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セシリア達との買い物から数日、そろそろ夏が本格的に始まるかな?といった時期、ISに学園の生徒待望の臨海学校がとうとう始まる…予定だったのだが。
「今年の臨海学校は今までの様々な事件を考慮して、宿泊予定地の安全面や警備体制の見直しを図るため、延期となりました」
「「「ええ~!?」」」
という事が本日のHRにて山田先生から伝えられた、まあ、大げさに延期と言っているが、実際の日程から2週間ほどずれるだけで、臨海学校が終われば即夏休みに入る、という形になっただけなので、見方を変えるとラッキーかもしれない。
それでも間が空いてしまった事は事実で、如何せんやる事もない、そんな時だった。
「光希さん、一緒に料理をする約束覚えていらっしゃいますか?」
…あったなそんなの。
「というわけでやって来ました料理室、張り切っていくぞー!」
「おー?って何で僕まで?」
放課後、料理室を借り、俺とセシリア、それからシャルに来てもらった。今回は三人がそれぞれ料理を作り、皆で交換しながら食べようという感じの会だ、なので助っ人というか一人くらいはまともに料理できる人がいないとまずいかなと思って急遽シャルを呼んだのだ。
因みにセシリア今、意気揚々と料理道具や材料を持ってきて自身の料理の準備をしている。
「何でってシャル、確かシャルって料理部だろ?俺も料理は出来なくはないけど、人に教えれる程でもないからな、ちゃんとした人がいる方がいいと思って」
「そ、そうなんだ、でも僕も教えれる程上手じゃないよ」
「いやいや、料理部で学んでるんだから、少なくともあれよりは出来るだろ」
そう言いながらセシリアを指さす、それを見て俺とシャルは軽く絶句する。しかし当の本人は満足気で、準備は出来たみたいな顔をしている。
「セシリア、少しいいか」
「はい?何ですの光希さん」
「えー今回は皆が一品ずつ料理するでいいんだよな」
「そうですわ、皆さんで交換しながら食べましょう」
「じゃあ、セシリアは何を作るんだ?」
そう聞くとセシリアは胸を張りながら自信満々に答える。
「今回は私!カレーを作りますわ!これなら皆さんも食べれるでしょうし」
「なるほど!カレーか!ハハ」
ここでセシリアが用意した食材を見ていこう、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、ピーマン、まいたけ、ふきのとう、片栗粉、強力粉、唐辛子、キムチ、コショウ(白と黒)、チョコレート、コーヒー牛乳、ヨーグルト、ナマコ、大根・蕪・ミントチョコレート、たくあん、塩辛、よくわからんジャム、煮干し、大福、etc…
なるほどなるほど、色とりどりの具材の数々!具だくさんのカレーが出来そうだな!具だくさんのカレーって美味しいもんな!うんうん!
