東方再編録   作:ゆず1252

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憤怒

 

「ハァァ!!」

 

少女が振るうモノとは思えぬ速度で繰り出される連撃。それに負けずと、零も刀を振るう。

 

「っ!?」

 

だが、練度は凄まじいが経験が足りなかった。相手の刀ばかりに気を取られ、足払いに気づけず体制を崩す。

 

「シッ!」

 

体制を崩した妖夢に襲いかかる踵回し蹴り。

 

「グッ!」

 

ギリギリ防御が間に合い、受け身を取る。

 

「やりますね。実戦経験が少ないのが仇となりましたか。」

 

「どうも。そう言いつつもガードされると心に来るね。」

 

お互いがお互いを認め合っている。零は元からだが、妖夢はこの短い剣戟で、零の実力を感じ取り尊敬の意を送っている。

 

「体の緊張も解れてきました。」

 

「へぇ、本気じゃ無かったんだ。」

 

一瞬だった。懐に入られた!

 

「なので、貴方も本気を出してください。」

 

下段からの切り上げを繰り出されたが、辛うじて後ろへ避ける。しかし浅くはない傷を負ってしまう。

 

「…。分かったよ。」

 

妖夢にとってこの戦いは自らの主の為に戦っている。しかし零との戦いは学べるものが多いと感じ、負ける気など無いが勉強もさせてもらおうと考えていた。

 

「でも、僕の戦い方は参考にならないから真似しないでね?」

 

考えが読まれた?と思考するが、それは無いといつ結論に至る。恐らくシンプルに顔に出ていたのだろう。気を引き締めなければ。

 

「じゃあ、行くよ。」

 

間合いに入り、横薙ぎに振るう。

 

「甘いですよ!」

 

それを下からカチ上げる。仰け反った所へ突き。

 

「フッ!」

 

それをバク転しながら蹴り上げる。

 

「なっ!?」

 

必然的に仰け反り、そこへ突きを放つ。が、どうにか体を逸らすことで避ける。

 

「まだまだ!」

 

そのまま体を回転させ切りつける。それを防ぎ、切り返そうとしたが、

 

「空破掌」

 

破裂音と共に吹き飛ばされた。

 

 

 

 

「うっ、」

 

「まだやれそうかな?」

 

朦朧とする意識に喝を入れ立ち上がる。

 

「ハァ、ハァ。まだまだ余裕、ですよ?」

 

「そっか。でもそろそろ時間が無いみたいだから次で終わらせよう。」

 

妖夢は正眼の構え。零は下段の構え。

 

「行きます!!」

 

「…。」

 

掛け声と共に踏み込み、上段から振り下ろす。技も駆け引きもクソもない、ただ全力で断ち切ると言う気持ちで力を込める。

 

(あぁ、あの目。懐かしい。僕と妖夢が出会って、一緒に剣の稽古をしている時だけ強い目をしていた。だからこそ、勝ちたい。妖夢と共に作り上げた剣技で勝ちたい!!)

 

「零式剣術 ー 一ノ型 零線!!」

 

振り下ろしてきた刀を斜め下から全力で叩く。その反動を使い妖夢に向かい切りかかる。

 

「っ!?」

 

反応出来るとか見えるとかそういう生易しいものでは無い。見えていようと反応出来ようと、刀ははじかれ体勢は崩れている。つまり避けようが無い。

 

カチン、と鞘に収める音ともに妖夢が倒れる。

 

「峰打ちだから安心していいですよ。」

 

「気づいていたのね。」

 

咲夜さんが後ろから現れる。

 

「あれ、霊夢は?」

 

「先に行ってるはずだけれど。」

 

「気づかなかった…。じゃあ僕らも行きましょう!」

 

「そうね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

「!?」

 

叫び声が聞こえ、空を見上げると木に追われる魔理沙がいた。

 

「咲夜さん!霊夢を頼みます!」

 

「分かったわ!」

 

能力を使い瞬時に空間を移動し、魔理沙の近くに現れる。

 

「れ、零!?」

 

刀を抜き、脇構えの体勢。

 

「ニノ型 ー 蛇腹切り!!」

 

向かってくる木をめった切りにする。

 

「す、すげぇ。助かったぜ…。」

 

「早く霊夢の所にいこう!」

 

 

 

 

 

 

 

「不味いわね…。」

 

「霊夢大丈夫か!?って、なんで紫までいるんだぜ!?」

 

「零、アレを封印するわ。」

 

魔理沙の話を聞く暇も無いと無視をし、簡潔に対応を告げる。

 

「封印?」

 

「幽々子を取り込み更に力をつけてしまった。今出来るのは封印が精一杯よ。」

 

ここで1つの疑問が生まれる。

 

「幽々子さんはどうするの?」

 

この問い掛けに苦い顔をする紫。それが答えと言わんばかりに。

 

「ダメだ。」

 

「それ以外方法がないの。」

 

「僕があの化け物を弱らせて幽々子さんを助け出してみせる。能力を使えばなんとかなるはず。」

 

「貴方はあの凶悪さを分かってない!アレは全ての命を吸い取る。本来ここに居るだけでも危険なのよ?」

 

だからどうした。

 

「僕がここにいる理由。もしここで見捨てたら意味が無くなってしまう。」

 

危険なのは百も承知。

 

「死かもしれないのよ…。」

 

「かもしれない。でも逃げ出したら多分後でもっと死にたくなる。」

 

経験済みなのだ。その苦しさを。もうあんな思いをしたくない。

 

「僕が引き付けている間に封印の準備を。魔理沙と咲夜さんは霊夢と紫の援護をして。」

 

「おいおい!一人でやる気か!?」

 

「君じゃ無理だ。邪魔になるだけ。」

 

冷たい言葉を突きつける。零の目を見ればわかる、もういつもの零では無いと。それくらいに冷たい目をしていた。

 

「アイツが…。」

 

ボソッと呟く声が聞こえた。

 

「アイツのせいで…。」

 

あの化け物との戦いで魔理沙は片目をやられてしまった。どうにか封印は出来たが被害は甚大、勝ちとは言えない勝利だったのだ。

 

「殺しはしない…。でも死ぬほど苦しいから覚悟しろ。」

 

例え、その苦しみが幽々子にも行くとしても関係ない。自業自得だ。

 

「ここから先は地獄だよ?」

 

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