バカなフラッグ好きとお嬢様   作:LALU

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本当の最終回です


エピローグ

 福音を撃破した後、俺たちは無事に旅館に戻ることが出来た。

 

 帰って早々織斑先生にお説教を食らったりもしたがまぁそれは許容範囲内だろう。

 

 因みに今日のプログラムの殆どは俺達の参加は免除された、皆ボロボロだったし、シャルとラウラはISが起動できない状態が続いているし、鈴の機体はほぼ全損、セシリアの機体も半壊気味で俺の機体も動かせる状態ではなかった、帰ってきたのが丁度他の人達が起きてくる時間だったが丸一日戦いっぱなしだった俺たちはそのまま自身の部屋で大人しく寝て体力を回復させることで精一杯だった。

 

 

 

 そして昼過ぎ、寝る前にはなかった気配を感じて意識が起きる、誰かいるのかと目を開けるとそこには馴染みのある人が安らかな顔して俺の布団中で寝ていた。

 

 「…セシリアさん?」

 

 「…?あれ?光希さん?どうしていますの?」

 

 「うん、それは俺が聞きたい、ここ俺の部屋なんですけど?」

 

 目を覚ましたセシリアはまだ寝ぼけていて現実を上手く認識できていないのか、眠そうな目を擦りながらこちらを見てくる。

 

 こっちが色々聞きたいのだが、色々とテンパっていて言葉出てこない、好きな女の子と同じ布団で一緒に寝てるって色々と理性がヤバい、しかも相手は寝起き特有のとろんとした感じの状態だからいつも見せない姿で余計に可愛い。

 

 「あのセシリア、取り敢えず離れてくれると」

 

 「えぇ?どうしてですの?私たちはもう…」

 

 そう言ってセシリアはその体を密着させてくる、一人用の布団の中、ただでさえ狭くて体が近いのに、密着された事でその感触がダイレクトに伝わってくる。

 

 少しずつセシリアの顔が俺に近づいてくる、それに合わせてセシリアの甘い匂いが鼻を通って脳髄に届く。

 

 落ち着け俺!セシリアはまだ15歳!15だぞ!落ち着け待て本当に落ち着け!取り敢えずセシリアを引き剥がさないと!

 

 「ちょ!セシリア!?」

 

 「光希さん…!」

 

 「光希、起きてるか?飯食いに行こう…ぜ…」

 

 その時、ガラリと襖を開けて一夏がやって来た、だがこの状況を見てその場で固まってしまう。

 

 「あ、ご、ごめん、ごゆっくり」

 

 「ちょいちょい!ストップ!ストップ!ヘルプミーーーーー!!」

 

 「ふえ?」

 

 俺の大声に反してセシリアのアホっぽい声が俺の胸の中から聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「先ほどは、その、申し訳ありませんわ」

 

 「いや、いいって、な?」

 

 結局、あの後起きたセシリアが取り乱して暴れそうになったりしたが、何とか諫めてこうして話が出来る形になっている…後で一夏の口を封じないと。

 

 今セシリアは俺の前で土下座をしている、勝手に布団に入ったくらいでこんなに謝られてもこっちも困る、別に嫌ではなかったし。

 

 「どうして俺の布団の中にいたんだ?」

 

 「そ、それは、その…私、これから食事に行かなければ!」

 

 「待て待てセシリア逃げるんじゃない」

 

 そう聞くとセシリアは顔を赤くして立ち上がり逃げようとしたので、彼女の手を掴んで逃げられなくする、せめて理由くらい聞いても問題はないだろう。

 

 俺が手を掴むとセシリアは顔を先ほどよりも真っ赤にして涙目にこちらを見る。

 

 「その、離していただけませんか?」

 

 「っ…嫌です、理由を教えてくれたら離します」

 

 「…わかりましたわ」

 

 危ない、上目遣いでお願いされたので少し揺らぎそうになったが何とか踏みとどまる、そしてセシリアも観念したのか理由を話してくれる。

 

 「その、怒らないで下さいね?」

 

 「怒らないよ、それで?」

 

 「その、最初は光希さんの体が心配で見に来ましたの、最初は寝顔を見るだけにしようかと思ったのですけれど、その、光希さんを見ているうちにもっと一緒に居たいと思ってしまって」

 

 「…」

 

 「それで、最初は手を握って、布団の中に入ったら私もその、もういいでしょう!この話は!」

 

 そこまで言ってセシリアは恥ずかしくなったか顔を真っ赤にして手を振り回す。

 

 え?何この子こんなに可愛かったっけ?俺のセシリアがこんなに可愛いわけがないって本が出せるレベル何だが?

