とりあえずこうまた勢いで書いたけれど後悔はしていない。だから私は短編で乗り切ろうと思っている……いいね?(遺言
「ヒイィィィィィ!!どうしてこのオレがこんなことをせねばならんっ!!」
絶叫を上げながら全力疾走で地を駆ける。背後から近づいてきている存在をチラリと確認すれば更に情けない声を上げながら少年は走る。死に物狂いで走っている少年を追いかけているものは個別として見るならばバラバラではあるが存在としては同一でありその数は軽く十を超えていた。
「あの男このオレを騙しやがったな!初めから美味しい話だと思ってはいたがその代償としてこれだとっ!?くそっ、魔導士たるこのオレがなぜ肉体労働などせねばならん……っ!アレほど戦力外だと口煩く言ってきたはずなのに魔物の相手などこのオレができるものかっ!」
怒りを発散するかのように大声を出しているが聞けばその内容は情けないと呆れられるだろう。走るその姿はまだ余裕がありそうに見えなくはないが少年としては限界はとっくの前にきており気合いと根性だけで疾走している。魔物を倒すどころか鬼ごっこのように追いかけられている姿はさぞ情けなく見えるが少年んにとっては死活問題だ。少年はこの状況を打破できるモノを探すかのように周囲を必死に見渡していると前方に2つの人影が見える。その2つの人影を発見するや否や迷うことなく少年はその2つを目指し最後の力を振り絞り全力で走る。
「だあぁぁぁぁぁ!!この悪魔どもめっ!あとはお前達の仕事だっ!」
「おう、よく引き受けてくれたな。お言葉通り私たちがあとは引き受けるぜ、大将」
「……はぁ、一応はアレでも守るべき対象ですから手は抜きませんよ。私情を挟むようなことはするつもりはないので」
長身な少女が豪快に笑えばその対比としてローブを纏った少女は呆れており辛辣な言葉を送る。ローブを纏った少女の言葉にカチンと来た少年は中指を突き立ててすれ違うが呆気なく無視をされ体力を使い切り地面に引き寄せられるように速さを維持したまま倒れ込んでいく。倒れ込んでいる少年が最後に視界に入れたのは自身を地獄の果てまで追いかけると意気込んでいた数十の魔物が2人の少女に呆気なく退治されるところだった―――――
◇◇◇
「貴様っ!どうなっているっ!?あんな肉体労働をすることなどオレは一切聞いていないぞっ!!貴様はオレを殺す気かっ!?」
ビブリア学園の中でも最も安全な場所でもあり人気の無い場所である一室、学園長室内で机を激しく叩き抗議する彼はそこにいた。苛立ちを隠すことなく―――もとい八つ当たりを含めて胡散臭そうな服装に眼鏡をかけた男もとい学園長に詰め寄る少年はいかにも怪我をしましたと象徴するかのように頭に包帯を巻いていた。
「いやね、僕だってきちんと君の課題を解決するために考えた末で最適を選んだつもりなんだよ?」
「そうだとしてもオレを
「……はぁ、単に魔物数十に追いかけられたぐらいじゃないですか」
「ええいっ、黙れミラ!貴様はトリニティセブンの1人であり実力があるからあの恐怖を理解できんのだっ!」
心底どうでも良さそうに呟いた少女、山奈ミラの声を拾った少年は彼女に指を刺しながら抗議する。トリニティセブンに到達しているお前にはわかるまいっと抗議はしているがその過程でどれほど山奈ミラという少女がどれほどの努力したのかを知っている彼はそれ以上の抗議は口にはしない。まぁ、それでも怒ってはいるので遠慮なく文句は言ったりするが。
「まあまあ、落ち着けって。確かに危険な身にはあったけどなんとかなったし結果オーライじゃねえか」
「その過程としてオレは怪我をしたんだがなっ!みろ、この包帯をっ!迅速に対応してくれたアキオは流石と褒め称えるがそれとこれは話は別だっ!」
「その怪我は魔物によるものではなく最後に貴方が壮大に転倒したのが原因でしょう。魔物からの脅威は取り除きますがそれ以外のことについては業務外です」
「あははっ、それについてはミラちゃんの正論だね。流石に自分の不注意が原因の怪我ならしょうがないことだネ!」
「ええいっ!オレに味方はいないのかっ!?アキオっ、お前は私の味方だろうっ!?」
