いくらネタが思いつかないとはいえ、気づいたら最後に投稿してから半年以上期間があくというかつてない恐ろしい事態に…。待っていた方々には深くお詫びします。申し訳ありません。
しかも、もう片方のやつにはちゃっかり投稿してるくせにこちらには全く投稿する気配を見せない私に一体何人の方が腹を立てていたことか……。
今後はバランスよく投稿していこうとは思います。ですが、リアルの方も色々あり、相変わらずの不定期更新になると思います。それでも見てくださる方々がいることに深く感謝します。よろしければ、これからもよろしくお願いします。
それでは、本編をどうぞ。
追記:投稿する作品を間違っていました。ご指摘のおかげで気づきましたが、救いようがない……。
no side
「おーーーーい!! 刀哉ーーーーーー!!」
「うるせぇ!」
「あ痛っ!?」
暗闇の中、ネプテューヌの大声が響く。その直後に鈍い音も響いてくる。クリムゾンハートがネプテューヌをぶん殴ったのだ。
「こっちはさっきの頭痛のせいでまだ頭がガンガンするってのに、近くで大声出すんじゃねぇ!」
「う~! そんなこと言ったって、刀哉や皆が危険かもしれないんだよ!? だけど、こんな何も見えないところじゃ大声上げて探すくらいしかできないじゃん!」
「んなことしなくても――ほれ」
クリムゾンハートが掌からオーラを出す。すると、そのオーラの輝きが闇を照らし、五メートル先までははっきり見えるようになった。
「な? こうすりゃ皆を探しやすくなる。だから大声は――」
「こんなんじゃ足りないよ! ここら一帯を全部見えるくらいにして!」
「頭痛くて調子悪いんだよ! これが限界だ!」
「何を二日酔いみたいなこと言ってるの!? 男でしょ! 根性見せなよ!」
「無茶言うな、このスットコドッコイ!!」
二人の理不尽な言い争いが周りの闇に吸い込まれていく。
「………何やってんだ、テメェら…」
そんな中、第三者の声が響いてきた。
二人はイラついていたせいで、その声が聞こえた方向を睨みつける。
――そこには赤と青と紫の瞳があり、不気味に光っていた。
「ねぷぅぅぅぅぅぅぅ!?」
さすがのネプテューヌもこれには驚き、クリムゾンハートの後ろに隠れる。
「で、出たぁぁぁぁ!! きっと此処で何もできずに朽ち果てていった人たちの亡霊だよ! 早くやっつけちゃって!」
ネプテューヌはクリムゾンハートに命令する。だが、クリムゾンハートは呆れた様子でため息をつくだけだった。
「お前なぁ……。あれが亡霊に見えるのか?」
「どう見てもそうじゃん! いいから早くやっちゃってよ!」
「まったく……。――おい、お前ら。もうちょっとこっちに来い」
「何言ってるの!? ――はっ!? さては、あなたは亡霊が見せてる幻覚なんだね! こんなところにいられないよ! 私は部屋に帰る!!」
「待てって。つーか部屋ってどこだよ?」
その場から逃げ出そうとしたネプテューヌ肩を掴んで止めるクリムゾンハート。そうしてる間に、暗闇の向こうの存在が二人の前に現れた。
「ヒイィィィ!! 呪うのならクリムゾンハートだけに――」
叫びながら懇願するネプテューヌ。だが、目の前の存在を見て固まった。
「――誰が亡霊ですって?」
現れたのは、パープルハートとホワイトハート、グリーンハートの女神三人だった。
「言ってくれるじゃねぇか…!」
「どう叱って差し上げましょうか?」
