う。人が正論を言ってただけなのにずいぶんな態度じゃねぇか!

 

「もー! 喧嘩してる場合じゃないでしょ!? 行くか行かないかは私たちで決めるから、二人はそこで待ってなさい!」

 

ノワールが間に入って止め、そんなことを言ってきた。

 

「「はぁ!? なんでだ――」」

 

「待ってなさい!!」

 

「「………チッ」」

 

俺たちは渋々部屋の隅に移動して皆が話し終わるのを待っていた。

 

 

 

――――――――――

 

結局、プルルートさんとネプギアは万が一の時のために教会に残ってもらい、それ以外のメンバーで行くことになった。

 

けど、力を失った俺たちは飛べないので、それぞれ自分の分身にお姫様抱っこしてもらっている。

 

「本当、こいつは置いてきた方がよかったんじゃねぇか? 足枷にしかならねぇぞ」

 

「へっ、よく言うな。オーラが一定量しか出せないハンデ持ってるくせによ」

 

「「………!!」」←メンチの切り合い

 

――まあ、俺たちはその状況でもいがみ合っているが。

 

「止めなさい二人とも。自分同士で喧嘩しても空しいだけよ」

 

「そうそう! 自分同士なんだから仲良くしなきゃ!」

 

ネプテューヌとパープルハートに注意されてしまった。パープルハートはともかく、ネプテューヌには言われたくなかった……。

 

「…ネプテューヌたちの言う通りよ。相手は自分なんだから友好的に」

 

「まったくだぜ。少しは仲良くしろよ」

 

「「お前らに言われたくねぇよ!!」」

 

ブランとホワイトハートがそう言ってきたが、俺たちは全力で言い返す。最初に喧嘩始めようとしてたのお前らだろ!

 

「はいはい。わかったから落ち着きなさい」

 

「そうよ刀哉。少しは冷静にならないと」

 

ブラックハートとノワールに宥められる。……確かにこれから大規模な戦闘だというのに、こんなことで冷静さを失ってたらダメだ。

 

「そうだな。まあ、こいつはともかく俺は冷静そのものだが」

 

「わかってる。こいつがやかましいだけで俺は普通だがな」

 

「「っ……!!」」←メンチの切り合い

 

「これはダメですわね……」

 

「なぜ自分同士でこんなにいがみ合っているのでしょう?」

 

変身前と後での性格が噛み合わないからです。

 

「で、あとどれくらいなの? やっぱり飛んで行った方がいいんじゃないかしら?」

 

「…それはダメ。情報によるとモンスターは弱いのから強いのまで何百、何千いる。空を飛んでいれば絶対どれかに気づかれて全部にバレるわ。当然遠距離攻撃に特化した個体もいるでしょうから、下手したら地面に着く前に蜂の巣よ」

 

パープルハートの意見にそう言うブラン。まあ、その通りなんだがな。

 

モンスターの種類はたくさんある。それこそ近距離、遠距離だけに特化した奴もいる。

 

この間のババ――もといマジェコンヌがリーンボックスに持ち込んだであろうモンスターの中にもそういうのがいたらしい。そんなのが何百もいるかもしれない状況で飛んでいるのが見つかろうものなら、ただでは済まない。

 

「でも確かに、ちょっと時間かかりすぎだな。もう着いても――」

 

「あ、着いたみたいだよ」

 

言ってるそばからかよ……。

 

ネプテューヌの言った通り、正面にある崖の下に目的の場所が――

 

「………は?」

 

「え……?」

 

「何よ、これ………?」

 

「流石にこれは……」

 

「冗談で済みませんわ……」

 

眼下に広がる光景に、俺たちは驚愕した。

 

――本来ならそこら一体に広がっているはずの平原が見えなくなるほどのモンスターがいたのだから。

 

「なんて数なの……」

 

「これ、数千で済むかしら…?」

 

「見た感じだと、数万はいそうですわね」

 

「チッ、雑魚が群がりやがって」

 

「雑魚はそういうもんだろ。多けりゃいいってもんじゃねぇだろうに」

 

それはそうだが、これは骨が折れそう――ん? モンスターたちを見ていると、何か違和感を感じた。

 

……グラン。サポート頼めるか?

 

――いいけど、どうしたんだ?――

 

やればわかると思う。眼紅を使うから、オーラの供給量をいつもより増やしてほしいだけど、いいか?

