バカなフラッグ好きとお嬢様   作:LALU

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今回は、もしかすると色々無茶苦茶かもしれない


第22話

「今11時です!夕方まで自由行動!夕食に遅れないように旅館に戻ること!いいですね!」

 

 青い海、白い砂浜、煌めく太陽、そして歓喜する水着女子達…

 

 皆が待ちに待った臨海学校、例年よりも遅い開催とはなったが、こうして無事にくることが出来た、初日に関しては、学園からバスに乗って移動した後、旅館で荷物を置いて自由行動だ、と言ってもほとんどの生徒が海に遊びに行くのだが。

 

 実際に、荷物を置いている最中にドタドタと走っていく生徒の声が聞こえていた。

 

 え?俺?旅館にいますよ、もう夏本番と言っても過言ではない時期に外に出るとか正気の沙汰じゃない、いや、一応水着は持ってきたんだけど、こんなに暑いと外に出る気力が失せた、幸いにもまた一人部屋を頂いたのでゆっくりしてます。

 

 旅館という事で多目的フロアに古いアーケードが置いていたのを入ってきた時に見たのでそこにでも行こうかな?

 

 何て考えながら部屋を出ると、すぐ近くの廊下でウロウロしているセシリアと目が合った、セシリアはこちらを見つけるとグイグイとやって来て俺の腕を掴み引っ張り出す。

 

 「光希さん!こんな所にいましたのね早く行きますわよ!」

 

 「え、どこに?っておい!引っ張るな!」

 

 そう言うとセシリアは有無を言わさず俺の腕を引っ張って何処かに連れていこうとする、その際連絡端末を使って誰かに連絡をしはじめた。

 

 「シャルロット、こちらで光希さんを見つけましたわ、ええ、さっそく連れていきます」

 

 「ちょっと待て、何処に連れてくんだよ、この流れだと海な気はするけど!」

 

 「あら、話が早いですわね、なら早速行きますわよ!」

 

 「待て待て待て!俺は行きたくない!外は暑から嫌だって」

 

 そう言って無理矢理セシリアを引き離し距離を取る、先ほどシャルの名前が出たという事は彼女もいるのだろう、まだ確証はない段階ではあるが彼女達二人と一緒にいるのは()()()()()()

 

 仮に海に行くとしても彼女たちからは離れていたい。

 

 「まあ、私やシャルロットがこうやって待っていますのよ、折角こうして水着まで着てきましたのに」

 

 「水着?確かにいつもと服装が違うが、どう見たってそれ普通のワンピースじゃないか」

 

 セシリアの服装はいつも見る制服姿ではなく、肩を露出している白いワンピース姿だ、これで海に行くのか?

 

 「これはビーチウェアという水着の上からの着る服ですわ、ちゃんと水着を下に!」

 

 「待て待てセシリア!?な、落ち着け、俺が悪かった海に行くから落ち着こう」

 

 このお嬢様この場でビーチウェアとやらを脱ごうとし始めた、どれだけ見せたいんだよ、こんな往来で誰かに見られたら俺の立場が死ぬ、なので脱ごうとするセシリアの腕を掴み無理矢理止める、だが。

 

 「やっとその気になりましたわね、では行きましょう光希さん」

 

 「…はい」

 

 その後の笑顔がとても綺麗だったため、恐らく狙ってやったんだなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、光希!やっと来たんだね!」

 

 「ようシャル、遅くなったな」

 

 こうして無事に拉致、いや連行され海にきてしまった、うだるような暑さにもう帰りたくなってしまう、しかもセシリアは少し寄る所があると途中でどこかに行ってしまうし…仕方なく俺一人でシャルが教えてくれた場所まで向かう。

 

 流石にここで逃げてしまっては彼女たちに悪いと思ったから、と言い訳を心の中で並べながら。

 

 そこは皆が遊んでいるところからは少し離れた余り人がいないところだった、そこにシャルはビーチパラソルを立てて座っていた。 

 