三人は亡霊扱いされたことに腹を立ててるようで、凄いプレッシャーを放っている。
「あらあら、ネプテューヌ。しっかり相手を確認しませんと」
「…口は災いの元ね」
その後ろからベールとブランが現れる。どうやら五人で合流していたようだ。
「さ、さーて! 足りないメンバーは誰かなー!?」
「…逃げたわね」
「まあ、気にしないであげましょう。えっと、此処にいないのは…」
「刀哉がいないわ」
「あと、ノワールとブラックハートだな」
「そして、あと少しでネプテューヌですわね」
「私これからいなくなることになってる!? 消す気!? ――って、ちょっと待って! 刀哉とノワール組が一緒!? ていうか、実質二人きり!?」
ネプテューヌが過敏に反応している。だが、それも仕方ないことだ。
自分の好きな男が他の女と、しかもその男に好意を寄せているかもしれない女と一緒なのだ。動揺しても仕方ない。
「は、早く捜しに行こう! こんなところで二人きりとか、好感度アップイベント以外の何物でもないよ!」
「そうね! 急ぐわよ、皆!」
そう言うと、ネプテューヌとパープルハートはダッシュで奥に進もうとする。
「待て待て、お前ら」
だが、クリムゾンハートに腕を掴まれて止められる。
「こんな状況で離れたら、余計面倒になる。ここは全員で慎重に移動するぞ」
「そんな悠長なこと言ってられないよ!」
「ええ! こうしてる間にも、刀哉たちは…!」
クリムゾンハートが言ってることは正論なのだが、それをおとなしく聞く二人(一人?)ではない。
「――ったく、少しは落ち着けよ。なんでそんなに焦ってるんだよ?」
その一言を言った瞬間、全員がクリムゾンハートを冷たい目で見たのは言うまでもない。違う人格のような存在でも、この辺りは変わっていないようだ。
刀哉side
「と、刀哉。その、大丈夫…?」
「大丈夫に見えるなら、お前は眼科に行けノワール」
「そ、その……怒ってる?」
「別に? 少しも怒ってねぇぞ、ブラックハート。理不尽に踏みつけられまくったとしても、俺は怒らない。――そう…! 俺は
((全然
下敷きになったあげく、一分ほど踏み続けられたおかげで顔が酷いことになったが、こんなことで怒る俺じゃない。
だから、オーラの輝きがいつもと比べて数倍強いのは気のせいだ。まあ、オーラで回復力を高めてるから、ちょっとしたら元に戻るだろう。
俺たちは現在、終わることのない暗闇を歩き続けている。といっても、俺がオーラを出しているからそこまで暗いわけでもないが。というか、二十メートルくらい先まではっきり見える。
「にしても、なんなんだろうな此処は?」
「洞窟みたいな場所よね」
「でも、自然にできたものじゃないわね。そうじゃなきゃ、こんなに壁がキレイなはずがないもの」
ブラックハートが言ったように、この洞窟の壁には凹凸が一切ない。その上、俺たちが今まで進んできた道はひたすらにまっすぐだった。人工的なものでもなきゃ、こんな洞窟はできないだろう。
「けど、これだけまっすぐなのに、どうしてネプテューヌたちと合流できないのかしら?」
「さあな。いくつか道があって、別の場所に落ちたとかじゃないか?」
「……まあ、そうでもなきゃ姿すら見えないなんてことはないでしょうし――キャッ!?」
ノワールとそう話していたが、突然ブラックハートがノワールの腕を引っ張って、俺から距離をおく。なんだ?
