「ア、アイリ……」
切嗣は悲しそうな表情で、投影されたアイリを見つめた。
「切嗣さん!!
今は士郎君の治療が先です!!」
シエルに言われ、慌てて士郎のアヴァロンへ魔力供給を再開した。
「桜ちゃん、すまないけど、どいてもらえる?」
桜はシエルに言われ、慌てる様にベッドからどいた。
それを見た切嗣は士郎をベットに寝かし、治療を再開した。
「衞宮士郎は大丈夫なのですか?」
バゼットが心配そうに聞いてくる。
「ああ、僕の予想以上に士郎の回復が早い。
このまま魔力を贈り続ければ、すぐに治るだろう。」
それからしばらくして、切嗣は魔力を贈るのを辞めた。
「ふう、これでひとまず問題ないだろう。
すまないけど、誰か士郎の部屋に布団を敷いといてくれないかな?」
切嗣がそう言うと、バゼットがいち早く士郎の部屋へと向かった。
「切嗣さん、私が士郎君を運びます。
切嗣さんは色々とあるでしょう……」
シエルが気を利かせて、士郎を運ぶ役割をかってでた。
「ありがとう。」
「桜ちゃん、ごめんだけど士郎君を運ぶの手伝ってくれないかな?」
「わかりました。」
桜がうなずくのを確認すると、シエルは士郎を持ち上げ出ていった。
「アイリ、士郎はすごいよ……
僕も士郎の様に君が助かる方法をもっと考えとけば、君を助けれたのかな……」
切嗣の目から涙溢れる。
「うぅ、アイリ……アイリ……」
投影されたアイリに覆いかさぶるようにして、切嗣は泣いた。
「すまない……すまない、アイリ……」
静かな蔵の中、切嗣の鳴き声だけが、こだまする。
「う、うん」
投影品のアイリから声が聞こえた。
「アイリ?」
切嗣は顔を上げ、アイリの顔を見つめた。
「あら、切嗣、おはよう」
「アイリ……アイリ!!」
切嗣はアイリに抱きついた。
「どうしたのよ?切嗣」
アイリはキョトンとした顔をしながら、切嗣のなすがままにさせた。
しばらくして、落ち着きを取り戻した切嗣はアイリに質問した。
「アイリは覚えていないのかい?」
「あら、そう言えば私、聖杯になったはずなのにどうして?」
「聖杯になった所までは覚えてるんだね。
じゃあ、その後の事を説明するよ。」
切嗣の説明が終わるとアイリは口を開いた。
「切嗣、ごめんなさい。
私達アインツベルンのせいで切嗣にいろんな辛い思いをさせてしまって……」
[いや、僕こそあの時に君達を連れて逃げ出していればこんな惨劇も起きなかったのに」
「切嗣……」
「アイリ……」
二人が見つめ合っていると蔵の扉がなった。
「すみません、切嗣さん取り込み中の所申し訳ないんですが、士郎君が目を覚ました。」
シエルは申し訳なさそうに蔵へ入り告げた。
「そうかい、ありがとう、僕達も向かうよ。
アイリ立てるかい?」
切嗣に手を引かれアイリは立ち上がり、シエルに続くように歩いたのだった。