衞宮士郎に憑依したけど平穏に暮らしたい   作:幸1511

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第32話

俺と親父はしばらくして目を覚ます。「いやー酷い目にあったね、…

俺と親父はしばらくして目を覚ます。

 

「いやー酷い目にあったね、士郎。」

 

そう言いながら親父は殴られた場所を擦る。

 

「ホントしっかりしてくれよ親父。

俺まで巻き込まれて殴られたんだからな。」

 

「いやいや、ちょっと待ってくれ士郎。

士郎がちゃんとバゼットさんがシャワーを浴びてる事を僕に伝えておけばこんな事にはならなかっただろ。」

 

「いやいや、俺が伝えてなかったとしても人が着替える場所にノックも無しに入るのは非常識だろ。

特に今なんかは家族意外の女性を泊めてるんだし。」

 

「いやこんな朝早くからシャワーを浴びてるなんて思わないだろう普通。」

 

「いーや、昨日もにたような事がおきたんだ警戒しとくべきだろ。」

 

そう、言い合いをしていると母さんが笑顔で呟いた。

 

「あら?二人共そんなに言い争いをして、

元気ね〜お仕置きが足りなかったかしら?」

 

母さんの呟きに俺達はビクッと反応した。

 

「ははは、アイリ、言い争いだなんて、これは士郎とのコミニケーションだよ。

それよりも、士郎が朝ご飯を用意してくれているんだろ?

さぁ皆で食べようじゃないか。」

 

「そ、そうだな。

冷めないうちに早く行こうぜ。

ははは」

 

俺達は次のお仕置きを恐れ、慌てて居間へと向かった。

 

「フフッ、切嗣達ったらホント仲がいいんだから。」

 

母さんはそう呟きながら俺たちの後をついていった。

 

居間につくとバゼットが食卓で待っていた。

 

「いやぁ、待たせてごめんね。」

 

「いえ、私も後になって鍵をしていればこんな事にはならなかったと思いました。

すみません。」

 

「ははは、うん、今度からは鍵をしてくれると助かるよ。

アイリのお仕置きは痛いからね。」

 

「え!?

親父をやったのって母さんだったのか?

てっきりバゼットかと……」

 

「衞宮士郎、私をなんだと思っているのですか?

私はそこまで狂暴ではありません。」

 

「ああ、すまん。」

 

俺は喉まで出かかった言葉を飲み込み謝ることにした。

 

「もう、そんな事より早くご飯を食べましょうよ。」

 

しびれを切らした母さんが言う。

 

「ああ、そうだね。

この後の予定もあるし早く食べるとしようか。

士郎、お願いしてもいいかな」

 

「わかった。

味噌汁を温めなおすから少し待ってくれ。」

 

そう言ってキッチンへむかい朝食の準備をする。

 

「そう言えば、士郎。

シエルさんはどうしたんだい?」

 

「部屋を見たけど居なかったよ。

たぶんだけどまだ帰ってきてないんじゃないかな?」

 

「そうかい。

神秘の秘匿に時間がかかってるんだね。」

 

切嗣は申し訳なさそうな顔で言う。

 

そうこう話していると朝食の準備が終わり、俺も席につく。

 

「さて、朝食もならんだ事だし食べるとしようか。

いただきます。」

 

「「「いただきます。」」」

 

朝食を食べ終わり片付けをする。

 

「士郎、片付けはそろそろ終わるかい?」

 

外出の準備をすませた親父が聞いてくる。

 

「準備はそろそろ終わるけど、シエルさんように炊いた米が余ってしまってて少し時間がかかりそうだ。」

 

「?余った米でなにかするのかい?」

 

「ああ、シエルさんが帰って来たときにお腹を減らさないように、おにぎりでも握ろうかと。」

 

「わかったよ、それなら僕は先に桜ちゃんを拾ってくるとするよ。」

 

そう言いながら親父は居間から出ていった。

 

俺がおにぎりを握っているとドタドタと足音を鳴らしながら母さんが、居間に入ってきた。

 

「シロウ〜、切嗣見なかった?

後何しているの?」

 

そう言いながら興味深く俺の手元を見てくる。

 

「ああ、親父なら先に間桐さんを拾ってくるって出ていったよ。

後、これはシエルさんが帰って来たとき、お腹を減らさないようにようにと、おにぎりを作ってるんだ。」

 

「ふーん。」

 

母さんは返事を返しながらもずっと俺の手元を見続ける。

 

ジー

 

(やり辛い)

 

「あー、なんだ?

