「セカンド幼馴染って早々使う言葉じゃないよな」
「何ですの急に?」
クラス対抗戦が近くなり、クラスが盛り上がってきていた時、中国からの転入生が2組にやってきた、名は凰鈴音、一夏の二番目の幼馴染だ。
今現在離れの席で、その鈴が一夏と話している、俺も一応クラスに来た時に会話したが、個人的には好感が持てる子だった。
「アンタ、一夏の友達何でしょ?なら私とも友達って事ね、鈴って呼んでいいわよ、よろしくね」
ファーストコンタクトでこの会話、この時点でコミュ力が高いことが伺える、うーん中国の代表候補生はどこぞのイギリス代表候補生よりも優秀かもしれない。
「いま失礼な事考えませんでした?」
「いえ、何も?」
何かオルコットに睨まれたけどスルーだスルー!
「所でオルコットは行かなくていいのか?箒が一夏に詰めに行ったけど」
俺が指さした方向には一夏に対して、鈴についての説明を要求している箒の姿があった、オルコットもこの作品のヒロインなのだ、この流れだと一夏の所に行くんじゃないのか?。
「一夏さんにも色々と過去があるでしょうし、別段急いで聞くような事でもありませんわ、それよりも神峰さん、この前貸していただいたSEEDなんですけど」
しかしオルコットは素知らぬ顔で最近一緒に見ているSEEDの話をしだした…原作でもこうなのか?
「なんかあったか?もしかしてブルーレイの使い方がわかんないとか?」
「馬鹿にしていますの!?じゃなくて、何度見ても、キラがなぜあんなになよなよしているのか理解できないんですの。友達が危険に晒されるかもしれないのに、なぜあんなにも迷っているのですか?」
「いやしょうがないだろ、急に軍に入れられて、戦う相手は昔の友達で、相手は問答無用で襲ってきて、自分が負けたら今の友達が殺されるんだぞ、俺たちと変わらない年齢で、むしろ戦えてる方が凄いんだから」
オルコットは、部活の件以降、週に2~3くらいで放課後に俺の部屋に来るようになった、取り敢えずはガンダムに慣れてもらうためにSEEDから見せてるが、後々は00の普及を始めたいとも思っている。
ブルーレイを貸してるのは、新しい話は俺の部屋で見て、一度見た話をもう一度みたいと言い出したので俺が貸し出しているのだ。
どうやら彼女はSEEDの主人公であるキラ・ヤマトがあまりお気に召していないようだ。
「まぁ、SEEDの話は放課後に聞いてやるよ、今日部屋来るだろ?」
「ええ、伺いますわ」
食べた食器を片付けながら今日の予定を決める、さて授業も後半だし頑張るか。
「光希!練習に付き合ってくれ!」
「えぇ…」
放課後、部屋に戻ってオルコットとSEEDを見ようと思っていたら一夏が思いつめた顔でやってきた。
話を聞けば、鈴との対決の前に少しでもISの操縦に慣れておきたいそうだ、
「悪いんだけど、俺放課後にオルコットとSEED見る約束してんだよ」
「そこを何とか!気軽に頼めるのなんてお前ぐらいしかいないんだよ!」
「うーん…」
別に断ろうとしているのは一夏が嫌いだからじゃない、今日の放課後の予定は先にオルコットとの約束があるのだ、後からやってきた奴の約束が大切だからやっぱり無し、なんて余りにも不誠実だろう。
「受けて差し上げたらいいじゃありませんか」
「え?いいのか、オルコット」
「いいも何も、友人が困っているのを放っておきますの?」
「でもお前との約束があるだろ?」
「ガンダムは何時でも見れますわよ、ほら一夏さん、演習場に行きますわよ」
「お、おう!ありがとなセシリア!」
悩んでいたら、オルコットが快諾して一夏と一緒にそのまま行ってしまった。
別にいいんだけど、放課後に一緒に見れなくなったのはちょっと、ちょっとだけ寂しいと思った。
だから遠慮なく一夏をボッコボコにした、あ、変形はしてないよ、なるべく鈴に近づけるためにサーベルメインの時々射撃を混ぜる感じで戦った。
最終的には箒も混じって、順番に一夏と戦ったり三人で一夏をタコ殴りにしたりしたぐらい。
一夏はその日、死ぬほど疲れて床で寝てた。
そして日は流れてクラス対抗戦、一回戦から鈴との対戦で気が滅入っているであろう一夏の為に、IS格納庫までやってきた、どうやら俺が最後のようで、一夏は既にISを展開して、箒とオルコットと話している。
「あ、光希!お前も応援に来てくれたのか?」
「まあな、どうせ一夏の事だから、鈴相手にビビってると思って笑いに来た」
「何だよそれ、ありがとな、ある程度はほぐれたよ」
「そうか」
少し言い過ぎたかと思ったが、どうやら上手く一夏の緊張をほぐすことが出来たようだ、
そんな会話をしていると、試合開始5分前のアナウンスが流れる、そろそろ時間だ。
「一夏さん頑張って下さい」
「硬くなるな、練習通りにすれば勝てる」
「行って来い、一夏」
「あぁ、織斑一夏、白式!行きます!」
一夏のISがフィールドへと飛び出る、戦闘の開始だ。
俺たちは、織斑先生達と同じ管制室で試合を見せてもらっている。
実際の有識者達の目線付きの試合観戦は中々に勉強になるし、格納庫から近かったのが理由だ。