「で?カレー粉は?」
「何を言ってますの?本場のカレーはスパイスから作りますのよ、このセシリアオルコットに不可能はありませんわ!」
何言ってるんだこいつ。
「なるほど、シャル」
「うん、セシリア、ちょっとお話しよっか」
「シ、シャルロット?何ですのその笑顔で物騒な事を言いそうな顔は…!?あ、止めて下さいませ!引っ張らないで下さい!」
そう言われてもシャルは問答無用でセシリアを料理室から引きずり出していった。恐らく当分帰ってこないと思われるので、その間に絶対にいらないであろう物をどけていく。大福とかどこに入れるんだよ、後ナマコとかどこから持ってきた。
そうして片付けている途中、セシリアが返ってきた、しかしその顔は反省しているというよりは怒っている顔だった。
「お二人とも私の事を馬鹿にしすぎですわ!カレーくらい私でも簡単に作れますわよ」
そう彼女は言う、その後ろからシャルが申し訳なさそうに出てくる。
「ごめん光希、説得できなかったよ」
「仕方ないシャル、二人で死のう」
「何ですのその態度は!見ていなさい!お二人の事をぎゃふんと言わせてあげますわ!そこで座って待っていてください!」
そういうとセシリアは出してきた食材の調理を始めてしまう、彼女が頑固なのは今までの学園生活から分かっているのでこうなってしまっては止めるのは不可能だろう、調理を横から手伝おうとしても、座っていろと言った以上下手に干渉するとそれでまた怒る可能性がある。
「光希、どれくらい回収できた?」
「取り敢えず明らかにやばい奴は回収した、ナマコ、塩辛、ジャム、大福、キムチ、ミントチョコレート、ここら辺はしまっといた」
「それでも結構残ってるね…」
「仕方ないだろ、ナマコとかしまう場所わかんなくて時間かかったんだよ…」
幸い?ナマコとか塩辛とか大福とかの明らかにやばい奴に関しては撤収済みなので、恐らくはまだ食べれるはずだ、隠し味だと思えば行けなくもないはず。
「そう言えばカレー粉は?」
「あ…」
前言撤回、終わったかもしれない。
「あら?ここに置いておいたチョコがありませんわ、これで見た目が茶色くなりませんわね、そうですわ!この日本のあんこを使えば」
「おいおいおいおい」
そのまま
「少し野菜が多いですわね、何か変わり種が、そうですわ光希さんの好きな鯖を入れませんと」
「お願い、止めてセシリア…」
料理は進んでしまい
「セシリア、僕も手伝おうか…?」
「いいえ、シャルロットは座っていて下さい。火力が足りませんわね、ブルーティアーズで!」
「セシリア!それだけはやめろ馬鹿!ここが吹き飛ぶ!」
なんやかんやあり
「出来ましたわ!」
「「う、うわ~い」」
完成してしまった、セシリア印の特性カレー?である。
「さあ、どんどん食べてくださいね!」
そういうとセシリアはカレーライスを俺たちの目の前に運んでくる、うん見た目だけなら普通だ、何でか知らないけど凄く普通…どうして?
「セ、セシリア…これ味見とかは…」
「私は間食しない主義ですのよ、味見などもってのほかですわ!」
シャルが恐る恐る聞く、しかしその僅かな希望も1秒持たずに打ち砕かれる。
ほら見ろシャルもう泣きそうだもん、男装バレた時でもこんな顔してなかったぞどんだけ怖いんだよ、俺も怖いけど。
でも腹くくって食べるしかないよな…
「シャル、俺から行く」
「光希…!?」
「いいんだ、俺だけでいい、こんな物犠牲なんて俺だけで十分だ」
「嫌!僕、光希が死んだら!」
「じゃあな、シャル」
そう言ってカレーを一口、口の中に放り込む。
あ、これ、純粋に不味い…この前のサンドイッチみたいな宇宙の心が見えそうな感じじゃない、順当に不味い!例えるならそう、自身の嫌いなものと好きな物をごちゃ混ぜに口の中に突っ込まれた上で自分の嫌いな方の味が勝つ感じ。
一言で言うなら、気持ち悪!?でも、前ほど強烈なじゃない、これなら…!
