文化祭が終わり、9月の中旬に入る頃、景色はすっかり秋めいていた。
龍悟達は今日、旭丘分校の課外授業で近くの山に登っている。内容は、秋を感じ、絵を描く事だ。
龍悟「課外授業つっても、半分遊びに近いと思うんだが。」
蛍「そうですね。夏海先輩やれんちゃんを見てると。」
小鞠「基本的にこの学校自由だしね。」
夏海「ほら、れんちょん。うちが描いた絵を見て、その名も『もみじ星人』!!」
れんげ「おー、面白いのん!!」
さっきから2人でワイワイしてる。風情もへったくれもない感じだ。
龍悟「さて、大体描けたかな。」
とりあえず山の中の様子を描いてみた。
小毬「見せて見せて。」
蛍「凄い!!写真みたいです!」
夏海「くっそー、龍ごん才能ありすぎだよー。」
れんげ「うちも描いたのん‼︎」
れんげも同じような絵を描いていた。
蛍「れんちゃんも凄い!」
小毬「れんげ確か去年絵で賞を獲ったよね」
夏海「れんちょんの意外な才能にはびっくりだよー。」
れんげ、お前にはまだまだ潜在能力が備わっているのか?
しばらく絵を見せ合い、山から降りた。
帰り道
龍悟「そういえば今夜は満月だよな。中秋の名月はいいよな。」
蛍「そんな時にはお月見がいいですよね。」
れんげ「うち、お月見やりたいのん!」
夏海「お月見か〜。何か美味しいもん食べながらやりたいな。」
小毬「ならお団子作んなきゃね。」
れんげ「駄菓子屋も誘うのん!」
龍悟「このみやひかげも誘うか。」
学校に戻り、給食を終えた後に先生も誘い、龍悟の家でお月見をやることになった。
龍悟「よう、みんないらっしゃい!」
蛍・夏海・小毬・れんげ「おじゃましまーす(にゃんぱす〜。)。」
このみ「龍悟久しぶり!(龍悟のお家とても綺麗。)」
ひかげ「龍悟さん久しぶり!(龍悟さんの家初めて。いい所じゃん!)」
楓「よう龍悟、今日はありがとな。(龍悟、こんな立派な家に住んでるのか、流石というか何というか。)」
この三人は龍悟の家に興味津々である。
先生「いや〜立派なお家だね〜。今日はよろしく〜。」
先生の手には酒ビンがいくつかある。悪酔いしなければいいが・・・。
龍悟母「皆様ようこそ、いつも龍悟がお世話になっております。」
龍悟父「それにしてもみんなでお月見とは、中々いいですなぁ。」
親父、いつになくテンション高いな。まあ女の子が多けりゃ仕方ないか。
龍悟「そんじゃ、みんなで団子作るぞ。」
一同「おー!!」
キッチンにみんなをあがらせ、グループに分かれて団子作りを始める。
団子生地担当グループ
龍悟「そんじゃ、このみ、ひかげ、よろしくな。」
このみ・ひかげ「おっけー!」
上新粉に水を含ませてこねていく。
ひかげ「龍悟さん、これどのくらい作る?」
龍悟「夏海は間違いなくたくさん食うからな。1人10個作れるくらいの量でいくか。」
このみ「了解、作り終えたら他のグループ手伝おうね。」
龍悟たちは初めての作業にかかわらず、難なくこなしていく。そして、作った生地を、形成・味付け担当のグループに渡す。
形成・味付け担当グループ
れんげ「ころころ〜、おだんごろごろ〜。」
夏海「れんちょんうまーい。どっちがたくさん作れるか競争しよっか。」
れんげ「うん!スピードころころなん!」
2人とも集中して作業ができている。夏海においては、これが食べ物だからだろうが。
蛍「先輩、味付けはどんな風にします?」
小毬「よくあるのはあんことかみたらしだけど、それだけじゃね。あっ、何か斬新な味思いついたかも!」
蛍「?」
小毬「ケチャップやマヨネーズとかいいかも!」
蛍「せ、先輩?」
小毬「チョコとチーズ混ぜたやつとか。」
蛍「せせせ、先輩!龍悟先輩の家の調味料あんまり使ったら悪いので、みたらしとあんこにしませんか!?」
蛍は慌てて小毬を制止する。それもそのはず、小毬は料理の味付けに関してはとんでもない感覚の持ち主なのだ。
蛍はここ最近にそれを知ったらしい。
小毬「うーん、それもそうだね。そうしよっか。」
蛍「(ホッ。)」
何とか大惨事にならずに済みそうだ。
団子が完成し、龍悟の部屋のテラスに入って食べる。
龍悟「うん!うまくできてるぜ。それにしてもいい満月だな。」
このみ「そうね。(いつか2人きりでお月見したいな。)」
ひかげ「そうですね。(龍悟さんと2人きりなら・・・。)」
蛍「先輩、お月様綺麗ですね。」
小毬「そうだね。」
れんげ「うさぎさーん、こんばんはなーん!」
夏海「れんちょん、月のうさぎ信じてんだ。」
ワイワイと子供達は和む。一方、
龍悟父「ささ、遠慮なく飲んでください先生方!」
楓「すいません、ありがとうございます。」
先生「いや〜どうも、美味しいお酒ありがとうございます。」ヘラヘラ
龍悟母「あなた、程々にね。」
龍悟父「へいへーい。」ニヤニヤ
龍悟「親父と先生は早くも酔っ払ってやがる。こりゃ後が大変だぞ。」
子供達をよそに大人達は月見酒を堪能していた。
龍悟父「おーい龍悟〜、お前も飲むか〜?」ケラケラ
龍悟「馬鹿言ってんじゃねえ。」
先生「う〜、つれないなぁ〜龍悟く〜ん。」ベロベロ
楓「先輩飲み過ぎですよ。」
龍悟母「楓さん、終わったら車で送るから。」
楓「すいません、お世話になります。」
予想の斜め上をいく状況に。全く酒好きはしょうがねえな。
まあ俺も三年後には飲んでるかもしれないが。
しばらくどんちゃん騒ぎが続き、夜9時にお開きとなった。やっぱりここに来てよかったな。