 

 そう考えてセシリアをまじまじと見ていると彼女はジト目でこちらを見てくる。

 

 「何ですの!まだ何か言いたいんですの?」

 

 「嫌、セシリアは可愛いなと」

 

 「かわっ!可愛いだなんてそんな気軽に言わないでくださいます!?」

 

 「嫌無理、可愛い、マジでセシリア可愛い」

 

 「止めてください!嬉しいですけれど恥ずかしいですわ!」

 

 そう言ってセシリアは部屋から飛び出していくが、慌てて出ていったせいか自身の浴衣の足部分を踏んで廊下で転んでしまう、派手に転んだせいか服装も少しはだけて肌が見えている。

 

 「おい!?大丈夫か!?」

 

 「う~、これも光希さんのせいですわ…」

 

 「俺は関係ないだろって、セシリア、お前傷は…?」

 

 そう言って俺はセシリアのある部分を指さす、そこは福音との戦いでセシリアが出欠をしていた部分、その部分が傷一つなく元に戻っていたのだ、かなり大きな傷であったからこんなにすぐに治る何てあり得るはずがないのに。

 

 「傷ですの?それなら光希さんの部屋に来る前に無くなっていましたの、代わりに私の近くにこれが…」

 

 そう言ってセシリアは銀色の塊を取り出す、俺がその塊に触ると意思を持ったように動き始めて俺の待機形態のISへと戻っていった。

 

 それを見てセシリアは驚愕の表情を浮かべる。

 

 「な、何ですのこれ?」

 

 「…そのうち説明するよ」

 

 俺はそう言いながら待機形態のISを優しく撫でる、こいつらにも助けてもらってばっかりだな。

 

 

 思えばこの世界に来てから俺は助けてもらってばっかりだ、束さんにも千冬さんにも一夏にもシャルにも、それにセシリアにも。

 

 これからは少しずつでも返していかなきゃな、そんな事を考えながら立ち上がる、いい加減に腹も減ってきた。 

 

 「さて、飯でも食いに行くかセシリア」

 

 「ちょっと!ちゃんと説明してください光希さん!」

 

 「その内な、それよりもお前いつまで俺の名前にさん付けるんだよ」

 

 「そ、それは、その恥ずかしいから…」

 

 「それ外してくれたら説明してやるよ」

 

 「っ!ずるいですわ…光希、さあ呼びましたわよ!」

 

 「…」

 

 「どうして黙りますの!」

 

 「嫌、何でもない、ほら行くぞ!」

 

 「あ、急に走らないで下さい!光希!」

 

 セシリアが俺の名を呼びながら追いかけてくる、それが何だが懐かしくて、とても楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここにいたのか束」

 

 「あ、ちーちゃん」

 

 夜も更けた旅館の外れ、普通の人が来れないような場所、そこに一人の兎と教師が立っていた。

 

 兎は楽しそうに教師に話しかける。

  

 「ねぇねぇちーちゃん、どうだった今回の」

 

 「最悪だったな、まさかまたあのシステムの名を聞く事になるとは」

 

 「え~せっかくコー君のためになると思って、あんな欠陥品に載せたのに、まあそのせいで視えても3秒先が限界な上に連続使用したら機体に負荷がかかって自爆するおまけつきだけど」

 

 「そんなものだ、あれは私たちが使いこなすには手に余る代物だ、今も、そして10年前も」

 

 「でもね、コー君は短時間とはいえ使いこなしたんだ!あの糞邪魔なイギリス野郎を守る為とかいう理由だけは許せないけど」

 

