バカなフラッグ好きとお嬢様   作:LALU

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大変長らくお待たせいたしました。

ここまで遅くなった理由は後書きにて


第13話

 トーナメント戦当日、現在アリーナの更衣室にて準備をしていた、ちなみにシャルルに関してはまた俺の服を取って来て貰うふりをして裏で着替えてもらってる。

 

 一応まだ俺は気づいていない設定だが、それでも女の子が男子の前で着替えるのは抵抗があるだろうからな、シャルル。

 

 「へーしかし凄いなこりゃ」

 

 一夏が共用のモニターを見ながらそんな事を言う、俺もモニターを見ると聞いたことあるIS製造の大企業から軍事のお偉いさん、他国の用人までテレビで一度くらい聞いたことある人の名前が多数並んでいた、勿論すべて女性だが。

 

 「3年にはスカウト、2年には一年の成果の確認に来ているからね」

 

 「へー、ご苦労なこった」

 

 「それよりシャルル、お前結局誰と組んだんだ?」

 

 シャルルに対して前から気になっていた事を聞く、俺と一夏が組んでしまっているから、一夏から声をかけて誰か他の女子と?それとも箒とか?

 

 「誰とも組まなかった」

 

 「え?誰とも?」

 

 「組めるわけないじゃん!毎日大変だったんだよ!?」

 

 そう言ってシャルルは凄い剣幕で俺に詰め寄ってくる、その顔からはとても冗談にも見えない。

 

 「わ、悪かったって、でもしょうがないだろ、俺達だって同じようになってたかもしれなんだし」

 

 「しょうがない!?僕がどれだけしんどかったと思ってるんだい!?受付の締め切りを過ぎてるのに詰め寄ってくる女の子達がどれだけいたと…!」

 

 「まぁまぁ、落ち着けってシャルル、結局誰とも組まなかったんなら抽選になるんだろ?」

 

 シャルルが俺に不満をぶつけていたら横から一夏が仲裁してくれる、その一夏の言葉を聞いてシャルルも少しは落ち着いたのか、俺から少し離れる。

 

 「まぁ、それはそうなんだけど」

 

 「だろ?なら今気にするべきはあっちだろ、そろそろ対戦表の発表みたいだし」

 

 「そ、それは、うん…」

 

 一夏がそう言ってモニターを指さすが、それに対してシャルルは少し不満げにしている。

 

 (そんなに、一夏と組みたかったのか?データを取る為でもあるんだろうけど…)

 

 「お、丁度出てきた…って!」

 

 「…え?」

 

 シャルルのその不思議な態度に俺が考えを巡らせていると、一夏達は丁度今発表された対戦表を見て固まってしまった。それを見て俺も遅れながら対戦表を見る。

 

 「どうしたんだよ、一回戦に変な奴でもいたか…っておいおい」

 

 「あ、アハハ、結局こうなるんだったら別にいいかな」

 

 その対戦カードを見て、俺は驚き、シャルルは笑う。

 

 【第3試合】

 

 【神峰光希/織斑一夏】VS【シャルル・デュノア/ラウラ・ボーデヴィッヒ】

 

 「まさか一試合目に当たるか…」

 

 「そうだね、でも僕は絶対に負けないよ」

 

 一夏が驚きそう口にする、だがシャルルはさも分かっていたかの様に簡単に覚悟を決める。

 

 「えらく簡単に納得するんだな」

 

 「そりゃね、光希達と別になるって事は進んでいけばいつかは君たちと当たる、それが早いか遅いかの問題だから」

 

 「なるほど、それは確かにそうだ」

 

 「確かにっておいおい光希!お前まで何でそんな簡単に」

 

 「落ち着け一夏、シャルルも言ってるだろ早いか遅いかの問題だって、なら俺達のやる事は一つだけだ」

 

 そう言って光希はモニターから目線を外し、シャルルに向き直る、それを見てシャルルが光希の方へと顔を向ける。

 

 

 「シャルル、絶対に負けないからな」

 

 「…うん、僕だって負けないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリーナに4機の専用機が向かい合う、シャルルとラウラ、一夏と光希、本来の世界線とも空を目指した世界とも別の対戦カード。

 

 

 

 だが、唯一明確に違う点が一つだけあった。

 

 「お前が私のパートナーか、宜しく頼むぞ、シャルル・デュノア」

 

 「え?あ、うん、よろしくね…?」

 

 それは、ラウラ・ボーデヴィッヒがパートナーであるシャルル・デュノアにちゃんと挨拶をしているのだ、それも敵意あるものではない、これから闘うパートナーに信頼を込めた挨拶を。

 

