ロミッタバンド団のお通りだ! かわいいでしょ?   作:カトラス@リトルジャックP

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実際ロミッタ団のショーってどんな感じなの?

【来電座・ステージ】

 

~♪

 

「足枷も絡む程に~♪幸福求めてみたーいぃ♪」

 

ロミッタ団のショーが行われていた。

過激なショーもある中で、観客達の数少ない癒やしの時間でもある。

 

ゴブリンしか居ないのもあり、比較的【安全度が高い店】と世間的にされている来電座だが、

ナイフ投げの的にされたり、服に爆竹を入れられたり、電気ショックを食らったり、股間を強打してどれぐらい高い悲鳴が出るか試されたり、

しない訳ではないのだ。

 

最も、ラクドスの劇場に「癒やし」を求めて来ているとしたら、おそらくそいつが一番狂っている。

 

「両手枷に繋がれても♪踊り続けてみせっるわー♪」

 

~♪

 

「誰だってぇ♪世界に繋がれた囚人~よ♪」

 

「でも、この世界でなりたい者になると決めたその日から!」

 

「世界は輝いた!この牢獄は無限の舞台よ!」

 

「いいぞー!」「かわいいぞー」

「お、おー …?」「ロミッタちゃんにもう一杯!」

いつも曲に挟まるその決めゼリフに喝采が上がる。

観客の、一部は心から、残りは雰囲気で。

 

 

~♪

「願いが~あれば~♪世界はこんなに華やいで~♪」

 

正直な話、今日は客のノリが割と良い。

だがロミッタは何の反応もない時も、罵詈雑言が飛び交う中でも、ショーをやめる事はない。

 

以前ロミッタに向けて罵声とともに酒瓶を投げつけたバカが居て、

さすがにバンドメンバー二人がブチキレてその客に電撃魔術と椅子による執拗な殴打を加えつつ黒服も混じって店中を大騒ぎになってもロミッタ一人歌い続けていたのは、

来電座武勇伝の一つとして同座の講談演者達が挙ってやり始めた程である。

 

~♪

 

「貴方も、なりたい者になれるー♪」

 

「世界は、夢舞台ー♪」

 

~~~♪!

 

そうして締めの演奏が図られ、

バンドはお辞儀をする。

 

パチパチパチパチ!

 

「みんなーありがとうー!」

 

手を振るロミッタへの反応も、今日は好意的な雰囲気だ。

 

「どう?ロミッタちゃんかわいい?」

 

「おー!」

「じゃないかー?」

 

「嬉しいわ!みんなありがとう!」

 

 

 

「素晴らしいロミッタの歌唱でしたね!」

 

ステージと歌姫の対話がまとまった瞬間に進行役が次に繋げようとした。

それに気付くとロミッタは笑顔で手を振りながら、舞台袖へと進む。

 

「次のショーはみんな大好き爆竹野郎のバクチマルだー!!」

 

 

 

――

 

【来電座・舞台裏】

 

「ようお疲れさん、今日はえらく好評だったな!」

 

そう声をかけるのは座長である。

 

「お疲れ様です」と一同が一礼し頭を下げる。

 

別に何か悪い知らせがある訳でもなく、座長は現場主義であり、可能な限り役者の受け方は肌感で確かめておきたい派なので、ここに居るのはあまり珍しくはない。

 

「いや、いいね。大分安定感が出てきた」

 

と座長が嬉しそうに言う。

 

 

「ロミッタの歌はいつも完璧ですよ」

 

「あたしらの演奏は日によって良い日悪い日がある、ロミッタはそれがない」

 

と言うと座長の目が鋭くなった。

 

「いや、俺から見るとロミッタも調子が良い時と悪い時はある。むしろ一流の役者ってのは”調子が悪い時に絶賛される”ぐらいにならないとな」

 

それを聞いてきりりとする二人に、こう続ける。

 

「でもお前らも日々上達してるじゃねえか!まだまだ役者人生は長いぞ!」

 

そうして機嫌良く座長は次のショーを見るのに集中しだしたので、三人は部屋に戻っていった。

 

 

 

 

――

 

【来電座・演者用下宿】

 

「ぃいっやったぜ!!」

 

ローギは高笑いしながらエールを飲んでいた。

 

「乾杯だ!今日までの俺達に!」

 

ゲグも大層満足そうにエールを飲んでいた。

 

「ええ!ロミッタ団の栄光は間違いないわ!」

 

ロミッタも満足そうだ、珍しくエールを飲んでいる。

 

 

「めでたいねぇ、ロミッタから飲もうなんて提案されるのはそんなないよ」

 

「ええ、お酒は体に悪いもの!あははっ!」

 

ロミッタはそう言いながらもエールを手に朗らかに笑う。

 

 

「そうかそうか、ハッハッ」

 

「まあ、仲間と飲んでるのは楽しいわ。そう思える仲間が出来たから、私は幸せ者よ」

 

「ああ、無理すんなよ。ロミッタ本当にめったに飲まねんだから」

 

 

 

 

そんな訳で小さな祝杯も終わり。

 

ロミッタはベッドに入って考える、酔いが回ってつい尊大な事を考える。

いつか、偉大なるラクドス様の御前で歌を捧げ、私を「かわいい」と言ってほしい。

 

願わくば、その時隣に立つのはこの二人であってほしい、と。

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