そう考えて無理やりに飲み込む、固形状の物が引っ掛かる上に強力粉等でドロッドロのため死ぬほど飲み込みずらいが、そこら辺は気合で飲み込む
「ゴフッ!ハァハァ、何とかなった」
「光希!大丈夫!?生きてる!?」
「どうです?美味しいでしょう?」
ああ、そうだな、余りにも美味しくて天にも昇りそうだったよ、こんなの俺一人で食うには勿体ない。
「そうだセシリアお前も食ってみろよ」
「いえ、これは光希さんの為に用意したもの、私が食べるのは失礼ですわ」
「嫌、こんなに旨いものを俺一人で食うのは勿体ないんだ、俺とシャル、そしてセシリアお前とも共有したいと思ったんだよ、だからほら、あーん」
そう言って無理やりに丸め込みながらスプーンにカレーを掬ってセシリアへと近づける、シャルが何言ってるんだこいつみたいな顔をしているがそんな事はどうでもいい、これをこの
「そ、そこまで言うのでしたら、お言葉に甘えて頂きますわ、でも、そのあーんは恥ずかしいです…」
ここに来て頬を赤らめそんな事を言う、今更そこを恥ずかしがるのか、セシリアの羞恥心はいまだによくわからん。
「遠慮するなセシリア、俺からのせめてものサービスだよ、ほら遠慮するな」
「で、でわ、あーん…」
スプーンに乗った
「!?!?!?」
セシリアが調理室の外にダッシュで走っていった。
「申し訳ありませんわ…まさかあんなに不味かったなんて」
「おう、あれのせいで俺が何度死にかけたと思う?」
「まぁまぁ光希、セシリアも反省してるんだしさ」
程なくして戻ってきたセシリアは開口一番に頭を下げてきた、どうやら自身の中では美味しくできていたと思っていたのだろう、しかし実際に食べてそれがどう頑張っても人様に出していい代物ではない事に気づいたようだ。
「反省しています、これからはちゃんと味見をしてからお出ししますわ」
「多分それだけじゃ当分地獄見るからに止めとけ、どうしても料理がしたいなら俺かシャルを呼んでからやれ」
「そうだね、僕か光希が隣にいれば、料理を教えながら作れるし、そうしたらそのうちセシリア一人でも作れるようになるはずだよ」
「お二人とも、ありがとうございますわ!私頑張りますわ!」
この後はシャルと俺が作る料理をセシリアが主体になって作る事になった、まだまだ不安要素も多いし、変なもんを追加しようとしたりするけど、ちゃんと俺やシャルの言うことを聞いて自分で理解して動こうとしているので、何度か繰り返せばそのうちゲテモノ料理が出ることもなくなるだろう。
三人で作った料理も普通に美味しかったし、実は結構シャルが日本料理が作れるという事も発覚して色々と普段見れない部分が見えて楽しかった、というか肉じゃがとか作れるんだねシャルって、お袋の味(フランス風)の肉じゃがとかその内出来そうだ。
こうして無事?に料理会は終了したのであった。
え?余ったカレー?
「一夏、カレー作り過ぎたんだけど食べる?」
「いいのか?ありがとな!頂きまーす…………」
「一夏!?返事をしろ!一夏あああああああああああ!」
箒が何か騒いでたけど、一夏が安らかに眠ってるんだからそっとしておいてやれよと思った。
「私の料理、あんなに酷かったのですね…」
本日行われた、光希さんとシャルロットとの料理会、そこで私が作ったカレーを皆さんに振る舞った所、途轍もない顔をされました。その後光希さんに食べさせられて初めて自覚しましたわ。
私は料理が壊滅的にできないのだと…
正直とてもショックでした、自分の中ではかなりの才能があると思っていましたから、レシピの画像通りに作る事がいつもできていましたから、そこに後は自分なりのオリジナリティーを入れて完成させていました。
でもそれが良くないのだと今日彼らと一緒に料理をしていて漸くわかりました。
このままでは誰かに料理を振る舞う何て夢のまた夢、その点シャルロットの料理はとても美味しくて、彼もシャルロットの料理は美味しいと褒めていました。
「こうしてはいられませんわ…!」
今はまだ負けていても、いずれは彼に美味しいと言ってもらいたい、ならば今からでも努力をして美味しい手料理を覚えるべきですわ!
私は代表候補生のセシリア・オルコット、料理位できなければ、代表候補生の名折れですわ!
「いつか彼に美味しいと言ってもらう為に!」
それからセシリアの部屋に料理に関する本が増えたとか何とか…
こんな拙い小説に少なくとも300人の方に楽しんでもらえていると思うと、作者冥利につきます。
これからも「バカなフラッグ好きとお嬢様」をよろしくお願いします。