 前回とはまるで違うラウラのその態度に、シャルルは驚きラウラの顔を見つめる、それを見てラウラは首を傾げる。

 

 「ん?どうした?私の顔に何かついているのか?」 

 

 「え!?いや!?違うんだ、その、前とは全然態度が違うから」

 

 「あぁそれか、まあ私にも色々理由はあるのだ…」

 

 そう言うラウラの顔はどこか晴れやかだ、前アリーナで暴れていた時の顔ではない、迷いが吹っ切れたそんな顔をしている。

 

 「恐らく、この前の私の行動が許せないのだろう、だが私には負けられない理由がある、だが私二人ではあの二人には勝てない、力を貸してくれないか」

 

 この通りだ、そう言いながらラウラはシャルルに頭を下げる、それを見てシャルルは慌てる。

 

 「え!?ちょっとちょっと!そんな事しなくていいって!」

 

 「だが、それではお前は…」

 

 「確かに、友達を傷つけられたのはあれだけど、ちゃんと反省してくれてるならいいよ、それに本当に申し訳ないと思うなら謝るのは僕じゃない」

 

 そう言ってシャルルは首を横に振る、それを見てラウラはハッとした顔になる。

 

 「それもそうだな、ではこの後謝罪に行こう」

 

 「うん、それなら僕も力を貸すよ」

 

 そう言って二人は目の前の専用機持ちに向き直る。

 

 

 

 

 

 「どうやら、あっちは準備が終わったみたいだな」

 

 「ああ、俺達だって負けてられない」

 

 そう言って一夏と光希も戦闘態勢に入る。

 

 

 ラウラ、シャルル、光希、一夏、それぞれが互いに睨み合う。

 

 「この前のようにはいかない!」

 

 「僕だって負けられない理由があるから」

 

 「勝たせてもらうぞ、シャルル!」

 

 「行くぞ!光希!」

 

 

 そして試合の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 「「うおおおおおおおおおおおおおお!」」

 

 

 試合開始と同時に、一夏は雪片を構え、光希は巡航形態へと変形し飛び出す、二人の狙いは。

 

 「くっ!私か!」

 

 「ラウラ!」

 

 「シャルル・デュノア!私が前に出る!援護は任せた!」

 

 二人の狙いが自分であると理解したラウラはいち早く前線へ飛び出す、シャルルはそれを見てアサルトライフルを取り出し空中からラウラに迫っている光希へ向けて放つ。

 

 だがそれを予想していたのか、光希も大回りに旋回しながらラウラではなくシャルルの方へと突撃、先端部に積まれたトライデントストライカーをシャルルに向けて放つ。

 

 それを受けてシャルルは一時後退、回避行動を取りつつ、アサルトライフルを放つ、だが狙いの定まっていない弾をいくらばら撒いても空中を縦横無尽に飛び回る光希のフラッグは捉えられない。

 

 「糞!速い!」

 

 「その程度の弾幕で、このフラッグを落とそうなどと!」

 

 「なら、これだ!」

 

 そう言うとシャルルも空中に飛びあがり開いていた左手にもう一つの武器を構えながら、光希へと接近していく。

 

 シャルルは右手に持ったアサルトライフルで光希の進路を制限、そして狭いアリーナ内部での折り返し、そのほんの一瞬止まる間、そこに新たに出現させた左手のショットガンで面制圧を行う。

 

 「これで進路を先読みすれば!」

 

 「何と!?」

 

 ショットガンの全ての弾が当たるのではない、だが光希の専用機であるフラッグは、機動性に変形機構を加えてあるため、その装甲は第一世代と同じかそれ以下、つまり。

 

 「くっ!掠っただけでこれか!」

 

 「やっぱり!そのISあんまり硬くないみたいだね!」

 

 当たったのは精々1、2発だがそれだけでも光希のフラッグには十分にダメージが入る。

 

 「このまま続けて!」

 

 「まずい!?」

 

 「シャルル・デュノア!回避しろ!」

 

 「え!?」

 

 シャルルは続けて光希に攻撃を仕掛けようとした際、ラウラの怒号が響き渡る、その声を聞き咄嗟にシャルルはその場を飛びのく。

 

 次の瞬間、手に持っていたアサルトライフルとショットガンが横から真っ二つにされ二つに分かれていたのだ、二つの銃はその場で爆散、その爆風を受けてシャルルは空中から地上に落とされる。

 

 「うわあ!」

 

 「シャルル・デュノア!」

 

 落ちてくるシャルルの落下地点を予測し、ラウラはその場でAICを起動、シャルルが地面に叩きつけられる前にキャッチする。

 