「あー……悪りぃ、今回は私も大将と同じ意見だわ。でも壮大に転倒して頭から血流してたのは大将も私も心配してたからそれで許してくれって」
「ぐぅ……仕方あるまい今回は潔く引き下がろう」
長身な少女、不動アキオによる言葉が理由がそれとも自身に味方がいないとわかり不利であるのをわかったから分からないが先程まで騒いでいた少年は渋々と下がる。まぁ、この話を聞いている限り10割中10割が少年が悪いのであるがそれを口にしないのは彼女たちなりの優しさだろう。
「それにしても課題というのはなんなのですか。学園長、私たちを同行させて
「うん、単純な話として彼の点数稼ぎだネ!最近サボり続けると報告があって退学されないための点数稼ぎサ」
「はははっ、らしい理由と言えば理由だなっ!そんな危ない理由でもないかぎり私たちに仕事を手伝う理由はないか」
「当然だ。オレはここから追い出されたら即座に死ぬ自信があるからな。退学をして死ぬぐらいなら
さも当然だと胸を張るように言葉にするが最低なことには変わりない。退学を避けるための点数稼ぎに
「……はぁ、呆れました。退学から逃れるためにこんな危険な橋を渡るようなことをして。そもそも退学の危機に陥るほどのことをなにしたんですか」
「そんなものは単純明快だ。授業をサボっていたに決まっているではないか。このオレともなるとあのような基礎は話を聞く必要がないからな!」
「知識だけなら他の人よりも多いからな兄貴は。まっ、それを実戦に使えるかとなると話は別だと思うけど」
「う、うるさいやい!オレだっていずれお前たちを超え偉大なる魔導士の1人となってみせるとも!」
「それでしたら真面目に授業を受けるべきですね。それにこれ以上授業をサボってしまえば浅見先生から何をさせるかわかりませんよ」
「ひいぃぃ!やめろあの女の名前を出すのは!どういうわけか最近放課後になれば教室から逃げる前に先回りされて強制的に課題を出されるんだっ!それに挙げ句の果てオレが課題が終わるまで監視されるんだからなっ!」
「それは単純に貴方の日頃の行いが原因でしょう……浅見先生が監視するなんて余程のことじゃないですか」
「馬鹿言え!確かにオレ自身の日頃の行動は優等生と言われればNOだと否定されはするが優秀であるには違いない!それなのにアイツは一方的に決めつけ監視をしてくるのだっ!なにが目を離せば逃げるだと?そんなことするわけないじゃないかっ!このオレだぞ!?」
そんなこと信じられるかと声を大にして上げるが悲しいことにこの場に少年の言葉を肯定してくれる人は誰一人いなかった。山奈ミラはその貴方だから信用されないんですよっと静かに現実を突きつければなにぃ!っと少年は声を荒げその2人を不動アキオが宥める。
「あははっ!本当に君たちは仲良しだねぇ。どうだい?このまま
「オレを殺す気か貴様っ!?確かにミラとアキオと共にいれば死ぬ確率は減るかもしれんが絶対ではないっ!崩壊現象の現場へと直接行く回数が多い2人についていけばオレの身が持たんっ!」
「流石に私たちも崩壊現象の時は気を回す余裕はないからなぁ。兄貴だって私たち以外と組む気はないんだろう?」
「当たり前だ。このオレの命を預けるには貴様たちトリニティセブンでもないかぎり御免だっ!」
「それを私たちを信頼していると思えばいいのか正直複雑ですね……」
「はははっ、いいじゃないか大将。兄貴は私たちのことを信頼もしてるし信用もしてるってことさ。そうじゃないと今回の仕事についてくるなんてないだろ?あの兄貴が命を預けるってのはまずないからな」
「当然だ。オレの命は軽いものではないからな、後に大魔導士となるこのオレの命を預かるというのは名誉のあることだ。そのことに胸を張るといい」
「はぁ、そうまで強気に言われると怒るのが馬鹿らしくなってきます。とりあえず褒め言葉として受け取っておきますよ」
怒ることも文句を言うことも疲れたミラはため息を吐きながら彼からの褒め言葉(?)を渋々と受け取る、というか受け取らないと色々と面倒いのが彼である。ただトリニティセブンの1人として絶大な信頼を置かれているというのは山奈ミラとしても悪い気自身はしていない。