母さんもやってみるか?」

 

「良いの!?」

 

「まぁ、おにぎりなら難しくもないしな。」

 

「じゃあ、やるね!!」

 

母さんはそう言って米にてをのばそうとする。

 

「待て待て。」

 

「なによシロウ。

やっぱりダメなの?」

 

 

 

「いや、まずは手を洗わないと。」

 

「あ、そうね。」

 

母さんはそう言って手を洗う。

 

「洗ってきたわ。」

 

「うん、ならやり方を説明するぞ。

まずは手に塩をつけるから手を出して。」

 

「はーい」

 

差し出された手に塩を盛る。

 

「手に盛った塩を馴染ましてくれ。」

 

「こう?」

 

「ああ、それじゃあご飯を手に取ってくれ。」

 

「これぐらい?」

 

「うん、じゃあ手に取ったご飯の中心に具材を置いて。」

 

「具材は何でもいいの?」

 

「ああ、何でもいいけど具材は基本一品だけのほうがいい。」

 

「えー、いろんなものを入れたほうがよくない?」

 

「母さん、例えばだが、酸っぱくて辛くて塩っぱくて甘い、味がごちゃまぜの物を食いたいか?」

 

「うーん、あんまり食べたくないかな?」

 

「そう言うことだ。

具材が多いと変な味になるから基本は一品だけなんだ。」

 

 

 

「はーい」

 

母さんはそう言いながら具材を一品取って入れる。

 

「良し、じゃあ先に俺がやって見せるから見といてくれ。」

 

母さんによく見えるようにゆっくりと握る。

 

「こんな感じだ。」

 

そう言って完成したおにぎりを置く。

 

「ねえ、シロウ。

何回も持ち直してたけど意味があるの?」

 

「ああ、一回で無理やり三角の形にするより、優しく何回も握ってやる方が米が潰れないし形も綺麗になるんだ。」

 

「へー、わかったわ。」

 

「よし、ならやってみてくれ。」

 

「うんしょ、うんしょ。

うーん、シロウみたいに綺麗にならないわ。」

 

「はは、最初はそんなもんだ。

貸してみて。」

 

「はい。」

 

母さんから受け取ったおにぎりをきれいな三角にする。

 

「わー、すごいわシロウ!!

まるで魔法みたい。」

 

「魔術師の俺達に魔法みたいって・・・

まあいいか。

やり方はわかったな?

ならやっていこうか。」

 

「はーい」

 

俺達はおにぎりをひたすら作り始めた。

 

最後のおにぎりを作り終え、母さんが握ったおにぎりの形を整えていると親父が帰ってきた。

 

「ただいま。

まだおにぎりを作っていたのかい?」

 

「ああ、今ちょうど終わるとこだ。」

 

「ねえねえ切嗣。

シロウって凄いのよ。

シロウが握ったおにぎり何だけど、アッという間にきれいな形になるのよ。」

 

母さんはそう言いながらおにぎりを指差す。

 

「へぇ、確かにきれいな形になっているね。」

 

「これぐらいは普通だろ?」

 

そう言いながらおにぎりにラップをして冷蔵庫にしまう。

 

「よし。あとは書き置きを残して…これで完了だ。」

 

「終わったかい?

なら出かけるとしよう。

バゼットさんは先に車に乗っているから後は僕たちだけだよ。」

 

親父はそう言って俺達を外へと促す。

 

俺と母さんは促されるまま玄関へと向かおうとするが、親父はついてこない。

 

「親父?」

 

玄関に行かない親父を不思議に思い声をかける。

 

「シエルさんが帰ってきた時の為に書き置きなどを置いとかないといけないから、先に車に乗っておいてくれ。」

 

「わかった。」

 

俺と母さんは玄関へと向かった。

 

玄関を出るとすぐそこに車が止めてあり、後部座席に桜とバゼットが乗っていた。

 

「母さん、俺が助手席でいいか?」

 

そう母さんに質問すると、不思議そうな顔で返してきた。

 

「え?流石に切嗣を後ろに乗せるのはおかしいんじゃないかしら?」

 

そう言い終わると母さんは運転席へ入っていった。

 

「待て!!母さん!!

ここはアインツベルンの私有地じゃないんだぞ!!

母さんは安全運転が出来るのか?

まず免許証を持っているのか?」

 

運転席の窓を叩きながら中に聞こえるように叫ぶ。

 

「どうしたんだい?士郎。

そんな大声を上げて。」

 

親父が玄関から出てきて俺に声をかける。

 

「どうしたもこうしたもあるか!!

母さんが運転席に座ってるんだよ。」

 

「あー、士郎。

世の中諦めも肝心だよ。

さあ、のったのった。」

 

親父はそう言いながら助手席に入る。

 

その姿をみて俺も諦めて車に乗ることにするのだった。

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