 「あ、ありがとうラウラ」

 

 「いや、こちらこそすまない、織斑一夏をそちらにやってしまった」

 

 そう言われてシャルルが空中を見ると、光希の隣には一夏がいた。

 

 それを見てラウラは困ったように口を開く。

 

 「奴らめ、どちらかに注視していれば、どちらかが闇討ちを仕掛けてくる気だ、気を付けろシャルル・デュノア、どちらからも目を放すな一瞬で持っていかれるぞ」

 

 そう、実はラウラとの戦闘中()()()()()()()()()()()()()()()()()、AICの範囲の外で常にラウラの視界の中をうろついていただけなのだ、そしてほんの一瞬、シャルルの意識から一夏の存在が消えたほんの一瞬の隙をついて、イグニッションブーストを使用して瞬時にシャルルへと切りかかったのだ。

 

 

 「そ、そんな滅茶苦茶な!それって作戦も何も…」

 

 「ない、だが、奴らならそれが有効な戦術だ、片方は超高機動型、もう片方は一撃で与えれば確実に仕留められる火力がある」

 

 そう言って、ラウラは悔しそうに一夏と光希を見る。

 

 (教官、やはり私は彼らに勝てないのでしょうか…)

 

 「ならラウラ、出来るだけ近くに居ようよ」

 

 「…え?」

 

 「近くに居てお互いが死角をカバーすれば二人の狙いは防げるはずだよ」

 

 それを聞いてラウラはシャルルを見る、それに対してシャルルは笑顔で答える。

 

 (ああ、教官、私は確かに貴方にはなれない、だって私は…)

 

 「ああ、わかった背中は任せたぞ!シャルル!」

 

 「うん!任された!」

 

 (私は、I()S()()()()()()()()()()()()()()()ですから)

 

 

 

 

 二人がお互いの死角をカバーするような位置取りになったことで光希は人型に変形しながらぼやく。

 

 「早いな、流石は元軍人なだけはある、俺達の作戦をこうも早く理解するとは」

 

 「おいおい!そんな吞気に言ってる場合じゃ!」

 

 「狼狽えるな一夏、どうせ俺達のやる事は変わらない、というかそもそも、俺達に出来ることは少ないんだ、なら」

 

 「俺達の強みを相手に押し付ける…だっけ?」

 

 「そうだ、俺の速さとお前の火力、それで相手を真っ向から突き崩す、それだけだ」

 

 そう言うと先程まで不安がっていた一夏も、自身の顔を叩いて気合を入れる。

 

 「それもそうだな、行くぜ相棒!」

 

 「ああ!行くぞ!」

 

 

 

 

 

 戦場は、正に乱戦の一言だった。

 

 光希が変形を繰り返しながらシャルル、ラウラに牽制を仕掛けて隙を見せた方に一夏が切りかかる。時には一夏が二人の周りを飛び回り、光希が人型に戻り近接戦闘を仕掛ける、その機動性を遺憾なく発揮した高速戦闘に誰もが目を見開く。

 

 それを一早く理解していた二人も迎撃に徹する、ラウラは光希の射撃に対してAICなどの防御兵装を使用しながら、ワイヤーブレードで一夏を牽制、残った穴をシャルルが高速切替(ラピッド・スイッチ)を使用しながら多彩な兵器でダメージを与えていく。

 

 どちらも自身のチームの強みを活かした戦い方、光希達は徐々にダメージを負い、シャルル達は一度のミスが致命傷になるそのプレッシャーにより集中力を擦り減らしていく。

 

 

 そして試合は突然動いた。

 

 「一夏、あれをやるぞ!」

 

 「了解!」

 

 そう言うと巡航形態で飛び回っていた光希が人型に変形、シャルルに向かってトライデントストライカーを構えて正面から突撃を仕掛ける。

 

 それを見て驚愕の表情を浮かべるシャルル。

 

 「一体何を…!でも、そうやってくるなら!」

 

 だが驚いたのは一瞬だけ、すぐさま高速切替(ラピッド・スイッチ)で機関砲を取り出し光希へ目掛けて放つ。

 

 それを光希は左手に装備されたディフェンスロッドで弾き飛ばす、だがそれでもいくつかの弾はすり抜けて被弾していく。

 

 「くううぅ!」

 

 「何のつもり光希!自滅する気!?」

 

 「そんなつもりは、毛頭ない!」

 

 そう光希が叫ぶと、握っていたトライデントストライカーを自身の上、上空へと投げ捨てる。

 

 その動き、相手が持っていた唯一の武器を投げ捨てるという行為にシャルルは一瞬目線が逸れる。

 