 因みに俺は泳ぐ気がないので水着の上に海用の薄手のパーカーを羽織って来ている、お気持ち程度の日焼け対策だ。

 

 「全然、むしろ光希が駄々こねてこないんじゃないかな?って心配してたところ」

 

 「ハハハ、そ、そんな事ないよ」

 

 すいません思いっきり駄々こねてました。本当に反省してます。

 

 心の中で謝罪しながら、俺も先ほど借りてきたビーチパラソル一式を設営しだす、流石にこんな日差しがガンガン当たる砂浜でそのままいたら死んでしまう、それに俺は自分の荷物は自分の陣地に置いておきたい派なのでそれも兼ねての設営だ。

 

 「もう一本持ってこなくてもこっちにくればいいのに」

 

 「流石にそれは悪いよ、シャルだって一人で使った方が広いしいいだろ?」

 

 シャルそう言って自身の座っていたマットを軽く叩いて示してくるが、俺はそれを軽く流す、流石に女子と同じパラソルの下にいるのはハードルが高い。

 

 「…別に僕はいいのに」

 

 「俺が良くないの」

 

 「光希ってそういう所耳がいいよね」

 

 「え?どういう事?」

 

 そう聞くと、シャルは別にとそっぽを向いてしまう、恐らくはボソッと言った事に対して反応した事に怒っているのだろう、聞こえてしまうのだから仕方ないだろうに。

 

 そんな事を考えながらビーチパラソルの設営を完了し荷物を降ろして自身もマットの上に座る。

 

 少し周りを見れば、遠くで他の女子生徒たちが楽しそうに遊んでいるのが見える、この暑さの中の海だからか、それとも臨海学校という特有の空気のおかげか、皆とても楽しそうだ。

 

 「もう、周りばっかりみて、そんなに気になるの?」

 

 「そういうわけではは、って近い近い」

 

 ボーっと周りを見ていたら気づけばシャルが俺のビーチパラソルまで入ってきていた、肌が触れ合う近さまで来ていて、女子特有のいい匂いが漂ってくる、それに合わせて俺の顔に熱が集まってくるのを感じる。

 

 「ねぇ、僕の水着、どうかな?」

 

 「え?水着?うん!可愛い!可愛いと思うぞ!」

 

 実際シャルの水着は良く似合っていた、オレンジを基調としたシンプルなデザイン、その水着はシャルと非常にマッチしていてそこらの女性では歯が立たないほどに綺麗だった。

 

 「そう?良かった、光希に見てほしくて着てきたんだよ…」

 

 「お、俺に?」

 

 そう言うとシャルはどんどん顔を近づけてくる、俺が少しづつ後ずさってもシャルはそれを追いかけて俺との距離を縮めてくる、そして気づけば俺の体はマットの端っこまで来ていた。

 

 試しに砂に手を付けたが暑すぎてこれ以上下がるのは無理だと、自分がこれ以上下がれない事を理解する。

 

 そうしている間にもシャルはどんどん俺との距離を詰めて、もう息すら当たるような距離まで顔が近づいてきていて、どちらかが動けば顔がぶつかる距離だった。

 

 シャルの顔もどそれに合わせてんどんと赤くなり始め、俺も逃げ道がなくなり傍から見ると半ば押し倒されている形になる。

 

 そして真っ直ぐとした瞳で俺を見つめながら、何かを決心して口を開いた。

 

 「ねぇ光希、僕ね、光希の事が」

 

 

 

 

 「光希ー?いるかー?」

 

 シャルが正に何かを言おうとしたそのタイミングだった、お気楽な声が俺たちの空気をぶち壊して聞こえてくる。

 

 「い、一夏か!?な、何だよ!どうしたどうした!」

 

 その声で我に返る事ができ、急いでその場を立ち上がり声の方へと走る、今は一秒でも早くこの場を離れたかった。

 

 「あ、そこにいたのか、実はビーチバレーするんだけどさ、光希もやらないか?」

 

 「ビーチバレー!?やるやる!?俺のグラハムサーブを見せてやるよ!いくぞ一夏!」

 

