「ねえ士郎君あれは何かな?」
シエルが俺に聞いてきた。
「いや、えーなんでしょうね〜ハハハ」
「ねえ士郎君そんなので誤魔化せると思う?」
俺は勢いよく体勢を変えた。
「なっ!?」
勢いよく体勢を変えた俺にシエルは慌てて構えたが、そこに映るのは
「命だけはご勘弁を〜!!」
きれいな姿勢で土下座する俺の姿だった。
「えっと、士郎君とりあえずその姿勢やめてもらえないかな?」
シエルは困った顔をしながら士郎を立つように言った。
シエルと俺は投影した宝具の方に向かいながら会話を続けた。
「士郎君、さっきの反応からして君の魔術の異常性はわかっているのね。
いったいどういう魔術か教えてくれるかな?」
「いや、あの……言わないとだめですか?」
「君が言わないなら魔術で無理やり聞き出すだけよ。」
「言いますのでこの事は聖堂教会に伝えないでもらえませんか?」
「ごめんね、今回の事件のこと、報告書に詳しく書かないと聖堂教会も聖杯解体に動いてくれないと思うからそれは無理かな。」
「さっきの間桐蔵硯の自白と今切嗣さん達が探してる資料じゃだめですか?」
「魔術教会にも間桐蔵硯の殺害方法は知られるだろうし、無理じゃないかな」
「はぁ、わかりました。
俺の魔術は自分の心象風景にある物の投影です。」
俺は観念して自分の魔術について喋った。
「ちょっと待って、心象風景の投影って……まさか固有結界!?」
「そうです固有結界ですよ。
だから知られたくなかったんですよ。」
「……いや、ごめんね。
まさかそんな厄介なものとは思ってなくて…」
「一つ聞いてもいいですか?」
「何かな?」
「この事が教会に知られたら自分どうなりますか?」
「うーん、士郎君の場合、切嗣さんがアインツベルンの関係者だからね、魔術協会に士郎君がわたる前に始末するか、教会で監禁して実験に使われるかで、ろくなめには遭わないと思うよ」
「この事は聖堂教会に黙っててもらえませんかお願いします。」
「私が教会に黙ってて魔術協会にこの事が知られたら、いずれ聖堂教会にもバレて、黙ってた私にも被害がおよぶかもしれから無理かな。」
俺は項垂れその場に呆然とした。
「はー、それにしても、これが投影品とは思えない出来だね。」
シエルは床に落ちている右歯噛咬を拾い、眺めた。
「えい」
シエルは右歯噛咬を何気ないようにへし折り呟いた。
「あ、壊れると流石に消えちゃうんだね。」
「いやいやいや!! 簡単にへし折ってますけど、それ宝具ですよ!!」
「そうだね、聖堂教会が作る儀礼剣なんかよりは硬かったよ。」
「貴女はゴリラかなんかですか!?」
俺は立ち上がりながらシエルにツッコミを入れると
「グフッ」
「こんなか弱い女の子に対してゴリラなんて失礼しちゃうじゃない。」
か弱い女の子は普通剣を折りませんし人に腹パンはしない。
と言うか女の子って年じゃ……
「何かな?士郎君言いたい事があるなら言ってもいいのよ?」
シエルはこちらに笑顔で微笑んだ。
「いやー、やっぱりシエルさんはお美しいですねーハハハ」
「そう、ありがとうね、
次に変なこと言ったらさっきの剣のようにするから」
「イエス マム」
俺は最敬礼をした。
「話がそれちゃったね。
と言うか今サラッと言ってたけど宝具ってどういうことかな?」
俺は何故宝具を投影できるかの理由についての説明として、この体の未来の知識についてシエルに説明した。
説明が終わる頃、切嗣がやってきた。
「二人ともこんなとこにいたのかい、探したよ…」
切嗣は床に落ちている左歯噛咬を見て察した表情をしながら言った。
「士郎、短いつき合いだったけど君の事は忘れないよ」
「お願い!!切嗣さん、諦めないで!!頼れるのは貴方だけなんです」
俺は切嗣の足にすがり着いた。
「いやいやいや、無理だって僕じゃ聖堂教会から君を匿うとか不可能だから」
「神は死んだ、もういない」
「いや、士郎君気持ちはわかるけど、一応私シスターだからね?私の前でその発言はどうなの?
ってそんなことよりも私達を探してたってなにか見つけたんですか?」
「そんなこと!?」
「いや、士郎、今から真面目な話をするから黙ってて。
実は桜ちゃんについてなんだが…」
「桜ちゃんについてなら私からも皆に話したいことがあるの、上で話しましょう」
「わかった。
バゼットさんはさっきの部屋に待たせているからそこで話をしよう」
俺達は先程の部屋へと歩みを進めるのであった。