 その一瞬の隙をついて光希はビームサーベルを展開、一気に距離を詰める。

 

 「これでえええ!」

 

 「させるか!」

 

 だが、それもラウラが見ていた、ラウラはシャルルに接近しようとする光希に対してワイヤーブレードを伸ばして迎撃しようとする、だがその瞬間突如としてラウラの周りに爆風が起こる。

 

 「何!?くぅ!」

 

 「そうはさせるか!」

 

 それを阻止したのは一夏だった、その手には先程光希が投げ捨てたトライデントストライカーが握られている、本来ISの武装は使用者以外は使用できない設定なのだが、使用者が許可を出せば他のIS乗りも使用する事が可能になる。

 

 それを利用して光希はわざとトライデントストライカーを放り投げたのだ。

 

 「ラウラ!」

 

 「一夏!合わせろ!」

 

 「行くぜ!光希!」

 

 シャルルがラウラに通信を送り安否を確認するが、光希達の方が早い、一夏はすぐさま切り返し雪片を持ってシャルルへと突撃、機関砲の中を無理やり抜けてくる。

 

 「「貰ったああああ!」」

 

 「しまっ、きゃあああ!」

 

 見事、一夏の雪片と光希のビームサーベルがシャルルに直撃、シャルルはエネルギー切れにより戦闘不能に陥る。

 

 「シャルル!糞おおお!」

 

 「このまま!」

 

 「一気に決める!」

 

 シャルルが撃墜されたのを見て、ラウラは感情が高ぶる、自信を認めてくれた友を、何も言わずに信頼してくれた友人の為に、もう何も出来ない自分でないために。

 

 「私は、ラウラ・ボーデヴィッヒとして勝つんだ!」

 

 そう言ってシャルルは自身の眼帯を外す、越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)、本来はISとの適合性を高めナノマシン移植手術により発現する擬似ハイパーセンサー。

 

 そしてラウラ・ボーデヴィッヒの中にはもう一つあるシステムの鍵、だがそれは彼女が強く【ブリュンヒルデ】になりたいと思えばの話。

 

 今のラウラは違う、ただ自身(ラウラ・ボーデヴィッヒ)の勝利の為に自身の友(シャルル・デュノア)の為に力を使う。

 

 だがそんな事をお構いなしに光希と一夏はサーベルを持ってラウラに攻撃を仕掛ける。

 

 「ふん!」

 

 「何!?ぐうう!」

 

 「光希!?があっ!」

 

 しかし、先に仕掛けた光希の攻撃をラウラはそのシュヴァルツェア・レーゲンの巨体に似合わぬ俊敏な動きで回避、そのまま通り過ぎた光希にプラズマ手刀を叩き込む。

 

 そして、自身の後ろにいた一夏に対してもまるで見えているかのようにワイヤーブレードを操り攻撃、確かなダメージを与える。

 

 余りにも急激な動きの変化に戸惑う二人、だがラウラはそれを感じ取りすぐさま追撃のレールカノンを光希に放つ。

 

 「光希!」

 

 「当たるかああああ!」

 

 「なら、これでどうだ!」

 

 間一髪で巨大なエネルギーを回避する光希だが、避けた先には既にラウラのワイヤーブレードが迫っていた、だがしかし。

 

 「まだまだあああ!」

 

 人型から巡航形態へ移行、そのワイヤーブレードの網を回避、ラウラに突貫攻撃を仕掛ける。

 

 「またそれか!何度も何度も!」

 

 「悪いね!馬鹿の一つ覚えだ!」

 

 ラウラも流石に同じ手は食わない、すぐさまレールカノンを発射、巨大なエネルギー破で纏めて消し飛ばしにかかる。

 

 「それを待っていたんだ!」

 

 すると光希はイグニッションブーストで変形を強制解除、天高く飛びあがりエネルギー破を回避すると同時に、サーベルを構えてビームの発射地点に切りかかる。

 

 「こいつでどうだあああ!」

 

 しかしそこにはラウラの姿は既になかった。

 

 「んな!?」

 

 「それすらも、今の私には通じない!」

 

 ラウラのISシュヴァルツェア・レーゲンに付いていたレールカノンがないのだ、レールカノンの発射位置には分離されたレールカノンが砲撃していただけである。

 

 光希の後ろを取ったラウラはプラズマ手刀を構えて切りかかる。

 

 「これで終わりだ!」

 

 「糞!だが俺達の勝ちだ!」

 

 「何!?」

 

 「うおおおおおおおお!」

 

 ラウラの剣が光希に襲い掛かるその瞬間、一夏が雪片を構えて猛スピードでラウラの後ろに迫ってきているのだ。

 