「(いきなり何よ!? 驚かさないで!)」
「(本当にいいのかしら? このまま素直にネプテューヌたちと合流しちゃって)」
「(……どういう意味よ?)」
「(せっかく刀哉と二人きりなのよ? 刀哉は普段はプラネテューヌに住んでるんだし、こんなチャンスは滅多にないわ。――もう。元は自分自身なんだから、言いたいことはわかってるでしょ?)」
「(…わかんないわよ)」
「(好感度を上げるチャンスだって言ってるのよ)」
「(――っ!!)」
「ん? ノワール、耳赤くなってないか?」
「気のせいだから、刀哉はあっち向いてなさい。じゃなきゃ斬るわよ」
「イエス、マム」
おとなしく別の方に顔を向ける。わけもわからず斬られるのはごめんだ。
「(な、何言ってるのよ!? わ、私は刀哉のことなんて、別に…)」
「(そんな嘘見抜けないと思うの? 言ったでしょ? 私はあんたなのよ。それに、私たちはあんたたちの変身後だけど、どっちかというと深層心理を元にしてる割合が大きいわ。――だからこそ、私は刀哉のことが好きだとわかる)」
「(………)」
「(まあ、急に告白しろなんて言わないわ。でも、今からでも少しずつアピールしていかなきゃ、ネプテューヌに勝てないわよ?)」
「(け、けれど、アピールって言っても何をすれば――)」
「(私が軽く手本を見せるから、あんたもやってみなさい)――刀哉。もういいわよ」
ああ、終わったか。正直、暗闇をじっと見つめてるのは辛かったから、早めに終わってくれて助かったぜ。
「自分自身との対話は終わったか?」
「ええ、充分したわ。――ところで刀哉? 少し頼みがあるんだけど、いいかしら?」
「余程無茶な頼みじゃない限りはいいぜ。でも、こんな状況下で頼むことってなんだよ?」
「あら、刀哉。これに関してはあんたの方が余程理解してるはずだけど?」
俺の方が理解してる? はて、なんのことかさっぱりわからん。
頭の中で疑問符が出続けている中、ブラックハートはある行動をした。
「えいっ」
「へ――?」
「な――!?」
その行動を見た俺とノワールは、思わず口を開けてしまう。
――あろうことか、ブラックハートは俺の左腕に掴まってきたのだ。しかも、恋人同士がやるように体を密着させて腕を絡ませてきている。
「え、え~と、ブラックハートさん? これは一体なんの冗談で…?」
「あんたならわかるでしょ? 暗いのが怖いから、手を繋いで欲しいのよ」
いや、手どころか色んなところが触れ合ってるんですが…。ていうか、暗闇に怯えてたのバレテーラ。恥ずかしい。
「――ちょ、ちょっと! 何してんのよあんたたち!?」
ノワールが顔を真っ赤にして怒鳴ってきた。さすがに自分の片割れがこんなことをするのは恥ずかしいよな。けど、怒るのならブラックハートだけにしてくれないか。向こうから勝手にやってきたんだし。
「あんたもやればいいでしょ? もう片方、空いてるわよ」
だがそのノワールとは逆に、ブラックハートは冷静な態度で言い返す。ていうか、何言っちゃってんの!? 俺の腕はお前らが抱きつくためのものじゃないぞ!?
「な、何言って――」
「あら、そう。じゃあ、私一人で楽しむことにするわ」
「許可した覚えがないんだがそれは…」
「え? 頼み聞いてくれるんでしょ?」
「いや、内容を聞いてから判断しようとしてのに、お前が勝手に実行したんだろうが」
「まあ、細かいことは気にしないの」
決して細かいことではないと思うが…。
「っ――!! あー、もう! わかったわよ!」
ブラックハート相手に手こずっていると、右腕にも柔らかい感触が――っておい!?
「ノ、ノワール!? お前まで抱きつくなよ!」
「何よ! なんでブラックハートがよくて私はダメなのよ!」
いや、だから許可した覚えはねぇって!
「じゃあ、刀哉。こう言えばいいのかしら? ――前に私のパンツを見た時、お詫びとして何かしてほしいことをしてくれるって言ってたわよね?」
「うっ――!」
そうきたか……! 確かにそう言われると断りにくい…!
――だがな、ブラックハート! その考えは甘いぞ!
「……ああ。確かに言った。だけどよ、その貴重な命令権をここで使っていいのか!?」
「「いいわ」」
俺の逆転の一手は一瞬で砕かれた。
「ほ、本当にいいのか? またとないチャンスを逃して――」
「心配しないで。そのまたとないチャンスは今だもの」
「ええ、そうよね」
「まるで意味がわからんぞ!」
いや、冗談じゃなくて本当にわからねぇ! なんのチャンスだよ!?