 

――わかったよ。ただ、目に負担がかかりすぎるから、五秒だけだぞ――

 

それでいい。…じゃあ、いくぞ。

 

グランによって多くのオーラを使って眼紅を発動させる。いつもと比較すると視界が広く、なおかつ見やすくなっている。

 

だが、本来なら一番見えるはずの物が見えない。

 

「どうなってんだ?」

 

「ねぷ? どうしたの刀哉?」

 

――時間だよ、刀哉――

 

ネプテューヌが声をかけてきたのと同時に、グランによって眼紅を強制的に解除される。うわっ、確かにいつもと違って少し目が痛い。

 

「いや……。あのモンスターの軍団から、微塵も感情が見れないんだ。モンスターでも、意思は必ず持っているはずなのに…」

 

俺は目をこすりながらそう返答する。それを聞いたクリムゾンハートも眼紅を使ってモンスターを見る。

 

「………驚いたな。本当に少しの感情も見ることができねぇ。まるで見えるだけで実体がないみたいだ」

 

「ということは、あのモンスターたちは幻?」

 

「わからん。確かめるには……」

 

クリムゾンハートは右手にオーラを集める。その右手をモンスターの大群に向ける。

 

「これしかないだろうな」

 

「だ、大丈夫なの?」

 

「まあ、藪をつついて蛇が出るかどうかはやってみないとわからないしな。今回ばかりは同意だ」

 

本当は微塵も同意したくないが……。

 

「もっと素直に同意したらどうだ?」

 

「ハハハ。――断る」

 

「「………!!」」

 

「…だから睨み合うの止めなさいって」

 

チッ。ブランに注意されたから止めるか。

 

「それよりクリムゾンハート。早く撃った方がいいのでは?」

 

「わかってる。じゃあいくぞ。――砲紅!」

 

クリムゾンハートがオーラの塊をモンスターの大群の中に撃ち込む。

 

着弾点で大きな爆発が起き、結構な数のモンスターが捲き込まれている。だが――

 

「……やっぱりな。なんのダメージもねぇ」

 

爆炎に呑まれたはずのモンスターたちはさっきと何も変わらない状態でいる。

 

改めて眼紅でモンスターたちを見るが、やはりなんの感情も見えない。しかし、視界の一部で何かが光った。そして、

 

 

 

 

 

ピュン!!

 

 

 

 

 

――俺たちに向けて、一筋の光線が発射される。正確にはクリムゾンハートを狙っていたようで、ギリギリ頭を傾けた奴の頬を掠めていった。

 

「……藪をつついてレーザーが出たな。これは予想外だ」

 

「言ってる場合じゃないよ! 何、今の!? モンスターからの反撃!?」

 

「というか大丈夫なの、クリムゾンハート!?」

 

「騒ぐなよ。血は出てるが、掠っただけだ」

 

そう言いながら、レーザーによってできた傷から出てる血を指で拭うクリムゾンハート。

 

そんな中、俺はレーザーが放たれたであろう場所を注意深く見ていた。俺はその場所とは少しだけ離れたところに向けてクリムゾンハートのよりも威力を抑えた砲紅を放つ。

 

「刀哉くん!? 今のを見てなかったんですの!?」

 

「もちろん見てましたよベールさん。でも、見れたのはレーザーと――」

 

ピュン!!

 

「――大雑把な発射場所くらい!」

 

眼紅で強化された視力で、レーザーを避ける。的確に頭を狙ってきてるな。

 

まあ、そんなことよりも――

 

「おい、クリムゾンハート」

 

「みなまで言うな。――しっかり見た」

 

クリムゾンハートはある地点を指差す。そこは間違いなく、レーザーが放たれた場所だ。

 

「よし! 皆、行くぞ!」

 

「えぇっ!?」

 

「行くぞって、どうする気、刀哉?」

 

崖から飛び下りようとするが、ネプテューヌとパープルハートによってひき止められる。というか、俺とクリムゾンハート以外誰も動きを見せなかった。

 

俺は振り返って皆に向けて説明する。

 

「さっき俺たち二人が撃った砲紅で、あのモンスターたち自体には実体がないってわかった。しかし、攻撃する度に的確な反撃がくる。――ようするに、あそこにこのモンスターたちの幻を生んでいるであろう元凶があるはずなんだ。だからそれを潰しに行く。オーケー?」

 

「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

なぜか全員黙りこんでしまった。え、何?

