楽しかった2日間を終え通常の冬休みに戻りキツい練習をし3学期初日を迎えていた。今日は月曜日という事もあり練習はお休みである。
始業式を終え帰ってきた俺とジャックはリビングで話していた。
「じゃあ俺は岩倉、松本、秋田の所行けば良いんだな?」
「ああ、俺は雅史と堂本の所に行ってくる。」
俺とジャックは練習休みで学校が午前中に終わるのを利用し同級生になる5人会いに行く。サポーターを渡す為と練習参加を促す為だ。
「サポーターは車に積んである。」
「わかった。じゃあ行ってくる。」
「じゃあ俺も行くか。爺、行こう。」
「はい、承知しました。どちらから行きましょうか?」
「そうだな。平塚に住む堂本の方から行こうか。」
「はい、かしこまりました。」
そう言ってうちの敷地内を出て高速に向かう。
着くまでに少し堂本太郎の話でもしよう。
堂本が所属する平塚シニアは正直弱い。だがその中で唯一輝いていたのが堂本だ。守備は正直見れたものではないが打撃は別でスイングスピードも早くパワーもありバットコントロールも抜群だ。
考え事をしていると、
「坊ちゃま、着きました。」
住宅街にある堂本の家の前だ。
「わかった。終わったら連絡する。どこかに車を停めて休んでるといい。」
「かしこまりました。」
それを聞いて俺はサポーターのケースを2種類持ち車を降りた。
ピンポーン
「はい、どちら様ですか?」
「大島と言いますが太郎君はいますか?」
「この声は大島翔斗か。ちょっと待ってろ。すぐに出る。」
そう言うとインターホンが切れた。
しばらくすると堂本が出てきた。
出てきてすぐに堂本が口を開く。
「久しぶりだな。夏の大会以来か。どうした?」
「ああ、久しぶり。楽翔高校に入るって聞いてな。」
そう言うと俺らは近くの公園に移動しながら話す。
「ああ、そうだがそれがどうした?」
「ああ、俺も楽翔でね。もちろんジャックも一緒だ。」
「春から同級生かよ。高校で楽しい勝負が出来なくなるのか。」
公園に着き椅子に座る。
「まあ俺からホームラン打ったのはお前だけだからな。練習時にでもしてやるよ。」
「ああ、それでもいいから頼む。それで今日はどうした?お前の事だ。ただ会いに来たわけじゃないだろう。」
「ああ、まずはこれを渡しておくよ。」
そう言って俺はサポーターケースを渡す。
堂本がケースを持ち上げようとして驚く。
「随分重いがこれはなんだ?」
「まずは開けて見てくれ。」
「ん?重い割にはサポーターか?お前が良く着けてるやつだろ?」
「ああ、鉛入りの特別製だ。」
「なっ!じゃあお前はハンデ付きでずっとやってたのか?呆れたやつだな。」
「まあ、それでだ、実は俺は先輩達と既に練習している。それで先輩達もそれを着けて練習中だ。」
「って事は俺にも着けろと?」
「着けるかどうかは任せる。お前の場合パワーはあるし肩も悪くない。けど足や守備の為には着けるのをオススメする。」
「スピードアップの為か。」
「ああ、それとちょっと距離はあるが来れる時だけでいい。練習に参加しないか?」
「ああ、俺も暇してたんでな。1度見に行こうと思ってた所だ。」
「それは良かった。だが学校に行っても誰もいないぞ?」
「どういう事だ?」
「ああ、練習場所はうちの敷地内で寮もあるんだよ。」
「そうか、お前の家金持ちだったな。忘れてたよ。わかった。行くよ。遠いから休みの日限定にはなるが毎週行かせてもらうよ。」
「良かった。」
「それで同級生は他に誰がいるんだ?」
「ああ、川崎シニアの2人と鎌倉シニアの奴だよ。後俺の相棒の雅史。」
「ああ、アイツらか。野本がいるのは心強いな。」
「ああ、俺はアイツのおかげで進化できている。」
「まあそれは行った時に見せてもらうよ。」
「ああ、寮に関しては自由だから。」
「それは親と話してみるよ。」
「わかった。さて、次は雅史か。」
「全員の所行くのか?」
「ああ、今日は練習休みだし学校は午前中で終わりだったからな。ジャックと手分けして俺は雅史とお前だけだよ。」
「そうか。これは早速着けさせて貰うよ。小さい方のケースが普段用でもう一方が練習用だ。洗濯はうちで専用のでする。」
「わかった。わざわざありがとな。」
「ああ、俺はそろそろ行くよ。」
そう言って俺は爺に公園にいる事をつげここに呼ぶ。
「これは俺とジャックの携帯の番号だ。」
「ああ、ありがとう。後でLINEしておくよ。」
ここで爺が到着する。
「坊ちゃま、お待たせしました。」
「ああ、ありがとう。堂本、それじゃあ来る時に連絡来れ。」
「おう。」
そう言って俺は爺と車に向かい乗り込んだ。
「坊っちゃま、どうでした?」
「ああ、上手くいったよ。雅史の所に頼む。」
「それはようございました。それでは向かいます。」
そう言って車を走らせる。また高速に乗り今度は雅史が暮らす施設向かう。