「ほら。そんなことより、早く進みましょう。――あ、でも遅い方がいいのかしら?」
「そ、そうね。少しくらいならゆっくりでも――」
「よし行こう! すぐ行こう!」
二人してゆっくり行こうとか言ってるが、俺は二人に両腕を拘束されながらいつものペースで歩き出す。だって、このままだったら確実に俺の理性がログアウトするもの。
――――――――――
「あら? これは…」
「壁画みたいね。それも、相当古い」
「………」
「こういうものがあるってことは、やっぱり此処は人工的に作られたのね」
「そうね。でもそうなると、どんな奴らが作ったのかしら? ねえ、見覚えない?」
「………」
「…ちょっと、刀哉。聞いてるの?」
――はっ!? 思考が停止していたようだ。
「だ、大丈夫だノワール。全然問題ない」
「そう? じゃあ、どんなことを話してたか言ってみて」
「すいませんでした」
「素直でよろしい。もう、人の話はちゃんと聞いておきなさい。しかも、隣にいる相手のなんだから」
いや、近すぎて集中できなかったんだが…。
だって、二人ともずっと俺の両腕に抱きついてるんだぞ? するとどうだ? 二人の胸が思い切り当たってくる。
パープルハートやベールさんより小さいとはいえノワールだって充分ある方なんだよ。それなのに遠慮なしに引っついてきたら当たるに決まってんだろ。柔らかいんだよ気持ちいいありがとうございます!
「もう一回言うわよ。この壁画に見覚えない?」
と、いかん。軽くパニックになってしまった。とりあえず、ノワールに言われた通りに前の壁画を見る。
「えーと、この壁画か。うん、見覚えあるわけないだろ」
なぜ俺がこんな古代の壁画みたいなのを見覚えがあると思ったんだ?
「あんたじゃなくて、グランに聞きたいんだけど」
ブラックハートがため息をつきながら言ってきた。ああ、そういうことか。
グラン。見覚えあるか?
「――うーん。この絵の感じは、俺を造った奴らのものに似てるな――」
さらりとグランが衝撃的な発言をした。
「それは本当!?」
「――と言っても、僕が壁画を見たのは俺を使おうとした奴の視界を通して一瞬見たくらいで、鮮明には覚えてねぇ――」
「なんだ。驚かさないでくれよ」
前に聞いた話だけでも、相当厄介なものばかり造った連中なんだから、今回の異変やあのクリスタルに関わっていたら面倒くさいことになる未来しか見えない。
「――だけど、今回の異変は少なくとも関わっていると思うよ。というか、皆が分裂したのと今回の異変はあのクリスタルのせいだろうしな――」
「なんでそう断言できるの?」
「――落ちる前にモンスターの幻から放たれあのレーザーがあったろ? あれから、あの時クリスタルから放たれたものと同じ力を感じたからね――」
マジか……。けどそうなると、あそこにあったクリスタルがどうやってこんな遠くに?
――さあな。そこまではわからないよ――
というか、そのこと俺にも教えてくれてよかったんじゃねぇか?
――いやー、言うタイミングがわからなくてね。まあ、許してくれよ。俺とお前の仲
陛下はお帰りください。そんな風に心の中でグランと対話をしつつ、改めて目の前の壁画に目を向ける。
人のような絵と、いくつかの武器が描いてある絵が数枚。その内の一つをよく見ると、クリスタルのようなものとその光に照らされる二人の人が描いてある。
だが、その二人の様子が普通ではない。なぜなら、二人は剣で互いを突き刺してるからだ。
「……さっそく嫌なやつ見つけたぞ。これ、絶対あのクリスタルだよな?」
「そうとしか思えないわね…。だとすると、これが表す意味はなんなのかしら?」
「この二人は、私たちみたいに分かれた人じゃない? でも、だとすると物騒ね。これじゃあ、私たちが殺し合うことになるじゃない」
「俺は何も言わんぞ。また変なフラグが立ったら嫌だからな」
「――刀哉。この壁画を見つけた時点で手遅れだと思うよ――」
「「本当」」
「やめろ!! マジでフラグになるからやめろ! つーか、俺は殺し合いなんてしたくないから否定しようとしてるのに、なんでお前らは俺に便乗する形でフラグを確立させていくんだ!?」
まさか殺し合いを演じたいなんて言わねぇだろうな?
「大丈夫でしょ。もしこの壁画の通りなら、私たちはとっくに仲間割れしてるわよ。それが普通に個々で行動してるんだから、そこまで心配することはないと思うけど?」
「けどな…。やっぱり不安だ」
実際、此処に落ちてくる前に、クリムゾンハートは体が勝手に動くと言ってた。仮に自分から分かれた存在を操る能力があるとしたら――
「刀哉」
「なんだ――いたたたたたたた!?」
ノワールが声をかけてきたと思った次の瞬間、俺の耳が思い切り引っ張られた。痛いって! 千切れる!