あ、一夏が龍砲で地面に叩きつけられた、実際に見ると本当に見えないな、音と同時に一夏が急に飛んでいったようにしか見えなかった。
「あの衝撃砲は砲身の射角がほぼ制限無しで撃てるようです」
「つまり、死角がないという事ですの?」
「そうなるが、あれって、空間圧縮技術だろ?あんなに連射してエネルギー持つのかよ」
「恐らくだが、打ち出す方にはエネルギーを使わず、圧縮のみにエネルギーを使用しているのだろう」
俺とオルコットが悩んでいると織斑先生が解説してくれる。こういうわからない事をプロ目線で直ぐに教えてくれるのはこの席の特権だと思う。
試合が進み、一夏が何かを狙い始めた。
「織斑君、何か狙っていますね」
「「イグニッションブーストだろ」」
俺と織斑先生が被る、というかこれに関しては悩むまでもない、白式の武装の都合上、あと増やせる手札としてはイグニッションブーストが一番相性がいい。
オルコットが何それと聞いたので織斑先生が説明をしている、簡単に説明すればブーストダッシュだ、一直線にブーストを吹かして急加速する技術。
ただ、何度もすれば体に負荷がかかるし、動きも直線的の為に敵に読まれやすくなる。
そんな事を考えながら見ていると、一夏が鈴の一瞬の隙をついて突撃したその時だった…
一夏と鈴の間に空からビームが降ってくる、激しい爆音と衝撃、鳴り響く警告音。
「システム破損!何かがアリーナの遮断シールドを貫通してきたようです!」
それを聞いて俺はダッシュで走り出す、目指すはIS格納庫のピットだ、あそこが一番フィールドに近い。
「どこに行きますの!?」
俺が走り出すとオルコットが後ろから追いかけてきた。
「見てわかんないのか?一夏達を助けに行く、お前も来いオルコット」
「勝算は?」
「専用機持ち4人で勝てなきゃそれこそない」
「なるほど、乗って差し上げますわ」
走りながら一夏たちに連絡を取るために無線を起動させる。
「一夏!大丈夫か!?」
「光希か?何がどうなってんだ!?何で攻撃してくるんだあいつ!」
戦闘中に突如現れた謎のIS、通話越しでも一夏が酷く混乱しているのがわかる。
「落ち着け一夏!今俺とオルコットが向かってる、それまで持ちこたえろ、できるか?」
「わ、わかったやってみる!」
よし、ひとまず連絡は出来た。
「急ぐぞオルコット!」
「ええ!」
オルコットに声をかけ、更にスピードを上げる、大事にならなければいいが…
俺たちがピットから戦場を見ると一夏達が苦戦していた、鈴の攻撃は余りダメージが通っていないし、一夏の攻撃は当たっていないようだった。
一夏達からの情報によると、あいつはビームをばら撒く兵装が多く積んでいて更には装甲、出力も並みのISの比じゃない。
ビーム出力に関してはオルコットのスターライトよりも高いそうだ。
俺はその場でISの拡張領域のインターフェースを開く。
「オルコット、悪いが先に行って、一夏たちの援護をしてやってくれ」
「それはいいですが、神峰さんはどうしますの」
オルコットは既にISを展開して、一夏達の援護に向かう準備を整えている。
「武器を変える、あいつには俺の武装は効きそうにないからな、一分で変えるから時間を稼いでくれ」
「了解、でも私が倒してしまいますわよ?」
「そうしてくれるなら助かるよ」
そう軽口を叩き合うと、オルコットはフィールドに飛び出していく、それを確認して、俺は武装を変更するためにインターフェースへと意識を集中し始めた。
「一夏さん!援護に来ましたわ!」
「セシリアか!助かる!」
「アンタは確かイギリスの!まあいいわ手伝ってくれるなら精々足を引っ張らないようにね」
「それはこっちの、セリフですわ!」
スターライトで謎のISを打ち抜く、しかし相手の機動が早すぎて狙い打てない。
「セシリア!相手は恐らく無人機だ!遠慮せず打ちまくれ!」
「了解ですわ!ブルーティアーズ!」
一夏さんからの情報を聞き、ブルーティアーズを展開する。過去の私ではあの速度で動かれていれば動きについていけなかったかもしれませんが。
「神峰さんほどではありませんわね!」
ブルーティアーズが徐々に敵に当たりだし、少しずつだが敵の動きが鈍くなっている。
「鈴!俺の合図に合わせて衝撃砲を打て!最大でだ!」
一夏さんがそう言い、凰さんとのタイミングを合わせようとしたその時、ISのピットか、声がした。
「一夏!男なら!そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」
篠ノ之さん!?なぜあんな所に、いえ、今はそんな事よりも今の篠ノ之さんの声に反応してか無人機が篠ノ之さんを狙いだした。
「こっちを向きなさい!」
ブルーティアーズで四方から攻撃を仕掛けますが、相手は回避しながら着実に攻撃態勢を整え箒さんへとむかっていく。
「バカ!何やってんのよどきなさいよ!」
「いいから撃て!」
「あーもう!」
そうしていると一夏さんが、凰さんの射撃を受けて、あれはエネルギーを吸収して出力に変換していますの!?