 「お、おい!そんなに急がなくてもいいって」

 

 一夏にそう言われて急いでその場を立ち去っていく光希、そして残ったのは。

 

 

 「光希の馬鹿…」

 

 不満気に顔を膨らましているシャルだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして時刻は夕方前、後1時間と少しで夕食の時間が始まるためか殆どの生徒が旅館へと戻っていってしまった後、俺は遊んだビーチに落とし物やゴミがないか確認してこいと織斑先生に言われてこうして一人で最後の点検をしている所だ。

 

 因みに一夏は織斑先生の全力サーブを顔面で受けたため旅館に搬送された、結局一夏の代わりにシャルと一緒にやったりして、泳がなかったが何だかんだ楽しかったなと振り返る。

 

 「ここら辺で最後か?って誰かいる?」

 

 最後にシャルと最初合流した辺りに行くと誰かが俺たちがパラソルを立てていた辺りに座っていた、最初は違う客かとも思ったが近づくと、それは良く知った人であったためその人物に声をかける。

 

 「セシリア?何でここにいるんだ」

 

 「っ!?光希さん…なぜここに…」

 

 「いや、織斑先生にゴミとか落とし物とかないか確認してこいって言われて、セシリアこそ今まで何処にいたんだよ」

 

 そう言いながら俺も彼女の隣に座る、そう言えば彼セシリアとは最初に何処かに行ってから一度も顔を合わせていない、セシリアは顔を背けて怒った声で言ってくる。

 

 「あなたに言う必要などありませんわ、私を放っておいてシャルロットや他の方と楽しそうに遊んでいたあなたに」

 

 「それは、確かにそうだがってセシリア見てたのか?なら入ってくれば良かったのに」

 

 「…あんなのを見せられて行けるはずなどないでしょう」

 

 「あんなの?」

 

 そう聞くとセシリアは悲しそな顔をしてこちらを向く、その顔は今にも泣きそうな顔でこちらを向く、そして辛そうな声で話してくる。

 

 「シャルロットと、上手くいったのでしょう?」

 

 「…え?」

 

それを言われて最初は全く理解が出来なかった。

 

 「言わなくてもわかりますわ、ここであんな大胆にキスまでしていましたものね、おめでとうございますわ」

 

 そこまで言われて漸く気づくがもう遅かった、限界を超えたのかセシリアの目からは少しずつ涙が流れてきていた、それを見て俺は慌てて訂正しようとする。

 

 「ちょ!ちが!」

 

 「ここ最近私を避けているのもそういう事でしたのよね、ごめんなさい、私気づかなくって…」

 

 「っ!?」

 

 そう言われて言葉が詰まってしまう、これに関してだけで言えば事実だったからだ、事実この臨海学校が始まる前、より具体的に言えば一夏に相談を持ち掛けてから俺は露骨にセシリアとシャルとは距離を取り出した。彼女たちからの好意を受け止めたくなくて、彼女達から逃げるために。

 

 でもそれはセシリアだけを避けていたわけでもない、彼女が何か勘違いをしているのは火を見るよりも明らかだった。

 

 けれど急いで訂正したくても声が出なかった、なんて言えばいいかわかなかったから、シャルとの関係は誤解だ?ならなぜ避けていたのか?説明できない…

 

 「言い返さないという事はやっぱりそういう事でしたのね…私はそろそろ部屋に戻りますわ」

 

 「ま、待ってくれセシリア!」

 

 「っ!?嫌!離して!」

 

 そう言って立ち上がり旅館の方へと歩いていくセシリアの腕を捕まえて引き留めようとする、しかしそれすらもセシリアに振りほどかれてしまう。

 

 「ごめんあそばせ、シャルロットとお幸せに…」

 

 「待て!セシリア!」

 

 引き留めるために声をかけるがその静止すら無視してセシリアは走り去ってしまう。俺はそれをただ黙って見ているしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




うーん主人公は取り敢えず馬に蹴られて下さい?
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