帰ってきた俺は日課の授業を済ませて風呂に入りリビングでジャックと話していた。
「そうかぁ〜 、明日から雅史も一緒か〜。」
ジャックはそう言って両手を上げて伸びをする。
「ああ、だから明日爺と引っ越しの手伝いに行ってくる。」
「俺も行こうか?」
「荷物少ないみたいだし大丈夫だと思うよ?それに明日は父さんがいないんだ。誰が投手陣の方に行くんだ?」
「あ、そうか。」
そう言ってジャックは頭を搔く。
「まあ夕食の時に紹介して後はいつも通りだ。」
「わかったよ。」
しょうがないって顔をするジャック。
「明日やらない練習分はどうするんだ?」
「ああ、雅史と2人で先輩達が授業の時に少しやるよ。今、何の練習をしてるかの意味も含めてな。」
「そうか。じゃあ俺はいつも通りだな。」
「ああ、そっちはどうだったんだ?」
俺が行かなった3人の事を聞いてみる。
「ああ、3人共週末参加で卒業したら即入寮出来るようにするってさ。」
「そうか。これで揃ったか。」
これである程度戦力が揃った形だな。
「ああ、一般入試組は誰が来るかわからんけどな。」
「確かにな。」
そう言って2人共考え込む。
その時、
「坊っちゃま、食事の用意が出来ました。」
そう言って爺が呼びに来た。
「じゃあ行くか。」
「ああ。」
今日はジャックの両親とお姉さんが残業で遅い為ジャックも一緒である。
2人で一緒に食事へと向かうのだった。
━━━━━━翌日━━━━━━━
学校が終わり帰って早々に雅史の手伝い来ていた。
「これが最後か?」
俺はそう言ってダンボールを持ち上げる。
「ああ、それで最後だ。俺は挨拶してくるから先に車に行っててくれ。」
「ああ、わかった。」
俺はそう言ってダンボールを持って爺が待つ車に行く。
「爺、これが最後だ。」
「はい、かしこまりました。」
そう言って俺からダンボールを受け取り車に積み込む。
積み込みが終わり爺と車に乗り待っていると
「お待たせ。」
そう言って雅史がやってきた。
「もういいのか?」
「ああ、行こう。」
そう言って車に乗り込む雅史。どこか寂しげだ。
乗り込むと施設の子供達がやってきてそれぞれ最後の別れを言っている。
「雅史にぃ〜ちゃ〜ん、頑張ってね〜。」
「会いに来てね〜。」
「翔斗兄ちゃん、雅史兄ちゃんをよろしくね〜。」
などなど。それに答えようと雅史はリアドアガラスを下げて、
「おう、お前らまたな。」
そう言って手を出して振った。
タイミングを見て爺は車を出し屋敷へと車を進めた。
「ふふっ、俺まで名前が出るとはな。」
決意を新たに雅史が口を開く。
「ああ、アイツらの為にも俺はプロを目指す。」
「ああ、頑張らないとな。」
俺は前世の事もあるがさらにプロを目指す理由が出来たような気がした。
「着いてからの話だが、まずは荷物を部屋に入れて住めるようにしてくれ。ゴミは爺に言えばゴミ捨て場に案内してくれる。終わったら連絡くれ。ジャージに着替えてな。今の練習を紹介がてら少し体を動かそう。」
「わかった。」
喋っていると敷地内に入り寮の前まで来た。
寮に荷物運び込みそれを終えると俺は一旦部屋へ戻った。
ジャージに着替えて部屋でくつろいでいると雅史から連絡が入る。屋敷の前まで来るようにLINEを入れて俺は部屋を出る。
食堂から授業の声が聞こえる。授業は始まったばかりだ。
そこを通り過ぎ俺は外に出て雅史と合流する。
「待たせたな。」
それを言うと投球練習場へ向かいながら話を続ける。
「先輩達は?」
「ああ、今は授業中だ。」
「授業?」
「ああ、ストレッチとマッサージの授業だ。1年生組は5月からの予定だ。」
「ああ、お前が通ってるやつか。今後の為にってやつだな。」
「ああ、プロを目指すなら必須だぞ?」
「ああ、わかってる。その時には一生懸命学ぶよ。」
そう言うと投球練習場に着いた。
投球練習場を見せて野手が練習している所へ案内しそこで練習内容を説明しながら体を動かし1時間で切り上げ2人で風呂に入り食堂へ向かった。
先輩達の喋り声が聞こえる。
中へ入っていき俺はすぐに雅史を紹介する。
「皆さん、隣にいるのが同じ1年生になる野本雅史です。」
そう言うと雅史が口を開く。
「野本です。キャッチャーでシニアでは翔斗と組んでました。よろしくお願いします。」
雅史が軽く挨拶をすると宇都先輩が口を開く。
「雅史、久しぶりだな。またよろしくな。」
「先輩、またよろしくです。今度こそはレギュラー奪いますよ。」
「お前も変わらんな。盗める物はどんどん盗め。そしてかかってこい。」
「ふふっ、そのつもりですよ。」
ここで館野先輩が口を挟む。
「おいおい、お前らだけで盛り上がるな。」
雅史がすかさず返す。
「館野先輩、大丈夫ですよ。」
「なんや紹介いらんがな。」
みんなが笑う。
「翔斗や海斗とビデオ見てましたから。」
「お前もかいな。」
ここで俺が口を挟む。
「まあまずは食べましょう。」
みんながそれぞれ食べ始めた。並んでいる食事が冷めないうちにと思い口を挟んだ。
それぞれが食べ終わり談笑してる中で俺は並んで座ってる佐竹先輩と今井先輩に声をかける。
「後で部屋に来てください。渡したい物があります。」
2人同時に、
「わかった。」
そう言うのを聞いて俺は部屋に戻った。
部屋に戻った俺は2人に渡す物を用意していると、
コンコン
どうやら2人が来たようだ。
「はい、どうぞ。」
そう言うと2人が入ってきた。
「渡したいのはこれです。」
そう言って俺は箱を渡す。
2人は箱を開けて見ている。
「これはゴムボール?」
「そうです。1ダースずつあります。出来る限りそれを持ってにぎにぎして下さい。握力強化の為です。」
微動だにせず話を聞いている。
「特に今井先輩はフォークを使うので頑張ってください。全てダメになったら言ってください。代わりを用意します。」
ここで今井先輩が口を開く。
「わかった。俺もどうやって強化しようか考えてた所だったんだ。助かるよ。」
「俺も中学入った時からずっとやってます。効果は絶対に出ますよ。」
ここで佐竹先輩が口を挟む。
「俺もこのやり方は聞いた事ある。やれるだけやってみるよ。」
「後、雅史とはコミュニケーションとってくださいね。」
「ああ、大丈夫。この後宇都もいれて4人で話すつもりだから。」
佐竹先輩がそう言って立ち上がる。
「話は以上です。」
そう言うと今井先輩も立ち上がり部屋を出ていった。
先輩達が出ていった後少し勉強をして寝た。
その週の土曜日お昼の食堂で残りのメンバーである岩倉、松本、堂本、秋武を紹介して現時点での全ての顔合わせが終わり週末だけだが全員で練習ができるようになったのだった。