 

「……刀哉って、意外と考えてるよな」

 

「ええ。あれだけのことを全て計算通りだったなんて、大したものですわ」

 

ホワイトハートとグリーンハートさんからお褒めの言葉をもらった。………その場の思いつきでやってるとはとても言えない。

 

「くっちゃべってねぇで、さっさと行くぞ。早くこれの元凶を始末しねぇとな」

 

そう言ってクリムゾンハートは先に飛び下りる。あ、先を超された!

 

「あいつには負けねぇ! 先行くぞ!」

 

「ちょ、ちょっと二人とも!?」

 

ノワールの声が聞こえたが、既に眼下に広がるのは遥か下の光景。今更止まれない。

 

と、俺より先に行ったクリムゾンハートの姿が見える。あっちも後ろを向いてこちらを見る。すると、口の端をつり上げる。

 

怪訝に思った次の瞬間、クリムゾンハートはユニットを展開して飛んで行く。野郎……! 今の笑みは余裕の表れか!

 

だが、こっちにも手段がないわけじゃない。俺は足裏から紅噴を出してクリムゾンハートを追いかける。あっちに比べればかなり不安定ではあるが、充分スピードは出る。

 

一応後ろを確認するが、ちゃんと全員自分の変身した姿に抱えてもらっていた。なんとか俺たちのあとを追ってる感じだな。もう少しスピード落として――いや、あいつには負けたくないからやっぱりこのままでいいや。

 

改めて前方に見えるモンスターの大群に目を向けて眼紅を発動する。やはり感情は一切見えない。このまま突っ込んでもあれが幻なら問題ないだろう。

 

前にいたクリムゾンハートがモンスターの中に消えて行く。俺もそのあとに続いて突っ込む。

 

些細な変化も見過ごさないように眼紅は発動させたままだったが、それが幸いだったのか、

 

 

 

 

 

――幻影の中から、危険な輝きが漏れているのが見えた。

 

 

 

 

 

「――っ!! おい、止まれ!」

 

急停止して前方にいるクリムゾンハートに止まるように叫ぶ。あいつも異変を感じたのか叫び始めた辺りから止まろうとしていたが、それよりも早く危険な輝きが視界を覆う。更に――

 

「ぐ――があああああぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「――っ!? な、なんだ、これは……!?」

 

激しい頭痛が襲いかかってきた。頭の中が直接鈍器で殴られ、脳が割れるような痛みが合わさったような激痛。俺は絶叫し、クリムゾンハートも頭を抱えて地面に膝をついている。

 

つーか、やべぇ…!! 気を抜いたら意識がなくなりそうだ……!

 

「二人とも、どうしたの!?」

 

「大丈夫!?」

 

後ろからネプテューヌたちの声が聞こえる。だが、正直そっちを見ている余裕がない。

 

段々意識がなくなった方が楽なんじゃないかと思えてくるほど痛ぇ…!!

 

「な――!? う、腕が…!?」

 

そんな中、クリムゾンハートが驚いた声を上げる。視界にギリギリ映っていたので目を向けると、奴は震えながらも右腕を上げ、かなりのオーラを纏わせる。な、何やってんだ…!? あのオーラの質はヤバいぞ!

 

「何する気だ!? 早く腕を下ろせ!」

 

「わ、わかってんだよ…! だが、右腕が――勝手に動いていうことをきかねぇんだ……!!」

 

勝手に動く? 俺の体には特にそのような異状はない。どうなってるんだ?

 

そして、クリムゾンハートの右腕が地面に叩きつけられ、紅いオーラが地面に注ぎ込まれる。マズイ!

 

「――皆ぁ!! ここから離れろぉ!!」

 

痛みを堪え、ネプテューヌたちに向けて叫ぶが、もう遅かった。

 

――俺たちの足元の地面は、クリムゾンハートの紅撃によって大爆発し、消し飛んだ。

 

爆発の直前にオーラを纏ってダメージを緩和したが、それでもまだ残っている頭痛の余韻でうまく体が動かない。しかもこの前の島のように、此処の地面も下に空洞があるようで眼下には先の見えない暗闇が広がっている。

 

マズい……! このままじゃいずれこの先にあるであろう足場に叩きつけられてアウトだ……! 皆もさっきの爆発でどこかに吹っ飛ばされていたみたいだし、助けは期待できない。どうすれば…!

