ギルドナイト一行を乗せた擬装客船は反王政勢力によって凶暴化されたモンスターを次々と撃破しタンジア港へと帰還しようとしていた。
白猫はまた裸で寝てしまった事を嘆きつつ甲板に戻り話を始に加わる。
「反王政勢力って奴は何考えてんだよ。」
「彼らの思考は分かりません、わざと龍の怒りに触れる事をしているようで。」
「そうね、原始時代の社会制度が好きなのかしら?国も村も無い、あるのは家族のみ、その家族でさえ裏切るかもしれないそんな時代に戻したいのかしら。」
「奴らが竜、そして龍の凶暴化に関わっているなら自力でそれを止められる筈、龍大戦の再来を自ら起こし、自ら集結させる。そして自分達の権力を手に入れようとしてるんじゃない?孔雀の言ってることも私的には分からなくも無いけど。」
「そうね。」
しばらくの間沈黙が続いていたが、そこへ一人のギルドナイトがやってくる。モスフェイクを被っていて男か女か分からない。ギルドナイトには異性用装備を好んで着る変態も多いからだ。
「皆さん、四天王ですね?」中性的な声で言う。
「お、お前もしかして二つ名持ち筆頭、持ち前の観察力と知識からついた二つ名は生き字引!」梟が驚きとあまり叫ぶ。
「確かそんな名前を貰いましたね、お互いの事は基本的に知らない決まりですが、今回の件でそれももう無理でしょう。私の素顔を見せても問題ないですね。」
そう言うとその人はモスフェイクを脱ぐ、そこには長く伸びた金髪が美しい女性が居た。
「あ、貴女は我がままな第三王女?!」孔雀が言う。名匠はひっくり返っている。
「わらわもギルドナイトじゃ!お父様に無理矢理してもらったんじゃ。知識だけは沢山あるからわらわにも出来るだろうって言ってもらえたのじゃ!」
「本当だったのね、知識だけで二つ名持ち筆頭まで登り詰めた人間がいたなんて、四天王に次ぐ実力者だとか。」
「わらわは戦いは苦手じゃ、いつもはりゅーれきいん?とか言う所で研究に口出しとるのじゃ。なんだかんだでアトラル・カの生態を調べてあのベルナ村のハンターを助けてやった。」
「嘘だろ、ま、まさか本当に発想力と運と知識だけで登り詰めた人が居たなんてぇぇ。」名匠は人格が崩壊している。
「わらわは城の人間に見つかるとマズイので帰るのじゃ。またね。」
そう言うといつの間にか横付けされていた某国の紋章が刻まれた気球に乗り込み、帰って行った。
呆気に取られていた白猫達にまた人影が近づいてくる。
「すまんのう、姫がどうしてもって言うから、ワシが本物の生き字引じゃ。もう狩人はやめとるが、知識と推理力で数々の難事件を解決してきたんじゃ、凄いじゃろ?」
「ふざきんな!1111」白猫の怒号と生き字引(本物)の悲鳴がまだかなり離れているタンジアの港まで聞こえたのは後に伝説となったのであった。
白猫が帰路へ着いている頃。ゆうたは単身ドスランポスに戦いを挑んでいた。
「これはSEFIROSUのぶんだぁぁ」太刀で斬りつけるが弾かれる。
「今度はHUNTERのぶん!」また弾かれる。
しかし、下手くそながら怒涛の連撃にドスランポスは一方的に攻撃されていた。
(くそ、この程度の人間なら我の力で2分で殺せるはず。クソォ!)
そんな事を考えている間にまた切りつけられる。どちらかというと殴られている感覚だが、ドスランポスにはそんな事を考える余裕すら無い。
(雑魚だとばかりに油断したが故に仲間を呼ぶのを忘れていた。なんとか呼んだ手下も妙な煙で瞬殺。クソォ!)
「リバイのぶん!」また斬りつける。勿論オーラなど纏っていない。テキトーに太刀を振り回しているだけである。
(何故だ!何故だ!何故だぁぁ!地上最強の我、ドスランポスがこんな地雷如きに一方的にやられている。我の人生に敗北など無いのだぁぁ!死ねぇ)必死の蹴りがゆうたを吹き飛ばすが、すぐに立ち上がったゆうたに顔を切られる。視界が半分になった。
(クソォ、満身創痍のくせに、なんて強さだ。本当にこいつらは噂の「ゆうた」なのか?!)
「おれはなぁ、地雷とか雑魚とかふんたーとかゆうたとかいわれてきたけどなぁ!なかまをきづつけるやつわけつしてゆるさん!ふざきんな!111」
(人にはちみつをねだったり、寄生するのはいいのかよ?)
「おれはなぁ、はちみつをねだるし、他人を太刀でこかしたこともなんどもある!だがなぁ?お前と違って悪意のかけらもない!」
ドスランポスは気付いた、自分が悪意を持って人を襲っていた事に。ゆうたは決して悪意があるのではないと。しかし懺悔しようとした時には肉塊と化していた。
ドスランポスが息絶えると同時に黒猫がやってくる。
「お疲れ様。」
地雷とゆうたの差は悪意にある