「さて、みんな食べ終わったね。」
食事が終わった頃切嗣が口を開いた。
「これからの事を話したい。」
切嗣がそう言うと全員が真剣な表情をした。
「衞宮切嗣これからの事とは?
聖杯の異常は間桐蔵硯の資料もある事ですし、後は報告書を書くだけでは?」
バゼットがそう問いかけると
「いや、まだ問題が残っているんだ。
士郎、もう皆に話すけどいいかな?」
切嗣は俺に聞いてくる。
「ああ、もう色々とバレているし構わないよ。」
「ありがとう、じゃあ話すね。
まず、僕が聖杯解体の異常を知ったのは士郎の知識のおかげなんだ。」
「衞宮士郎の知識ですか?」
バゼットは困惑した顔で聞いてくる。
「ああ、士郎の事何だけど聖杯の事故のせいか未来を知っているんだ。」
「未来をですか……それで?」
「士郎の知識によると十年後、聖杯戦争が起きるんだがそこには今回のアーチャーが出てきて聖杯を暴走させようとするらしい。」
「待ってください。
サーヴァントは聖杯戦争が終われば消えるのでは?」
切嗣の発言にバゼットが待ったをかける。
「恐らく受肉して生きているんだと思う。」
「その知識はあてになるのですか?」
切嗣の返答にバゼットは問う。
「まだサーヴァントの確認は取れていないが……
言峰綺礼が魔力を集める為か子供を引き取っていると言うのは病院で聴けたよ。」
「確かにそれはおかしいですね。
基本聖堂教会は神秘の秘匿の為よほど優秀な存在じゃない限り一般人を引き取るなんてしませんから。
恐らく切嗣さんの言うとおり魔力の補給源にするためでしょう。」
「なるほど、わかりました。
それで生き残っているサーヴァントの真名はわかっていますか?」
「ここからは俺が話すよ。
まず真名だけど……古代ウルクの王にして英雄の中の英雄、英雄王ギルガメッシュだ。」
俺がそう言うと全員が黙った。
沈黙を破りバゼットが質問してきた。
「衞宮士郎、貴方が見た未来ではギルガメッシュはどうなったのですか?」
「倒されたよ。」
「どうやってですか?」
「俺が見た未来は複数あるんだけど……
1つ目は俺が未来で召喚したサーヴァントであるアーサー王と一緒に倒していた。
2つ目は聖杯に取り込まれる。
3つ目はサーヴァントを取り込んだ間桐の聖杯……間桐さんに油断している所を食われていた。」
「そうですか……どの手段も現状使えませんね。
ギルガメッシュの能力や弱点などは?」
「まずやつの能力だけど、人類最古の王の蔵ゲートオブバビロン。
その蔵にはありとあらゆる宝具の原点が入っているらしい。」
「ありとあらゆるですか……」
全員が黙り込んでしまい暗い雰囲気になったので俺は慌ててギルガメッシュの弱点を話した。
「そう言えば弱点だったな!!
あいつの弱点だが英霊としては技術や身体能力が低いのと常に慢心しているからそこをつけこめば……」
「士郎、慢心ってどんな感じなんだい?
ちょっと油断してるくらいなら正直な話、僕達じゃ相手にならないよ。」
「ああ、未来の俺と一対一で戦っていた時は取り出す宝具は全て剣で、俺でも投影できる低ランクの宝具しか使ってこなかった。」
「未来の士郎はサーヴァント相手に一対一で戦ったりしてたのかい?」
切嗣は呆れた様子で聞いてきた。
「ああ、正義の味方に憧れて頑張っていたよ。」
俺の返答に苦い顔をする切嗣であった。
「士郎が一対一で戦っていた時は最後どうなったんだい?」
「人から魔力を供給してもらいながら戦ったが、後ちょっとのところで俺の魔力切れだった。」
「魔力さえあって、ギルガメッシュが慢心していれば士郎なら勝てるってことかい?」
「いや、子供の俺じゃ戦闘は魔術だけになるだろうから無理だと思う。
せめてサーヴァント相手に近接戦が出来る人がいてくれないと……」
「そうかい、シエルさん、バゼットさん、両陣営から助けは呼べないかな?」
「私の方は一番上の方がちょっとあれなんで、呼べないと思います。」
シエルは苦笑を浮かべながら答えた。
「サーヴァント相手になると最低でもロードクラスじゃないと相手にならないでしょうが、ロードを呼ぶのは難しいでしょうね。」
「聖堂教会じゃなくてもシエルさんの知り合いは呼べませんか?」
俺は地球最強の吸血鬼を思い浮かべながら聞いた。
「私の知り合いですか?……ああ彼女ですか……まだ本調子じゃないですし、本調子だとしてもあの自分勝手なやつの事ですし来ないでしょう。」
シエルは最初誰の事かわからず困惑するが、思い浮かんだ瞬間嫌な顔をして答えた。
「はぁ、仕方がありません。
私が前衛を努めます。」
「なら私も前衛を努めましょう。
一人より二人のほうがいいでしょう。」
「すまない。
それしか無いようだし、それでいくとしよう。」
「切嗣さん、あと一つ質問いいですか?」
「なんだい?」
「病院で話を聞いたって言ってましたけど魔術による記憶処理とかはどうなっていますか?」
シエルがそれを聴いた瞬間、俺と切嗣は思い出す。
キャスターの魔術を見た被害者達が多数いることに。
「あー、その事なんだけどね、落ち着いて聞いてくれ。
言峰綺礼のことも何だが……今回の聖杯戦争でキャスターの魔術を多数の人が見ているんだが……」
切嗣は端切れの悪そうに喋る。
「まさか!?」
「あー……今も精神病院は人で一杯らしいよ。」
そう切嗣が言うとシエルは顔を真っ青にした。
「聖堂教会の監督役は何をしているんですか!!」
「監督役だが死んでしまってね、代わりの監督役が言峰綺礼何だけど……彼、魔術を習って数年の素人何だ。」
「はあ?!監督役のくせに問題を起こそうとしているのですか!?
切嗣さんも切嗣さんです。
言峰綺礼が魔術の素人と知っているなら、貴方が動かなくてどうするんですか!?」
シエルは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「あー、すまない。
僕も暗示の魔術とかはあんまりでね……
現状、前の監督役が悪夢という事で済ませているから……」
切嗣は申し訳なさそうに言うとシエルは頭を抱えた。
「悪夢と言う事で誤魔化しても病院に一杯になるほどいたらいつか気づかれるでしょう。
はぁ、仕方ないです。
とりあえず士郎君の力量を確認した後、私は病院にむかいます……」
そう言ったシエルの顔には哀愁が漂っていたのだった。