そのおかげでお気に入りの方も400件を超えました!
皆様本当にありがとうございます!
少し短いですが彼らの後日談をお楽しみ下さい。
フラッグ好きとお嬢様は兎に出合う
「夏休み、か」
「何か予定がありますの?」
林間学校も終わり明日から夏休みが始まる、俺はこの夏休みをどう過ごすか机に突っ伏しながら悩んでいた。
例年だったらエクバやったりお台場に行ったり他には束さんの手伝いをしたり、自分一人で過ごしてたんだが今年はそうはいかない、隣にいる彼女を放って一人遊び惚ける何て出来ないだろう。
「その逆だな予定がないから悩んでるんだ」
「そうですの?光希の事だから一日中ガンダムを見ているとか、ガンダムをするとか色々あるでしょう」
「お前もしかして俺の事馬鹿にしてない?」
想像以上に辛辣な答えが返ってきて少しへこむ、嫌あながち間違ってないから強く否定出来ない自分が憎い。
「そう言うお前はどうするんだよセシリア」
「私ですか?私も特に予定はありませんわ、誰かに誘われたりしなければ…」
そう言うとセシリア、何かを言いたげにこちらを見てくる。
…そういう事されると俺が断れないって知ってるだろうに。
「じゃあ、セシリア夏休みの内に一緒に出掛けようぜ」
「それは、二人で、ですの?」
「あー、うん二人で」
「…まあいいですわ、行って差し上げますわ」
「ありがたき幸せ」
こうしてセシリアと夏休みを過ごすことが確定した、具体的に何をするかは決まっていないのだがそれは後から決めればいいだろう。
そんな風にカッコよく考えていると。
「あのー、まだHR中なんですけど…」
「「ご、ごめんなさい…」」
俺もセシリアも顔が真っ赤になって山田先生に謝った。
今日はHRと終業式だけだったので俺は早々に部屋に帰って来た、因みに同室のシャルは料理部の方で何か色々やるらしいので遅れるそうだ。
「さて、どうするかって何これ?」
俺が荷物を置くと自身のベッドの上に何か見覚えのある兎の端末があった。
「どう頑張って見ても嫌な予感しかしないが、開かなきゃ後が怖いし」
そう思いその端末を手に持ち電源を入れる。
するとその端末は映像を映し出す、そこに居たのはいつもの束さんだった。
「ハロハローコー君久しぶり!元気だった?今回はね束さんからのお願いがあるんだ!どうせ悲しい夏休みを過ごすコー君の為に夏休みまた束さんの所に来てね!じゃあバイバイ~!」
「…いつも通りだな」
そこまで言うと端末の電源は落ちてまた静かになる、すっごい早口だったけど内容自体はいつも通りだ、寧ろ終わった後に爆発とか仕込んでないだけまだましだろう。
「まあその内行けばいいか」
そう思ってその端末を机の上に置いてこれからの予定でも考えようと布団に座ると、目の前に何かピンク色の兎のロボットがいた。
「え?」
そのロボットは俺よりもでかくて、寧ろ今までどこに居たのかすらわからない、だが今俺の目の前にいて、そいつはその腕で俺を抱え上げた。
「ちょ、ちょっと待て!?これこのまま連れて行かれるやつか!?」
そこまで言うと横からまた束さんの声が聞こえる。
「因みに、さっきの音声が流れてから1秒以内にもう一度タップしないと強制連行モードになるのでご注意ください!」
「そういう事は先にいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
俺が音声に文句を言う前にロボットは窓から俺を抱えたまま飛び出して空へと飛びあがりだした。
そしてその内俺の意識は落ちていった。
「…き!…光希!起きてください!」
「んえ?セシリア?」
「良かった目が覚めましたのね」
気づけば俺はベッドの上に寝かされていた、周りを見ればそこは見覚えのある部屋だった。
「あ、ここか」
「光希ここを知っていますの?」
「うん、何度も来た場所だし、所でセシリアは何でいるの?」
「私の部屋にこの様なものがあって」
そう言うとセシリアもあの兎端末を取り出す、大方俺と同じ方法で連れてこられたんだろう、あの運び方は女子にする方法じゃないだろ…!