「それでは学園長、私たちはこれで失礼します」
「うん、お疲れ様。ミラちゃんとアキオちゃんも数日ゆっくりと休むといい。たまにはのんびりする日も必要だよ」
「まっ、それについては大将次第ってことで。それじゃあな、兄貴」
「ああ、2人とも今日はよくやってくれた。ふっ、数少ない休暇を存分に堪能するがいい」
魔物に追いかけられだけで何もしていない男が上から目線で褒めてくるがそんな彼と付き合いの長い2人は一々気にかけることはない。最後に2人が退出する前に少年は何か思い出したのかポケットから取り出して退出する2人に声をかけそれを2人に投げる。ミラは危うげに投げられたモノをキャッチしてそれがなんなのか確認すれば古びた黒の財布であった。
「これは……財布ですか?」
「それはオレからの奢りだ。頑張ったものにはその褒美を上げなければならないからな。少ないかもしれないがそれで食堂でも行き好きなものでも食べるがいい」
「それは助かりますが財布ごと渡しますか普通?」
「ふんっ、貴様たち2人は信頼していると言ったろ?それに盗まれるほどの大金は入っていないからな」
「流石兄貴だ、太っ腹っ!よし、大将このまま食堂に行くとしようぜ。小腹も空いてたところだしな。財布は後できちんと私たちが返しに来るから安心してくれ」
それじゃあな兄貴っと屈託のない笑顔を浮かべながらアキオは退出しありがとうございますっとお辞儀をしてミラは去っていく。その2人を見送った彼は目の前にいる学園長にへと身体の向きへと変えればニヤニヤと気味の悪い笑顔を浮かべていて若干引いてしまう。
「な、なんだその気持ち悪い笑顔は」
「いやー、本当に仲がいいと思ってね。それに君が慕われる理由もよくわかるよって思っていただけさ」
「ふんっ、頑張ったものには褒美を与えるのは当たり前のことだ。それで?オレにはまだ話があるんじゃないのか?ないのならサッサっと帰らせてもらうぞ。こう見えてもオレは忙しいからな」
「まあまあ、そう急ぐ必要はないじゃないか。僕が確認したいことは君だってわかっているようだしね。……それで、彼女の反応はあったかい?」
学園長の口から出た”彼女”を誰のことを指しているのかわかっている少年は首を横に振る。それを見た学園長はそっかと力なく笑いながら椅子に深く座る。
「アイツの魔力残滓があればミラとアキオが早く気付いていたはずだ。アイツが最後に
「ごめんね。本来は君に頼むことじゃなかったんだけど……」
「ふんっ、それについてはオレが利害を一致したから協力しただけだ。何も言わないで姿を消したことについては文句の一つや二つ言わないと気が済まないからな。1発ぐらい張り倒さないとオレの気がすまん」
「いやぁ、それは流石にまずいんじゃないかな?男が女の子に手を上げるのは最低なことだしねぇ」
「そんなことはオレとて理解はしている。だが何も言わずに姿を消したことで迷惑をかけたというのを理解させねばならん。張り倒すのは撤回してもいいが説教の一つや二つさせてもらうからな」
「まぁ、それくらいなら大丈夫かな。でも君が危険を顧みず捜索をするなんて珍しいじゃないか。彼女と仲が良いのは知っていたけれどそういう仲だったのかい?」
「あんな気を抜けば他人の魔力を奪うようなことを画策している女などこちらからお断りだっ!アイツの捜索をしたのはあくまでもオレのためだ。いいかっ!あくまでもオレのためだから勘違いをするなよっ!」
「うんうん、そんなに言わなくてもわかっているとも。君はなんや感やで身内を放っておくことはできないし、見捨てるようなことをしないのはよく知っているさ」
「だからそうじゃないと言っているだろうっ!」
違うっと顔を赤くしながら彼は否定するが学園長はうんうんと頷きながら微笑む。傲慢で自意識過剰でよく調子には乗るが本質は人を思いやる心を持っている少年だ。口では否定しているが自身が止められなかったという後悔、そして彼女の周囲の人のために捜索を続けているのだ。
(素直にそう言えばいいのに本当に素直じゃないし捻くれているねぇ。でも、そこがある意味で彼のいい味を出しているのかな?)
