俺の硝子の心に傷を負う意外は無事、朝食が終わり、切嗣が話しかけてきた。
「あー、ごめんね士郎、落ち込んでいるとこ悪いけど、昨日の結果について聞いていいかな?」
「あー、ちょっと待ってください、ヨシッ
はい、もう大丈夫です。
えーと、昨日の件ですね。
22時半に渡されて……一番光ったのは24時で、3時以降は渡された時より光が弱くなっていきました。」
「そうかい、なら士郎の魔力のピークは24時だね、そうと分かれば聖杯投影は24時に決行するよ。バゼットさんも24時には蘇生のルーンを完成させてくれ。」
「わかりました。儀式に時間がかかりますので、時間は多ければ多いほどいいです。
間桐桜、今から貴女にルーンを施しますので、蔵に来てください。」
「はい。」
二人は蔵に向かっていった。
「士郎、君も確認の為に一日中起きていて眠いだろう?
今のうちにしっかり寝て体調を整えていてくれ。」
「わかりました。」
「士郎君は今から寝るんだね、士郎君にはしっかり休んでいてほしいし、お昼と夜ご飯は私が作っときますよ。」
「ありがとうございます、シエルさん。」
「それでね、士郎君、昨日あんなこと言ってたのに何だけど……
大きい寸胴鍋を1つ投影してくれないかな?」
シエルは手を合わせ申し訳なさそうな顔をしながら頼んできた。
俺はカレー屋で使われているサイズの寸胴鍋を投影した。
「これでいいですか?」
「はい、ありがとうございます。」
「では、自分は寝てきますね。」
そう言い残して部屋へと移動した。
俺は布団を敷きすぐに眠りについた。
昼頃だろうか、カレーの匂いで目を覚ました。
俺は匂いにつられる様に居間へと向かった。
「あ、士郎君もう起きたんですね。」
「ええ、おはようございます。
カレーのいい匂いがしてきたので目が覚めてしまって……」
「そうなんですか、もうちょっとだけ待ってくださいね、そろそろ完成しますので。」
俺は食卓の方で待つことにした。
待っていると切嗣がやってきた。
「おはよう士郎、もういいのかい?」
「おはようございます切嗣さん、いえまだ眠いので食べ終わってからもう一眠りしようかと……」
「うん、そのほうがいいだろう。」
切嗣と話をしていると、シエルがカレーを持ってきた。
「お待たせしまた。シエル特性カレーです。」
そう言いながらシエルは3人分のカレーを並べた。
「バゼットと間桐さんは?」
3人分しか用意されていないので、
疑問に思い質問した。
「バゼットさん達は儀式の最中だからね、
流石に宝具クラスの奇跡だからね、途中で一旦切り辞めるなどできないよ。」
「宝具クラスの奇跡ですか……」
「ああ、普通は士郎みたいに宝具クラスの奇跡をポンポン出すことはできないんだよ。
改めて君の異常性を思い知らされるよ……」
切嗣は呆れた表情でため息ついた。
「まあ、士郎の事は後回しにして、
聖杯の投影の事だけ考えよう。
その為にも今はまず、ご飯を食べて英気を養ってくれ。」
「そうですね、ではいただきます。」
「「いただきます。」」
俺はカレーを食べ終えてもう一眠りすることにした。
起きて時計を見ると、時計の針は18時を指していた。
俺は布団を片付けて、居間に向かった。
「やあ、士郎、しっかり眠れたようだね。」
「ええ、おかげさまで体調はバッチシです。」
「それは良かったよ。」
「バゼット達はまだ儀式の最中ですか?」
「ああ、けど予定より早めに始めたから、そろそろ終わるんじゃないかな?。」
俺達はすることが無くただのんびりとすごした。
20時になる頃、バゼット達は居間にやって来た。
「お疲れ様、ルーンの方はどうだい?」
「問題ありません。
しっかりと刻み込めました。」
「そうかい、なら良かったよ。
お腹空いているだろう、シエルさん、
カレーの用意をしてくれないかな?」
「もう、温め終わってますので、すぐに用意しますね。」
そう言いながらシエルはキッチンへ行きカレーをよそい、全員の前に並べた。
「よし、全員食べながらでいいから聞いてくれ。
23時頃から聖杯の投影の準備を始めるが、
その前に役割を決めとく。」
「役割ですか?
俺が投影するだけじゃないんですか?」
「ああ、今回やる投影はぶっつけ本番だ。
何が起きるかわからない。
もしもの為、役割を決めとこうと思う。
まず、士郎、君は投影に集中してくれ。
次に僕だが、士郎の投影は剣以外の投影には魔力の消費が激しいので、魔力回路が焼けきれないように士郎の中のアヴァロンに魔力を贈り続ける。
次にバゼットさん、万が一にもルーンが切れないように、ルーンに集中してくれ。
次にシエルさん、桜ちゃんに痛みを抑える魔術をかけてほしい。
せっかく蘇生のルーンをかけたのに、痛みによるショック死と破裂で2回死んでしまったら意味が無いからね。
それと、もし、投影で出た物が桜ちゃんと融合した状態で出てきてしまった時、桜ちゃんから切り離してくれ。
注意時点として切り離すさいは投影物に傷をつけない事、いいかな?
よし、最後に桜ちゃん、士郎を信じ、魔力を受け入れてくれ。
皆何としても成功させるぞ。」
「「「「はい!!」」」」
俺達は食事を終え、片付けを済ませて全員で蔵に入った。
蔵の中心には俺が投影したベッドが置かれていた。
「じゃあ、士郎、ちょっとだけ血をもらうね。」
そう言いながら注射器を取り出したので、
俺は腕を差し出した。
「よし、ごめんだけど桜ちゃん、士郎の血を飲んでくれ。」
桜は言われるがまま口を開けて、
注射器から俺の血を飲んだ。
「よし、飲んだね、じゃあベッドに横になってくれ。」
桜はベッドに横になった。
「まずはシエルさん、魔術をかけてくれ。」
「わかりました。」
そう言いながらシエルはベッドに近づき桜の額に手を当て何かを呟いた。
すると桜が光始めた。
「士郎、桜ちゃんの身体を解析してくれ。」
俺はベッドに近づき、
桜の手を握り目を閉じた。
「トレース、オン」
何処だ聖杯
「基本骨子、解明」
桜の基本骨子を解明した時、桜のお腹辺りに何か分からない物を発見した。
「これか!!」
俺は桜の手を握っていない方の手を桜のお腹の上に持っていき、更に解析をした。
「基本骨子、解明グッ」
聖杯の解析をし始めた瞬間、さっきまでの魔力消費とは桁にならないほど、
激しく魔力が消費されていった。
「構成材質、解、明、ハア、ハア」
痛い、熱い、身体の内側を焼かれているような激痛が走り出す。
「創造理念、グッ解明」
身体の中の神経を焼切られては修復が繰り返されているような痛みを感じるが、
俺は投影を続けた
「制作技術、解明」
あまりの痛みと情報量に頭が馬鹿になりそうだ。
周りでは何か俺に話しかけているのだろうが、聞き取れない、だが投影だけは辞めるわけにいかない。
「憑依経験、解明」
鼻から熱い何かが流れ出す。
意識が薄れかけ、握る手から力が抜け落ちそうになった時、逆に手を強く握られ意識を持ち替えし投影を続けた。
「蓄積年月、解明!!
投影、完了!!」
俺はベッドの上に横たわる女性と泣きそうに成っている桜の顔を最後に、
意識をうしなった。