「急にロボットになったと思ったら、お姫様抱っこでここまで連れてこられましたの」
「どうしてこんなにも差があるんだよ!」
俺の怒りはその発言で悲しみへと変わってしまった、セシリアはお姫様抱っこで俺は雑に持ち運ばれるって、何でこんなにも差があるんだ…
急に叫んだせいかセシリアも不思議な顔で頭を傾ける。
「何がですの?」
「嫌何でもない…それよりよくここの構造がわかったな、結構複雑だろここ?」
「それは、この子のお陰ですわ!」
そう言うとセシリアはしゃがんで足元の物を持ち上げる、それはピンク色のボールの様な可愛らしい機械であり俺も昔世話になった奴だ。
「お前か、ハロ」
「ハロ!コウキ!ヒサシブリ!ヒサシブリ!」
「あら?お知合いですの?」
「昔からのな、所でハロ、束さんはどこだ?」
セシリアの問いに答えながらハロの頭を撫でる、そうするとハロはセシリアの手を離れてコロコロと転がっていき扉の前で飛び跳ね始める。
「コッチ!コッチ!」
「わかった、行くぞセシリア」
「え?行くって、それよりもさっきの束さんって」
「そうだよ、篠ノ之束さん、恐らく俺達を呼んだのは篠ノ之束さんだ」
「へ?」
そう言うとセシリアはまたしてもアホみたいな顔でフラフラとついてきたのだった。
程なく歩くと一つの扉の前でハロが止まる。
「ここか?」
「ウン!タバネ!ココ!」
「ち、ちょっと光希!本当に篠ノ之博士がここにいますの?」
「多分な、ハロが言うんだ間違いない」
そう言いながら扉を開けると、そこいたのは。
「やあ、待っていたよ」
日本式のちゃぶ台と座布団のセットで綺麗な正座をしながら茶をすすってる、大型新人声優の声で喋るイノベイドだった。
「…失礼しました」
「ちょ!?コー」
そう言って扉を閉める、何か走ってきた気もしたが気にせず扉を閉めて開けられないように抑える。
「何をしていますの?」
「いや、変な奴がいたから出てこれないようにこうしているんだ」
「変な…奴?」
うん、こんな所にいるわけないあれは変な人だ、じゃなければ
だがそうやって扉を押さえていてもいてもどうせ意味がない。
「ひどいな~コー君は!」
そう言いながら天井からあの天災が出てきた、それを見てセシリアは驚いているが俺はもう見慣れているのでそのまま会話を続ける。
「なら、あんな質の悪い冗談止めてください」
「アハハごめんごめん、取り敢えず部屋に入ってよ」
そう言うと束さんは床に降りてきて先ほど俺たちが入ろうとした部屋の扉を開ける。
中に入れば、先ほどまであったちゃぶ台一式は無くなり洋風のテーブルやイスへと変わっている、束さんは俺達に座るように勧めると部屋の奥に入っていく。
「さ、座って座って、セシリアちゃんは紅茶でいいんだよね?」
「え?ええ、よろしくお願いしますわ」
「オッケー!束さん特製紅茶を入れてあげるよ!ハロ!」
「ハロ!コウチャ!コウチャ!」
「…!?」
その一連の流れに俺は驚いていた、ハロの腕が伸びて紅茶を入れている事ではない、束さんが箒や一織斑姉弟以外を
そうこう考えているとハロが全員分の飲み物を持ってくる、それを置いて行くのを見ながら束さんも俺達の対面に座り口を開く。
「さて、ここに二人を呼んだのには理由があるんだ」
そう言うと束さんにしては珍しく間が空いた、いつもズバズバと言ってくるはずなのだが、その理由とやらを話さず、唇をかみしめながら言いづらそうにしている、まるで普通の女の子みたいに。
「あの、篠ノ之博士」
「っ!?ど、どうしたんだいセシリアちゃん?」
余りにも長い沈黙だったからかセシリアが声をかける、それに対しても束さんは動揺したように声を上ずらせて対応する。
「その、言いづらい事なら言わなくてもいいのですよ」
「それは出来ない、これは君たちに言わなきゃいけない事だから」
セシリアが続けようとしたその言葉を、束は遮るように止める、そして先ほどまでのオドオドした様子は無くなり、しっかりと二人の目をみて話し始めた。
「この前の福音事件、覚えてる?」
「福音?あれがどうしたんだよ束さん」