「ふんっ、どうもまた変なことを考えているようだが今回は敢えてスルーしてやろう。なんせ私は寛大だからなっ!伝えたいことは終わった、彼女がいるかもしれない目ぼしい場所を見つけたのなら後で報告を頼むぞ」
「うん、その時はまたよろしく頼むよ。今回はお疲れ様」
次で終わればいいんだがなっと嫌な表情を浮かべながらボヤいているが彼は彼女を見つけるまでは捜索を続けるつもりだろう。そんなところは律儀というか頑固だねっと学園長が苦笑いを浮かべていると学園長室にノック音が響く。学園長としては特に予定がなからうが拒む理由もなく訪問者を通せばその訪問者に学園長は全てを察する。
「うん、とりあえずご愁傷様と僕は先に言っておくよ。僕からの忠告だけどとりあえず今後は真面目に授業を受けた方がいいんじゃないかな?」
「唐突に説教じみたことを言うなんてどうした?そもそも貴様は――――」
「――――やっと見つけましたよ。こんなところにいたんですね」
彼の言葉を遮るようにがっしりと肩を誰かに掴まれる。その声が誰なのかそして学園長の先ほどの発言により全てを察した少年の顔は見る見ると青ざめていきダラダラと汗が流れ膝もガクガクと震えていた。
「ま、待ってくれっ!オレは別に逃げたわけではないんだぞ?ただとても重要な任務があったのであって――――」
「言い訳は後で教室でたっぷりと聞いてあげますので今日の分の課題を早く取りかかりますよっ!私も暇なわけではないんですからっ!」
「だっ、ちょっ!?待ってくれっ、リリス様っ!?オレはまだ用事があるんだっ!!おい、学園長、いや学園長様助け―――」
「問答無用ですっ!」
彼の担任である浅見リリスに首根っこを掴まれ引きずられるように連行される中、最後の頼み綱である学園長に手を伸ばすが学園長はニコニコと笑みを浮かべて手を振るだけであった。氷のように冷たい彼女がいったい何をしているんだと学園長室前付近にいた生徒たちは興味本位で野次馬ができるが首根っこを掴んで引きずられている彼の姿を見ていつものことかとわかれば興味がなくなり離れていく。もはや日常的なことになっているとは知らない2人は騒がしく言い合いを始める。
「今日という今日は常日頃からサボっていることも含めてお説教をさせてもらいます。溜まりに溜まった課題だって半分も終わっていないんですからねっ!!今日中に半分は終わらせてもらいますっ!!」
「だぁぁぁぁぁ!お前はオレのお母さんかっ!?それにあんな課題の多さ今日中に半分も終わらせることなんざできるかっ!!そもそもその半分はお前の魔術によることではないかっ!もっと融通が効くようにしろ!だからお前のテーマは―――」
「ふんっ!」
それ以上先は言わせないとリリスは強硬手段をとり少年の首から鈍い音が鳴れば騒がしかった彼はピクリとも動かなくなる。動かなくなりズルズルと引きずられる少年の姿にすれ違う人々は哀れと思われつつ高確率で自業自得だと思われているため誰からも助けられずただリリスに連行されるのであった。
えっ、主人公の名前が出てない?…………君のような勘のいい読者は好きだよ((
いや、書き忘れとかじゃなくて仕様なんです。本当ですっ!名前を書き忘れとかじゃないんです!ちょっと悩んでるだけであって………(震え声
とりあえず今回の私の書くトリニティセブンはほのぼのをメインにしていきたいです(願望
だってシリアスとか本来あの作品あるようでないものだからさ……と、とりあえず短編ですぐ終わらせるからいけるいける(願い
とりあえず今回の後書きはここまでです。誤字&脱字の報告お待ちしております!
(えっ、ヒロインはどうせレヴィさんだろって?まだ決まったわけじゃないから((