 しかしラウラもこれに対して、プラズマ手刀を振り下ろしながらもワイヤーブレードを操作、一夏を迎撃しにかかる。

 

 「いけえ!一夏ああああ!」

 

 「負けるな!ラウラ!」

 

 「俺達の!」

 

 「私達の!」

 

 

 「「勝ちだあああああああああああああああ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【試合終了、勝者、神峰光希/織斑一夏】

 

 先に届いたのは一夏の剣だった、だがラウラのワイヤーブレードも一夏のシールドを確かに削り、一夏のシールド量はアサルトライフルの弾一つでももらえば落ちる程の量しか残っていなかった。

 

 お互いが死力を尽くした戦い、試合終了のアナウンスがなって少しの間は会場全体が静けさに囚われるが、一つ、また一つと会場のどこからか拍手が起こり、会場全体が割れんばかりの歓声を選手たちに送っていた。

 

 

 その真っ只中にいる選手達もまた、立ち上がりお互いに言葉を交わす。

 

 「ナイス一夏!良く決めてくれた!」

 

 「ああ、ギリギリだったけどな」

 

 「でも勝ちは勝ちだ、胸張って誇れ!」

 

 

 

 

 「すまないシャルル、私は、負けてしまった」

 

 「ううん、ラウラは凄く頑張ってた、僕の方こそ足引っ張っちゃって」

 

 「そんな事!私が、私が弱いから…!」

 

 ラウラは泣きそうな顔を見られまいと下を向き、唇を嚙む。

 

 「そんなに自分を責めないでラウラ」

 

 シャルルは今にも泣きそうなラウラの手を握る。

 

 「ラウラは強かった、それは僕もそう思ってるし、戦ったあの二人も、それにここにいる皆がそう思ってるよ」

 

 「…へ?」

 

 そう言われてラウラは顔を上げる、するとそこには優しそうに微笑むシャルルに、光希や一夏がいた。

 

 「そうだぞボーデヴィッヒ、結局俺は落とされてるし、最後の最後何て二人も相手に大立ち回りじゃないか」

 

 「俺も、結構ギリギリだったからな、正直勝てたのは運が良かっただけだし、光希がいなきゃお前には勝てないよ」

 

 「ほらね?ラウラが弱いだなんて誰も思ってない、君はちゃんと強いんだから(君なんだから)

 

 「っ!」

 

 シャルルがそう言うとまたしてもラウラは顔を下を向けて、肩を震わせる、よく見ると顔から水が流れていた。

 

 「あ、シャルルが女の子泣かした!」

 

 「おいおいシャルル、男が女の子を泣かすのは…」

 

 「ええええ!?待って待って!ごめんねラウラ!何か気に障ったかな!?」

 

 それをシャルルは慌て、光希は笑いながらシャルルをおちょくり、一夏は少しラウラを心配していた。

 

 だがそれも直ぐに収まる、ラウラは頭を大きく降ると、今度はしっかりとした顔で光希と一夏に近づく。

 

 「今回は負けた!だが、次は負けん、覚悟しておくのだな!」

 

 そう言うとラウラは、二人に拳を突き出した。

 

 少し呆然としていた二人だが、直ぐに笑顔になり。

 

 「ああ、いつでもかかってこい」

 

 「今度は一対一でやろうぜ」

 

 そうして三人は拳を突き合わせた。

 

 そうするとラウラは満足気な顔をして今度はシャルルの方へ向き直る。

 

 「シャルル、すまないが、彼女たちに合わせてくれないか」

 

 「…彼女達?もしかしてセシリアや、鈴の事?」

 

 「ああ、謝らなければならないからな…許してもらえなくとも、それが私の償いだ…」

 

 「…ふふ、大丈夫だよきっと、ほら、じゃあ行こっか!」

 

 そう言ってシャルルはラウラの手を取りアリーナを走り出す、それを見て光希や一夏もシャルルに続く。

 

 

 

 

 選手達が見えなくなるまで拍手と歓声は止むことはなかった。

 

 




今回大変長らくお待たせいたしました、本当に申し訳ないです。

詳しくはTwitterの方に記載するとして、端的に言えば生活環境が一気に変わり忙しさが一気に増えたからです。

作者は何分今年就活の身だったので無事に決まってなんやらかんやらしてたら小説を書く時間どころかゲームする時間もないありさまでした。

またもう実質働いてる状態でして、平日に書く時間が大幅に減ったのも理由の一つです。

ですのでこれから更に投稿頻度が落ちます(流石に今回ほど長いのは無くしたい)不定期になる予定ですので、何卒宜しくお願い致します。
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