「あんたは無駄に心配しすぎよ。ネプテューヌを見習えなんて言わないけど、少しは前向きに考えなさい。いずれストレスで倒れるわよ?」
「心配しすぎってな……! どっかの誰かさんたちが命の危機になったから、俺は万が一があるかもしれないと考えるようにしてるだけだ…! ……あの時嫌な予感がしていたのに、忠告するだけで止めようとしなかった自分が許せなかったからな」
あの時のことは、今も悪夢としてときどき思い出す。しかも、その悪夢ではネプテューヌたちを助けれずに死んでしまうという最悪な終わり方。実際、そうなってもおかしくない状況だったんだ。そう考える度に、あの時の自分をぶっ飛ばしたくなる。
ノワールはしばらく黙っていたが、俺の耳を放した。
「……ごめんなさい。――でも刀哉。だからって、あなたが無理をするなんてダメよ? 私だって、普段からあなたのことは人一倍心配してるんだから」
若干上目遣いでそう言ってくる。…………ん? なんか若干気になる単語が。
「あ、ああ。ありがとう、ノワール。けどよ、人一倍心配してるってどういう――」
「え? …………そ、それはあれよ! 友達としてって意味よ! 決して変な意味ではないんだから!」
「お、おう。そうだよな…」
まあ、そうだ。ノワールが俺のことを、なんてあるわけないよな。
第一、フラグを立てた覚えがない。というか、俺なんかがレベルの高い異性を彼女にできるなんて………おかしいな。視界が歪んできた。
「(もう。我ながら酷い誤魔化し方ね。まあ、あいつは真に受けてるけど。というか、なんでそこで否定するのよ?)」
「(だ、だって、こんなカミングアウトで好きだと知られるなんて嫌だもの! そ、それに、まだ心の準備とかが…)」
二人がなんか言ってたが、精神的にやられていたので聞こえなかった。まあ、小声だったし聞かれたくない内容なんだろう。
「まあ、とりあえず先に行こう。一応、この先にもまだ壁画があるみたいだし、何か此処から出るヒントもあるかもしれないから、なるべく注意して見るようにしよう」
「「ええ」」
俺たちはそのまま奥に歩き出した。……そういえば、いつになったら両腕を解放してくれるんだろうか?
――――――――――
あれからしばらく歩いたが、未だに出口――というよりは光が見えてこない。相変わらず頼りになるのはオーラによる輝きだけ。
つーか、いい加減何か進展があってもいいだろ。あのあと変わったものといえば道中の壁画だけだし(特に役立ちそうなのはなかった)、二人が俺の両腕に掴まってるのは変わらんし、理性を保つのが限界だし、誰か助け――
「……二人とも。そろそろ腕を放してくれるか?」
「え、もう? あ、あとちょっとだけ――」
何か言おうとしたノワールだが、俺の顔を見た瞬間放してくれた。ブラックハートもそれに続いて放す。
俺は今、、顔つきは真剣そのものになっている。そこから異変に気づいたノワールが質問してくる。
「何かあるの、刀哉?」
「ああ。この先から、覚えのあるオーラを感じる。これは、あの時のクリスタルと同じやつだ」
「――つまり、戦闘ね?」
ブラックハートが剣をコールしながらそう質問してくる。
「そういことだな。もしレーザーを撃ったのとクリスタルが同じものなら、なんらかの攻撃システムを持ってるかもしれない。一応準備しておこう」
そう言いながら俺もグランをコールする。俺たちを見てノワールも武器をコールしようとするが――
「あんたは無理しない方がいいわ。下がっていて」
「――っ! 私は役立たずだっていうの…?」
ブラックハートに止められ、腹立たしそうに睨むノワール。気持ちはわからなくないが、落ち着いてもらおう。
「ノワール。役立たずではないさ。だけど、今のお前は女神じゃなく普通の少女。いつものような感じで戦うのは無理だから、思わぬ怪我をするかもしれないだろ? だから、攻撃はせずに回避に専念してほしいんだ。ダメか?」
「……わかったわ」
ノワールはしぶしぶという感じではあるがわかってくれたようだ。俺? 俺は依然の体に戻っただけで、グランも問題なく振り回せるから大丈夫だろ。
「じゃあ、行くぞ」
俺たちは警戒しながら進む。さあ、いつでも来い。万が一、レーザーを撃ってきても防いで――
ズドンッ!!
