俺達は庭に出た。
「じゃあ、士郎、お願いね。」
「わかったよ。」
皆に見られながら俺は投影を開始した。
「トレース、オン」
俺はまず、夫婦刀を投影した。
「それは……蔵でも投影してたね。
確か……干将、莫耶だっけ?」
「はい、未来の俺もよく投影してた物です。」
そう言いながら親父によく見えるように、手を上げた。
「これの魔力消費はどれぐらいなんだい?」
「強化の魔術と一緒ぐらいですね。」
そう言うと桜以外の全員が黙った。
「あー……士郎……前からおかしいとは思ってたけど……等価交換の無視が酷いね……」
呆れかえってる親父に補足をした。
「いや、その代わりと言っては何だけど……
他の魔術がからっきしなんだよ……」
「?けど……士郎って憑依経験の投影で呪術使ってなかったかい?」
「あー、それなんだけど……
他の魔術の憑依経験を試したことがないからわからないんだ。」
「そうかい……
ならそれも後で試そう。
他に相性の良い宝具はあるかい?」
切嗣にそう言われたので俺は干将、莫耶を消し次の宝具を投影した。
「トレース、オン」
それは鍔も柄も鞘も無い抜身の刀身だった。
「それは?」
「村正。
正確には千子村正が作った刀の1つだ。」
「そうかい、能力はどんなものなんだい?」
「うーん……憑依経験も投影出来てるから戦闘は出来るって言うのと、千子村正の宝具だが……投影したらこれ、死んでしまうな」
「え!?なんだいそれは士郎の魔力が足りないから使えないんじゃ無いのかい?」
切嗣は困惑した顔で聞いてくる。
「いや、そうじゃなくて、宝具が強すぎて使ったら体が耐えきれなくて死ぬ。」
「そ、そうかい。
なら次、いってみよう。」
切嗣はなんとも言えない表情をして次をせかした。
「トレース、オン」
「次は普通の日本刀だね。
一体誰の宝具なんだい?」
「これは天草四郎時貞の宝具で憑依経験のおかげで神父の真似事は出来そうです。」
「そうかい、で他には?」
「ちょっと待ってくれ。」
そう言って憑依経験から宝具を読み取って見るが……
「あー……霊脈に接続して自分の体の中で魔力を暴走させてる見たいだ。」
「またしても自爆宝具!?
え?なに?士郎は自爆宝具と相性がいいの!?」
「そんなわけ無いと思う……」
「他に使える宝具はないの?自爆しないやつで。」
「次で最後です。
トレース、オン」
刃の付いた2丁の銃を投影した。
「最初に投影した夫婦刀とにているね。」
「これは未来の俺の可能性の1つ何だけど、最初に投影した夫婦刀を変化させて使っているんだ。」
「そうなのかい。わかった。宝具はいけそうかい?」
「やって見るよ。
I am the bone of my sword」
俺が詠唱を始めると、体から痛みと異音が発生した。
「士郎、ストップだ、何かおかしい。」
そう言って切嗣が止めようとした時、俺の体から剣が突き出てきた。
「グハぁ」
俺は血を吐きながら倒れた。
「シエルさん、バゼットさん、直に投影品を破壊してくれ!!」
切嗣が慌てて指示を出す。
「フッ」
「はい!!」
二人は俺が倒れた拍子に手放した宝具に一撃を入れる。
宝具は砕け魔力になり消えた。
宝具が消えたのと同時に、俺の体から生えていた剣も消える。
「大丈夫かい!?」
そう言いながら親父が俺を起こし、アヴァロンに魔力を送ってくれた。
「ありがとう親父、助かったよ。」
「今のは?」
「未来の俺の宝具を投影したんだが、制御ができなかったんだと思う。」
「そうかい……」
「結局、役にたつ物は無かったな。」
そう言いながら俺は項垂れた。
皆も黙り込んでしまう。
その時、切嗣が口を開いた。
「いや、最後の宝具は使えるかもしれない。」
「親父、どういうことだ?
そりゃあいつかは制御できるかもしれないがその前にどっちかの陣営に殺されるだろ。
「いや、実際には使わなくていい。」
俺は親父の言葉にますます意味がわからなくなる。
「士郎、聞いてくれ。
まず、魔術協会は士郎がほしいんだ。」
「ああ、だから俺を封印指定にするんだろ?]
「そうだね、けど今の宝具があれば士郎の身柄がほしい魔術協会としては手が出しにくくなる。]
「なるほど、わかりましたけど、聖堂教会の方はどうするんですか?
勝手に死んでくれるなら聖堂教会としてはありがたいんじゃ……」
「いや、宝具なんて神秘の塊が暴走して飛び出してくるのは聖堂教会としては神秘の秘匿の観点からして嬉しくない事だ。
出来れば手を出したくないだろう。」
「ですが聖杯戦争の様にもみ消すことも可能では?」
「いや、それも厳しい。
まず聖杯戦争だけど、それによる被害の費用及び人件費はアインツベルンが負担しているんだ。
だからこそあんな無茶が出来るんだけど、
君の捕獲または抹殺に対しての被害費用及び人件費の負担をしてくれる奴は居ないだろう。」
「なら、これで俺は狙われなくなるんですね。」
そう安心していると、切嗣が俺の発言を否定した。
「いや、大きい組織が士郎を狙わないだけで、フリーの魔術師は狙ってくるだろう。」
「けど、そんな事したら自爆する事になるから魔術協会や聖堂教会が止めるのでは?」
「もしかしたら助けてくれるかもしれないが、その時は助けられた組織の庇護下に入れられるだろう。
そうなれば結局、封印指定とかわりないよ。」
「なら、どうすればいいんだ。」
「簡単さ、士郎が強くなって、護られなくてもいいようにすればいい。
よし、そうと決まれば修行あるのみだよ。」
そう言って親父は俺を道場へと連れて行こうとする。
「待っててくれ親父、さっきの投影のせいで今はしんどいから休ませてくれ。」
「あー、そうだね、なら士郎は休んでてくれ。
今の内にやることやっとくよ。」
「やることってなんだ?」
「それはだね。
まずは桜ちゃんを家に返さないとだね。」
そう言って親父は桜を家に返しに行った。