東方再編録   作:ゆず1252

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見切り発進なので暖かい目で見守ってください!


プロローグ

「また僕は、守れなかった。」

 

そう膝立ちで呟く青年の目には、壊れていくかつて楽園と呼ばれた幻想郷。地が割れ、森は焼け、溶岩が顔を出し、結界が壊れたのかそこから黒い空間が広がっている。

 

「まだ、間に合うわ。」

 

後ろを振り向けば傷だらけの幻想郷の賢者が立っていた。美女と呼べるほどの顔立ちだった。だが顔は炎に炙られ、爛れていた。全身血だらけで怪我がない場所を探すのが難しいという言葉が良く似合う。

 

「諦めないで。」

 

そんな傷だらけになりながらも、凛とした声は変わらない。幾度となく期待を裏切ってきた僕に期待の目を向ける。

 

「どうしろって言うんだよ。皆死んだ!どう足掻いたってこの事実だけは変わらない!」

 

それでも彼女は目を逸らさない。

 

「何も出来なかった!気づいたら1人、また1人と死んでいった!」

 

彼は綺麗な黒髪だった。その一部の色が抜けてしまうほど…。自暴自棄になっている彼を見ても賢者は目を逸らさない。

 

「だから…だから。その目で見るのを止めてくれ。」

 

彼女が、紫が青年に向ける目は信頼。ただひたすらに信じてると、貴方なら必ずできると、そう目で訴えてくる。

 

「大丈夫、貴方ならきっと…。」

 

「そう言われて1回でも応えられたと無かっただろ!幽々子も!こいしも!咲夜も!お空も!霊夢も魔理沙も!両手じゃ足りないくらい命を取りこぼしてきた!」

 

そう、誰一人として救えなかった。傍にいたのに。その数を数えたらキリがない。なのに、それなのに紫は。

 

「それでも私は貴方を信じてる。」

 

満身創痍の体だというのに、優しく微笑んだ。

 

「貴方は救えなかったかもしれない。でもこれから、救いに行くの。」

 

「え?」

 

何を言っているのか意味がわからない…。だが答えはすぐに分かった。

 

「過去に…戻りなさい。」

 

「戻るって、どうやって!そんな方法があるならとうに使ってる!」

 

「月のアホ神からの、プレゼント。」

 

確かに仲は良かったけど、プレゼント如きでどうにかなる状況では無い。

 

「貴方の能力に上乗せ、すればきっと、ゴホッゲホッ!」

 

「っ!紫!」

 

血反吐を吐きながらも、その目は変わらない。いつまでも真っ直ぐ自分を見ている。

 

「だから、お願い。皆を救ってくれないかしら?」

 

「でも、、」

 

あぁ、これは。

 

「紫?」

 

ダメだ、もう。

 

「紫!」

 

死んでしまっている。

 

「なんで返事する前に、、」

 

絶望する心とは反対に妙に力が湧いてくる。

 

「あいつ、もう既に…?」

 

『 私は貴方を信じてる 』

 

1度たりとでも彼女の期待に応えられた事なんてない。応えられなかったから霊夢に重荷を背負わせた。

 

『 あんたやれば出来るんだから 』

 

あの巫女に言われて来た言葉。最後の最後まで僕を信じてくれていた。

 

『 お前は天才だと私が認めてやるぜ! 』

 

努力をする天才から認められた。

 

『 剣を交えてもなお底がしれないです 』

 

庭師兼剣士の彼女からは賞賛の言葉。

 

 

「今思い返せば、こんなに褒められていたんだ。」

 

笑いが込み上げる。自虐的な笑みではない。

 

「僕も皆を信じてる。尊敬してるし大好きだ。」

 

そんな人達からこんなにも褒められている。

 

「俯いている場合じゃない。」

 

立て。前を見ろ。

 

「歩け。諦めるな。」

 

1度たりとも信じられなかった自分を、

 

「今信じろ。僕なら出来る!」

 

自分に言い聞かせるように、鼓舞する。大丈夫だ、絶対できる!出来ないはずがない!

 

「 再編《リメイク》」

 

能力を発動させ時間を巻き戻す。

 

覚悟を決めた。だが涙は止まらなかった。

 

 

頑張って

 

 

後ろからみんなの声が聞こえたから。




一応プロローグはここで終わりです!主人公の名前は次回!
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