 

 

 

 

 

「――刀哉!!」

 

 

 

 

 

だが、俺の手を掴む者がいた。目を向けると、その人物はノワールだった。

 

「ノ、ノワール…! ブラックハートは…?」

 

「ここにいるわよ」

 

落下していた俺とノワールの体を、ブラックハートが止めてくれた。ふぅ…。一応、助かったか。

 

そう思ったのもつかの間、先程の光が再び頭上で輝く。その光を受けて今度は俺ではなく、ブラックハートが苦しみだした。

 

「――っ!? あ、頭が…!!」

 

ブラックハートは頭を抱えるが、その痛みのせいで気を失い、俺の体に寄りかかってきた。おいおいおいおい!!

 

飛べる者が気を失ったため、当然俺たちの落下は再開され、俺とノワールとブラックハートは、暗闇に落ちて行った。

 

 

 

刀哉side out

 

 

 

no side

 

「ん……」

 

暗闇に落ちたノワールが目を覚ます。しかし、目を開けているはずなのに、何も見えない。

 

辺りは完全に暗闇で覆われていたのだ。

 

ノワールはポケットから電子機器を取り出してその光で辺りを見る。

 

「目が覚めたようね」

 

「キャア!?」

 

辺りを確認してると、目の前に突然ブラックハートが顔を出してきた。ノワールは驚いて思わず倒れそうになるが、どうにか持ち堪えた。

 

「そんなにビックリしなくていいでしょ? 私たちは一応元は同じなのよ?」

 

「誰でもこんな状況だったらビックリするわよ!!」

 

ノワールが辺りに叫ぶが、音が少し反響して山びこのように帰ってくる。冷静を取り戻したノワールはブラックハートに話しかける。

 

「念のため聞いておくわね。此処がどこかわかる?」

 

「わかってるならあなたを連れて移動してるわよ。……刀哉も捜さないといけないし」

 

その言葉を聞いて、ノワールは顔を青ざめて聞く。

 

「え!? 刀哉がいないの!?」

 

「今のところはね。辺りが暗くて、捜すこともできないから、もしかしたら近くで気絶してるだけかもしれないわよ?」

 

「私のこれを使えば捜せるわね! じゃあ、早速捜索開始よ!」

 

ノワールはその場で立ち上がる。その時、足元から変な感触がするのに気づいた。

不思議に思い、足元を照らすと、

 

 

 

 

 

「……いつになったらどけてくれるんですかねぇ…」

 

 

 

 

 

――捜そうとしていた刀哉が、ノワールとブラックハートの下敷きになっていた。

 

「「うわああぁぁぁぁ!?」」

 

「って、おい、ちょ――!? 踏むな! こっち結構キツイん――」

 

軽くパニックを起こした二人は、しばらく刀哉を踏み続けた。




本当は今回で終わらせる気だったのですが、せっかく増えたのでもう少し引っ張っていこうと思います(キャラが多くて書くの大変なのは内緒)

では、この辺で。さらb――

「ストップだ、そこの凡人」

ん? と、刀哉!? ついに君も来たか!

「も、ってことは、俺以外にも誰か来たのか?」

ああ、別の作品の話だから関係な――

「大有りだバカ」

ちょ、竜真!? 君は作品違うでしょ!? なんで来てんの!?

「いや、今回こんなにこっちの作品の投稿が伸びたのには俺も関わってるから、少し謝罪しようと思ってな。そっちの――刀哉だったか? すまなかった」

「ああ、いや。別にあなたが謝ることじゃ――」

そうだそうだ! もっと頭を下げて謝r――ぐべぁ!?

「竜真さんでしたか? よかったら、一緒にこのダメ凡人をボコりませんか?」

「いいね。まあ、肉体面じゃこいつが勝てるわけないから、今回はゲームでやってやろう。お前との友情を生むためにもな」

って、ちょっと待て! それは友情崩壊ゲーとして有名な<カー○ィのエアライド>じゃねぇか! 生むどころか壊れるよ!

「大丈夫だ。壊れるのはお前だけだ」

それはそれで問題でしょ!?

「ごちゃごちゃうるさいな。とっととセッティングしちゃいましょう」

「だな。やるのは当然シティトライアル」

ねえ。作者の言葉に耳を傾けて?



――――――――――

ちょっと待て! 二人とも体力と防御が十超えて無敵化してるハイドラとレックスWRYYYYY!! じゃねぇか! しかも二人にマシン壊され続けたから俺はステータスゼロのライトスターだし! ク、クソ! こうなれば、スタジアムでポイントストライクが来るのを祈るしか――





デスマッチ4





「貧弱貧弱ゥ!! ちょいとでも俺に敵うとでも思ったか、マヌケがぁ!!」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

――このあと滅茶苦茶ボコられた。
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