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
圧倒的な推力を持ったまま一夏さんが無人機へと突撃。
見事に無人機の片腕を切り飛ばしましたが、無人機も切り返しにカウンター、一夏さんは壁に吹き飛ばされてしまいました。
無人機は一夏さんに近づき、回避不能な距離でビームのチャージを開始、正に絶体絶命の状況…
でもここまでくれば勝ちですわね。
「タイミングは?」
「完璧だ!撃たせてもらおう!このGNフラッグで!」
その声と同時に突如として上空から降ってきた黒いIS、神峰さんの操るカスタムフラッグ。
しかし私と決闘していた時とは違い、背中からは赤い粒子を発している出力炉のような物がついており、そこから直接ケーブルを伸ばした赤黒いサーベルを握りしめている。
そのサーベルは見事に無人機を頭から貫き、機能を停止させた。
「遅れてすまない、武装の変更に手間取ってしまった」
「ナイスタイミング光希!助かったぜ!」
「遅いですわよ神峰さん、私たちで倒してしまう所でしたわ」
「スターライト当たらなくて焦ってたくせに」
「何ですって!?」
やっぱり彼は、どこか私の事を軽視している節がありますわね、もう少し私の凄さを彼には理解させる必要が。
その時だった、ISのインターフェースに警告画面が出る。
敵ISの再起動…!?まさか!
「一夏!あいつまだ動いてる!」
慌てて凰さんが叫ぶが遅い。
完全に皆さんが油断しているタイミングでの再起動、狙いは一夏さん、もうすでに発射体制に入っている、誰も救援が間に合わない…!!
「一夏ぁあああ!」
ビームが発射されるその瞬間、途轍もない速度で神峰さんが一夏さんを蹴り飛ばし代わりにビームに飲まれる。
「神峰さん!!」
「てめぇええええええええ!!!」
ビームの発射後、一夏さんが無人機を切り裂き、敵は完全に沈黙。
しかし、ビームの直撃を貰った神峰さんISも解除され体もボロボロになって倒れていた。
それを見て私は慌てて神峰さんに近づく、傷付けないようにISを解除して。
気を失っているのか、駆け寄っても反応がない。
肉体にも損傷がある事から恐らく途中でISのエネルギーが切れたのだろう、絶対防御もエネルギーがなくては使えない、彼には火傷のような跡が見られる。
「神峰さん!大丈夫ですの!?」
彼をゆすりながら、大声で声をかける。
そこに一夏さんや凰さんもやってきました。
「下手に動かさないで!一夏は救護班を呼んできて!早く!」
「おう!わかった!」
鈴さんの的確な対応により、彼はこの後保健室に運ばれました。
先生によれば命に別状はないそうで、しばらくすれば目を覚ますとの事。
付き添いとして、私が彼の傍にいる事を許可されました。
怪我の度合いを見て先生がおっしゃっていましたが、かなり長い間ビームを浴びていたのにダメージが軽微なのは、彼が何かしらの防御を咄嗟に挟んだからだとおっしゃっていました。
「貴方は、何処までも強くて、優しいのですね」
眠っている彼の姿は、いつもの態度から想像つかないくらい穏やかな顔でした。
「早く、目覚めて下さいね」
そうしてまた、ガンダムの事を教えてくださいまし。
彼の寝顔を見ながらそんな事を思った。
何とか誤字は無いはず