いなとかびより   作:magnumheat

3 / 27
お気に入り登録してくれた方がいたことがわかり、すごくうれしいです。では、主人公の初授業から放課後です。


授業~放課後

ピンポンパンポーン、宮内先生の手鳴らしチャイム(小さな鉄琴)の音と共に、校初日の授業が始まった。

授業といっても、このクラスは学年バラバラなので、それぞれが自分の学年の問題集をやる自習形式だ。

しかし、この中で唯一の高校生である俺は、他の子と違って、問題集について質問できる相手がいない。肝心の宮内先生は何故か授業中寝てることが多いので宛にならない。その代わり他全員の質問相手にはなれるのだが。ちなみに得意科目は英語で、それ以外は普通である。さて、問題集やりますか。問題集を開き、問題を進める。

 

夏海「あーわかんない。わかんないから遊びに行こっかなー。」

小鞠「ちょっと、ちゃんとやんなさいよ。わかんない所教えるから。」

 

少人数だから静かな授業になるかと思ったが、そうではないようだ。夏海以外はみんな集中している。それを考えると夏海が心配だった。こりゃ小鞠も苦労してんだろうな。

そんなことを考えてたのがわかったからか、今度は俺に質問してきた。

 

夏海「そうだ、龍ごん高2だっけ。ちょっとこれ教えてくんない?」

 

小鞠「夏海、龍ごんの邪魔しないの。」

 

龍悟「別にいいぜ、質問してくれて。」

 

夏海に問題の解き方を教えると、何とかとけた。

 

夏海「さすが高2だなー。龍ごん勉強できる方?」

 

龍悟「英語が一番で、それ以外は普通だな。」

 

夏海「みんなも龍ごん頼るといいよー。」

 

小鞠「じゃあ時々頼ろうかな。」

 

蛍「龍悟先輩がいると心強いですね。」

 

れんげ「うちもたまにお願いするかもなのん。」

 

卓「・・・・!」

 

おい、俺は先輩であって先生じゃねえぞ。まあ肝心の担任がこの調子じゃ無理もねえか。頼りにされるのは嬉しいんだが。

 

ピンポンパンポーン、授業終了のチャイムが鳴ると、みんなそれぞれに問題集を提出した。

 

夏海「終わったー!ボールで遊ぶぞー!」

 

れんげ「遊ぶのん!」

 

えらいテンション高いな。まあ気持ちはわからなくもないが。

 

小鞠「何して遊ぶ?」

 

夏海「中当てはもう飽きたしなー。」

 

蛍「せっかくだし、この際龍悟先輩に決めてもらいませんか。」

 

夏海「ほたるん、ナイスアイデア!」

 

俺が決めるのかよ。まあいいや。

 

龍悟「じゃあPKしないか?」

 

れんげ「ぴーけー?」

 

夏海「サッカーゴールにボールを蹴り入れるやつだよ。」

 

れんげ「なるほど、そういえば古いサッカーゴールあったのん。

 

小鞠「じゃあ決まり。」

 

龍悟「俺がキーパーやるから。」

 

蛍「先輩ありがとうございます。」

 

そうして俺達はPKをしに校庭に出た。

 

龍悟「それじゃあ、まずれんげから。」

 

れんげ「いくのん!」

 

れんげは勢いよく走り、思い切りボールを蹴ってきた。意外と速かったので、思わず飛び込んでボールを受け止めた。

 

そのとき、ポケットからスマホが飛び出してしまった。

スマホはデリケートなイメージがあるので、地面に落とすと不安になる。

 

蛍「先輩、これ。」

 

龍悟「ああ、すまん蛍。」

 

スマホを蛍から受け取った直後、れんげ、夏海、小鞠が興味津々な表情でスマホを見つめた。

 

夏海「これが今流行りのスマホ!」

 

小鞠「すごい、テレビでしか見たことないよ!」

 

れんげ「おー!ハイテクなのん!」

 

蛍「私も生で見るのは初めてです!」

 

龍悟「そ、そうか。」

 

まあこれは仕方ないよな。せっかくなので、しばし皆に触らせてあげた。

 

そして放課後。真っ直ぐ帰ろうとすると、れんげが家に寄ってほしいと言ってきたので、そのままみんなでれんげの家に行くことに。

 

行く途中、俺の通学路の途中にあるバス停からバスに乗った。聞くところによると、皆偶然このバス停までバス通学してるらしい。てことは、これから毎朝ここから皆と歩くな。

 

れんげの家に着いた。田舎っぽさ溢れる家だけと、何だか温かみがあるなあ。ちなみに玄関の鍵は閉めないことに俺と蛍は驚いた。まあこのあたりならそれが普通なんだろうな。

家の中に入ると、またいい感じだ。畳の部屋に炬燵とみかん。風情があるなぁ。

 

れんげ「みんなにみせたいものがあるから、庭に出るのん。」

 

言われるまま庭に出た。広いな。

するとれんげは、口に指をあてて息をふーっと吐く。

口笛のつもりなんだろうが、鳴ってない。

しばらくすると、

 

ガサリッ

 

茂みから狸が出てきた。

 

夏海「れんちょん狸かってたの!?」

 

れんげ「名前あるのん。」

 

龍悟「何だ?」

 

れんげ「具!」

 

具? 狸汁をイメージしてるのかも知れないが、そのネーミングは如何なものかと。ちなみに俺は動物が苦手だ。というのも、幼いころ犬に噛まれたのがトラウマだからだ。

 

れんげ「龍ごん、具は大人しいから大丈夫なのん。」

 

龍悟「そ、そうか。」

 

ビビってるのばれたー。

 

龍悟「ん?」

 

足下をみると、具が体を擦り付けていた。これはなつかれたってことか?恐る恐る頭を撫でてみた。

なかなかいい手触りだ。

 

龍悟「本当に大人しいな。安心したぜ、れんげ。」

 

れんげ「えっへんなのん。」

 

ここに住んでればこのトラウマもそのうち消えるかもな。俺は自分なりに田舎のよさを理解できたような気がした。ここでの学校生活も悪くはないな。




ボール遊びを中当てからPKにしてみました。原作の背景にもとづきながらオリジナル要素を盛り込むのは楽しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。