 そう言いながら束の声のトーンはどんどんと下がる、常人の人間ならそれを聞いただけで身を引くほど冷たい声だ。

 

 だが千冬はその発言に呆れたようにため息を吐く。

 

 「お前な、オルコットは光希の恋人なんだ、そんな事をしたら光希が悲しむだけだぞ」

 

 「でもでも!束さんの!」

 

 「確かに、お前の夢を馬鹿にせず真っ直ぐに応援してくれたアイツに変な虫がつかないか心配なのは分かるが、それでもだ、今回の一軒で一番危険だったのはアイツだって事も分かっているのだろう」

 

 そう言われて束は引っ込みながら手を組んだり離したする、その表情は自身の弟が彼女を連れてきた時の姉の反応のようだった。

 

 「う~だってコー君は何でもやってくれる束さん専用のモルモット何だよ!それをどこの馬の骨ともわからない奴なんかに!」

 

 「それならちゃんとあいつと話せ、あいつならお前が説明すればあいつは何も言わんよ」

 

 「…許してくれるかな」

 

 「そう思うならちゃんと謝れ、もしかするとお前の今の考えにも協力してくれるかもしれんぞ」

 

 そう言って千冬は束の近くにあったあの福音を見る、福音は機体の殆どが損傷しているが唯一無傷で残っているものがあった。

 

 「七つの矮星(ジーベンツバーク)、ナノマシン技術を転用した兵装、どうせお前の事だ光希用に調整してるのだろう」

 

 「…うん、七つの矮星は火星や月をテラフォーミングするために使うのが本来の用途だよ、宇宙(そら)に人類が進むためにまずは基地がないと」

 

 その発言を聞くと千冬は笑いながら束に背を向けて歩き出す。

 

 「…宇宙をそういうのはお前と光希だけだよ」

 

 去り際に発したその言葉は束の耳にも届き、束はそこから見える月を見て過去の情景を思い出していた。

 

 

 

 

 

 『え?IS?MSのパクリですか?』

 

 『違う殴るよ、ISは宇宙空間での活動を想定して作るマルチフォーム・スーツ、でもこの前発表したら子供の夢想でしかないって」

 

 『ちょっと見せて下さい…すげえ!これで宇宙に行くんですか!?かっけええええ!束さん!俺にも作ってくださいよ!』

 

 『え?お前は馬鹿にしないの?これを夢だって無理だって』

 

 『え?出来ないんですか?残念だな、束さんの事だからもう出来てる!とか言って目の前に出てくると思ってたのにそうしたら俺もガンダムみたいに宇宙(そら)を飛べるのに!』

 

 ああ、そうだった、お前は底抜けの馬鹿だったんだ。

 

 『…ふふーん!束さんに不可能はない!直ぐに実現して見せるさ!』

 

 『よ!流石束さん!応援してますよ!絶対完成させてくださいね!』

 

 『え?コー君も手伝うんだよ?テストパイロットがいなきゃ始まらないでしょ』

 

 『テストパイロット?やるやる!やりますやります!それじゃあ完成したら一緒に飛びましょうよ!』

 

 『いいね!一緒に宇宙(そら)を飛ぼう!コー君!』

 

 『はい!束さん!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「謝ったら、また協力してくれるかな」

 

 兎は月に手を伸ばしながらそんな事を呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 




これにて、バカなフラッグ好きとお嬢様、無事に完結でございます。

長かった、思ったより長かった、この作品に関しての作者からの感想的な物をまとめた物を、後日「後書き」として投稿します。

その際にこの作品の疑問点や、設定で聞いてみたい事、作者の事について聞いてみたい事があれば感想で書いいただけますと、「後書き」の方でまとめて答えさせていただきますので、是非ともこの機会に感想を書いて送ってみて下さいね。


※書く際に「名前を記載する事はありません」

※「質問部分」は掲載させて頂きます。

※複数同じものがあれば一つに纏めさせて頂きます。

それでは最後に、ここまで見てくれた皆様!本当にありがとうございました!

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