ロミッタバンド団のお通りだ! かわいいでしょ? 作:カトラス@リトルジャックP
【第5分区・大手書店】
「えーと、週刊新聞と芸能情報誌とコミックスと…たくっ、女にエロ本を買わせるな」
ローギは買い出しメモを読みながら、口で言うより他愛もなくエロ本を買い物カゴに入れていく。
大体部屋で本を読んでるのは殆どゲグなのだからヤツが買い出しに行けばいいのに、と思いつつも。
まあ実際、ローギも時間を持て余した時に雑に読める本があるのは有難く思っている。
何より「本は芸の種」としてお師匠様の金で買えてるから最高だ。
――
「ただいま。誰も居ないのかい?」
来電座のいつもの部屋には、いつもの騒がしさはなかった。
ローギはエロ本だけをゲグのベッドにはたき捨てると、テーブルに縦置きされた芸能誌を最新の物に替え、買い置きの出来合い紅茶を飲みながら穏やかに新聞を開く。
今週のラヴニカも平和で素晴らしい。
などとゴチていると。
「ただいまー!」
賑やかなお師匠様が帰ってきた。
「おかえり、お釣りはテーブルに置いてあるよ」
ロミッタは向かい席に座ると、紅茶をカップに注ぎながら聞いてくる。
「どう?なにか面白い記事はある?」
ローギはしばらく悩んで、
「なにもないね、良い意味でも悪い意味でも、いつものラヴニカさ」
と返して、新聞を畳む。
「ロミッタ、ゲグはどこに行ったんだい?」
視線を向けるとロミッタは芸能誌を読んでいた。
「天使の女の子と遊んでくるってさ」
ロミッタはあっけらかんと言う。
「またかい」
ローギもさして興味はないと返す。
しばらく間をおいて、
「天使なんかのなんがいいんだか」
ローギはつい口をついて出てそう言う。
「知らないわよゲグの性癖なんて」
気が付くと女子の下世話で赤裸々な会話の雰囲気に部屋はなっていた。
ロミッタは本を置いて話を聞く。
「大体ローギはなんで天使がそんなにイヤなの?」
「ああ、あたしゃ軍を辞めて以来どうも天使がダメだ、どうにも天使を見るとボロス軍に居た頃の習性で畏まっていけないよ」
「ああ、へぇーそういうのもあるのね」
ロミッタは興味深そうに聞く。
「あぁ、ロミッタは上司も親も友達もゴブリンだから珍しいか」
何の気のない言葉である、
失言に気付くのは、
「…?ローギの親はゴブリンじゃないの?」
いつだって言いっぱねた後なんだ。
重たい沈黙、
あたしが二の句を次ぐ前に、
「…あ、ごめん。忘れて」
ロミッタはそう述べると顔を背けた。
「ああ…いや、気にしなくていいよ。あたしを育ててくれたボロスの人間は良い人だったよ。いや、だから」
ガチャ
「ただいま」
間が良いのか悪いのか、ゲグが帰ってきた。
ロミッタは無言で顔を壁に向けたままだ、だがあたしにとってこれはチャンスだった。
「やあ、お師匠様の金でやる天使風俗は楽しいかい?」
ローギは話を無理矢理引っ張ってそちらに向ける事にした。
「…っ、年頃の男はどうしても溜まるもんがあるんすよ…」
ローギは嘆く、なんでこんな時に限って買い言葉を返してくれないのか。
だがこういう時にムードを変えるのが我らが歌姫である。
「天使さま、いいじゃない!今度飾り羽着きの衣装とか作ってみようかしら?」
ロミッタはそう言いながら力強く右腕を振り上げて立ち上がる。
「おお!ロミッタには似合うだろうな!俺の秘蔵の天使エロを見せようか?」
「あははっ、いいわね!衣装の参考になるわ!」
二人は平常に戻った、ならばあたしも戻らねばならないだろう。
「やれやれ、特注衣装は高く付くよ?」