衞宮士郎に憑依したけど平穏に暮らしたい   作:幸1511

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第29話

道場をあとにして自室に向かった。

 

「いてて。

バゼットのやつあのボディーブロー、一般人なら病院行きだぞ。」

 

腹をおさえつつ自室のふすまを開け部屋へと入った。

 

風呂に入る為洋服を取り出そうと、タンスを開けたら中に見覚えの無い服と紙が入っていた。

 

「なんだこれ?」

 

紙を拾い見てみると文字が書かれていた。

 

(ハァーイ♪、士郎。

服が少ないって言っていたから、昔セイバーに着てもらう為に買った洋服を入れといたわ。

未使用だから安心して着てね♪

ママより。)

 

手紙を読み終わり洋服を広げると、そこには大人サイズの青いエプロンドレスとデフォルメされたライオンが描かれた女性物のパンツがあった。

 

「なんでさ!?」

 

どこからツッコミを入れればいいのだろう。

 

まず、サイズを考えてほしいし、女物の服を息子に渡して(ありがとうママ!!)

とでも言うと思っているのか!?

 

頭を抱え見なかった事にしてタンスの奥にしまった。

(流石に捨てるのは酷いかなと思い)

 

「よし!!

俺は何も見なかった。」

 

気分を変え別の服を取り出し風呂へと向かった。

 

脱衣所に入り、鍵を閉める。

 

服を脱ぎ鏡を見るとシエルとバゼットにボコボコにされた傷がほとんどなくなっていた。

 

「はー、俺も非常識の仲間入りだな。」

 

改めてアヴァロンの凄さを確認した後、風呂へと入った。

 

風呂から出ると晩御飯にはいい時間になっていた。

 

俺はシエルへの復讐をかねて晩御飯の準備をする事にした。

 

キッチンで晩御飯を作っていると母さんがやってきた。

 

「あら?士郎、あの服は着なかったの?」

 

母さんは不思議そうな顔で質問してきた。

 

「母さん、あの服は女性物だぞ。

男の俺が着るわけないだろう。」

 

呆れながら返した俺に母さんは不服そうに答えた。

 

「え〜士郎なら似合うと思ったのに〜」

 

俺は痛くなる頭に手を当て、ため息をついた。

 

「それよりも士郎、何作ってるの?」

 

「ミートスパゲティだよ。

そろそろ出来上がるから暇なら皆を呼んできてくれ。」

 

「はーい」

 

そう言いながら母さんは走ってキッチンから出ていった。

 

「こらー廊下は走らない。

まったく、どっちが親なのかわからなくなってくるな……」

 

俺は母さんの態度に呆れながら料理を続けた。

 

料理が完成し始めた頃、皆が居間に集まってきた。

 

「あれ?シエルさんはどうしたんだ?」

 

俺が質問すると切嗣が答えた。

 

「ああ、シエルさんなら忙しくて今日は帰れないらしいよ。」

 

親父の回答に心の中で悔しがりながらも平然とした態度で返答した。

 

「そうなのか、先に知っていれば作る料を減らしたのに。」

 

「あはは、まあ一人分ぐらいなら皆で分ければ問題ないだろう。」

 

「それもそうだな。」

 

そう言いながら料理を盛り付けていき、食卓に並べた。

 

全員の食器を運んでいると、切嗣が微妙な表情をしながら言ってきた。

 

「あー士郎、できるならフォークじゃなくて箸のほうがいいんだけど問題ないかな?」

 

俺は親父の発言に疑問に思い質問した。

 

「?別にいいけど……あれ?親父ってフォークも別に使えるだろ?」

 

「ああ、問題なく使えるけどね……何故かフォークが苦手なんだよ。」

 

俺は冗談半分で言った。

 

「なんだ?昔フォークで誰かにでも刺されたりしたのか?」

 

「いやー、そんな経験ない筈なんだけどね……

まあ、そんな事より早く食べようじゃないか。」

 

「それもそうだな。」

 

そう言いながら箸を親父に渡し席についた。

 

「ありがとう。

では、いただきます。」

 

「「「いただきます。」」」

 

食事が終わり食器を洗っていると母さんが話しかけてきた。

 

「ねえ士郎。」

 

「?なんだい母さん。」

 

「士郎ってデザートとかって作れないの?」

 

俺は母さんに言われたので、英霊エミヤの憑依経験からデザートを作っている時がないか見てみた。

 

「作れるけど……」

 

そう言いながら冷蔵庫をのぞく。

 

「今は材料が無いから明日の買い物の時に材料も買っていこうか。」

 

「ホント!!士郎の料理って美味しいからデザートも楽しみにしているわ♪」

 

母さんはそう言いながら嬉しそうにした。

 

「あー、憑依経験をなぞって作るけど、上手くいくかはわからないからあんまり期待しないでくれよ。」

 

「うん♪わかったわ♪」

 

そう言ってウキウキしながら母さんは居間から出ていった。

 

「ったく、わかっているのか?

はー、明日は責任重大だな。」

 

そう言いながらも、頬を緩ませながら食器を洗っていくのだった。

 

 

 

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