隣の壁からそんな音が聞こえたと思った時には遅かった。壁は爆発と共に吹き飛び、俺も容赦なく爆炎に呑まれる。
「と、刀哉!?」
「ちょ、ちょっと大丈夫!?」
二人がこっちに駆け寄ってくる音がする。あー、うん。吸収したから問題ない。……瓦礫で少し怪我したが。
「――おー、ようやく合流できたか」
爆発した壁からそんな声が聞こえてくる。…だよな。こんなの使うのあいつしかいないよな。
「ク、クリムゾンハート!?」
「よう。無事みたいだな」
「あー! いたいた!」
「二人とも、変なことしてないわよね!?」
「…苦労して合流したのに、開口一番がそれなの?」
「まあ、こいつらにとっちゃあ刀哉の方が大事だろうからな」
「今まで以上に興奮してますわね、二人とも」
「まあ、ずっと心配していたのですから、仕方ないですわね」
次々に声が聞こえてくる。どうやら、向こうは全員合流できていたようだ。
「待って! 刀哉はどこ!?」
「まさか、刀哉だけ一人で!?」
「――こっちだ、こっち」
瓦礫の中から立ち上がり、存在をアピールする。なんでネプテューヌとパープルハートはそんなに焦ってるんだか。まあ、心配してくれるのは嬉しいが。
「刀哉! 大丈夫!? 何かされてない?」
「ちょっと、ネプテューヌ! その言い方はなんなのよ!?」
されたっちゃあ、されたが嫌というわけでもなかったし、あれは謝罪の代わりみたいなものだから言わなくていいよな。
「なんもされてねぇよ。第一、何をするっていうんだよ」
「それはもちろんナn――」
「よし、それ以上口を開くな」
アウトな発言をしようとするネプテューヌを止める。
つーか、そんなことするわけねぇだろ。しかも、あのノワールだぞ? そう思いながらノワールに目を向ける。
「………」
ノワールは俯いていた。耳が赤く見えるのは気のせいだろう。
「とりあえず、この先にあるんだろ? あのクリスタルが」
「なんだ。お前も気づいてたのか」
「ああ。どっかの誰かと違ってな」
「……そうだな。俺はどっかの誰かと違って、頼れる相棒がいるしな」
「「あぁ?」」
再会して早々にメンチを切り合う俺たち。ははは、いい性格してるよ流石俺だボケが!
「はいはい。二人とも、喧嘩はおよしください。とにかく、この奥に元凶のものがあるのですわね?」
「ええ。それじゃあまあ、変身後組は武器を用意して、変身前組は何があっても動けるように構えておいてくれ」
俺がそう言うと、女神たちは武器をコールする。クリムゾンハートは武器がないため拳を構える。ネプテューヌやノワールたちはその場で身構える。
それを確認して、俺は前に進む。少しすると、扉があった。
開けようと扉を押すが、石の扉のせいかビクともしない。仕方ないので、グランで叩き斬るとしよう。
オーラで強化した斬撃で斬ると、扉はそのまま吹き飛ぶ。そのまま部屋の中に注視する。
――次の瞬間、あの時の白と黒の光が俺たちの視界を覆った。
この話を読めばわかると思いますが、結局ノワールもヒロインの一人にすることにしました。
私自身ハーレムを書ける自信がないので、これ以上ヒロインは増やさないと思います。……多分ですが。
しかし、増やすとしても一人ぐらいが限界です。計画もへったくれもないこんな小説ですが、楽しんでいただければ幸いです。
あと、こっちには遠慮なくパロネタを入れれるので、私が個人的に好きな漫画やアニメのネタをいくつか入れました。わかる人いるかな…?
それでは、この辺りで失礼します。さようなら。