「あれは、私が意図的に起こしたものなんだ…」
そう束が口にするとセシリアは目を見開き驚く、だが光希は冷静だった。
「まあでしょうね、俺のISや福音に天使を仕込んだのも束さんですよね」
「うん、やっぱりコー君にはバレてたか」
「少なくともゼロシステムとGNドライブが積んである機体なんて見たらわかりますよ」
「ちょ、ちょっとお二人とも、私を置いて会話を進めないでくださいませんか!?」
納得する光希だったがセシリアは依然として頭に?が浮かび続けており、二人の間に入り説明を求める。
「福音事件は束さんの所為、天使も意図的なもの、あれば全部偶然じゃなくて仕組まれてたって事」
「…そんな!」
「嘘じゃないよ、あれは全部束さんの仕込み、コー君を天使に覚醒させて、セシリア・オルコット、君を消す計画だったんだ」
「っ!」
「ゼロシステムの所為にすれば、コー君も仕方ないと思ってくれると思って」
その言葉を聞きセシリアは顔を青くする、流石の光希もそこまで予想していなかったのか、目を開き体をセシリアの方へと寄せる。
それを見て束は軽い口調で続ける。
「ああ、安心してもうそんな事は考えてないよ、大事なコー君の恋人なんだから」
「…それを信用しろと?」
「…そうだよね」
その光希の声は束が今まで聞いたことのないくらい低い声だった、その目は今まで光希からは一度も向けられたことのない敵意のある目だった、その事実に束は少なからずショックを受ける。
そして、その場で束は立ち上がり彼らの横に移動する、それを見て光希も立ち上がりセシリアの前に立つ。
そして。
「本当に、ごめんなさい」
「…え?」
間の抜けた声が光希から出る。
束が頭を下げたのだ、光希とセシリアに対して、あの篠ノ之束が。
「束さんの独断で、コー君やセシリアちゃんに対して酷いことして、本当にごめんなさい」
「…」
「コー君、貴方の大切な人を殺そうとしてごめんなさい、セシリアちゃん、貴方の大切な人に酷いことしてごめんなさい、本当にごめんなさい」
束は謝罪を続ける、光希はそれを黙って見ているしかなかった、だがセシリアは違った。
「篠ノ之博士、顔をあげて下さい」
「セシリアちゃん…?」
「確かに、貴方がした事は許される事ではありませんわ、けれど貴方のお陰で私は彼と一緒に戦えた、貴方が協力してくれなければ私のISは彼と一緒に居れなかった、だから感謝こそすれど怒る事なんて一つもないですわ」
「でも、私は君を!」
「いいえ、それに私は生きてここにいます、彼も生きてここにいます、それでいいではありませんか」
「そうだな、束さんの我儘に付き合わされるのはいつもの事ですし、今更ですよ」
セシリアはそう言いながら束に手を伸ばす、その言葉に続き光希も束の前に手を出す。
その手を束は不安そうに見ながら二人の顔を見る。
「い、いいの?束さん、二人に…」
「いいと言っていますわ、それでも申し訳ないと思うなら私のブルーティアーズに新たなパッケージユニットを作ってくださいませんか?」
「あ、なら俺も欲しい!束さん!俺のブレイヴも見てよ!」
そんな風に意地悪に笑う
「まっかせて!二人に束さん最高傑作を作ってあげるよ!あ、コー君!後で見て欲しいものがあるんだ!月や火星をテラフォーミングする為の装置なんだけどね?」
「え!?そんなの出来たんですか!見せて下さい見せて下さい!」
「ちょっと篠ノ之博士!私の方が先に許したのですから私が先ですわよ!」
「ごめんってセッシー!というかその篠ノ之博士って硬いから束さんでいいよ?」
「せ、セッシー…?ちょ、お二人とも待ちなさい!束さん!光希!」
そう言って3人はバタバタと部屋を飛び出していく。
「ナカナオリ!ヨカッタ!ヨカッタ!」
ハロの口からは楽しそうに笑う、3人の写真が現像されていた。
予定には全くなかったのですが、ランキングに乗ったのが余りにも嬉しくて。
何よりここまでこれた読者の皆様への感謝を込めて書きました。
改めて本当にありがとうございます!
これから応援して頂けると幸いです。