邪龍ノ終着   作:超ローマ人

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会合

藤丸たちは城へ戻り暁を目にし、一時の勝利を確信した。それから、数時間が経過していた。

カルデアのマスターである藤丸は、寝惚けながら朝食を摂っていると腕を何者かに引っ張られた。

「あ?」

黒い水着のような格好をし、髪は黒い服とは逆に白く輝いた者を持った幼い女がいた。

「おかあさん、おかあさん。」

「お前は──」

すると、制服を来た青年ホムンクルスが駆け寄った。

「リツカ!大変だ!庭にサーヴァントが!………?」

「サーヴァントか、分かった。案内してくれ。」

ホムンクルス・ジークは幼い子どもを肩に乗せる藤丸に面食らい、藤丸を凝視する。

 

 

 

城の中の庭園では。

「よぉ、マスター……!?」

「何を驚いて…おや?」

草色が入った金髪をした好青年サーヴァント・アキレウスと長い金色の髪を持った人馬=ケイローンがカルデアのマスターが子どもに懐かれる様子を見て目を丸くした。

「……何をそんなに驚いている?」

「あぁ、その子ども……」

「なんとこれは興味深い!」

「……君はもう少し落ち着きという物をだな」

藤丸の目の前にはもう二人のサーヴァントがいた。

一人は紫色の衣装と金色の兜を装着している。

もう一人はカラフルなスーツを着たダンディーな見た目な男だ。

「おかあさん……」

「あぁ、隠れてな。あと皆、あまりこの娘を変な目で見ないでやってくれ。」

幼い女子を背に隠した藤丸が場の空気を整える。

「はい、三名のサーヴァントは真名を」

「僕はアヴィケブロン。ゴーレムを造るタイプのサーヴァントだ。」

「そして私は───かの有名な著名人・シェイクスピア」

「を名乗る不審者」

「辛辣ぅ!」

藤丸の毒舌にツッコミが入ると、彼の背にいた幼子が肩にまで登り顔を覗かせる。

「私たちはジャックザリッパー」

彼女が名乗ると、藤丸とジーク以外の皆が豆鉄砲を撃たれた。

そして、再び藤丸を凝視した。

「何故そのような眼で私を見る?」

「いや……なんでもねぇ」

アキレウスは草色の髪を掻き挙げながら頭が白い猫を撫でるカルデアのマスターを笑った。

 

 

藤丸たちが夜に倒した再現体を倒すとそれに応じてサーヴァントが味方として召喚される仕組みを把握した後。

「ねぇねぇ、管理者さん?」

一人の人間のところに小さい体をした殺人鬼は無邪気な声で囁く。

「……なんだ?」

「ねぇ。私たちのこと、避けてるでしょ?」

確信を突かれたジークは「あぁ。俺は……あなた達と殺しあった。」と自白した。

いくら幼子でも誤魔化しは通用しないと彼は考えたからだ。

「でも、それだけじゃ避けないよね?」

「………ご名答。あなた達の過去も見たのもある。」

「どーだった?」

重々しく口を開くジークに対してジャックは紙を拾うよりも軽やかに話す。

「陰惨……だったと思う。」

「他人の記憶ってそんなに大事なのかな?」

幼子から発せられる声は無邪気ものだ。だが、淡々とした口調でジークに詰め寄るようにも聞こえた。

「俺にとっては──大事だった。今でもそうだが。」

「ふーん。そーいえば、管理者さんも私たちも同じ黒側だったんだよね?なんで敵対したのかな?」

「長くなるが良いか?」

「イヤッ!」

ジークは子どものように振る舞うジャックに首を捻った。

「そうだな、では気晴らしに料理の話でも」

 

 

「ゴーレムか……一体どれだけの力があるのか?」

「試してみるか?」

「そうだな、今出来る中で一番強いヤツを頼む」

カルデアのマスター・藤丸は夜になるまでに腕を慣らしたかった。

そこで、新たに仲間になったアヴィケブロンのゴーレムと腕相撲をする提案が思い浮かんだのだ。

「先ずは素の腕力で」

「良いのだな?僕のゴーレムは一筋縄ではいかないぞ?」

土塊の腕と隆々とした肉腕に力が入る。

「では、審判はこのシェイクスピアが。──レディ、ゴー!」

「「ハァァァァッ!!!」」

両者の腕を乗せたスタジアムに皹が入った。

「えぇぇぇ!!?」

「………っ!」

横に倒れた腕は土塊で出来ていた。

「結構タフだったな。」

カルデアのマスターはそれだけ言うと台が無くなっていることに気付いた。

「あれ?もしかして……」

「賠償金を請求しますぞ。」

「………」

シェイクスピアの要求に対して藤丸は背を向けずに素早く離れた。

「いけねぇな」

後ろから掛けられた青年の声に藤丸は体から汗を滝のように吹き出した。

観念した彼は渋々台を直した。

 

 

そして、魔が目覚める夜が来た──

「迎撃準備完了」

「さて、行きますか!?」

「お母さん、一緒に」

「いや、駄目だ。ここだけ我慢してくれ……な?」

藤丸は子どもの駄々に対して諭す親のように振る舞って跳んだ。

「やっぱり俺たちの時と対応違うよな?」

「えぇ、完全に『親』ですね」

 

 

「マスター、お早い出撃で」

「シェイクスピアか……なるほど、俺のほうが面白そうってわけか?」

「Exactly」

「皆!また手伝ってくれ!」

「あぁ、この聖杯を操ってるヤツを倒してくれる仲間を集めるためにも…なっ!」

ジークとアキレウスが藤丸の後に続いて城の西を守るように陣取った。

 

地面から土塊の巨人の軍隊も出現した。

「僕は遠方支援に徹するとしよう」

「パワー系は俺に任せろ!」

藤丸は対峙する灰色の肌を持つ巨漢を見据えて、橙色のナックルに付けられた錠を外す。

「暴食の書庫に接続!力を貸してくれ!朱き邪龍・アワリティア!!」

「令呪を以て我が肉体に命ずる!」

藤丸は体を血よりも朱い鱗で包んだ。

ジークは銀色の鎧を纏った竜殺しへ変化した。

そして、藤丸とジークのチームが動き出す。

 

次回予告

魔と火を散らす夜戦中。

藤丸たちは魔の数が減っていない事実を知る。

そこで、藤丸はある強行策を立てた。

 

 

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